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令和2年7月3日知事記者会見

全国初!「きょうと子育て応援レーン」の運用開始について

本日は2点申し上げます。

まず1点目は、「きょうと子育て応援レーン」の運用開始についてです。

府民の皆様に実生活の中で子育てしやすいと実感してもらう取組として、この間、組織の垣根を越えて、府警本部や府庁内の部局長と直接議論を重ねる中で、「まず隗(かい)より始めよ」ということで、前例にとらわれない取組として、始めることといたしました。

 

具体的には、府の施設の中で、比較的子育て世代の利用の多い運転免許更新手続とパスポート申請手続につきまして、妊婦の方や小学生以下のお子様を連れている方について優先して案内を受け付けるもので、平常時には、30分ないし45分程度かかるところを、子育て世代同士で利用が重ならなければ、ほぼゼロ分まで短縮します。

これは、全国でも初めての試みですし、新型コロナウイルスの感染がございますので、そういうことで不安に思っておられる(子育て世代の)方についても、安心してご利用いただけるものと思います。

 

場所は、京都駅前の「運転免許更新センター」、伏見区の「運転免許試験場」、京都駅ビル内の「旅券事務所」の3か所で、週明け7月6日の月曜日からスタートします。

なお、運転免許更新センターでは優先受付だけでなく、子連れの方の専用の講習室と授乳室を用意しており、旅券事務所でも授乳室の整備を進めております。

 

まずは3カ所でございますけれども、こうした取組によって、府内の企業や市町村にもこうした運動が広がることを期待しておりますし、オール京都で「子育て環境日本一」を目指していきたいと思っています。

 

全国初!「きょうと子育て応援レーン」の運用開始について

「短期マッチング(雇用シェアリング)モデル」の実施について

2点目は、「短期マッチング(雇用シェアリング)モデル」の実施についてです。

新型コロナウイルス感染症により事業経済活動が非常に停滞しておりまして、休業を余儀なくされている方、非常に厳しい状況にある従業員の方、雇用の維持が難しくなっている企業がある一方、人手不足がさらに深刻化している企業もあるというアンバランスな状況がございます。オール京都の体制でこの過不足のある企業間で、在籍したまま短期的な人材の助け合いを行う「短期マッチング(雇用シェアリング)モデル」を実施したいと思います。

これは、5月14日の「京都労働経済活力会議」の中で、京都経営者協会の小畑会長からご提案があったものです。

 

資料の2枚目にお示ししておりますが、京都経営者協会、連合京都、京都労働局、京都市、京都府、公益財団法人産業雇用安定センターがタッグを組み、まず「雇用シェアリング事務局」を設置します。そこで、雇用維持に困っている企業と人手が不足している企業とのマッチングを行い、両方にとってプラスになるような取組を進めたいと思います。

求人情報の提供だけでなく、このようなシェアリングを行う上で様々な留意点もございます。例えば「就業規則の整備」や「法令の遵守」などに対しては、社会保険労務士による専門的なアドバイスをいただくということにしております。

新型コロナウイルスの第2波、第3波に備えながら、社会経済活動を段階的に取り戻すという中でも、このような取組は非常に重要だと思っています。

なお、全国的にも雇用関係でマッチングをしているところはありますが、労働者側と使用者側と行政の「公・労・使」の3つがタッグを組むというのは全国で初めてだと思います。

雇用の形態の面でも、兼業としてやっているところはあっても、出向となるとそれなりに手続きが必要となりますが、そうしたところまで突っ込んでやるというのは、全国でもあまり例がないと思っています。

7月10日の金曜日から事業開始したいと思います。これはマッチングなのでなるべく多くの方に参加していただければいただけるほど、より上手く円滑に見つけられると思いますので、是非とも周知の方よろしくお願いします。

私からは以上です。よろしくお願いします。

 

「短期マッチング(雇用シェアリング)モデル」の実施について(PDF:527KB)

 

主な質疑応答

記者

きょうと子育てレーンの取組について、予算を使わずアイデアで出来る例だと思うが、ほかにも考えているか。

 

知事

一部補正予算で子育て関係の施設を整備することは発表しましたが、これは部局の中でアイデア出しをして、府民の方が利用する施設の中で比較的妊婦の方や子連れの方がたくさん来られる施設に着目して検討しました。各広域振興局でも同じようなことをやっていますので、さらに広げることを検討しています。一番ニーズが多く、活用が図られやすいところから実施します。状況を見て広げたいと思います。

論点としては子育て以外にも優先なり配慮が必要な方もおられますので、窓口が少ないところだとそこまでできないといった課題もあります。府庁の中の府民サービスは限られているので、こうした府の取組を見ていただいて、民間企業や事業団体にも広げていく端緒にしたいと思っています。コロナがなければ大々的に皆さんにお知らせしようと思っていましたが、まずは取組の始めと理解していただきたいと思います。

 

記者

雇用シェアリングモデルについて。経緯とどういった要望があったのか。どういったことから始めるのか。

 

知事

5月14日に「京都労働経済活力会議」という京都独特の会議で、私と京都市長、連合京都のトップ、京都経営者協会の会長、京都労働局長の5人が直接集まって、労働問題を単に雇用だけでなく、経営者も含めた大きな視点から話し合っています。今回は、コロナ対策で臨時に行いました。その時に、雇用の維持が大変、特に非正規の人が大変という話などがありました。その中で、京都経営者協会の小畑会長からエッセンシャルワーカーを中心に人手が足りないところも出てきていることや、グループ企業内では不採算部門から採算部門に人を移動させるようなことをやっているので、そうした雇用のシェアリングを社会的にやれば、雇用の維持につながるのではないかというご意見をいただきました。ただ、企業同士が1対1でやればどのようなニーズやどのような人が必要なのかわからないので、行政が音頭を取ってやればどうかという提案がありました。様々な課題について今日まで調整し、皆さんのご了解を得たので始めるというものです。

政府でもこうした雇用のマッチングについて6月16日に行われた副大臣会合でも議題となり、全国的な課題だと思っています。

やることとしては、人が足りないところと余っているところの情報を雇用シェアリングの事務局に集め、ここでマッチングし、話し合いの場を設けて個別企業間で交渉していただき、最終的には雇用契約に結び付けていくものです。

まず我々は、どのようなニーズと人材があるかということを集約することから始めようと思います。

 

記者

雇用シェアリングに関して、有効求人倍率が毎月下がってきている。雇用情勢をどのように認識されていて、雇用対策を打つ考えが現時点であるのか。

 

知事

雇用情勢を示す統計や指標は遅れてくるので、現在厳しい状況にあって、それは今後も更に深まるのではないかと思っています。今までも補正予算の中で、雇用しながら訓練するという予算も措置していますし、一般的な、雇用調整助成金は使い勝手が悪いという話があり、国の制度ではありますが、京都府の窓口でも相談をして申請直前まで伴走型で支援する手立てを打っています。今回のシェアリングも一つの手立てだと思います。

その一方で、企業の雇用状況も中長期的には人口減少により人手不足ではないかと思っている経営者の方もおられ、この際、コロナ後も考えるときちっと採っておくべきではないかと言われる方もいて、企業マインドのためにも企業の経営支援を併せて行うことで、なるべく雇用を維持してもらうことが必要だと思っています。

私が全国知事会でも常に言っているのが、リーマンショックの時に緊急雇用創出事業で行政が特に非常勤の方を雇うニーズを作って雇用を吸収したことがありました。新型コロナの影響はリーマンショック以上と言われています。雇用の創出というのは観光ぐらいで、マッチングはありますが、今のところまだ国の予算にはないので、国に対しては是非とも緊急雇用創出事業は作っていただきたいと思っています。

いずれにしても雇用は厳しい状況が続くと思っています。

 

記者

東京では多くの新規感染者が出ている。今後東京から京都に人が来ることも考えられるが、どのような対応を考えているのか。大阪や兵庫もあるが、専門家会議や対策会議を行う考えがあるか。

 

知事

東京の現在の感染状況は油断できないですし、厳しい状況の兆候が出ていることは間違いないので、注視しなければいけないと思います。東京は日本の社会経済活動の中心ですので、感染拡大を抑えていただくことを切に願っています。

ただ今、足元では、全体としても緊急事態宣言を出すような状況ではないということですし、第2波、第3波に備えて感染拡大予防措置を取りながら、社会経済活動を段階的に取り戻していく時期だという認識は変わっていません。

従前から第1波の対応について検証を始めております。その検証の中で、足元の京都を含めた感染状況の分析をしながら、第2波への備えをどうするかを併せて検討したいと思います。じわじわと増えている感じは持っています。ここは引き続き油断なく対応したいと思います。

 

記者

注意喚起基準について、新規感染者14人のうち7人が感染経路不明で、3項目の2つがぎりぎりのところで収まっている。それにもかかわらず、その前週が少なかったということで「前週増加比」は基準を大幅に上回るという府民から見てわかりにくい状況になっていると思うが、見直しはしないのか。

 

知事

注意喚起基準は、もともと感染予防策をきちっと取ってもらうことを改めて強調し、ある程度客観的に色を付けるものです。一方で行動自粛の再要請基準は、段階的緩和を決めるときに決めましたが、そのときの感染状況や医療提供体制、近隣府県の状況を見て総合的に発動するものと発表していました。

その後、第1波の検証をしておりますので、行動自粛自体でどういったことに協力要請をすれば感染拡大予防につながるかということとセットだと思いますので、基準自体のあり方も含めて第1波の検証の中で見直したいと思います。

ご指摘のとおり「前週増加比」だけが小さいです。段階的緩和の数字と同じ数字を行動自粛の再要請の基準に決めたので、増加局面か、減少局面か明確に示すためには増加の傾向がわかった方がいいと思って入れたのですが、異常値が出やすい基準になっており、低い数値からだとすぐに倍率が上がることになり、わかりにくいというのは充分認識しているので、全て合わせて見直しをしようと思います。

 

記者

見直しをするのか。

 

知事

どういう要請を行うかとセットのものと思っています。全国的にも第1波と同じ事はやれないし、やる必要もないということですから、どのようなことを要請すれば感染拡大防止につながるかということとセットで、第1波の検証を含めて見直し作業に着手中ですので、いずれ専門家の方の意見も聞いてお示ししたいと思います。

 

記者

前回の会見でも注意喚起基準をどう扱うのか質問したが、収束までは注意喚起の段階ではないのかという声もあり、注意喚起とはそもそも何か、今後、新規感染者ゼロが続いた時、注意喚起基準の扱いが疑問となるがどのように考えるか。

 

知事

注意喚起基準を満たすことがなくなれば、黄色信号から青信号に自動的に落としたいと思っています。すぐに黄色になった時は、同じように感染予防策を話す必要はないと思いますが、それを含めて全体の基準の中で見直したいと思います。もともと新しい生活様式や手洗い、マスクの着用をお願いしていますが、改めて認識してもらうための基準として理解をしているので、新しいことをお願いしたいというよりも思い出してくださいという基準として運用するつもりで作りました。いろんな声を聞いていますが、運用としては数値が落ちれば、黄色でなくすことは考えています。感染者数に波が来ることはあり、その途中にいると常々色を変えることになるので、そこを含めて検討しなければいけないと思っています。

 

記者

数字も含めて検討か。

 

知事

いろいろな意見もあるので、実体に合わせて数字を上下するのはどうかという声もありますし、そういったことも含めて検討するということです。

 

記者

注意喚起基準について、下がるときにはこれを利用してくださいと言い、増えるときには総合的に判断するというのはわかりにくいのではないか。他府県でも形骸化しているのではないかという指摘もある。都合がいいときだけ基準を適用するのはどうかと思うがどうか。現在、第2波への京都府の備えは万全と言えるのか、新たにどういったところを備えていかないといけないのか。

 

知事

緩和段階の時に基準として作った数字と同じ数字を自粛要請基準に採用しました。ご指摘とおり全国的にも基準が変えられています。東京のように数値の基準をなくすというのは実質的ではありますが、数値のない基準が存在するのかという難しいことがあります。私としては何らかの基準に達したときに具体的な施策をアクションする一つの目安として使うということが正しいのかなと思います。

1つ言えることは、第1波の時は明確に医療提供体制がひっ迫していて、ゴールデンウィークが近づいていく中で、日本全国で人の移動を抑え、ばさっと網をかけて抑えることが効果的だという国の専門家会議の意見を踏まえて、人と人との接触を抑えようということをしました。第1波の対策の効果についても全国的にも検証されていますので、それとセットなのです。第2波を起こさないために行う行動自粛や休業要請は、何をすれば感染拡大防止できるかとセットでないとこの基準は全く意味が無いと思っています。これは私の持論です。感染例が各都道府に多くあるわけではなく、目に見えるものではないので、的確に科学的に証明できませんが、できる限りそこを追求して、効果のある要請なり措置と、それを発動することの検討に着手する基準としての感染者の状況とをセットで決められたら一番いいと思います。うまくいくかわかりませんが、それがあるべき姿だと思います。

もう一つは、今は京都府の中のことを話していますが、首都圏のように感染者数がだんだん増えていると、単独の府県の話ではなくなってくるので、人の移動についてはもう少し広域的な観点の検討も必要になってくると思います。

ただ、第1波の時と違うのは、ある程度医療提供体制が確保されているということで、それを前提とした措置をすべきだと思います。今やることは医療提供体制と保健所の体制を含めた検査体制を万全にしておくことに尽きると思います。

 

記者

東京の感染者数が増えているが、これが1週間や10日続いた場合、首都圏との往来について慎重な検討を求めるといったことを府民に求める可能性はあるのか。

 

知事

感染経路や感染状況によって、都道府県間をまたぐ移動によって感染が全国的に拡大している状況がわかれば、当然なんらかの手を打つ必要が出てきます。都道府県をまたぐ移動を解除した6月19日以降、一定の感染が出ることは想定内だと思います。全く同じ状況が続くとは思っていません。これが出てきたときに積極的疫学調査で抑えて、クラスターを発生させないとか、潰していくとかそういう努力によって爆発的な感染を起こさないことだと思います。そこは感染状況次第だと思います。

 

記者

今日、大阪府の対策本部で再修正案を決めるということだが、京都府の見直しは京都の第1波を検証しながら京都は京都で検討するのか。それとも大阪を参考にしながらになるのか。

 

知事

どの部分を参考にするかもありますが、全部の感染症の国内の感染の中で言えばほんの一部ですから、京都の第1波の検証だけではないと思います。今起こっている感染状況にあわせて我々は次の措置を考えないといけないと思います。ただ、全国的にいろんな基準が出てくるので、それは注視して、京都府に置き直して分析していきたいと思います。

大阪の再修正案はわかりませんが、それぞれの数値、例えば新規陽性者の数に大きな差はありません。東京は数値がなくなったので比較がしにくくなりましたが、それほど差があるとは思いません。過程を見ると皆さん苦慮されているのは間違いないと思います。

大阪の数値と合わせるかどうかはわかりませんが、感染が広がり、府県間をまたぐ移動に焦点が当たってくれば、第1波の時のように措置において調整をしたり整合を取ることは当然出てくると思います。この間、政府も検証しており、明確に全国を見渡した感染予防措置等についてのメッセージは出てきていませんが、いずれ出てくると思いますので、そういうことも勘案して京都でどうすべきか決めていきたいと思います。

 

記者

7月中は観光施策の準備期間として捉えているが、この姿勢については変わらないか。前回の会見から感染者数の増え方や心理的なものが変わっていると思うがどうか。

 

知事

感染状況は少しずつ変わっていると思いますが、その姿勢に変わりはないです。

 

記者

6月議会が終わり、次の議会までしばらく期間が空くが、今直ぐに補正予算など予算を組まなければならないことはあるか。

 

知事

今、組まなければいけないということはありませんが、次の時期を睨むとすると、1つは雇用については何らかの厳しい状況になれば対応しないといけないです。観光については、8月から国内観光を本格化する場合は、Go Toキャンペーンを活用すると言っていますが、危機克服会議を作り5分野で産業戦略を検討していますが、観光産業については一番影響を受けていますので、その中でより有効な施策や提言が出てくれば活用したいと思っています。

また学びの保障については6月補正予算で措置しましたが、これから夏休みを短縮して授業が行われ、しかもカリキュラムが詰まっている中で、学校現場なり学びについても何らかの措置が必要になるのではないかということがあるかもしれません。これは補正予算との関連であると思います。

ただ本当に緊急的な措置が必要な場合は臨時議会を開いたり、専決処分で対応することもありますし、ニーズが重要なので、緊急的なニーズがあれば速やかに対応したいと思います。

 

記者

古川副知事が就任されましたが、登用した理由と評価や仕事ぶりを聞かせてください。

 

知事

人事は適材適所の一言につきます。過去の府庁職員としての仕事の実績と、私が知事になってから、直接接した仕事ぶりを勘案して選任いたしました。

 

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