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令和元年7月26日知事記者会見

今日の発表項目は3点です

(1)京都府大規模事件・事故こころの相談窓口の設置等について

1点目は、「京都府大規模事件・事故こころの相談窓口の設置等」についてです。7月18日に発生しました京都市伏見区の映像制作会社の株式会社京都アニメーション第一スタジオの火災を受けまして、本日から「京都府大規模事件・事故こころの相談窓口」を設置いたします。

今回の火災では、34名という多くの尊い命が失われ、また34名の方々が負傷されました。私も事件の翌日に現場を訪れて献花を行いましたが、現場の惨状を見るにつけ、胸が締め付けられる思いでした。改めて、亡くなられた方のご冥福を心からお祈り申し上げますとともにご遺族の皆様にお悔やみを申し上げます。また、負傷された皆さまの1日も早いご回復を心からお祈りを申し上げたいと思います。
国内外から犠牲者や企業に対しまして、献花や哀悼の意をお示しいただいています。寄せられましたお気持ちに対しましても、この場をお借りして心から感謝したいと思います。
株式会社京都アニメーションは、京都のコンテンツ産業を支えていただいている重要な企業でございまして、国内外からも高く評価されている企業であります。京都府庁や京都府内を舞台にしていただくなど、地域にも貢献をいただいているところです。さらには、従業員を非常に大切にされて、将来有望なクリエイター育成にも力を入れておられただけに、あまりの突然の惨劇に多くの優秀な仲間を失われた悲しみはあまりにも深く、心を痛めておられることと思います。衷心よりお見舞いを申し上げたいと思います。

京都府では、事件発生直後から警察本部と調整し、事件の翌日には府民環境部安心・安全まちづくり推進課の職員を現地の捜査本部へ派遣しまして、今日に至るまで引き続き警察本部とともに対応しているところでございます。
現時点では、被害者やそのご家族等につきましては、警察本部で対応いただいているところでございますが、今回の火災は事実であれば、まれに見る凶悪な犯罪です。その事案の重大さと被害の大きさに鑑みまして、京都府としても被害者やそのご家族等に対して、しっかりとした心のケア等を行うため「京都府大規模事件・事故こころの相談窓口」を設置いたしました。相談窓口は、京都府精神保健福祉総合センターにおいて、月曜から金曜、祝日と年末年始を除きますが、午前9時から正午までと午後1時から4時まで受け付けております。電話による相談は075-645-5155となります。支援対象は、事件等による被害者やそのご家族・ご遺族はもちろんのこと、事件発生場所周辺にお住まいの皆様や通勤、通学途上で事件を目撃された方、被害者以外の京都アニメーションの社員や関係者、また事件の発生場所等におきまして救護活動等に従事された消防や警察など幅広い方々を対象としております。
今回の事件によって大きなショック受けておられる方をはじめ、不安を感じておられる方もどのようなことでも構いませんので、抱え込まずにお電話を頂戴できればと思いますので、ぜひとも広く周知をお願いいたします。
また今後の対応についてですが、京都アニメーションの制作されました素晴らしい劇場アニメを、ファンをはじめ多くの方に見ていただくことがクリエイターにとっても喜びにつながり、京都アニメーションを応援することにもつながると考えております。京都アニメーションの作品のモチーフとなる施設の取材などで協力し、既にポスター展示も行っている京都文化博物館におきまして、上映会の開催について現在調整しているところです。このことにつきましては、詳細が決まり次第改めてお知らせしたいと思います。

 

(1)京都府大規模事件・事故こころの相談窓口の設置等について(PDF:102KB)

 

(2)給油取扱所におけるガソリン販売時の安全対応について

次に、ガソリン販売時の安全対策についてです。

今回の事件は、ガソリンによる火災により被害が広がりました。京都市では、事業所に対して購入者への身分証の提示や購入目的、販売数量、購入者情報等の記録簿への記載等を要請するなど不正使用防止対策に着手されたところでございますが、京都府におきましても昨日、府内の14消防本部及び京都府石油商業組合、京都府危険物安全協会連合会に対しまして同様の対策を要請いたしました。

昨日、菅官房長官が記者会見で、ガソリンを容器で販売する際は身元や目的を確認し、記録を保存する対策が必要と表明され、総務省の消防庁からも全国の事業者に要請されましたが、個々の自治体の対策には限界もあることから、国と都道府県が連携して全国一律の不正使用防止対策を実施すべきと考えております。

昨日開催されました第107回の関西広域連合委員会でも本件が議題となりまして、関西広域連合から国に対して、制度改正を含めたガソリンの販売規制について緊急要望を行う方向で検討しております。この件につきましても、府としてできることをしっかりと取り組んでまいりたいと考えています。

 

(2)給油取扱所におけるガソリン販売時の安全対応について(PDF:325KB)

 

平成30年度一般会計決算の概要

2点目は一般会計決算についてです。

平成30年度の一般会計決算の概要について報告を申し上げたいと思います。まず主なポイントを申し上げますと、府税は約200億円の減収となっております。これは府費負担教職員制度の見直しに伴う京都市への税源移譲の影響が大きく、税源移譲がなければ実質的には約43億円の増収となっております。

歳出では社会保障関係経費が、難病業務の京都市への移管や国民健康保険の都道府県単位化といった制度見直しの影響を除きますと、介護・医療関係経費の増加により、実質的に約20億円増加しております。平成30年度の決算の特徴といたしましては、平成30年7月豪雨また度重なる台風被害の影響もありまして災害復旧費が約83億円の増加となっており、今後も厳しい財政運営が続く見通しとなっております。

府費負担教職員制度の見直しや難病業務の移管のほか、融資実績に基づき見直しを行いました中小企業融資預託制度の影響により決算規模が縮小しておりますが、その影響を除きますと、実質的には歳入歳出とも前年度より増加しております。

 

次に2ページをご覧いただきたいと思います。

府税決算の状況でございます。景気の回復基調を受けまして、法人2税は約134億円の増加となっております。一方、個人府民税は約255億円の減少となっており、府税全体としては約200億円の減収となっております。これは、先ほど申し上げました府費負担教職員制度の影響が大きく、これを除きますと実質的に約43億円の増収となっています。府税の徴収率は0.2ポイント増加いたしまして、99.0%ということで過去最高を更新いたしました。

次に歳出決算の状況ですが、災害復旧費が平成30年7月豪雨と度重なる台風被害の影響で約83億円の増加となっているほか、社会保障関係経費が実質約20億円の増加となっています。本年3月にオープンしました京都経済センターの整備や本年12月に完成を予定しております京都スタジアムの整備に要した経費が増加しております。

3ページですが、歳出決算の主な取組と成果を記載しております。例えば子育て環境日本一では、私を本部長とする推進本部を設置いたしまして、児童福祉施設の保育環境向上のための新たな支援を開始するなど、安心して出産・子育てできる京都づくりに取り組みました。また、昨年は災害が相次ぎましたけれども、発災後直ちに予算編成をして災害復旧事業を実施するとともに、被災事業者の早期復興にも努めました。加えまして、度重なる災害の教訓をもとに水害等避難行動タイムラインの作成を支援するなど、先進的な防災・減災対策を推進したところでございます。

4ページをご覧いただきたいと思います。府民利用施設の充実についてですが、本年3月の京都経済センターのオープンや鴨沂高校のリニューアルなど、府民利用施設の充実を図りました。

最後の5ページの府債残高については、臨時財政対策債等の発行の影響で形式的残高は増加しているものの、京都府が発行をコントロールできる実質的府債残高につきましては、前年度より195億円の減少となっています。今後も持続可能な財政運営に努めてまいりたいと思っています。細かな計数についてはこの会見の後、財政課長より改めてご説明をさせていただきたいと思います。

 

平成30年度一般会計決算の概要(PDF:765KB)

 

西脇知事と行き活きトークin長岡京の開催について~長岡天満宮街ぶらトーク~

最後は、行き活きトークin京都長岡京についてです。

これまで海の京都、森の京都、お茶の京都に行きましたが、今回は「竹の里・乙訓」の長岡京市で行き活きトークを開催いたします。天橋立や宇治、美山などの観光地で街ぶらトークを行いまして、外国人観光客や地元の方々とお話を伺ってまいりました。

先日訪れましたかやぶきの里では、「日本の小さい村」で検索してかやぶきの里を見つけたので訪れたというアメリカの方や、天橋立を見てから来たという台湾の方からのお話を伺うことができました。皆さん総じてかやぶきの屋根に興味を持っていまして、このままの形でぜひ残してほしいという意見を多く耳にいたしました。

4回目となる街ぶらトークでは「もう一つの京都」をめぐる締めくくりということで、長岡天満宮にいたしました。キリシマツツジが有名ですし、桜や紅葉のシーズンは多くの人でにぎわいます。今回は京都市出身のタレント、原田伸郎さんと一緒に街ぶらをします。8月は桜もツツジもありませんし、紅葉(の季節)からも外れておりますけれども、外れたシーズンの状況を見るのもいいと思いますし、直接お話をお伺いすることで課題や解決策も見えてくるのではないかと思います。なるべく多くの方とお話できればと思っております。ぜひ現地での取材もよろしくお願いいたします。

 

西脇知事と行き活きトークin長岡京の開催について~長岡天満宮街ぶらトーク~(PDF:267KB)

 

主な質疑応答

記者

京アニの関係で、発生から1週間となるが、周辺住民からの電話相談はあったのか。

 

知事

被害者家族へは警察が直接対応されていますし、京都市も相談窓口を開設しておりますので、直接不安についての声は聞いていませんが、京都アニメーションの再建をしてほしいとか、携帯ガソリンの販売の規制をすべきではないかという御意見や、見舞金はどこに送ればいいか?という質問や見舞金を取りまとめて欲しいという御意見など、約18件の意見等をいただいておりますが、直接相談というのはまだいただいてないと聞いています。ただ、対象は広範囲にしておりまして、これから増える可能性はありますので万全の体制を作っております。

 

記者

上映会について、募金などはどのように実施するか。

 

知事

詳しくは京都文化博物館で決定することですが、例えば無料で実施して寄付をするのか、あるいは、料金を頂いて、その料金収入をどのように活かすのかなど、どのような方法があるのかも含めて調整をしていただいています。

 

記者

目処としてはいつになるか。夏の間など。

 

知事

いつ、とはまだ聞いていませんが、9月早々を目指しているとは聞いています。作品を見に多くの方々に来て頂いた方がいいということもありますし、料金の問題や家族へのケアも含めての実施時期の調整になりますし、博物館で現在実施されている展示もありますので、それら全てを含めて調整されているところです。

 

記者

相談窓口はどのような人が対応するのか。

 

知事

相談窓口は京都府の精神保健福祉総合センターに設置して、事務局は安心・安全まちづくり推進課です。心のケア相談では、精神保健福祉士や臨床心理士、さらには、精神科医が対応をすることになります。

 

記者

来所の相談に予約は必要か。

 

知事

予約は不要ですが、事前に電話をされるとスムーズです。

 

記者

知事に就任して最初の決算となるが、内容をどのように評価するか。

 

知事

計数について言いますと、税源移譲を除いた形ですが、景気動向を反映して増収になっておりますし、効率的な財政運営を行うことで財政構造は改善していると思います。

一方で社会保障関係経費の増加傾向は今後も変わらないと思いますし、自然災害については引き続き予断を許さないと思いますので、引き続き持続可能な財政運営に努めていかなければならないと考えております。

事業の中身については、昨年6月補正の肉付け補正予算から府の財政運営に関わったわけですが、私が就任して最初の年度としては、子育て環境日本一に向けた取組や観光総合戦略の策定などやるべき施策が実施できたと思っています。本格的には今年度の予算が初めての当初予算となりますが、秋には新しい総合計画もできますので、それに則って施策の実現・充実に努めていきます。行財政改革プランについては、3月に新しいものを作りましたので、それに則って持続可能な財政運営に努めたいと思います。

 

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