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令和元年5月31日知事記者会見

令和元年度の6月補正予算の概要

令和元年度の6月補正予算の概要をまとめましたのでご説明いたします。まずは、全体の編成の基本方針です。

 

滋賀県大津市で発生した交通事故と先日の神奈川県川崎市の児童等殺傷事件を受けまして、「1.子どもの安心・安全を守る緊急対策」を実施するため、補正予算を編成します。

また、国に対し「新しい京都の未来への挑戦」として必要な予算の確保を積極的に働きかけてきたところ、当初予算を上回る国費が獲得できたため、「2.防災・減災、国土強靱化の更なる加速」、「3.中小企業の生産性向上と人材確保」、「4.「日本博in京都」の展開」をあわせて実施いたします。

 

1.子どもの安心・安全を守る緊急対策

園児等交通安全緊急対策事業費(1.7億円規模)

1つ目の柱は、子どもの安心・安全を守る緊急対策です。まず、園児等の交通安全対策を講じるため全体で1.7億円規模の予算を計上しています。既に緊急対応として保育所等からの相談窓口の設置や、警察の取り締まり強化、保育所と道路管理者、警察署等が一体となった点検チームによる交通事故発生状況マップを活用しながらの共同点検と対応策の検討を行っております。

補正予算の内容は、府の管理道路における安全確保対策としてガードレールやポールを設置するほか、路肩を可能なところでは拡幅し、歩行空間を確保するための予算として1億円規模を計上しております。

また、保育所周辺での道路標識の新設や、電柱に巻く看板を設置しドライバーへの注意喚起を行うための予算として0.5億円規模、さらに、保育等子育て環境充実事業費補助金に臨時の枠を創設し、交通安全研修や園外活動時の安全確保に必要な資機材等の整備について保育所等を支援するための予算として0.2億円規模です。

 

登下校時安全確保緊急対策事業費(0.1億円規模)

次は、登下校時の安全確保です。5月28日の川崎市での事件を受け、当日の下校時間に間に合うように注意喚起と見守り活動等の緊急対応を行いました。補正予算での対応としては、地域の方々が実施されている見守り活動の支援をはじめ、子どもが逃げ込むことのできる「こども110番のいえ」の登録が現在の1万6,000件から2万件に、青色防犯パトロール車の登録が現在の959台から1,000台に届くよう、取組みを強化するための予算として、0.1億円規模です。

 

2.防災・減災、国土強靱化の更なる加速

防災・減災、国土強靱化の加速のための補正予算(95億円規模)

2つ目の柱が防災・減災国土強靭化でございます。昨年はご承知のように地震、豪雨、それから台風がありまして、これまで検証会議の結果を踏まえた地域防災計画の改定と今般の補正予算との両輪で対策を強化したいと考えています。

地域防災計画の改定は、具体的には6月3日(月曜日)に開く予定の京都府防災会議においてご議論いただきたいと思います。既に検証会議で避難誘導やダムの問題、職員の危機管理スキル向上、道路通行規制、帰宅困難者対策、停電、地震対策など様々な項目が出ておりますけれども、それらを踏まえて地域防災計画を改定します。

補正予算では、国において防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策が昨年末に決定されたことなどを受け、昨年度比で1.4倍強の国費を獲得しましたので、95億円規模の補正をし、当初予算で804億円であったものが補正後899億円となります。

 

具体的に事業別の説明をしますと、河川・砂防・下水関係では箇所決定ベースで282億円。前年度との比較では、62億円増で対前年度比128.3%です。昨年の被災箇所を中心とした緊急の災害防止対策として、亀岡の閉亀川など完成予定箇所を中心にいくつかあげております。

また、総合的な治水対策・防災基盤の強化では、特に舞鶴の高野川は昨年も浸水の甚大な被害がありましたので、新規で対策を行います。フリップに掲載の箇所は、新規や完成の箇所をあげており、これらの事業の進捗を図っていきます。

 

次は道路関係でございます。補正後301億円となり前年度から114億円の増額です。ひとつは、新名神の2023年開通に必要な城陽橋や宇治木屋線、山陰近畿自動車道と関連した大きな高速交通ネットワーク機能を発揮させるために必要な幹線道路整備です。また、地域間交流促進を図るため、木津川市の東中央線の供用、網野岩滝線の新規着手などです。この他、公共施設の耐震化と老朽化対策として新規は国道307号線の山城大橋、供用は和束井手線株山橋で、道路についてもかなりの規模で進捗を図ってまいります。

 

3.中小企業の生産性向上と人材確保

京都の未来を拓く次世代産業人材活躍プロジェクト事業費(2.5億円規模)

3つ目の柱が中小企業の関係です。

当初予算において1.6億円規模を計上しておりましたが、今般2.5億円規模の新たな国費を獲得しました。これを受け、AI・IoTを活用した、生産性向上や多様な働き方の促進により業績の向上のみならず、質の高い安定的な雇用や魅力ある職場づくりにつながるよう、経営者向けセミナーの実施や、中核となる人材採用のための補助制度の創設など、人材の確保と産業活性化の好循環を加速できるような取り組みをいたします。

 

4.「日本博in京都」の展開

日本博府域展開アートプロジェクト事業費(0.3億円規模)

4つ目の柱が「日本博in京都」で、0.3億円規模です。

今般我々が文化庁の公募に応じていたものについて、採択が決まりました。具体的には宮津市におけるデジタルアート展の開催で、これを今回の補正で計上しております。これも含め、文化庁からのソフト事業分としての国費は、全体で前年比1.8倍の約1億円規模となりました。

日本博は、東京オリンピック・パラリンピックを契機とする文化プログラムの中核事業で文化庁が中心となり、関係市町村、公共団体、民間団体が連携して年間を通じて文化観光資源を展開するプロジェクトです。

 

予算案の規模

一般会計現計予算は8,898億円で、補正の86億円台を足しますと、8,984億円台となります。いろは呑龍トンネルをはじめとする流域下水道事業会計も含めた全会計合計補正予算額では101億円台となります。一般会計ベースで前年6月補正後と比較しますと102.0%となります。

 

令和元年6月定例会京都府提案予定の主な条例の概要

次は、6月定例会に提案する主な条例です。使用料・手数料関係の条例の一部改正についてです。10月1日からの消費税率引上げ等、社会経済情勢の変化を踏まえて受益者負担の適正化を図る観点から使用料・手数料の見直しを行うことにしております。2%の増額を想定しておりまして、改正する条例は46ございます。公営住宅や府立高校の授業料などの法令に基づき算定している項目については法令が改正されていないため改正いたしません。10月1日より2%引き上げたいと考えており、6月定例会で提出する予定です。

 

令和元年度の6月補正予算の概要(PDF:1,324KB)

 

京丹後市立弥栄病院における分娩予約受付の再開について

2点目が京丹後市立の弥栄病院における分娩予約受け付けの再開についてです。
3月10日に常勤の産婦人科の医師の方の一人が急逝され、分娩は24時間対応が必要ですので3月20日以降から分娩が中止されておりました。
このたび6月1日(土曜日)から兵庫医科大学ささやま医療センターの副院長を退職されました、池田義和先生が常勤として赴任されることが決まりました。併せまして6月17日(月曜日)から京都府から協力要請しておりました京都大学からの医師派遣を開始することになりましてそれを受けて分娩再開に向けた外来の受け付けを6月3日(月曜日)から開始したいと思います。
これは私が知事就任後、昨年6月に府立医科大学の附属病院と京都大学医学部附属病院と第一赤十字病院で結んだ周産期医療体制の強化に関する協定に基づいて京都大学からの医師派遣の実現に至ったものです。
これにより弥栄病院で産科の常勤医が3人となりますので、より充実した体制になると思います。今後とも関係機関と連携しながら地域で安心して子どもを産み育てられる環境を作るために努力したいと思います。

 

京丹後市立弥栄病院における分娩予約受付の再開について(PDF:79KB)

 

西脇知事と行き活きトークin宇治の開催について~宇治街ぶらトーク&宇治茶車座トーク~

3点目は行き活きトークin宇治についてです。
前回は宮津で行いましたが、今回は宇治で行いたいと思います。私も直接府民の皆さまと触れ合う機会を持ちたいということと、現場の空気感を確かめたいということで行っております。2枚目以降に前回の天橋立と海洋高校の模様の資料を付けております。天橋立では森脇健二さんと一緒に直接外国人観光客の話を伺いまして、皆様が「海の京都」の魅力を感じられていることは分かったのですが、一方で我々のPR不足というか、PRの重要性を認識いたしました。また地元の商店主の方からもいろいろな課題を伺いました。
海洋高校では岩がきの出荷作業を体験しました。車座トークをしたのですが、高校2年生ですが、非常に将来に対してしっかりした考えを持っておられていましたし、非常に高い目的意識を持って入学されているなということも知りまして若い人への期待が膨らみました。今回の街ぶらでは、サバンナの八木さんと一緒に宇治を歩きながらインバウンドの現状のリサーチや「お茶の京都」の魅力の再確認や課題を見つけること、その後、リニューアルした府立茶業研究所で茶園の体験とか栽培方法等について勉強して、若い研修生の方とか研究員の方がおられますので宇治茶の魅力やそうした方のお茶にかける思いなどを伺いたいと思います。1人でも多くの方とお話ししたいと思っておりますので、現地での取材をよろしくお願いいたします。

西脇知事と行き活きトークin宇治の開催について~宇治街ぶらトーク&宇治茶車座トーク~(PDF:278KB)

 

主な質疑応答

記者

補正予算について園児への対策については、緊急相談窓口の相談に来たものに対して対応する形か。

 

知事

既決の予算も活用する予定ですが、道路交通環境のハード整備の要望もありますので、既決の予算で間に合わない場合に補正で対応します。相談されたものだけを整備するのではありません。こちらで問題意識を持つ箇所も合わせて、保育所回りの道路交通環境で点検した中で出てきた課題に施設整備からも対応しようと思います。

 

記者

「園外活動時に安全確保するために必要な資機材」はどういうものか?

 

知事

安全に園外を散歩するために必要なもので、ベストに反射材の付いているようなものが典型的かなと思います。あとは、研修なども必要であればということです。

 

記者

保育所職員に対してですか。

 

知事

そうです。

 

記者

大津の事故に続き、小学生が被害に遭う事件があったが、一連の幼い命が犠牲になる事件を受けての気持ちは。

 

知事

まずは亡くなられた方に謹んでご冥福をお祈りしたいですし、遺族の方にはお悔やみを申し上げたいと思います。まだ負傷されている方には、一日にも早いご回復をお祈りしたいと思います。

無力な子どもが痛ましい事件・事故に巻き込まれるのはいたたまれない気持ちですし、何をどうすれば防げるのかということは、途方に暮れるような痛ましい事故です。子どもたちの安心安全を守るのは大人の大切な責務なので、社会全体で子どもの安心安全を守るということ、それに全力を尽くすということに尽きると思います。

それぞれの事件・事故には固有の原因や要因があり、専門家が分析されると思いますが、社会全体で子どもを守っていこうという気持ちを持ち続けて努力し続けることが重要だと思います。

 

 

記者

今回の事件を引き起こしたのは、中高年の引きこもりの方だったと川崎市の会見で明らかになったが、事件を起こさないためにどういった観点が必要か。

 

知事

子どもの場合は、不登校の方がかなりの率で引きこもりになるとか、引きこもりも最近の傾向では長期間にわたっているということがあります。そこに切れ目ない支援を取ることが重要ということで、プラットフォームを作っています。不登校・いじめ・児童虐待が引きこもりにつながるので、全体のすべてのフェーズで総合的に対策を打っていくことが引きこもり防止につなげていくために重要だと思います。

私の考えでは、地域社会で声かけをするとか、こういうことがない場合は孤立している場合が多いわけですね。今回の場合は家族と同居されていたということもありますし、地域全体として、寄り添うというかコミュニティができていくことがいいのかなと思います。即効性のある施策はないかもしれませんが。

記者

園児の対策で、通行車両の注意喚起等とあるが、反射板以外にどういったものがあるか。

 

知事

本当に危ないところの近くを通るときは、場合によっては警察の方に立ってもらうとか、近くに車両があると呼び止めるとかと思います。このあたりに保育所があるとか、散歩コースになっているということを通常の交通安全対策だけでなく、そのことをより強調してドライバーに認識してもらうことかと思います。詳しくは警察に聞いてもらいたいと思います。

 

記者

散歩コースや園外活動のコースは園側だけが把握しているものだと思っていたが、今後、行政や警察が共有する流れになるのか。

 

知事

今回の点検がそういった取り組みのきっかけになってもらえたらいいと思います。実際問題として、施設によって歩道がないところにコースが設置されているとか、近くにある公園や広場に行けば済むということもあれば、本当に道路を散歩されているなど環境も違い、個別で事情が違うと聞いております。

それを地域の方や道路管理者、警察も、園も自治体も共有していくきっかけになってもらったらと思います。

 

記者

公共事業でこれだけ予算を獲得できたのは、全国の中でも京都が特に遅れているということがあったのか。

 

知事

一つは年末に示された防災・減災、国土強靭化のプランで、国で昨年度補正予算が組まれたこともあり、今年度当初予算と併せて、全体のパイが大きくなったことが一番の要因と思います。

その上で、7月豪雨等により京都府も大きな被害を受け、我々の事業の必要性が認められたこと等により、今般の緊急対策予算の配分が多かったことや、NEXCOの新名神の事業など、国の事業と歩調を合わせてやらないといけない事業があるなど、いろんなことが総合的に組み合わさってこういう結果になったと思います。

 

記者

もうすぐ梅雨入りとなる。この一年間でさまざまな取り組みをしているが府民にはどういう風に命を守る行動につなげてほしいか。

 

知事

出水期が近づいていますし、風水害の起こりやすい季節に入っています。

一番重要なことは自らの命を守ることなので、災害発生時にはまずは命を守る行動をとってもらいたいと思います。そのためには、日ごろから災害が起こった場合の備えや対応について、日ごろから意識をしてもらうことが重要です。今回検証をして、地域防災計画の見直しやいろんな媒体を使ってPRしていますが、住民の方に防災意識をもってもらい、常に備えをすることにつなげてもらうことを望みたいと思います。

去年は、外に出られない場合は2階に行くという垂直避難で助かった場合もありますので、そういうことも含めて防災の意識を持ってもらえたらありがたいです。

 

記者

補正予算でついている部分は、全部もうすぐ完成予定になるのか。

 

知事

今回は特に、当初予算編成時と比べて国費の獲得が多かったことから、緊急性や今年度の執行可能性も勘案し、補正予算を編成しております。当然ですが、完成を早めることに使いたいと思います。より緊急性の高いところになるべく重点的にやりたいと思います。ただ、大きなもの、用地が買えていないところができるのかというのはあります。一つ一つの箇所についてはそれぞれ補正の理由があります。なるべく効果の高いものに補正予算を充当したいと思います。

 

記者

本当に緊急性の高いところは、当初予算に入っているのでは。

 

知事

緊急性や計画性についてもいろいろありますね。大きなものについては一定年度かかるとか。今回は、国費の獲得が当初の予想よりも多かったことが一つ大きな理由だと思います。

 

記者

「活力ある京都をつくる会」が過去の知事の選挙に関わった自民党の議員秘書に現金を支払ったという問題について、知事自身の選挙母体ともなった団体だが、確認団体に対して選挙の際の確認を求めたり説明を求めることはあるのか。

 

知事

「活力ある京都をつくる会」は、私を応援していただいている確認団体です。ただ、その活動自体は、独自に運営されているのでその運営についてはコメントする立場にはないと思っております。今、私の立場として確認するつもりはありません。

 

記者

知事が選挙を戦う上で必要不可欠だった団体だが、直接関係がないとは言え、それでも説明を求めないのはなぜか。

 

知事

団体として独自に運営されていて、いろんな政治活動の中で私を応援していただいている部分があることがありますし、一部報道でしか見ていませんが事務局から説明がされていると思います。私自身からそのことを確認する必要もないし私自身そのつもりは全くありません。独立した団体として説明責任があると思いますが、きちっと対応していただければいいと思います。

 

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