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人権口コミ講座 136

新型コロナウイルス感染症とSDGs

公益財団法人 世界人権問題研究センタープロジェクトチーム5
嘱託研究員/アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)所長 三輪 敦子

パンデミックが露わにした課題

 新型コロナウイルス感染症により、これまでもあった不平等や不公正が、一層、深刻な形で現れています。感染拡大の封じ込めに用いられる対応は、既に脆弱(ぜいじゃく)な立場に置かれている人たちに、さらに深刻な影響を及ぼしています。外出自粛やテレワークが長期間にわたり続く状況は、家族間のストレスを高め、DV(家庭内暴力)の増加と悪化に結びついていることが日本そして世界から報告されています。パンデミック(世界的大流行)による経済悪化の影響を真っ先に受ける非正規雇用者の7割は女性であり、シングルマザーの状況は特に深刻です。社会を覆う不安が、特定の人たちへの差別や偏見となり、卑劣なデマにつながることも明らかになりました。

人権の視点でコロナからの回復を

 どこに住む、どんな人も、新型コロナウイルス感染症の予防、対応、回復に関連するサービスを平等に受けられることが大切です。国の豊かさにかかわらず、すべての人がワクチンの恩恵を享受できることが重要ですし、そうでなければパンデミックは収束しません。また、パンデミックに対応するために導入される外出制限などの自由の制限は、法的根拠に基づき、厳格に必要性が認められ、期間が限定され、差別を伴わず、緊急事態によって必要とされる範囲で実施されなければなりません。
 世界のあらゆる人が同じ問題を共有する今回の危機を乗り越えるには、「誰一人取り残さずに」平和で公正で持続可能な社会をつくるための目標であるSDGs(持続可能な開発目標)が導きの糸になります。「誰一人取り残さない」アフターコロナには、人権の視点が不可欠です。

◎令和3年3月発行の「人権口コミ講座22」の内容を加筆・修正し、再掲載しています。

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