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新春対談 丁寧に暮らす ゲスト トラウデン直美

京都に息づく知恵を再発見

報道や情報番組でコメンテーターとしても幅広く活躍するファッションモデル、トラウデン直美さんをゲストに迎え、生まれ故郷・京都への思いや自身の関心事である環境問題など、さまざまな話題について語り合いました。

※新型コロナウイルス感染症対策を万全にした状態で取材・撮影を行いました(令和2年11月7日)


京都府知事 西脇 隆俊


モデル トラウデン 直美

モデル トラウデン直美さん
1999年京都市生まれ。慶應義塾大学在学中の知性派モデルで、ドイツ人の父と日本人の母を持つ。「2013ミス・ティーン・ジャパン」グランプリを受賞。13歳で小学館『CanCam』の史上最年少専属モデルとしてデビューし、ファッションショーにも多数出演。

京都が持つ「本物」の価値

西脇 最近のご活躍ぶりを拝見し、同郷の府民として大変期待しています。トラウデンさんは大学進学を機に、京都から東京へ移られたんですね。

トラウデン ええ。東京に来てからも毎日京都を恋しく思っています。地元にいたときは特に意識したことがなかったのですが、東京で「京都出身」と言うと喜ばれることが多いんですよね。京都には人の心をくすぐる何かがあるんだということを、より実感しています。

西脇 離れてみてこそ分かる魅力ってありますよね。京都で特にお好きな場所はありますか?

トラウデン そうですね、大文字山には小さい頃からなじみがあって、帰省のたびに登っています。北の方だと天橋立。ドイツ人の父が好きな場所で、家族みんなで何度も出掛けていました。

西脇 府北部の「海の京都」エリアは、確かにヨーロッパの方にも人気が高いんですよ。特に天橋立で有名な宮津湾は、舟屋で知られる伊根湾と共にモン・サン・ミッシェル湾と姉妹湾協定(2018年)を結んでいることもありますし。

トラウデン 天橋立って、日本の神話の世界を感じさせるような景色なので、そういう意味で海外の方にも興味深いのかもしれませんね。あとは、畑とか眺めるのが好きなので、和束の茶畑にも興味があります。

西脇 それはもう、ぜひ行ってみてください。現地でしか見られない本物の絶景が広がっていますから。

トラウデン 今はインターネットでいくらでも写真や動画が見られますし、そのうちVRで観光体験ができるようになるかもしれませんけれど、だからこそ本物の価値が求められますよね。特に京都はそうした面が強いと思います。長い年月の中で作られてきた空気感や雰囲気を感じるには、やっぱり現地へ行かないと。

西脇 そうなんです。まさに、これからの京都観光のキーワードは「本物」。コロナ禍を通じてデジタルでの発信が進んだ分、収束後の観光ではより本物に触れたいという志向が高まっていくはずです。そのための準備をしっかりと進めてまいります。


日本三景の一つ、天橋立の世界遺産登録を目指し、府と市町、地元住民が連携して取り組みを展開中


「日本茶800年の歴史散歩」として日本遺産に登録された茶畑の風景(和束町)

「地方移住」は進んでいる?

西脇 令和4年度には明治以来初めて、中央省庁として文化庁が京都に移転します。また、この1年でリモートワークの流れが加速し、地方への移住の関心も高まっていますが、トラウデンさんの身近でそういう動きは見られますか?

トラウデン まさに私が東京でずっとお世話になっていたヘアスタイリストさんが、コロナをきっかけに「もう辞める」と言って京都の北部に移住して、今、農業をしておられます。私も農業には興味があって、知り合いの畑をお手伝いしたりしていますし、周りでもそういう声をよく聞きます。

西脇 そんな身近に実例が!京都府では、「※京都移住コンシェルジュ」を配置して、移住に興味のある方々の相談から現地案内、地域への定着まで伴走支援しているんですよ。

トラウデン 便利な時代だからこそ、ゆっくりした生活に憧れる人が多いのかもしれません。インターネット環境があれば、これから地方移住者はもっと増えていくと思いますし、私もすごく魅力を感じています。

西脇 ニーズさえあれば、ちょっとしたきっかけや、支援の仕組みを作るのは行政の役割。京都縦貫自動車道の開通で都市部と農山漁村部とのアクセスが格段によくなっていますから、ぜひ京都府に移住していただいて、地域活性化につなげていきたいですね。

トラウデン 今、農業従事者の高齢化が進んでいて、手助けが必要な方もきっとおられますよね。そこに、農業を始めてみたいけどちょっと不安...という人が助っ人として1カ月お試しで入って、お手伝いしながらノウハウを学べるような仕組みがあったらいいなと。

西脇 移住インターンシップのような感じですね。京都府内でも「お試し移住」は始まっているんですよ。

トラウデン お試し移住、いいですね。結構win-win(ウィン・ウィン)な関係になれるんじゃないかなと思います。

※京都移住コンシェルジュの京都窓口は「京の田舎ぐらし・ふるさとセンター」(府庁西別館2階)にあり、他に東京、大阪にも窓口があります。

地域みんなで子どもを育てる

西脇 インターンシップといえば、今、府では大学生などを対象に「仕事と育児の両立体験プログラム」というインターンシップを実施しています。お子さんのいる共働き家庭とその勤務先企業にご協力いただいて、仕事から保育園へのお迎え、自宅まで同行して、両立の実際を体験してもらうというものなんです。

トラウデン それってすごくいいですね!実際に両立されている方の表情や振る舞いを見て、自分の将来を想像できますものね。

西脇 私は「子育て環境日本一」を目指しているのですが、そのためには子育て世代だけでなく、出会いや結婚、妊娠出産、育児、教育、さらに子どもの就職まで一貫したフォローが必要と考えています。そのサイクルにおいて、若者が将来の子育てをイメージして人生設計できる環境を作ることもとても大切ですし、企業での働き方を見直す取り組みも進めているんです。

トラウデン 気軽に協力し合えるような関係性が、地域の中にもあるといいですね。例えば急に仕事の呼び出しがあったときに、近所で「ちょっと預かってもらえませんか」と頼れる。少子化って高齢化でもあると思うので、経験豊富なシニアの方に子どもたちを見てもらえるようなことができたら...。

西脇 実は、府ではシニア世代を「子育ての達人」として養成し、地域の子育て支援の場で活躍していただいているんですよ。社会全体で子育てをやさしく見守っていける環境を、少しずつ着実に作っていきたいです。


仕事と育児の両立体験プログラム(令和2年度はオンライン開催)※写真は令和元年度実施時の様子

継承していきたい京都の生活文化

トラウデン 子どもたちが近所に住んでいる物知りのおじいちゃん・おばあちゃんにいろんなことを教えてもらえる関係って、いいですよね。

西脇 地域の方との交流の中で見聞きするものが、京都の場合、日本史や日本文化の奥深いところにつながっているような場合もありますからね。広い世界に目を向けることは大事だけれど、ぜひ同時に地元京都のことも学んでほしい。

トラウデン 分かります。高校時代によく言われたのが「グローバルな人間になりたいなら、まずローカルなことを知りなさい」ということなんです。本当にその通りだと思います。日本人として、世界の中で何を発信できるかが求められていくと思うので、まず地元について学ぶべきというお考えに私も賛成です。

西脇 京都の文化のすごいところは、お寺や神社、美術工芸品はもちろんですが、各地域での衣食住を通じた生活そのものに文化が息づいていることなんですよね。ただ、そういう身近な文化の継承が弱くなってきているので、子どもの頃から触れる機会を作るべきではないか、と検討しているところなんです。

トラウデン 文化って人の暮らしを豊かにするもので、いろいろ形を変えながら価値あるものが残ってきたと思うんです。やっぱり地域の中で、生活に根付いた形で教わるのが一番ですよね。

西脇 ええ。生活に息づく文化の中から、新たな創造が生まれるような状況をぜひ作っていきたい。京都が文化首都を目指していくためにも、文化庁の全面的な移転を見据え、京都が持つ文化の力を府民の皆さんと共に再確認したいと考えています。

談笑する西脇知事笑顔のトラウデン直美さん

丁寧な暮らしが環境への配慮に

西脇 トラウデンさんは日頃から地球環境への問題意識を持っておられると伺いました。京都府では毎年、「KYOTO地球環境の殿堂」表彰式において、環境保全に貢献された方々の功績をたたえています。昨年は表彰式の席上、2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを目指すことを宣言しました。

トラウデン ファッションって時代や文化を表すもので、私たちが生きていく上で重要な要素です。ただ、服飾産業が世界のCO2排出量の約10%を占めているということを知ったときはショックでした。

西脇 それほどに環境負荷が大きいと。

トラウデン 欲求のままに衣服を消費することが、地球環境に負荷を与えることになるんです。他にも、製造の過程で発展途上国の方々が劣悪な労働環境を強いられていたり...。そういう背景を見て見ぬふりをして着飾るのは何か違うんじゃないかと感じています。

西脇 なるほど、モデルのお仕事をされてきた中で気付かれた、エシカル消費の考え方ですね。

トラウデン 私たちにできるのは「丁寧に暮らす」ことだと思っています。欲しい服があれば「ほんまに着る?」「かわいいと思ってる?」って考えて、商品にどんな背景があるかを知って選ぶ。そうして買ったものは長く大事に使います。衣食住いろんな場面を一つひとつ丁寧に生きていくことが、地球のためにもなるんです。

西脇 江戸時代の日本、そして京都は、生活のあらゆる場面でリサイクル・リユースを行う循環型社会でした。無駄なく食材を使う和食しかり、繰り返し仕立て直す着物しかり。今、生活が見直されている中、京都が受け継ぐ知恵を丁寧に見直すことも大事かもしれませんね。

トラウデン 京都の知恵や伝統も魅力ですよね。改めて、私、京都が大好きなんです!でも知らないことも多いなって。今年はみんなで、私たちの世代も積極的に京都の魅力を探して、それをお互いに伝え合って、京都をもっと盛り上げていきたいと思います。

西脇 ぜひ知恵と力を貸してくださいね!私も、府民の皆さま一人ひとりの夢が実現できるような京都をつくり上げていくため、今年も全力で取り組んでまいります。


第11回「KYOTO地球環境の殿堂」表彰式において、あいさつに立つ西脇知事(令和2年2月11日)

身近なものの来歴を知ることが地球のためになります

トラウデン 直美

京都が受け継ぐ知恵を再確認することが大切です

京都府知事 西脇 隆俊

ゲスト衣装協力:三松(フリーダイヤル 0120-033-330)/会場協力:ホテル椿山荘東京

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