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人権口コミ講座 122

世界人権宣言70周年を迎えて

公益財団法人
世界人権問題研究センター所長
同志社大学法学部教授 坂元 茂樹

 

 皆さんは、世界人権宣言をご存じですか。世界中のすべての人びとおよび国が達成すべき共通の人権基準を指し示した国連の宣言です。世界人権宣言は、1948年12月10日に第3回国連総会で採択され、昨年、採択70周年を迎えました。
 同宣言の前文は、「人類社会のすべての構成員の固有の尊厳及び平等で奪いえない権利を認めることが、世界における自由、正義及び平和の基礎をなす」と述べています。人権の尊重は、世界の自由、正義そして平和の基礎であるというのです。しかし、人権の尊重のためには、世界の人びとや国が共通に尊重すべき人権とは何かを示す必要があります。そのために作られたのが世界人権宣言でした。
 世界人権宣言の第1条には、「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である」と書かれています。人間の尊厳こそが、人権の最も根本にあるというのです。残念なことに、日本では、人種や民族などの属性を理由として、その属性を有する少数者の集団もしくは個人に対し、差別、憎悪、排除、暴力を扇動し、または侮辱するヘイトスピーチがみられるようになりました。ヘイトスピーチが、少数者に属する人びとの尊厳を傷つけることはいうまでもありません。
 こうした活動を行う人たちの中には、自分たちが行っているのは政治活動であり、表現の自由の行使だと主張する人がいます。たしかに、世界人権宣言は、第19条で表現の自由を認めていますが、同宣言第29条第2項は、自己の権利及び自由の行使にあたり、他の者の権利及び自由の尊重を確保することを求めています。
 21世紀を人権の世紀にするためにも、われわれ一人ひとりが、改めて世界人権宣言を読み返す必要があります。

世界人権宣言70周年

◎ 平成31年3月発行の「人権口コミ講座20」の内容を加筆・修正し、再掲載しています。

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