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令和2年7月15日臨時知事記者会見

警戒基準の適用について

まず、感染者の状況でございますが、6月25日に陽性者が発生して以来、昨日まで20日連続で陽性者が発生しており、6月16日以降、昨日まで累計で108名の陽性者が発生し、うち感染経路不明者は31名となっております。6月29日には注意喚起基準に達したため、今一度府民の皆様に、「感染しない・感染させない」ための取組を進めて頂くようお願いしたところでありますが、その後も感染者が発生し、昨日、警戒基準に達することとなりました。本日午前中に専門家のご意見も伺い、先ほどの対策本部会議でもお示ししましたが、改めて府民の皆様に、感染拡大防止策をお願いすることとしました。

 

6月16日以降の感染者の状況を見ますと、まず、感染経路については、感染経路不明者を除いた数字になりますが、6割近くが飲食を伴う会合で、その次に同居人、職場・友人等がございますけれども、特に飲食を伴う会合に絞って年齢区分を見てみますと、9割近くが30歳代以下となっております。

感染者全体の年齢階層別につきましても、約4分の3が30歳代以下でございます。高齢者の感染割合は低く、それに連れて重症者は1名と低くなっており、医療提供体制には十分な余力があります。感染者発生のたびに積極的疫学調査を行い、感染拡大を極力抑え込むことで、感染者数は増加しているものの、ある程度コントロールできていると考えています。

とはいえ、昨日までの7日間平均で、新規陽性者は7.86人、感染経路不明者は2.29人となり、警戒基準に達することとなりました。ちなみに、重症者病床使用率は1.2%です。なお、単独の指標としては採用していませんが、参考に確認する数値としておりました新規陽性者数の前週増加比は1.72、PCR検査陽性率は3.7%です。

感染経路不明者が一定数に達したということは、その方に誰かがうつしたということであり、その背後にはある程度の感染者がおられるということですので、府民の皆様、事業者の皆様に改めて、次の点についてお願いしたいと思っております。

 

府民の皆様には、お願いが4点ございます。

1つ目の「新しい生活様式の徹底」については、身体的距離の確保、マスクの着用、こまめな手洗いに合わせて三密を避けること、これは私だけでなくすべての方がずっと言っていることですが、飲食等も含めて現在全国的にも、感染が広がるようなクラスターにおいては三密の状態になっていることが多いので、ここで改めて、三密を避けるということを十分に認識いただいて、そういうところには行かないということを徹底していただければありがたいです。

 

2つ目の「飲食機会等の感染防止」については、特に若年層に対してですが、飲食を伴う会合での感染が広がっており、全国的にもこのような状況であり、政府からも特に注意喚起をしてほしいとの要請もございますので、飲食時に大声で会話をしないこと、回し飲みをしない、大皿から直箸で料理を取らないなど、飲食を伴う会合における感染リスクが非常に高いので、十分に注意をお願いします。

飲食店の皆様には、改めて、業種別ガイドライン等に基づく感染防止策の徹底をお願いします。

 

3つ目の「大規模イベントの感染防止」については、ガイドラインも出ていますので、まずはこれを徹底して守っていただくことが必要です。7月10日から5,000人規模までに緩和されましたが、京都府の相談窓口を設置していますので、是非事前相談をしてください。これは、イベント主催者だけでなく、一定規模の施設管理者にもお願いしており、少しずつ相談も来ていますし、1,000人以下のイベントでもご相談いただければ、感染予防措置も含めて、お答えします。

 

4つ目の「接触確認アプリの活用」については、国のCOCOAもありますし、京都府のこことろについても、登録店舗数はかなり多く、約3,700人に登録いただいていますが、これは感染が発生した時のクラスター対策として重要な機能がありますので、利用拡大に向けて努力してまいります。

 

最後に、京ころな検査システムの拡充についてですが、京都府医師会の全面的なご協力により、7月20日から府内約140箇所の診療所等で唾液検査を導入します。唾液検査ですと、医療従事者の感染リスクが下がりますので、PCR検査に対する間口が広がったと思っており、早く端緒を見つけるとか早くクラスター対策ができるなど、様々な面で非常に効果的だと思っていますので、活用させていただきたいです。

この他の京都府の取組について、積極的疫学調査等による徹底したクラスター対策として、万が一施設内感染が確認された場合は、即日、専門家チームを派遣し感染拡大防止を図ります。

また、重症化リスクのある高齢者や妊産婦、乳幼児等に対する感染防止策の強化として、特に社会福祉施設等に対しては、6月補正予算でも措置をとっていますので、これを活用してなるべく早期に、簡易陰圧装置等の整備や職員研修等の対応を行います。

さらに、京都市や経済団体等とともに、新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン推進京都会議を設立します。事業者だけでなく利用者も含めた安心・安全を担保するためにも、また全体として感染予防意識の浸透という意味でも非常に効果があると思っていますので、こうした取組を進めてまいります。

 

いずれにしても、今の感染状況は予断を許さず非常に警戒すべきで、まさに警戒基準に達したと思っています。特にここにきて感染経路不明者が多く出てきておりますので、すぐに積極的疫学調査を行って、新規陽性者の周りにおける濃厚接触者をなるべく早く捕捉して、さらなる拡大を防ぐ取組を進めます。

府民の皆様、事業者の皆様をはじめ、全ての皆様のご協力を心からお願いしたいと思います。

 

私からは以上です。

 

警戒基準の適用について(PDF:816KB)

京都府民の皆様へのお願い(PDF:157KB)

 

質疑応答

記者

7月8日に新たに3つの基準を作ったが、わずか1週間で警戒基準となった。かなり早いスピードで新規陽性者が増えているが、知事はどのように考えているか。注意喚起基準から警戒基準まで移行しやすいと思うが、基準の設定は妥当だったか。

 

知事

最初の注意喚起基準の作成時は、感染者が減少局面であり緩和判断基準とともに作りました。したがって、次の局面で早めに注意喚起をするために、指標の数値をかなり低い水準で設けました。コロナとある程度共存しながら社会経済活動を取り戻していく過程においては、一定の感染者数が出るということですので、注意喚起はもともとの基準で行いましたが、緊急事態宣言で出したような法的な措置を伴う厳しいものではなく、それよりも緩やかなレベルの対策を行うものですので、注意喚起基準と警戒基準の差については、その対策についてもある程度合理的な差で説明するために、それほど高い基準にはしていません。

また、行動自粛再要請の基準値と差がある基準を設けることは、信頼性から問題だと考えました。「行動自粛を再要請する」という言葉が非常にきつかったので、それを外して警戒基準にしました。その差は合理的だと思います。ただ予想よりも到達が早かったというのはご指摘のとおりです。それだけ今の感染状況は警戒すべき状況だと思います。全国のレベルから見ても従前の黄色信号の基準と比べて、かなり厳しいもので、早めに注意喚起をしたいという思いで作りました。その思いは変わっていませんし、基準の設定が妥当でなかったとは思っていません。

 

記者

7月22日にGo Toキャンペーンが始まり、8月には全国的な移動が解禁となる。全国の知事などからもGo Toキャンペーンが早すぎるという声もある。京都は観光面でも全国的に注目されると思うがキャンペーンが始まることについてどのように考えるか。

 

知事

Go Toキャンペーンそのものは、感染予防対策を徹底しながら社会経済活動を段階的に取り戻す一環として、特に非常に深刻な状況にある観光産業の状況を踏まえて政府が決定しました。国内観光を振興していく趣旨については賛同しています。ただ、現在の状況と7月22日に開始を早めることについては、7月10日に全国知事会で緊急提言をしており、全国一律の実施ではなく感染状況や豪雨の被災状況を踏まえ、まずは近隣地域の誘客からはじめ段階的に誘客範囲を広げていくなど地域の実情に応じて実施することを強く求めることとしています。私もGo Toキャンペーンだからといって、いきなり感染や被災状況に関係なく全国を無制限に人が動き回ることを前提にすることはおかしいと思っています。地域の実情に応じてやることが一番重要です。

もう一つは、ビジネスやそのほかのことでも人の動きが始まっていますので、どの地域とかその感染状況とかということはありますが、それぞれのところで感染予防や感染拡大防止が取られている施設や交通機関があって、旅行者と受け入れる側の両方が感染予防を意識して行動されることをもって初めて事業者も旅行者も一定程度の満足が得られると思っています。そういうことも含めてトータルの形でGo Toキャンペーンは進められるべきだと思います。我々も7月中は8月からの国内観光振興の準備期間だと思っており、その意識は変わっておりませんので、少なくとも8月までは様子を見ながらとなりますが、キャンペーンは適用されますから、近場からやろうとしておりますので、そこに適用していただければと思います。

 

記者

移動する方は「ようやく京都に行ける」と思う方もいる。京都府の知事としてメッセージはあるか。

 

知事

そこは全国知事会の緊急提言と同じで、感染状況を見て移動先を段階的に広げていただければいいと思いますし、感染予防措置がきちんと取られている施設かどうかを見極めてきていただくことがいいと思います。Go Toキャンペーン以外でも人の動きはありますので、すべてについて感染予防と移動の両立を図っていただきたいと思います。

 

記者

現段階では「京都にいつでも来てください」というわけではないということか。

 

知事

そこは自然体です。国内観光振興を徐々に復活させていくという方針に変わりはありません。もともとGo Toキャンペーンは国において8月からとおっしゃっていましたから、7月中は近場から徐々に誘客範囲を広げていくことがいいと思います。

 

記者

それでは、8月以降はいつでも京都は完璧に対策ができているのでいつでも来てくださいという状況か、そうでもないのか。

 

知事

どちらにしても「京都に来ないでください」と言うつもりはありません。施設などにおいて感染拡大防止措置をしているかどうかを見極めたうえでお越しいただきたいと思います。

 

記者

東京では陽性が判明した後連絡が取れなくなるというケースがあるという報道があるが、京都でもそうした状況はあるのか。

 

知事

事務方から報告を受けている限りでは、確認が取れなくなったということは聞いていません。

 

記者

全国の知事から東京を中心とした首都圏に対する移動制限について強いメッセージを発している首長もいる。京都あるいは関西全体でそうしたメッセージを発する予定はあるか。

 

知事

少なくとも今の状況の中で首都圏に対して関西方面への移動制限のメッセージを出す動きはありませんし私もそのつもりはありません。どの地域からどの地域というよりも、感染リスクの高い施設に行かないというメッセージは必要ですし、感染予防措置も必要だと思いますが、特定の地域からの関西方面への移動制限については今のところ議論が出ていません。今の感染状況の推移は流動的ですが、今の足元ではそういう動きはありません。

 

記者

知事の気持ちとしてもそうか。

 

知事

現時点ではそうです。

 

記者

医療提供体制について、新型コロナウイルス感染症に対応した病床数は半数に戻すということだったが現状どうなっているのか。警戒基準に達している状況で、今後どうするのか。

 

知事

もともと431床の現状を目途としては210床程度に下げ、病症使用率30%を一つの目安にして徐々に体制を戻すこと、場合によっては従前の431床以上に拡充することも申し上げておりました。徐々に下げていますのでどこまで進んでいるのかわかりませんが、30%というラインを決めています。第1波の時の病床の埋まり具合のトレンドを見て、安全サイドになるように約5割の病床使用率で留まるように感染の拡大と病床の拡大を据え付けていこうとする水準として決めていますので、今の感染状況との兼ね合いを考えなければいけませんが、基本的な考えは変わっていませんし、病床については一定程度の感染拡大についても十分耐えられると思いますが、戻す時はすぐにということもありますので、柔軟に対応していきます。

 

事務方

今は263床です。

 

知事

もう一つは、今の感染状況は若い方の比率が高く、軽症・無症状の方がほとんどで、専門家の方の意見でもありましたが、宿泊施設の療養を活用すべきという意見もいただいています。病床だけではなく全体として考えた方が今の感染状況を考えると合理的だと考えておりますので、宿泊施設の療養と合わせて対応したいと思います。

 

記者

第1波では、学生に端を発したクラスターで府内の感染者が急増し、病床も7割にひっ迫した。今回、直近でもクラスターが発生しており、病院内での感染も出ているが、危機感として、知事の認識はどうか。

 

知事

病院での感染については、かなり小さな範囲でおさまりつつあると考えています。それよりも飲食を伴う会合から生じるクラスターによる感染者の数が非常に多く、しかも若い人が、一定人数が集まって、1次会、2次会、3次会と参加している過程でうつっていて、大声を出す、回し飲みをしているとか、三密の状況で換気の悪い店で長時間一緒にいたということがあります。若い人の行動については新しい生活様式を徹底して、そうした飲食はやめていただきたい。若い人同士で行っている間は無症状・軽症ですが、家庭や職場等で重症化リスクが高い人にうつす可能性がありますので、そこについては非常に危機感を持っています。これは全国的にも同じだと思います。飲食を伴う会合についての感染予防は是非お願いしたいと思います。

 

記者

第1波の時と違い重症化していないというところが大きいのかと思うが、警戒基準に引き上げられた意味合いについてどのように受け止めたらいいのか。

 

知事

重症化については命を守るために一番重要なところなので基準を設けていますし、常に心配しています。今は若い人の比率が高いので、重症者の方は少ないですが、新たな警戒基準を作る時に新規陽性者数と感染経路不明者数を「かつ」にして両方満たさないといけないことにしました。全体の感染者数は医療機関を圧迫するので必要ですが、感染経路不明者については、市中に広がっている可能性を把握するために必要な要素だと考えていました。今回この数値が基準を超え、警戒基準に到達したということなので、感染が発生したところはクラスター発生を抑えにいっていますが、警戒すべき状況にあることは間違いないと思っています。警戒基準の感染経路不明者が平均2人ではありますが、よく見ていかないといけないと思います。

 

記者

都内の感染状況の受け止めを聞きたい。また、Go Toキャンペーンに関連して、特定の地域を指して移動制限を求めることはないということだが、旅行に限らず府民に移動の自粛を求めたり、慎重な判断を求めたりする考えはあるか。

 

知事

感染症は都道府県境と関係なく、人と人の接触によってうつっていくので、ある程度感染が拡大した中では、全国的な形で一定の対策を講じなければいけないと思います。首都圏だけでなく一定の地域の感染が拡大したときに、ほかの地域がどう受け止めるのかは個別の都道府県ごとではなく政府が方針を出すべきだと思っています。

今回はGo Toキャンペーンだけ言っても仕方ないというのは、ビジネスなど、他の理由による人の移動は、首都圏や関西圏では春に比べるとかなり行われています。そうしたことを含めて、首都圏の状況がそうした移動を止めなければいけない感染拡大の規模なのかどうか。東京が「1番深刻なレベルに達した」ということが具体的にはどういうことなのかよくわかりません。今日はGo Toキャンペーンの関係で会合を持たれたということで、その内容次第では全国で対応しなければいけないことも出てくるかもわかりませんが、今の段階では、全国知事会の緊急提言の中身が各都道府県の立場だと思います。ただ今後、首都圏の感染状況がどういうものかということに合わせて、政府も含めて対応しなければいけない事案になるかどうかということだと思います。ただ、結論は聞いていません。

 

記者

東京の感染状況は今後も注視するということか。

 

知事

そうです。東京は収束していたかどうかわかりませんが第1波といわれているものが収束し、京都府や他の地域でもほとんどで新規感染者数ゼロが長く続きましが、その影響もあって、感染がじわじわ広がっている可能性は否定できないと思います。ただ人の移動により感染が一定程度拡大するということは前提にあります。今の状況がどういう段階なのか東京でも専門家の意見も聞いた上で見解を示されますが、当然一番気になるところなので注視していきたいと思います。

 

記者

今の状況を第2波ととらえてはいないか。

 

知事

京都府だけで第1波、第2波ということはできないと思いますし、第1波は全国の状況だと思います。私自身は第2波とはとらえておりません。

 

記者

昨日、近畿地方整備局で淀川水系に関する会議があった。滋賀県が大戸川ダムの早期着工を求められたが京都府として方針の変更や要望はあるのか。

 

知事

昨日の会議では事務方が出て、淀川の河川整備計画を今後どうするかという第一弾の状況説明でしたので、従来の方針を変える・変えないということはないです。滋賀県が大戸川ダムの整備の必要性を訴えられていることはわかっていますが、昨日の会議をもってどうこうということはありません。

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