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新春対談 京都の「ええもん」を未来へ、世界へ 文化首都、京都の幕開け

京都の「ええもん」を未来へ、世界へ 文化首都、京都の幕開け

三田寛子さん

三田 寛子さん
京都市出身。1981年「2年B組仙八先生」でドラマデビュー、翌年には歌手デビューし、以後CM、舞台、バラエティー組など多方面で活躍。91年、歌舞伎俳優、三代目 中村橋之助と結婚。3人の男子を授かる。 2015年9月、中村橋之助が八代目 中村芝翫を襲名、同じく、長男 国生が四代目中村橋之助を、次男 宗生が三代目中村福之助、三男 宜生が四代目 中村歌之助の襲名を発表。4人の歌舞伎俳優を支えながら、テレビ、雑誌、トークイベントなどで活躍中。著書『銀婚式』(中央公論新社)など。

京都府知事西脇 隆俊

京都府知事
西脇 隆俊

故郷・京都を離れ、外から見て気付く
「古くて新しい」京都の魅力と深さ

知事 私は昨年、知事に就任させていただき、約45年ぶりに故郷の京都に戻ってまいりました。知事として初めて迎える新年にあたり、京都ご出身の女優、三田寛子さんをお迎えして、京都の魅力の源泉や未来づくりについてお話ししたいと思います。ご存知の通り、三田さんは、日本の文化を象徴する歌舞伎の世界をご家族として支えてこられました。

三田 私は中学校卒業と同時に親元を離れ、東京で高校に通いながら芸能活動をさせていただく生活になりました。知事と同じく京都を離れて結構長いんですけど、離れてからの年月が長くなればなるほど、京都の魅力や奥深さに改めて気付きます。

知事 年末には新開場した南座で、ご主人の中村芝翫(しかん)さんと次男の福之助さんが一緒に舞台にお立ちになりましたね。

三田 はい。やっぱり南座は歌舞伎俳優にとって特別な場所ですから、家族としても本当にうれしくって。

知事 400年前に南座ができた時は、時代の最先端をいく劇場だったんですよね。

三田 きっと、そうだったんじゃないかと思います。京都って、意外と新しいもの好きなところがありますよね。それでいて、昔からある古いものも大切に温めて。

知事 確かに南座は、古くて新しい京都を象徴する存在の一つといえますね。

耐震改修を終え、2018年11月に新開場した南座
耐震改修を終え、2018年11月に新開場した南座は、
400年前からこの地で上演を続けてきた日本最古の歴史を持つ劇場
(写真=平成30年「吉例顔見世興行」より)

歌舞伎の演目の舞台となったリアルな場所を実際に訪ね、
体感できるのは凄いこと

知事 南座での公演時以外にも、ご家族で京都へ来られることはありますか?

三田 はい、私の実家が京都にあることもあって、子どもたちが小さい頃から、夏休みなどの機会に京都を訪れては、あちこちへ一緒に行っています。

知事 歌舞伎の演目の舞台になっているところも多いですからね。

三田 そうなんです。実際に演目の舞台になった場所を巡ることで、子どもたちにとって本当にいい刺激になったと思います。たとえば南禅寺の三門はまさに石川五右衛門が「絶景かな、絶景かな」のせりふを言う場所ですし、五条大橋に行けば弁慶と牛若丸がいますし(笑)。

知事 歌舞伎のヒーローが実際に活躍していた現場が、そこにあるわけですからね。

三田 そうなんです。戦隊ものの真似をして遊ぶような感覚で、息子たちが「やっぱり弁慶ってカッコイイよなぁ」なんて言いながら、自然に歌舞伎を好きになっていってくれました。

知事 京都府北部の、雲海で有名な大江山が『酒呑童子(しゅてんどうじ)』の舞台だったかと思いますが、行かれたことはありますか?

三田 一昨年、京都での襲名披露公演では、主人が「地元の方々にも喜んでいただける『酒呑童子』を是非」と申して上演が実現しました。府北部にも魅力的な場所がたくさんありますよね。天橋立にも、ずっと行ってみたいと思っているんです。

知事 ぜひともお出かけください。京都縦貫自動車道が丹後地域まで開通しているので、府の南から北までのアクセスが格段に便利になっています。京都には京都市だけでなく、「海の京都」、「森の京都」、「お茶の京都」、そして「竹の里・乙訓」と、豊かな魅力を持った「もうひとつの京都」があります。どうか広い府域に目を向けていただき、発信力をお持ちの三田さんから、多くの方々にお勧めいただけたらありがたいです。

三田 それはもう、喜んで。私自身も、いろんな京都へ足を運ぶ楽しみが増えました。

南禅寺
「絶景かな」の名ぜりふで知られる南禅寺

大江山
『酒呑童子』の舞台大江山

ゴールデン・スポーツイヤーズの機会に日本文化を京都から発信

知事 今年はラグビーのワールドカップ、来年はオリンピック・パラリンピック、さらに関西では2021年にワールドマスターズゲームズが行われ、ゴールデン・スポーツイヤーズの幕が上がります。そこで、2020年に「日本博」を京都でも開催して日本文化を世界に発信しようと、今、計画を進めているところなんですよ。

三田 楽しみですね。日本文化といえば京都ですものね。私も海外から来られる方に日本の伝統文化の素晴らしさに触れていただきたくて、今、NHKの「おもてなしの基礎英語」に出演しながら英語の勉強をしているところなんです。

知事 歌舞伎も 世界から注目されていますから、英語でのご対応も今後増えていくでしょうね。

三田 ありがたいことに、今では世界36カ国110都市で公演させていただいて、歌舞伎座や南座にも海外からのお客さまが増えました。出雲の阿国(いずものおくに)さんも四条大橋のたもとで驚かれているかもしれませんね。

出雲の阿国
歌舞伎は1603年に出雲の阿国が京都の四條河原で始めた「かぶきをどり」に端を発する芸能

2021年度、文化庁が京都に全面的移転
京都は名実ともに「文化首都」へ

歴史に磨かれた「ほんまもん」の価値が京都には確かに生きている

知事 そして2021年度は、文化庁が京都へ全面的に移転する年でもあります。

三田 これも本当に楽しみです。京都には、歴史に磨かれた「ほんまもん」がいっぱいあって、それを守り伝える技が継承されていますよね。文化が形だけじゃなくて確かに生きているんだなと、大人になった今、すごく感じています。文化庁が京都に来ることで、京都の持っている文化の力が底上げされ、花開いていくのでしょうね。

知事 今おっしゃったように、文化こそが京都の底力です。明治150年、京都府開庁150年の節目を越え、今年は元号も変わる。この転換期に、いま一度、京都が名実ともに「文化首都」としての役割を担うことには、大きな意味があると私は考えています。

三田 京都を離れてみて思ったのは、京都で暮らしていると当たり前だと感じていた身近なことが、実はとても貴重な文化なんだということです。今後、京都の文化を対外的に発信していくことも大切ですが、何よりも京都で暮らしておられる方々の毎日がキラキラして、誰もが夢と希望を持って進んでいける力を、ぜひとも知事に作っていただきたいと思います。

知事 おっしゃる通りですね。また、京都には、いわゆる洛中だけでなく、「もうひとつの京都」のそれぞれの地域に個性豊かな文化があることを、しっかりと発信していきます。

京都は名実ともに「文化首都」へ

京都府警本部本館
遅くとも2021年度までに文化庁が全面的に移転する京都府警本部本館

世界に誇る京都の文化を未来へ託すために
子育て環境日本一を目指します

京都の素晴らしい文化と風土を子どもたちに受け継いでいく

知事 これほど素晴らしい文化があり、美しい風土に恵まれた京都を、私たちは未来へ受け継いでいかなくてはならない。そのためにも京都は、これから子育て環境日本一を目指していこうと思っています。

三田 素晴らしいですね、日本一!

知事 とはいえ、一朝一夕に出生率は上がりません。安心して子どもを産み育ててもらうためには、まず若者が結婚や子育てを踏まえたライフプランを立てられる環境づくりから始めないといけない。三田さんはいつ頃から、ご自分が結婚し、母になる将来を思い描いておられましたか?

三田 私の場合は、小さい頃からずっと両親の姿を見てきて、父や母のように子育てしたいと自然に思うようになっていましたね。

知事 なるほど。梨園の妻としての役目も果たされながら、男の子3人を育てるのは、さぞ大変だったのでは?

三田 確かにすごく大変でした。3人とも学校の部活の上に歌舞伎のお稽古もあるので、お洗濯は1日6回、7回が当たり前、お米は1日1升で足りないこともありましたね。それでも、愛情だけは誰にも負けないっていう気持ちで育ててきましたし、振り返ると大変だったこともみんな幸せな思い出になっています。

知事 母は強し、ですね。そんな息子さんたちも立派な歌舞伎俳優になられて、いよいよ自立される年頃を迎えられますね。

三田 今、息子たちが23歳、21歳、17歳なんです。私自身が15歳で親元を離れた経緯もあって、自分の中では15歳を「プチ成人」とし、自立に向けてちょっと背中を押すということを息子3人にしてきました。

知事 それはいいですね。今、府内各地を回ってさまざまな人に話を聞いているのですが、若者の未婚傾向を解消するためには「子どもと親の距離感が大切だ」という声が多かったんです。

三田 親離れをしてもらうためには、親が子離れをしなくちゃいけません。本音をいえば、いくつになっても子どもたちはかわいくて、ずっとそばに置いておきたい気持ちはありますよ。私も不妊に悩み、治療も経験して、やっと授かった子どもたちですから。でも、そんな大切な子どもたちだからこそ、きちんと社会で独り立ちして自分の人生を歩めるよう、後押しする存在でありたいなと思うんです。

知事 子どもたちの笑顔こそが、地域の活力になる。京都がこれから文化首都としてさらに輝いていくためにも、地道に、着実に、子育て環境を整えていきます。どうぞ期待していてください。

家族そろって成功祈願に臨む三田寛子さん
2016年に夫が中村芝翫を、長男が橋之助を、次男が福之助を、三男が歌之助を襲名。東京・歌舞伎座での襲名披露興行に際し、家族そろって成功祈願に臨む三田寛子さん (写真=デイリースポーツ提供)

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