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平成30年7月30日知事記者会見

平成29年度一般会計決算の概要

平成29年度一般会計決算の概要についてご報告申し上げます。

 

(1)平成29年度一般会計決算のポイント

主なポイントを申し上げますと、景気の回復基調を受け、府税は約82億円の増ですけれども、歳出で社会保障関係経費は約35億円増加しております。また、平成29年度の特徴として、前年度と比較し、台風18号・21号の災害からの復旧などに伴い、災害復旧費は約10億円の増となっており、引き続き今後とも厳しい財政運営が続く見通しとなっております。

なお、府費負担教職員制度の見直し(都道府県における給与負担を政令指定都市に移管する)の影響により決算規模は縮小しており、その影響は歳入・歳出ともに300億円程度あります。その影響を除くと、実質的には歳入・歳出とも前年度より増加しております。

 

(2)府税決算の状況

府税については、景気の回復基調を受け、法人2税が約50億円の増、個人府民税が約49億円の増で、全体としては約82億円の増で、総額は2,876億円となり、平成27年度並の水準に回復しました。府税徴収率も0.2ポイント増加し、98.8%となり、過去最高を更新しました。

 

(3)歳出決算の状況

歳出ですが、社会保障関係経費は、介護保険や医療費関係の増加により約35億円の増。商工費は、北部産業創造センターの整備等により約14億円の増です。教育費については、先ほど申し上げました府費負担の教職員制度の見直しの影響で約600億円の減少となります。

歳出決算の主な事業は、例えば、共生社会の実現については、子ども食堂や子どもの居場所開設支援や農福連携の事業所支援などを実施し、事業成果等はご覧の通りです。定住交流促進については、「お茶の京都博」の開催事業や、京都舞鶴港においてクルーズ船の寄港の回数増に対応できるような「海の京都駅(仮称)」の整備などに取り組みました。その他のところでは、防災・減災対策や文化財保護の緊急強化事業等について、記載の通りの成果につながったと思っております。

 

4ページが、府民利用施設の充実です。それぞれありますが、地方創生拠点整備交付金等を活用することで、北部産業創造センターのオープン、京都丹波高原国定公園ビジターセンターのオープン、その他施設のリニューアルオープン等、府民利用施設の充実に努めました。

 

最後に府債残高ですが、臨時財政対策債等の影響で形式的な残高が増加しているものの、京都府としてコントロールができる実質的な府債残高については、前年度比で174億円の減少となっております。いずれにしても持続可能な財政運営に努めたいと思います。細かな計数については会見後、財政課長から説明いたします。

 

平成29年度一般会計決算の概要(PDF:604KB)

 

主な質疑応答

記者

知事になって初の決算となるが、全国的な課題を踏まえ、京都府の財政状況を見たときの、課題やどういう点を国に対して見直しを求めるか。

 

知事

府税がある程度増加しているので、足下における京都の景気動向は一定順調に進んでいると思います。平成30年度は前年度比で約90億円の税収増を見込んでおりますので、今のところ順調かなと思います。ただ、冒頭申し上げましたように、社会保障関係経費等、歳出増につながる部分は非常に多いわけで、引き続き厳しい財政運営だと思います。

地方の一般財源の確保については、骨太の方針の中で引き続き確保していくことが決まり、一定の安堵感があります。先日の全国知事会議では、地方財政については、税財源の偏在の問題、これは都市と地方の対立ではなく、税源のあり方の問題が出ておりました。地方財政を運営するためにどのような税のあり方がいいのかについて、消費税が10%に上がることを契機として、さらに議論が深められることを期待しています。京都府の立場としてどのような形がいいのかは勉強していくことになります。

一方で、少子高齢化や人口減少により、ある程度中長期的に見ると、財政の歳入と歳出のバランスが厳しくなることが十分予想されます。財源となる歳入の確保もきちんとやらないといけないし、当然ですが、歳出についても不断の見直しを行う。プランを作ることになっておりますのできちっと議論したいと思います。

 

記者

歳入の確保が難しいと思うが、どういう方向性を考えられるか。

 

知事

あらゆる面で努力します。議会でも答えましたが、あの時はネーミングライツに関して話が出ていましたが、きめ細かな財源確保もありますし、もう一つは活力を維持するという意味でも経済・景気面に焦点を当て、税負担ができる活力を維持していかなければいけないと思います。

 

記者

今年も災害が続き、予算対応が難しいのでは。また、道路や河川に被害が出て、予定していた事業が進まず、厳しいといったこともあるのでは。

 

知事

6月の定例会では、災害復旧を中心に対応しました。復旧は、若干の機能増進もありますが、基本的には壊れたものを元に戻します。予防的な事業をどうするのかという議論については、知事会でも結構出ていました。完璧なハード対応を考えると、すごい事業が必要になるかもしれないので、そこはメリハリを効かすしか無いと思います。

ただ言えることは、雨の降り方も含めた気象状況について「想定外」や「経験の無いような動き」、「50年に一度」といったものがある程度の頻度で起こっている。そうした背景、状況が変わっていることがわかっていますので、それに対応したハード・ソフトの整備をどう組み合わせていくのか、もう一度きちっと見直さなければと思います。それは、財政状況という意味でも、命を守るという意味においても必要だと思います。

 

記者

全国知事会の米軍基地負担に関する提言の中で、日米地位協定の抜本的な見直しを含めて国に求めていくという文言があった。京都府も経ヶ岬にXバンドレーダーがあり当事者だと思うが、基地負担の提言に対する知事の考えは。

 

知事

全国知事会議の場で私は発言していませんが、その前の国の施策及び予算に対する政策提案で中央省庁を回った時にも、日米地位協定の見直しは入っておりました。全国知事会の立場と基本的に同じだと思います。全国知事会議の出席者が当事者かどうかは別としても、基地負担についての問題意識は高かったと思います。

 

記者

翁長沖縄県知事は欠席されていたのか。

 

知事

副知事が代理で出られていました。

 

記者

沖縄県が辺野古での埋め立て承認を撤回するようだが、京都府知事としての考えは。

 

知事

あまり軽々に話はできませんが、一般論として沖縄の基地負担が多いという数字が出ています。これまでの経緯を踏まえた沖縄県民の方の感情もきちっと尊重しないといけないという思いは強いと思います。ただ、どう解決するのかとか具体的な方策について私が定見を持っているわけではないです。

 

記者

「今後も厳しい財政が続く」ということだが、税収も増えて、歳出の増加も税収の増加と比べると少ないがそれでも厳しいのか。

 

知事

府債残高については、実質的な残高と償還のための府税との財源の関係で、約2倍を目標にしており、約2倍に近づいています。何かあったときに財政構造として硬直的でなく、機動的に対応できるようにしておくという意味で申し上げております。ただ一方で、災害だけでなく社会保障も含めて安心安全のような緊急的な課題もあるし、未来を見つめたような活力ある施策も必要で、まさにバランスだと思います。税収が増えたからといって楽観視するわけではないと言いたかったとご理解いただきたいと思います。

 

記者

福知山の大江町を取材したが、由良川の河川改修が進んでいるが、内水の問題でこの5年で4度浸水被害があり、あまりにも繰り返しすぎではないかという議論がある。河川そのものが改修されて氾濫してはいないが、内水は難しい問題だと印象がある。知事はどういった対応が必要だと考えるか。

 

知事

水は自然の法則で流れるので、大きな外水の被害が防げたら次は内水となるが、これはバランスよく進める必要のあるものです。だからこそ由良川流域については、国と京都府と地元の市が話し合ってバランス良く進めています。ただ完全にバランスが取れるわけではないのと、その時々で雨の降り方が違うこともあるので、内水への対応が課題ということは充分認識しています。また、総雨量が多くなく、短時間の雨量が多い場合、ポンプ車がたくさんあれば、支川の水を本川に吐くことができますが、ポンプの排水能力には限界があって、内水の被害が出る可能性が充分あります。前からわかっていたことかもしれませんが、改めて内水被害の対策の必要性や重要性の認識が深まったと思います。より一層、力を入れる必要があると思います。

 

記者

同じ場所で同じように繰り返し水がつくので、地元では排水機場を整備した方がいいという声もあるが。

 

知事

例えば、由良川の弘法川は今、国の直轄の排水機場の増設と府で作る排水機場と調整池と河道掘削の4つを組み合わせて、現場でどういう方法が効果的か話し合って決めています。何回も水がつくというのは申し訳ないし、気の毒だと思うので、データを蓄積し効果的な手法があり見直しできるのであれば、対応すべきだと思います。原因と降り方と、どこでどう溢れたのか、そういったことも含めた上で、地元で内水対策も含めた総合的な治水対策の計画を作っていこうと思います。

 

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