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令和2年5月5日緊急知事記者会見

新型コロナウイルス感染症に係る京都府における緊急事態措置の期間延長について

まずは、新型コロナウイルス感染症から命を守るために日々治療に当たっておられる医療関係者の皆様、感染リスクがあるなか社会生活の維持のため業務を継続いただいているエッセンシャルワーカーの皆様、そして、様々なご困難とご不便のなか外出自粛にご協力いただいている府民の皆様・事業者の皆様に、心よりお礼を申し上げます。

また、新型コロナウイルスにより京都府内において12名の尊い命が奪われました。心よりご冥福をお祈りいたします。

 

これまでの経緯

先ほどの対策本部会議で緊急事態措置の期間を5月31日まで延長することといたしました。

この間の経緯を振り返りますと、1月30日、京都府で1例目の感染者が発生いたしました。幸い、1月、2月の発生件数はそれぞれ1件であったものの、3月には大阪のライブハウスや市内の大学に端を発したクラスターが発生いたしました。

これにより、大きく感染者数が増加し、3月だけで67件、4月には251件、しかも感染経路不明者の割合が大きく増加しました。

私が何よりも危惧したのは、感染経路不明者の割合が増えていたことであり、その裏には未だ判明していないクラスターが存在しているのではないか。そうした想いもあり、4月10日、京都市長ともに会見を開き、国に対して緊急事態宣言の発出を要請し、17日には全国に拡大し、京都府は、特定警戒都道府県に指定されました。

これを受け、外出の自粛要請、イベントの開催自粛要請、各種施設の休業要請、さらには学校の臨時休業要請など、児童生徒の皆様、保護者の皆様、府民の皆様をはじめ、多くの方に、本当にご不便、ご負担をお掛けしております。

 

京都府の感染状況

皆さまのご協力によりまして、なんとか爆発的な感染拡大には至らず、5月に入り、1日は4件、2日は5件、3日は2件、昨日は3件と感染者数が減少に転じてきております。

外出自粛も1カ月近くになり、自宅で過ごすことのつらさ、外に出たい気持ち、友達と遊びたい、家族で旅行したい、そうした気持ちは痛いほど感じております。ただ、こうした困難の中で皆様が協力していただいたからこそ、感染者数を低く抑えることができています。あらためてご協力に、心から感謝を申し上げます。

 

京都府緊急事態措置の延長と府民の皆様へのお願い

ただ、残念なことに、政府の専門家会議によりますと、全国的には感染者数そのものは減少に転じているものの、十分なレベルには至っておりません。今、このタイミングで外出自粛の要請を緩めてしまえば、この間の多くの皆様の頑張りと取組が水の泡となる危険があります。この感染症は、潜伏期間が2週間と長く、減少に転じたかと思うと増加に転じるなど、予断を許さない状況にあります。

これ以上の感染拡大を防止するため、もう少しの間、これまでの取組を継続する必要がありまして、冒頭に申し上げたように、緊急事態措置の期間を5月31日まで延長することといたしました。

府民の皆様には、引き続き、大変なご苦労をお掛けすることになりますが、何卒、「8割の接触削減」のためにご協力いただきますよう、心からお願い申し上げます。京都府といたしましては、私自身が先頭に立って、府民の皆様の生活、経済、雇用を守るべく、あらゆる制度を総動員して対応してまいります。

また、国においては、5月14日を目途に専門家による評価をされるとのことであります。京都府においては、5月中旬には、国の検討の結果を踏まえ、さらに京都府の感染拡大状況や医療提供体制などを総合的に勘案して、その時点で再度、例えば基本的対処方針等で例示されている博物館や美術館、図書館などについて、緊急事態措置の見直しをすることといたします。

私はこれまで、府民の皆様の生命と健康を守るため、まずは重症者など、入院治療が必要な方に適切な治療を行うことができるよう、医療体制・検査体制をしっかりと確保してまいりました。併せて、感染拡大を防止するため、感染防止策の徹底、外出自粛要請や休業要請をはじめ、様々な対策を講じてまいりました。今回の自粛延長を機に、次なる段階を見据えた新たな対策を行っていきたいと考えております。

今回の感染症は、有効な治療法が確立されるか、ワクチンが開発されるまで、ある程度の長期戦を余儀なくされます。言い換えれば、爆発的な感染拡大を抑えていきながら、少しずつ出口に向かって進んで行く必要があります。

そのためにも、府民の皆様お一人おひとりに、感染を拡大させないための取組を引き続き徹底していただく必要がございます。新型コロナウイルスの脅威に打ち勝つため、どうか引き続き府民の皆様のお力を結集していただきたい。今が勝負の時です。いましばらくの自粛を、強く皆様にお願いいたします。

 

京都府緊急事態措置(延長)の概要

緊急事態措置の期間を5月31日まで延長し、5月中旬に、感染状況や医療提供体制の状況等を勘案し、見直しを検討します。

引き続き人と人との接触の機会の8割削減をめざし、外出自粛に取り組んでいただくようお願いしますと共に、施設の休業も引き続きお願いします。京都の経済、生活、雇用が非常に厳しいことは痛いほど理解していますが、どうか府民の皆様の命と健康を守るために、ご協力をお願いします。あらゆる施策を総動員することにより生活、経済、雇用を守り抜きたいと考えています。

 

緊急事態措置コールセンター

緊急事態措置コールセンターでは、引き続き府民・事業者の皆様の御質問等に対応します。5月7日から支援給付金専用コールセンターを設けます。これまでの緊急事態措置コールセンターの相談事項の大半が支援給付金についてでしたが、今後はこの支援給付金専用コールセンターで相談を受け付けます。ホームページにも引き続き詳細な情報を載せていきます。

 

接触機会の8割削減

府民の皆様には従来からお願いしているとおり、生活維持・健康維持に必要な場合を除き、自宅で過ごしてください。帰省、観光などの移動の自粛もお願いします。休業要請対象施設については、たとえ開いていても決して行かないでください。

買物は引き続き、空いている時間帯に必要最小限の人数で社会的距離を十分確保してください。店舗については、混雑時の入場制限や行列の回避など引き続き対応をお願いします。

 

事業者の皆様へのお願い

連休が明けると業務を再開される事業所もあると思います。事業者の皆様には、出勤者数の7割削減を目指し、テレワークやローテーション勤務等の徹底をお願いします。職場においては、手洗い、手指消毒、咳エチケット、職員同士の距離、換気の徹底を行い、テレビ会議の活用等、感染防止のための取組を強力に促進してください。

 

一人ひとりが感染を拡大させないために

5月4日の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議で「新しい生活様式」が提案されました。新型コロナウイルス感染症と共存、共生していくために、新しい生活様式が必要との提言です。たくさんあるので、以下に例として抜粋します。

 

  • 外出時はマスクを着用
  • 人との間隔は2メートル
  • 感染が流行している地域へは行かない
  • 買物は、最少人数で空いた時間に
  • 交通機関の車内では、会話を控えめに
  • 食事は横並びで着席

 

入院医療・療養体制の強化

もともと緊急事態宣言の発出は、医療崩壊を防ぐために感染者数を減らす目的で行われました。5月4日の総理の発言にも、この5月は今後のために医療提供体制をきちんと確立していく重要な月だという指摘がありましたので、現在の状況を踏まえて、ご説明します。

病床は、4月末現在で252床を確保しました。目標の400床に向けて、さらなる努力を続けたいと思います。ホテルは、「京都平安ホテル」の68床に加えて「ホテルヴィスキオ京都」の270床が連休明けから療養を開始すべく準備を進めています。合計すると338室を確保しました。目標は900室です。

5月4日18時現在の入院・療養の状況は、患者数の累計が334人、退院等が222人、ホテル等療養25人、入院対象者87人。現在確保済の病床は252床ですから、今のところは約3倍の病床が確保されています。ただこれは、ちょうど市内の大学等のクラスターを含めたかなりの感染者が順次、退院等によって抜けていったために入院対象者が減った結果です。病院等の報告によると、重症の方は全国的に入院期間が延びる傾向がありますので、入院医療体制についてはできるだけ余裕ある病床数・ホテル室数の確保を目指し、引き続き目標に向けて努力をしていきたいと思います。

 

PCR検査体制の状況

京都府では、医師が必要と判断した案件について滞りなく迅速に検査を進めています。行政検査では翌日、民間検査では翌々日を基本に検査を実施し、他府県のように検査待ちが生じている状況はありません。引き続き、検査能力をさらに引き上げ、1日当たりの検査数を約300件に拡大したいと思います。

先程の対策本部会議の資料ではPCR検査の目標が400件となっていました。少し説明しますと、今は1日当たり100件でも十分足りていて、補正予算の中で対応できるのが1日300件までということから、当面は300件を確実にできる検査体制の拡充に努めたいと思っています。ただ、病院での自主的な検査や研究機関等での検査もあり、そうした検査能力を感染症の疑いがある人の検査にも活用できないかという観点と、無症状の妊婦の方の検査も行うことから、400件に向けての拡充を検討しているということです。

4月29日から京都府・医師会京都検査センターで受付をスタートしました。4日間で38件のPCR検査を実施しています。

新規感染者数が減ってきている中で、今後は「ひょっとすると」程度の疑いのある方にまでPCR検査の範囲を広げていくことも必要になるかと思いますので、PCR検査体制の拡大を早急に実現していきたいと思います。

 

医療資材の確保について

5月1日、MKタクシーさんのご協力により、府内21か所の医療機関へ特に連休中の資材不足が生じないように、以下の医療資材を配布させていただきました。

 

  • サージカルマスク 135,380枚
  • N95マスク 52,260枚
  • フェイスシールド 59,100枚
  • ガウン 32,225枚

 

連休明け以降も引き続き逼迫する状況が続きますので、医療機関での保有状況や確保の見通し等を定期的に把握し、医療資材コントロールセンターで必要量を確保しながら、計画的に配布していきたいと思います。府内の異業種による製造提供も進んでいます。医療資材の提供に向けて引き続き多くの方にご協力をお願いします。

 

事業者等への支援

事業者等の支援については色々な制度があり、制度自体の複雑さも加わって、どのように相談していいか分からないという声がありました。まずは「中小企業緊急経営支援コールセンター」に電話していただければ、そこから国の制度も含めてお悩みに応じた制度をご紹介します。また、一刻も早く支援を届けられるように、府の職員を集中的に投入して受付を行い、審査業務が滞らないように対応していきたいと思います。

「中小企業緊急経営支援コールセンター」への相談件数は4日間で400件弱、相談内容では国の持続化給付金事業がトップです。法人は最大200万円、個人事業者は最大100万円を給付する制度ですが、国の電話が繋がりにくいことから、こちらで相談を受けています。

また、5月1日から3年間の無利子、無保証の融資の取扱を拡大します。先行して実施していた政府系金融機関に申込みが殺到し審査が追いつかないとのことで、今回は府内の25金融機関、417支店に拡大されました。間口も広がり、日頃から付き合いのある金融機関で相談できます。できる限り迅速に融資が実行できるように取り組んでいきます。

 

確実に出口に向かっていくために

緊急事態宣言が5月末まで延長されることとなりました。このひと月には多くの意味が込められております。感染の収束に向けたひと月、出口に向かい進んでいくひと月、次なる流行に備えるためのひと月であります。

現在、全ての方が新型コロナウイルスと闘っておられます。最前線で命を守っていただいている医療関係者の皆様、休業や営業時間短縮にご協力いただいている事業者の皆様、学校休業を余儀なくされている子ども達やご家族の皆様、生活物資や物流を支えていただいている皆様をはじめ、府民の皆様お一人おひとりに本当にご負担をお掛けしております。

ただ、これまでのご協力によりまして、効果は確実に見えてきております。もう少しの間、これまでの取組を続けていただくことで、確実に出口へと向かうことができます。もともと京都は地域の絆が強く、また日本の心を大切にしてきた地域であります。どうか思いやりの心、支え合いの心を持って、この難局に立ち向かおうではありませんか。一日も早く、この困難を乗り切れるよう、自ら先頭に立ち、皆様のお声に耳を傾け、全力で立ち向かって参ることを、改めてお約束いたします。

いずれにしても、あともう少し頑張っていきたいと思いますので、ご協力をお願いいたします。

 

 

新型コロナウイルス感染症に係る京都府における緊急事態措置の期間延長について(PDF:865KB)

 

 

主な質疑応答

記者

5月中旬に緊急事態措置の見直しを検討するとのことだが、出口戦略を詳しく教えて欲しい。

 

知事

まず、博物館、美術館、図書館の再開はあくまで例であって、5月中旬に緊急事態措置の見直しをする趣旨は、基本的対処方針にも示されているように、社会経済生活の維持と感染拡大防止を両立しながら少しずつ出口に向かっていこうという考え方です。感染拡大防止の効果や感染の状況、医療提供体制がある程度万全かを含め、休業要請対象施設、ほぼ同じ考え方で学校の臨時休業の期間について検討します。

もっと大きな意味での出口戦略となると、今回、緊急事態宣言が全国で延長されましたが、都道府県間の移動やより大きな意味での人や物の流れを作っていくということについては、感染の収束状況を見ないと現段階ではなかなか見通せないというのが正直な気持ちです。ただ、経済社会生活の維持と感染拡大防止との両立については、事態の長期化に対してより踏み込んだ形で検討します。

 

記者

5月中旬の見直しが出口への道筋と考えていいのか。

 

知事

はい、基本的にはそうです。5月31日まで何も変わらないというのではなく、5月中旬に感染状況やゴールデンウイークの取組の効果を見ながら、もう一度見直しをするということです。学校休業についても同様に、本日、教育委員会から府立高校の休業期間についても見直しをするというメッセージを出しました。

 

記者

大阪府は、陽性率や病床の稼働率などを判断材料にすると表明している。京都府は何を指標にするのか。

 

知事

病床については、数字を指標にするかどうかはともかく、元々医療崩壊を招かないための感染拡大防止であり、そのための医療提供体制の強化なので、余裕ある病床数・ホテル室数の確保ないし確保の見通しがあるかどうかが一つの指標になることは間違いないです。

もう一つ、感染の状況については、専門家によれば感染から実際に症状が現れるのは2週間後で、陽性率、新規の感染者数、感染者数の倍加時間などいろいろな指標がありますので、それらを組み合わせて考えます。また、検討の対象となる施設と数値がどの程度結び付くかを判断するのはなかなか難しいので、そういうことも含めて検討します。いずれにしても、感染の状況と医療提供体制の確保、この両面から検討します。

 

記者

国は全国で美術館、博物館、図書館、公園の再開を可能とすることを示したが、京都府で休業要請を続ける判断の基準は何か。

 

知事

博物館、美術館、図書館については、全国で休業を解除するということではなく、内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室からの通知の中で、あくまで例示だと考えています。その前段に、こういう考え方で休業要請対象施設については適宜判断してほしいとありました。特定警戒都道府県でもこのカテゴリーの施設は、再検討してもいいと書いてあったと思います。

美術館、博物館、図書館の中には、多くの集客をする可能性や都道府県間を越えた移動を誘発する可能性のある施設もありますから、5月7日からいきなり何も制限なく解除することはとてもできないとも書いてありました。

施設の性格や感染予防対策がどれぐらい取れるのかなどを考慮し、対処方針では業種別ガイドラインを作ることも示されていたので、それらも参考にしながら5月中旬に考えたいと思っています。

 

記者

府立の都市公園の遊具使用禁止や駐車場の閉鎖の措置について、連休明けにはどうなるのか。

 

知事

今でも普通の小さな児童公園は何の制限もなく開いていますが、公園の種類によって非常に多くの方が集まりうる公園もあるので、公園の種類と感染予防対策とをセットに考えて、この5月中旬に検討します。

 

記者

事業者や商売をしている方にとって、この延長は短いようで非常に長く、事業継続をあきらめる方がさらに増える懸念がある。事業者の方々は、まずは5月中旬を目標にこの状況を我慢すればいいのか。

 

知事

休業要請対象であるか否かにかかわらず、京都府内の中小企業、零細企業を含めた事業者の方が非常に厳しい状況にあることは十分理解しているので、とにかく潰さない、雇用を守るという前提で政策を総動員します。

国の補正予算や京都府の補正予算により、全ての施策が揃って実行できる形になったのは5月1日からです。なので、まずはこれらの施策で必要な方の手元にお金を届けて、とにかく歯を食いしばって頑張ってもらおうという取組をするのがまず一番だと思っています。もちろん、その上で新たな施策が必要になるかもしれませんが、まずは今ある施策がかなりたくさんありますので、それを届けることが第一だと思っています。

5月中旬に見直すという意味は、京都の場合は4月17日から緊急事態措置に入ったので、まだ1ヶ月経っていないということもあり、この間の様々な行動自粛の効果の見極めにもう少し時間が欲しいという思いがあります。政府が言う5月14日の意味は、ひょっとするともう少し大きな緊急事態宣言そのものの見直しかもしれませんが、府としてその成果がどういう形で出てくるのかを見極めたいという思いもあります。

もう一つは、今回の対処方針は13の特定警戒都道府県とそれ以外に分かれていて、特定警戒都道府県以外ではどんな形で対応されるのかも踏まえなければいけないとも思っています。それらの判断材料がある程度揃う5月中旬に緊急事態措置の見直しを実施することに決めました。

 

記者

もう少し時期を見てみないと、本当に収束に向かっているのかという見極めができないということか。

 

知事

これは、今でも府内に多くの新型コロナウイルスの感染者がおられるという大前提に立っていて、それがある時、感染者として出てくるということなのです。冒頭に申し上げたように、有効なワクチンが開発されるか、一定の感染者の割合が出るまでか、何をもって収束するかはわかりません。私も政府に「何をもって収束とするかを示してほしい」と言っていますが、コロナウイルスの存在を前提としながら経済社会生活を維持していく道を探るのがこの5月であり、非常に重要なひと月だと思っています。

もちろん、新規感染者の数が減ったことは一つの指標ではあるのですが、だからといって、普段の生活に完全に戻していいのかというと、それは決してないと思っています。今は医療提供体制を確保するための準備期間であり、収束している状況ではないと私自身は思っています。まだまだ感染リスクはあると思っているということです。

 

記者

休業中の事業者について、5月中旬に部分的な解除も含めた検討があると思うが、府民はそこを目標に辛抱すればいいのか、それともいつまできっちり我慢しないといけないのか。この中旬という時期の意味合いは。

 

知事

我慢の中身にもよると思うのですが、社会経済生活の維持のために出口に向かって徐々に緩和していこうということなので、正直、感染拡大のリスクとの兼ね合いで決めていくしかないのです。

その間、事業者の皆様が何とか経営を維持していくために資金繰りを含めて全力で支えていくというのは大前提です。これは休業要請だけではないと思います。実際は休業要請でなくても困っている方はたくさんおられます。ただ、休業要請措置の範囲については5月中旬に向けて一定の見直しを検討していくということで、今の段階では何とも申し上げられないです。

 

記者

5月中旬の見直しは、京都府が緊急事態宣言の対象になって1か月経った効果を見極めたいということか。

 

知事

それだけではないです。5月31日までは非常に長いので、それまでに何らかの見直しをしたいという思いがあります。今回、基本的対処方針が出たのが5月4日で、それを踏まえて検討にするにも一定の時間が必要だと思ったこと、1ヶ月という限定と、それから5月14日に国から一定の見解が示される可能性がある、これらを総合的に考えた結果、5月中旬と申し上げています。

 

記者

府内を一つとして見直すのか、それとも感染状況が違う北部、南部でそれぞれに見直すのか。

 

知事

医療提供体制はオール京都でやっているので、あまり関係ないのですが、感染状況については非常に地域性がありますから、当然そういう観点も加味しなければいけないと思います。一方、全国で言われているように、都道府県境を越えた移動が増えれば一気に感染拡大地域からの感染がもたらされるという懸念もありますので、京都府内の中でもそういうことも加味しながら考えていかないといけないと思います。

京都は学校について唯一、北部と南部を分けた過去の経緯があります。これは全国的にもそんなに多くはないと思いますので、当然、地域別の対応も検討しなければいけないと思います。ただ、感染拡大リスクを避けるという観点で、どこまでできるかを考えなければいけません。

 

記者

緊急事態宣言から5月6日までの間の総括をお願いしたい。

 

知事

京都府の場合は、全国の緊急事態宣言が4月7日に発出され、4月8日にほぼ先行する7都府県と同じ行動自粛要請をし、4月10日には宣言の発出をお願いしました。緊急事態宣言が出た4月16日以後、本当に府民の皆様のご協力のおかげで、現在の新規感染者数の減少につながり、一定の成果が出ているとは思っています。ただ、まだ新規感染者が発生していること、全国的にもまだ感染拡大が続いていることから、今回、緊急事態措置を5月31日まで延長することについては、やむを得ないと思います。本当にご不便をおかけしていることについては甚だ申し訳ないと思っていますが、緊急事態措置の延長については妥当な判断だと思います。

 

記者

府民の負担の重さについて、知事の耳に届いている事例を聞かせて欲しい。

 

知事

まず学校休業による学習保障の問題、子どもたちの心身のストレスのケア、それから保護者の方の負担などについて、あらゆる場所で悩みをお聞きしています。それから京都の長い歴史を持つ観光産業に関わる方々から、資金繰りを含めて非常に経営が苦しいという声があがっています。また、京都には文化芸術に携わる人も多く、発表の場がなくなって本当に厳しいという声がたくさんあがっています。緊急事態措置だけではなくて、新型コロナウイルス感染症の拡大によって影響を受けている方が非常にたくさんおられ、そうした全ての方が非常に大変な思いをされているということを聞いています。

 

記者

休業支援給付金の増額について検討はしないのか。

 

知事

もともと緊急事態措置に伴う休業要請というのは、感染拡大防止のため、感染のリスクをなるべく減らすために休業要請をしているので、支援給付金に補償の性格はなく、ご協力いただいたことに対しての感謝の気持ちです。特に京都の場合は、減収要件、つまりどれだけ収入が減ったかという要件も設けていません。もちろんある程度の期間は休業していただく必要があり、改めて休業要請に是非とも協力いただきたいと思いますけれども、1事業者1度限りで給付しておりますので、今回、延長に伴う給付の積み増しは考えておりません。

 

 

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