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平成30年9月7日知事記者会見

台風21号についてのコメント

お配りしている資料の説明の前に、台風21号についてコメントをしたいと思います。台風21号は非常に強い勢力を保ったまま4日の昼過ぎから夕方にかけて京都府域を通過しました。京都市中京区で戦後最大の風速を観測し、京田辺市、南丹市では観測史上最大の風速を記録しまして、各地で暴風による被害が発生しております。京都府内で6日の14時時点ですが、42人の方が負傷され、673棟の住家の一部損壊などの被害が発生しております。また、国宝を含む府内の文化財においても多大な被害が発生しております。また、1100棟を超えるパイプハウスが倒壊するなど農林水産関係でも多大な被害が発生しております。それから、倒木による道路の通行止め、さらに大規模かつ長期間の停電が発生し、今なお停電中の地域が多く残っている状況です。

まずは被災された方に衷心からお見舞い申し上げます。またこの間、災害対応に当たっていただいた警察・消防の関係機関、また地元の消防団等の方々のご奮闘に対してお礼を申し上げたいと思います。

被害はまだ完全には把握できておりません。まずは全容の把握が大事ですが、府民の皆様の生活が一日も早く通常に戻りますように、復旧・復興につきまして全力で対応して参りたいと思います。

「仕事と育児の両立体験プログラム」最終発表会の開催について

最初の発表項目は、「仕事と育児の両立体験プログラム」最終発表会の開催についてです。
京都府では、学生や若者が日頃から持っている結婚や子育てに対する漠然とした「不安」を解消し、安心して結婚、出産、子育てができる社会を目指すために、若い世代の方に、仕事と育児の両立を体験してもらうためのプログラムを実施しています。平成29年度から実施したものですが、企業内でのインターンシップ実習が終わってから、子育て中の家庭にお伺いし、子どもとのふれあいや育児のお手伝いを体験することで、「京都で働きながら子どもを生み育てる」という人生設計を考えていただく機会とするものです。昨年参加した学生から「大変だと思ったけれども両立ができるかもしれない」、「プラス面から捉えられるようになった」という感想も寄せられています。今年度は11名、6社7家庭でプログラムに参加していただきます。実習先は、一枚目の一番下に書いております。
また、今年参加した学生による最終発表会を9月14日(金曜日)13時~、京都市男女共同参画センターウィングス京都2階セミナー室で開催します。
発表会では、プログラム参加で気付いたことや両立について考えたこと、両立が可能な社会をつくるために企業や行政がどういうことをしてもらったらいいのか、参加した学生からプレゼンテーション形式で発表します。発表会には、受け入れをした家庭や企業の関係者にも参加してもらいます。当日の取材についてよろしくお願いしたいと思います。11月にはこのプログラムに参加した学生やご協力いただいた京都企業・大学等の方々をパネリストにしたシンポジウムも開催する予定です。

 

「仕事と育児の両立体験プログラム」最終発表会の開催について(PDF:9,189KB)

主な質疑応答

記者

台風21号の関係で停電が続いているが、現時点で停電に関する情報提供などの態勢で課題、見直すべき点は無いか。

 

知事

今回の大規模な停電は、非常にたくさんの教訓も課題もあります。通常、停電の範囲は関電のホームページに出ますが、今回そのシステムが作動しませんでした。

行政としては、災害対応に当たる部署において、優先復旧させる必要がある施設について、情報を集め関電に提供したところです。特に健康福祉部と連携して、早急に電源復旧する必要がある病院をリストアップして関電側に提供しました。システムがダウンしたため、関電はそういう情報を持っておられなかった。マンパワーの問題もありますので、そういうところは対応をしました。次に、信号機は比較的に情報が寄せられやすいので、関電が早く対応したのですが、一般の住家や一般の停電については情報が少なかったということがあります。

まずは、停電時の対応として緊急時にはどう対応するか定めておいた方がよい。施設側も大規模なところしか自家発電装置は無いのですが、停電時の対応を検討すべきかどうかという教訓があります。

今回、広範囲に電柱が倒れるだけでなく、倒木や風で電線が切れて復旧に時間が掛かっています。また、復旧には道路管理者と電力会社が一緒になって行動しないといけない状況があります。

今はまだ、復旧に全力を挙げてもらわないといけないので、整理はできないのですが、いずれきちっと整理をする。どこまで想定するのかという問題があるのですが、できる限りの改善策を決めておかないといけないと、今のところは思っています。

 

記者

停電の発生情報は関電からもらわないとわからないということだが、府が把握するのは難しかったのか。

 

知事

停電になれば、関電に直接電話されると思うのですが、府庁から主体的に停電情報を把握するということは難しいし、現実的では無いと思います。

日頃どういう系統があるか、特に電気の場合はどこのラインで流れているのかが重要で、我々はそういう情報を把握する出先を持っていないので、電力側の営業所の態勢との兼ね合いでしかないです。

どこから優先的に復帰したらいいかについては、逆にこちらの方に情報があるので対応するべきです。しかし、停電状況の把握は、正直に言って府庁側でイニシアチブを持つのは難しいし、現実的ではないと思います。

 

記者

農業ハウスの被害が明らかになったり、中小企業の災害対策緊急資金など、これから行政からの支援が必要になることが明らかになると思うが。

 

知事

農業被害でいうと、パイプハウスは風で被害が出ている。台風12号に比べると圧倒的に多い。既存の制度施策はフル活用して復旧復興に全力を挙げたいと思います。全容が解明していないところがあるので、パイプハウス以外にも農業施設・設備についても被害があると思います。

中小企業も当然出てくると思います。足下の経済に影響が出ないように、全力を挙げてすべての施策を動員したいと思います。

 

記者

大阪北部地震に始まり、西日本豪雨、2回の台風とこの夏、3か月の間にかなりの数の滅多にない災害が続いたが、災害から京都府を守るためにどのようなことが必要か。

 

知事

地震があって、水害があって今回は風。同じ災害はなく、それぞれの局面で被害の差があるのですが、備えはなるべく応用力や想像力を豊かにして備える。起こった災害について課題や教訓が残されると思うので、完全に同じものは来なくても、次の備えに過去の災害における教訓を生かして、改善していくことが重要だと思います。

被災された方の復旧も大事なのですが、同時にそれによって得られた教訓を災害を防ぐことに生かす。オールジャパンで見ても、形は違っても教訓を生かしていると思います。できれば、より想像力を生かして一歩先を行く準備をしておく。例えば今回の避難勧告において、避難者数はマクロで見るとそう変化はないかもしれませんが、福知山や綾部では、、降水量が多くなかったものの、避難についてはスムーズだったし、早めに対応していただいたと聞いています。これもやはり、過去の教訓に基づいてできていることだと思います。そういう積み重ねが大事だと思います。

 

記者

議会が始まるが、補正を組むか。

 

知事

被害が大きいこと、全容が解明できていないため、貴重な公的資金を投入するということも踏まえ、今後、事業化していく段階で、行政としての需要があるのか確かめた上で、補正予算も含めてどのように対応するのか詰めていきたいと思います。

 

記者

猛暑があったが、この夏の農作物はかなり厳しかったのではないか。

 

知事

想定していた気候が無ければ農作物に影響があると思いますが、直接作況に影響が出たかは手元に資料がなく聞いていません。どちらかというと猛暑については人間の命に関わるようなものがあったので、例えば運動会を先に延ばしたり、プールの授業を止めるとか、教育委員会を含めた対応がありました。

 

記者

関西国際空港はインバウンドだけでなく国際物流の拠点で、京都にとっても重要な施設だが、京都府として何かできることがあるか。

 

知事

京都府内の企業は、電子機器を中心に高付加価値の製品が多いので、関空の貨物・物流としての機能は京都にとって必須だと思います。影響を把握するのが最初だと思いますが、担当部局からの報告だと短期間であれば中部などに振り替えることで、決定的な支障は出ていないということです。国内線が一部再開すると言っていますが、物流について関空全体のどういう位置づけで機能が復旧するかにもよります。今は足下では代替機能でなんとかしのげるということですが、長期化した場合、関空の物流機能の復旧との兼ね合いなので、そこはきちっと注視するように言っております。直接、何かができるということではありません。

 

記者

松井知事は、三空港論について言っていますが。例えば関西広域連合で検討することもあるか。

 

知事

三空港論問題は、関空が水に浸かる前から、関西広域連合の中で、改めて機能分担について議論を再開すべきだという意見が出ていますし、関経連にそういう話をしています。今回の関空の状況が、その議論を後押しすることは、直感的にあるのかなと思っていたのですが、これを機にというより、既にインバウンドの多さを含めて、関西広域連合として言い出しておりますので、いずれその話が始まるとすれば、リダンダンシー(多重化・冗長化)、緊急対応としてどうしようかということです。三空港はそれぞれ空港が近いのですが、それぞれの運行条件が違います。だからこそ、機能分担が必要ということになっているので、何をどう代替していくのか議論しないといけないと思います。

また、特に高速道路のネットワークなど、全体の高速交通体系に変化が見られました。そういうことを含めて議論が進めばと思っております。

 

記者

北海道へ支援に関しては、何かしなければならないことは無いのか。

 

知事

関西広域連合の防災の取り決めの中で、関西圏以外で震度6強以上であれば先遣隊を派遣することになっており、兵庫県の防災担当が対応します。熊本地震の時はDMATを派遣したり、避難所の運営を支援しました。今回も、関西広域連合として先遣隊をすでに派遣しておりますので、その報告を待って、お互い様ですからニーズがあれば積極的に対応したいと思います。

 

記者

都市部で停電になると都市機能や市民生活への影響が大きい。例えばスマホの電源をどう確保するかとか災害対応で考えないといけないと思うが、停電時のスマホ充電についての対応は。

 

知事

今回の平成30年度北海道胆振(いぶり)東部地震では、札幌市役所の無料充電コーナーに列ができているのを見て、災害情報の収集はスマホ頼りになっていると思いました。電源は命を守るために不可欠です。必ず今回の大規模停電の教訓として生かされるはずだと思います。

今回は北海道全体の停電だったのですが、どういう電源で対応されたのか。電源車か、自家発電かわからないですが、それは重要な話になると思います。京都府独自でやることなのか、災害対応の検証を政府全体でもされると思いますし、その前に北海道電力として、ああいう状況はどうかということもあります。

需給バランスが崩れて、周波数が乱れると言われてもよくわからないということがありますが、東日本大震災の時には計画停電がありました。スマホの電源確保みたいな話は、当然教訓として対応すべき課題だと思います。

先日綾部で防災訓練をやりましたが、避難所訓練で、熊本地震では車中泊だったら誰が何人いるかわからず、食料をどれだけ運べばいいかわからなかったということがあったので、名簿に名前を書いてもらう、ペットの持ち込みで大変だったので、ペットは外で預かるというようにしており、教訓が生きてきます。

 

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