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令和2年3月30日知事記者会見

新型コロナウイルス感染症患者の発生について

本日は、府内の特定の大学においてクラスターの疑いがある事案が発生した件について発表いたします。京都府では皆様のご協力を得てなんとか持ちこたえてきましたが、昨日、京都産業大学の学生5名の感染が確認されました。この事案は愛媛県や石川県の陽性者との接点があること、さらにはゼミの祝賀会やサークルの懇親会など多人数への影響が懸念され、非常に危惧すべき事案だと認識しております。この後患者にかかる説明は担当部長からいたしますが、患者は井手町在住の20歳代の男性で大学4回生です。3月24日(火曜日)発熱、頭痛、全身の倦怠感、関節の筋肉痛の症状が表れて、翌日医療機関を受診され、薬を処方され、3日後には一旦症状が消失しましたが、友人が陽性とわかったため、帰国者・接触者相談センターに相談の上、帰国者・接触者外来を受診し検査をした結果、昨日陽性が判明し、本人は3月30日(月曜日)に感染症指定医療機関へ入院しました。

 

今回の大学の事案については、多数の方との接触が認められており、今後の検査結果につきましては予断を許さない状況だと認識しております。感染拡大を一刻も早く食い止めるためにも、行政の疫学調査を待つだけでなく、心当たりのある方は外出を控え、症状の有無にかかわらず専用相談窓口までご連絡をお願いしたいと思います。各大学におかれましては、海外から帰国された学生や教職員に対し、帰国後2週間の待機要請および健康観察の徹底をお願いしたいと思います。こうした一連を踏まえ、専門家を招いて本日午後5時から対策本部会議を開催することにいたしました。

 

最後に改めて府民の皆様にお願いがあります。まずは、身近なところに感染リスクが潜んでいることを充分認識いただきたいと思います。

 

まずは京都府民の皆様に向けて、先日の3連休以降、一定の人出が増加しています。引き続き、(1)換気の悪い密閉空間、(2)多くの人の密集、(3)近距離での会話の条件が重なる場所を避けていただくとともに、人混みが予想される場所への不要不急の外出やイベントなどへの参加は極力避けていただきますようお願いします。特に、感染の発見が非常に難しいとされる若年層の皆様には、慎重な行動をお願いします。

 

大学の関係者の皆様には、3つの条件が重なる場の回避の徹底を改めて呼びかけていただくとともに、学内における感染拡大の防止対策、学生・教職員の海外渡航の状況把握等をお願いします。学生の皆様には、卒業、入学、就職などの節目で集まる機会が多いと思いますが、感染拡大を防ぐとの思いを持って慎重に行動していただきたいと思います。

 

海外から帰国された皆様には、指定された場所で待機し、入国の次の日から起算して14日間は、体温測定等自身の健康管理に留意いただくとともに、不要不急の外出を控えて下さい。また、咳や発熱等の症状が現れた場合は、人との接触を避け、帰国者・接触者相談センターに速やかに相談いただきますようお願いします。

 

東京・大阪等感染が拡大している地域につきましては、それぞれ外出等の自粛が要請されています。これらの地域への往来には極力留意いただきますとともに、特に、4月から就職や進学、転勤などで転出される方は、その地域で呼びかけが行われておりますのでその呼びかけに従い、慎重に行動いただきますようお願いします。

 

企業等の皆様には、従業員が休みやすい環境整備や在宅勤務、時差通勤等に配慮いただきますとともに、公共交通機関をはじめ、宿泊施設、小売店、飲食店等の皆様には、改めて感染防止のための対策の徹底をお願いします。

いずれにしても予断を許さない状況です。府民の皆様にもご迷惑をおかけいたしますが、感染拡大防止の観点からご協力をよろしくお願い申し上げます。

 

新型コロナウイルス感染症患者の発生について(PDF:366KB)

 

主な質疑応答

記者

クラスターの疑いということで、局面はどこまで変わったのか。どのように認識をしているか。

 

知事

全国で感染拡大が続いており、総理も一昨日の会見で言われたようにぎりぎりの状況です。クラスターの定義の問題は別にしても、極めてクラスターに発展する可能性が高い事案が京都府内で初めて発生し、非常に厳しい状況です。

疫学調査を含めて追跡をしており、この拡大を防ぐことが重要ですが、若者が拡散しているのではないかという話がありました。それが京都府内でも起こったということで、京都は大学の街ですから、これが特定の大学のことだけではなく、全般的にそのリスクが潜んでいるということも含めて、予断を許さない、より厳しい局面に入ったと思います。

 

記者

府民へのメッセージの中で、関東地方中心に往来自粛の話があったが、東京方面だけでなく大阪も入るのか。

 

知事

感染が拡大している地域への往来ということです。事実上、そうした意識を行動している方がかなりおられると思います。大阪も知事がメッセージを出しておられる地域ですので、私は東京大阪を感染拡大している地域の一つとしてとらえています。東京都知事も大阪府知事も感染経路が不明の感染者が増えているとおっしゃっているので、よりリスクが高い目安になっていると思いますので、改めて慎重な往来を呼びかけました。

 

記者

これはいわゆる首都圏が行っている「往来の自粛」の要請か。

 

知事

首都圏から直接ではありませんが、関東圏や東北・宮城でも首都圏への往来は慎重にというメッセージを出しておられます。毎日東京でも感染者が増えていますので、京都からも改めて注意をしていただきたいというメッセージです。なお、自粛といっても全て自粛ではなく不要不急の往来についてです。誤解のないようによろしくお願いいたします。

 

記者

今回の府民のメッセージは「外出の自粛」にあたらないのか。

 

知事

そこは難しいですが、もともと3つの条件が該当するところは感染のリスクが高く、人混みが予想される場所への不要不急の外出ということで、全ての外出抑制と捉えないでいただきたいと思います。リスクが高そうなところかつ不要不急ということで、必要なことはしていただけますが、人混みが予想される場所への不要不急の外出は極力避けていただきたいということです。

 

記者

今回の大学の事案はクラスター認定に至ってはいないが、クラスター感染対策班の要請をすることはあるか。

 

知事

当然念頭には置いております。31人の祝賀会で検査した中での陽性率が高いので、クラスターの可能性が高いと思います。クラスター対策班を呼ぶかどうかはどれくらい我々が掴みきれるか、広がりなど含めての判断になると思います。

 

記者

4年生が多く、卒業の時期でもあり、寮を引き払ったり就職先に行ってしまったり実家に戻ったりするタイミングだが、疫学調査をしても極めて捕捉が難しいのではないか。

 

知事

例えば、ある場所でクラスターが発生した場合はそこに誰が参加していたかわからず呼びかけることになりますが、今回の学生の集まりは誰が参加したかははっきりしているので、人物の特定は比較的しやすいです。しかし、この案件も愛媛県や石川県の陽性が最初にあるので、地域的な広がりがあります。当然、この間府県域を超えた移動があり、それぞれの保健所のネットワークで協力はできていますので、もし他府県の地域に散った場合でも現地の体制にご協力をいただいて、徹底して捕捉してなるべく次のクラスター発生につながらないようにしていくのが常道です。スタートは押さえやすいですが、広がりがあるので多くの方のご協力を得ながら対応しなければいけない案件だと思っています。

 

記者

学生以外の人との接触の可能性も高い案件だと思うが、疫学調査の進捗にもよるが、当初は濃厚接触者も少なかったが、今後、感染を知らなかった人から濃厚接触者がどんどんと増えていくことも懸念材料だと思われるがどうか。

 

知事

どんどん増えていくかは調査結果を待たなければいけませんが、基本的には少しずつ増えていくのは当然だと思います。行動歴や接触者については徹底した調査によって捕捉し、追いかけていく必要があります。

 

記者

現在感染者は40人台だが、大阪、神戸、東京、愛知、北海道ほどではない。今後、このような地域のように爆発的に増えるケースもありえるので、踏み込んだ対策を考える必要があるのではないか。

 

知事

一番重要なのは重症患者に対する対応や医療体制確保だと思います。人数の多さもありますが、医療提供体制がある程度整っていれば比較的安心感を持って対応できますので、そこは一つのポイントです。一番恐れているのは感染経路不明の方が増えること、隠れたクラスターがあることであるため、わかっているクラスターは徹底して封じ込めるのが一番重要だと思います。

 

記者

集団感染の段階にはいたっていないか。

 

知事

そこはわかりませんが、京都府内で感染経路が必ずしもわからない感染者もいらっしゃいます。油断してはいけないからこその呼び掛けだと思っていただければと思います。

 

記者

ほかの大学から発生することも考えられるが、各大学との意見交換は考えているか。

 

知事

もともとお願いしておりましたが、改めて事務的に昨日付で、すべての大学にしてもらいたいことをお願いをしています。大学側にはそれを守っていただきたいと思います。京都市も市内の大学にメッセージを出されており、また意見交換は大学にとっても手間ではありますので、徹底していただきたいと思います。意見交換をする予定はありませんが、事態がさらに進展することがあれば考えます。

 

記者

大学へのお願いは、3条件のことや海外渡航者の状況把握などか。

 

知事

大学での感染等が確認された場合の学内の連絡体制を構築してほしいこと、府民の方と同じく「3つの密」条件が重なったところの回避の徹底、手洗いや咳エチケット、ドアノブの清掃等学内衛生管理を徹底してほしいこと、また、今回海外渡航の方だったので、学生・教職員の海外渡航の状況について把握してほしいといったことをお願いしています。また、帰国後は渡航先に関わらず2週間の待機をお願いしております。さらに学生・教職員に、学校のホームページや学生用のポータルサイトなど、あらゆる手段で学内掲示をやってほしいことをお願いしています。また、新入生が来ますので、懇親会や歓迎コンパなどから感染が広がらないようになるべくリスクが出ないような形でやっていただき、もしできないのであれば自粛をしていただきたいということをお願いしています。

 

記者

新生活を迎える学生向けには何かメッセージを出しているか。

 

知事

今後来られる方も注意事項は同じです。また、大学側に対しても、大学は誰が新入生かわかっているので、新入生に対しても円滑に学生生活を送ることができるように配慮し、適切な指導・アドバイスいただくということもお願いしています。

 

記者

海外渡航の状況把握ということだが、教職員の場合、学生の場合は2週間の外出を控えるということを大学から学生に対して徹底してもらうということか。

 

知事

はい、大学へのお願いとしてはそのイメージです。

 

 

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