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平成30年11月20日知事記者会見

平成30年度12月補正予算案の概要について

最初に、平成30年度12月補正予算案が概ねまとまりましたので、ご説明いたします。

まず、予算編成の基本方針ですが、今年は非常に大きな災害が相次ぎました。単独の都道府県での対応は困難なものについて、政府に政策提案等を行ってまいりましたが、今月7日に成立した国の平成30年度第一次補正予算の中で必要な措置が講じられておりますので、こうしたものを活用した対応を行います。また、文化庁の京都移転をはじめ、未来の京都づくりに向けた着実な進捗を図るため、補正予算を編成しました。

 

1本目の柱は、災害からの復旧・復興等です。

基本的には国の補正予算を活用した内容となっております。また、12月補正予算とは直接関係ありませんが、すでに我々が6月・9月補正で計上した事業についても、内容を精査したうえで、可能なものについては、できるだけ国庫を活用していきたいと思っております。

 

被災農業者向け経営体育成支援事業費(3.0億円規模)

まずは農林水産被害への対応です。

写真は左側が南丹市で右側が久御山町ですが、畜舎や鉄骨ハウスなどの施設について、国の支援策が新たに発動されましたので、これを活用して復旧・復興を支援します。補助率は2分の1以内で、事業費の上限・下限はありません。全体としては3.0億円の規模を予定しております。

 

山地災害防止事業費(2.1億円規模)

次は、山地における二次被害の防止です。

直接被害を受けた場合は災害復旧事業の対象となりますが、そうではないけれども次に雨が降ると二次災害のおそれがあるところについて、国に補正予算措置を要請しておりました。亀岡市や福知山市等、山地災害が起こる可能性があると認められた府内4箇所について対策を講じます。2.1億円規模となります。

 

定置網等漁具災害復旧事業費(0.2億円規模)

これは国の補正予算とは直接関係がないのですが、台風21号が去ってから7日後、台風の影響と考えられる急激な潮流が発生し、すでに海に戻していた定置網等に被害が発生いたしました。局所的に被害額が大きく、特に地元の漁村集落の経済に与える影響も大きいということで、今回、補助制度を創設し、復旧を支援します。補助率は9分の1以内で、共済制度を活用の上、市町の支援と合わせれば、自己負担額の2分の1支援に相当するものです。0.2億円規模です。

 

府立学校ブロック塀緊急安全対策事業費(0.3億円規模)

次は府立特別支援学校の安心・安全対策です。

ブロック塀の安全対策については、地震の際の大きな課題であり、色々な施策が講じられておりますが、今回の国の補正予算でブロック塀・冷房設備対応臨時特例交付金が新設されましたので、これを活用し、来年度以降、計画的に実施するとした府立特別支援学校のブロック塀の改修を前倒しします。0.3億円規模となります。

 

府立特別支援学校緊急猛暑対策事業費(1.0億円規模)

今年の夏は災害にも匹敵する猛暑で、西日本では観測史上2番目の暑さでした。そこで、先に述べたものと同じ交付金を活用し、府立特別支援学校の空調整備を行います。これにより、府立特別支援学校の全ての普通教室・特別教室で空調整備が完了します。1.0億円規模となります。

 

2本目の柱は、未来の京都づくりに向けた着実な進捗です。

 

新行政棟・文化庁移転施設整備費(0.9億円規模)

平成33年度中の文化庁の全面的な移転に向けて、新行政棟等の整備を進めており、6月の肉付け予算で設計等の経費を計上して、埋蔵文化財調査等もはじめておりますが、年明けには3号館に入っております教育庁も移転する予定となっており、3号館の解体工事に着手します。本年度の工事費は0.9億円規模となります。

来年度にかけて解体工事等を行いますので、別途、債務負担行為として1.4億円規模を設定しております。

 

周産期等子育て医療体制強化費(0.2億円規模)

次は府立医大病院におけるNICUを増床し、周産期の子育て医療体制を強化するということで、これも6月の肉付け補正予算で基本設計費を計上しておりますが、次のステップとして、実施設計を行うということで、0.2億円規模の事業となります。平成32年度に稼働予定で、早期に開業すべく進捗を図ってまいりたいと考えております。

 

3本目の柱は府議会議員選挙の執行です。

 

府議会議員選挙執行経費(3.4億円規模)

来年4月29日に任期満了となる府議会議員の選挙執行の経費が3.4億円規模です。これは今年度分で、来年度分も当然あります。

 

予算案の規模

今年度の現計予算は8,873億円、今回の12月補正予算が11億円台で、合わせると、8,884億円台となります。昨年の12月補正後との比較は95.6%ですが、制度改正等の影響を除いた比率ですと、対前年度比は102.1%となり、9月補正等と同様の傾向となります。

 

平成30年度12月補正予算案の概要について(PDF:1,385KB)

 

ふるさと納税制度を活用した府立医科大学・府立大学の教育・研究環境整備について

二番目の項目は、ふるさと納税制度を活用した府立医科大学・府立大学の教育・研究環境整備についてです。

今までふるさと納税は、(1)有形文化財の保存・修理、(2)京都スタジアム(仮称)整備、(3)府立学校の教育振興、(4)平成30年7月豪雨災害等支援についてでした。京都府立医科大学及び京都府立大学は、それぞれ多くの学生が学んでいますが、府立医科大学の約6割、府立大学の約7割の卒業生が、京都府外に在住している状況です。そうした府外の卒業生や両大学の振興にご理解をいただける方に、ふるさと納税による寄附をいただけるよう、11月22日(木曜日)から募集を開始するので、周知をお願いしたいと思います。いただいた寄附金は、両大学の教育・研究環境の整備や地域貢献活動、周年記念事業等、振興に必要なものに充てさせていただきます。クレジットカードでも寄附いただけるようにする予定ですので、よろしくお願いいたします。

 

ふるさと納税制度を活用した府立医科大学・府立大学の教育・研究環境整備について(PDF:1,964KB)

 

年末ジャンボ宝くじの収益金による被災地復興支援について

三番目の項目は、年末ジャンボ宝くじの収益金による被災地復興支援についてです。

明日、11月21日(水曜日)から年末ジャンボ宝くじが発売開始となります。もともと、宝くじの収益金は、販売総額のうち賞金や経費等を除いた40%が発売元の収益金として交付されており、公共事業や市町村振興などに役立てております。年末ジャンボ宝くじは年間を通じて販売額が最大の宝くじですが、今回は、大阪府北部地震や平成30年7月豪雨などの被災団体に対して40億円が優先的に配分されることとなりました。資料の下部に被災団体15団体を記載しています。今回からはインターネットでの購入も可能ですので、周知をお願いいたします。

 

年末ジャンボ宝くじの収益金による被災地復興支援について(PDF:257KB)

 

主な質疑応

記者

補正予算の災害対策について、今までは対応できなかったものが、国の制度を使って対応できるようになったものが、今回の補正予算の対象か。

 

知事

そうですね。これまで制度ができていなかったものについて、今回、国の補正予算で示されたものがありましたので、京都府の予算として計上していなかったものを計上するということです。

 

記者

パイプハウス以外に畜舎や鉄骨ハウス、定置網などの復旧は、来年以降も使える恒常的な制度か。

 

知事

定置網は国の補正予算ではなくて、府の独自の制度として実施します。

国はそれぞれ補正予算で対応しておりますので、基本的には補正事由が出たときに制度を作ってきております。その制度を当初予算で恒久化することも無きにしもあらずですが、そこは我々にはわかりません。今回は被害が非常に大きく、特に農林水産関係の災害復旧や復興予算は被害の甚大さによって発動しているところもありますので、補正予算対応のものだと考えております。

定置網は、台風が去ってから7日後ということできわめてレアなケースなのですが、局所的な地元の地域経済に影響が大きいものについて、支援をしていこうという考え方です。もし同様のことが起こったときにも適応するかどうかは、その都度の判断だと思います。地域を特定したことは無いですが、地域の特殊な事情によって大きな被害が出ており、地域経済の影響が大きいという観点に立って制度を創設しましたので、同様の被害が出た場合は同様の支援をやっていくということが、府民の安心・安全のために必要だと思っています。

 

記者

倒木の対応を国に要望していたが、国の対応も含めて見通しが立たないのか。

 

知事

これまでに、府内で590件、1100ヘクタール以上の風倒木を確認しております。これへの対応としましては、例えば森林所有者の、伐採から再造林までを補助する、公共事業の森林整備事業による支援や、豊かな森を育てる府民税事業により風倒木を整理した後に広葉樹の植樹を支援する、さらには、条例で適正管理が必要な森林だと指定されている場合、危険なものを処理できるなどといった、様々な制度がありまして、私どもが国に要望に行った際に、風倒木の除去だけを支援する制度の必要性を説明して理解を得ていると思うのですが、今回の国の補正予算でそういった制度が創設されたわけではありません。

 

既存の制度をどこまで活用できるか、どこの風倒木を処理しないといけないのか、除去だけか、再造林をするのかなどについて、1100ヘクタール以上のところをどうやっていくのか。全体としていえることは、伐採した木を搬送するには、相当、技術的な知見が必要なので、全面的に協力していきたいと思っています。

 

記者

この冬は越しそうだが、それは仕方がないか。

 

知事

本当に危険なところがあれば、どうするかということもあると思いますが、間もなく雪が降り始めると思いますし、それぞれ所有者や市町村や森林組合など関係者が多いですから、引き続き農林水産部で検討しているところです。

 

記者

漁業者支援というのは、かなり珍しいようだが、場所はどこの集落で被害が出ているのか。

 

知事

伊根町です。

 

記者

伊根町で定置網が大きく壊れる被害が相次いでいるということか。

 

知事

気象が変化する前に網を引き上げていますが、台風が通り過ぎたと思って網を入れたらその後に来たという、漁業者にとっても全く予測できない被害だったと、私どもも理解しており、必要性を認めたものです。

 

記者

統一地方選についての対応で3.4億円規模とあるが、来年度予算にこれを加えるのか。

 

知事

今年度は3.4億円を今回の補正予算で計上しており、来年度予算については、今のところ5.9億円規模を予定しております。これは当初予算で審議いただくということとなりますが、合計すると9.3億円規模を想定しています。

 

記者

山地における二次災害の方針についてですが、「府内4箇所」は亀岡と福知山のほかはどことどこか。

 

知事

亀岡市1箇所、福知山市2箇所、与謝野町1箇所ですね。

 

記者

認められていない場所があり、滞っている場所が残っているという認識か。

 

知事

我々が要請したところはこの箇所で、その通り認められたと考えていいと思います。基本的には必要なところは措置していただいたと思っています。

 

記者

府立医大と府立大学のふるさと納税に関連して、返礼品を設けることは検討しなかったのか。

 

知事

完全にお返しを確定したわけではないのですが、他の公立大学でふるさと納税制度を活用しているところがいくつかあり、それらを見ると、ホームページ掲載や感謝状、銘板のようなものがあり、それぞれ個性がありました。返礼品をされているところはなく、基本は卒業生を中心にお願いしているのでそういった趣旨ではないです。ただ、場合によってはちょっとした記念品など工夫をしているところもあります。基本的には、他のふるさと納税のような形になるとは思わないですね。

 

記者

日産のカルロス・ゴーン会長が逮捕されたが、以前知事が講演でスマートシティの話の中で、ゴーンさんとお会いしたと言っていた。これは、京都府として協力をお願いしたのか、あるいは、将来的に協力ができればという話を知事の方からお願いしてお会いしたのか。それとも、たまたまお会いする機会があって話をしたのか。もし前者であれば、これから先に進めようとしたときに影響があるのか。

 

知事

(カルロス・ゴーン氏が)同志社大学で学生に講演をする際に、向こうの方から、私と京都市長、行政のトップと会いたいということで、15分か20分話がしたいとこられましたので、うちから要請したものではありません。彼は三菱自動車の会長で、京都には大きな工場がありますから、当然ながら、よろしくお願いしますという話をしました。電気自動車の話は、彼が環境の話をされていたので、私が電気自動車と京都のメーカーの関わりで、たくさんの部品を供給していますという話と、学研都市での公道の実証実験の話をしたので、次世代自動車の発信力を高めたほうがいいのではないかという感想をいただいたということです。

 

記者

そういったことをしたいから「ゴーンさん、協力しませんか」という話はなかったのか。

 

知事

15分か20分ぐらいの話だったので。逆に京都について向こうから質問もありました。話題提供という意味で、私が次世代自動車について話をしました。

 

記者

京都に三菱自動車の工場があり、今回の逮捕による影響や心配されていることがあるか。

 

知事

日産や三菱自動車の信頼が揺らぐことを非常に心配しています。どういう影響があるかはまだ我々も不透明で、きちっと分析しているわけではないのですが、注視していきたいと思います。やはり心配しております。過去にも三菱自動車は色々なこともありましたので、消費者、ユーザーとの関係で、信頼が揺らぐということがあれば、実際の経営に影響して、工場にも影響するということになれば大変だと思います。心配はしていますが、今はそこまできちっとお話しする段階ではないと思います。

 

記者

逮捕されたことの受け止めはどうか。

知事

驚いているという一言です。会社経営者として社長が話していますが、事実とすれば極めて遺憾だと思います。

 

記者

お会いしたのはいつか。

 

知事

秋だったと思いますが、後で事務的にお答えします。

 

記者

同志社大学の講演後にお会いしたのか。

 

知事

急いでおられたので、同志社大学の会議室で講演前の何分間で会いました。「これから講演に行ってきます」というところで、直前といった感じでした。京都市長とも私の前に会われていると思います。

 

記者

京都市長は一緒ではなく、1人で会ったのか。

 

知事

一対一でした。

 

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