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平成30年11月30日知事記者会見

京都府立医科大学病児保育室における地域受入枠の設置について

京都府は「子育て環境日本一」を目指すということで、総合的な施策を推進しておりますが、病児保育施設は、共働き世帯などが安心して子育てをするための環境として、非常に重要な施設です。

京都市内における病児保育施設の状況は6施設、36名となっておりますが、十分とは言えないので、昨年11月の京都府知事と京都市長との府市懇談会において、門川市長から京都府立医科大学附属病院での病児保育の実施について要望がありました。

現在、府立医大では、定員5名で、主に教職員等の子育て支援のために病児保育を実施しておりますが、今回の要望を受けて、受け入れ可能かどうか要件確認や調整を進めて参りました。児童1人あたりの床面積やベッドのような設備、人員配置、採算性といった要件を満たすことが確認でき、受入体制が整い、インフルエンザの流行期に入ることもありますので、12月3日(月曜日)から府立医科大学の病児保育室に、地域受入枠ということで新たに定員3名を設置し、受け入れを開始します。

対象となるのは、京都市内に居住する生後6ヶ月から小学校6年生までの児童です。利用日時は、月曜日から金曜日までの午前8時から午後5時30分までとなっており、利用料金は1日当たり2,000円、昼食代等は実費となります。利用にあたっては、あらかじめ事前登録が必要です。

府市協調ということもありますし、子育て環境の充実という意味からも、ぜひともご利用いただけますように、周知についてご協力をよろしくお願いします。

 

京都府立医科大学病児保育室における地域受入枠の設置について(PDF:331KB)

 

主な質疑応

記者

府立医大の病児保育について、12月3日開始だが、今日は11月30日なので、もっと早く発表すべきではなかったか。

 

知事

ご指摘はごもっともだと思います。先ほど申しました基準のクリアや調整事項も多かったので、ギリギリになってしまいました。調整と発表の時期の関係や、インフルエンザの時期がそろそろ始まるということもあり、こうなりました。ただ、現行でも利用人数が平均で一日あたり2.8人と、そんなにたくさん出てくる話でもないのです。周知期間が短いのはごもっともですが、できればご利用いただければと思います。

 

記者

準備を進めてきたということだが、実際にお金をかけてベッドを整備したり、部屋を広くする等したのか。

 

知事

定員を増やすということは、それなりの施設が必要です。一定の基準が必要なのと、それに伴う利用料で賄えることの採算性の兼ね合いだと思います。

 

記者

京都市外についての対応はどうか。

 

知事

資料2枚目の参考に書いてありますように、府域全体で25施設140名ということで、当然、拡充の要望もあります。

宮津市と伊根町と与謝野町の1市2町から、北部医療センターでの病児保育の実施要請がもともとあり、現在、来年秋に向けてある程度具体的に協議を進めています。

費用がかかる施設ですから、小規模自治体単独では難しいと思います。検討会を設けておりますので、全体でどうするかということは今後の課題です。当面の具体的なところは、北部医療センターと1市2町との協議というのが次のステップとなります。

 

記者

大阪万博の開催が決まったことについて、知事の受け止めはどうか。サテライト会場という話も出ているが、京都府としてどういう協力ができると考えるか。

 

知事

まずは、歴史と伝統のある日本文化のふるさとである京都にとりまして、食や伝統産業や伝統的な建造物といった、京都が持っている素晴らしさや魅力を発信できると思います。万博では健康やライフサイエンスも関連しますので、これについても京都が持っている学術や研究の先進性をアピールする絶好の機会になると思っています。

開催地が、関西・大阪に決まったことは歓迎したいし、その成功のためにぜひとも協力したいと思っています。どういう方法で協力するかは今後の話だと思いますが、まずはそれぞれ個別の府県の対応という前に、関西広域連合という枠組みの中で、それぞれの府県がどういう協力をしていくのかだと思います。一方で、万博の効果を関西全体に波及させるという面がありますので、その両面からどういう形で連携していったらいいのかは、今後の検討課題だと思います。

万博の会場として決まっているのは、人工島の夢洲になっています。質問にあったサテライト会場については、具体的な話は聞いていません。

昨日まで関西広域連合のプロモーションとして、京都府と陝西省の友好提携の関係で中国に行っていましたが、中国でも、私が言うより先に大阪・関西での開催について祝意を示されました。そのような意味では、京都を含めた関西の活性化の観点について、諸外国から注目されているということだと思います。ぜひとも波及効果を全体に広げていくような取り組みを進めるべきだと思います。

 

記者

中国に行かれたという話について、関西広域連合としてトッププロモーションや陝西省との友好提携もあって行かれたと思うが、どういった手応えを感じられたか。

 

知事

今回の中国訪問では、最初に西安に入りました。そこでは関西広域連合のトッププロモーションと、陝西省との友好提携35周年を迎える京都府の立場があり、観光セミナーや商談会、交流のレセプション等を行ってきました。陝西省の政府の方とも会いましたが、一言で言うと、西安は非常に経済が活性化しています。陝西省は約3800万人の人口があり、西安はそのうちの約800万人ということです。新しいハイテク特区も作っていて、内陸部の経済活性化の拠点となっており、京都・奈良を含めた関西に対する関心・親しみが強いところです。中国から日本に来る方は、沿岸部ほどではないのですが、経済発展をしておりますので、観光誘客という意味では、非常に潜在力があるということを感じました。

北京は、2022年に冬季五輪があり、来年は国際園芸博覧会があります。日本では大阪万博の決定もありますが、ラグビーワールドカップ2019、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会とワールドマスターズゲームズ2021関西があって、北東アジアとして世界から注目が集まるイベントが順々に行われます。これを機会に北東アジアとして世界から注目され、多くの方が訪れるようにという観点から協力したいという話がありました。私としては観光誘客という意味においては、中国は人口が多く、昨年も国別で1位となる約736万人が訪日していますので、誘客の潜在力がまだまだ高いと感じました。ついでに感想を言いますと、総理が中国に行かれて、李克強中国国務院総理が日本に来られたそうなのですが、トップ同士が相互交流された影響が大きいです。日中平和友好条約締結40周年の両首脳の相互交流によって、両国の発展や交流の基盤が強まったということで、全てのことで一緒にやっていきたいという話が非常に多かったです。我々は観光の関連で行ったのですが、留学生の交流とか文化とか産業も含めて一緒に協力しながら進めていこうという話が多かったと思います。一般論としても、交流を深めていく可能性が非常に高いと思います。

 

記者

京都は国際都市として海外から多くの人が訪れているが、万博となると海外からさらに人が集まると思う。国際都市として開催地の隣にある京都が果たす役割は。

 

知事

海外から来られる方は、大阪へ行かれる方のほうが多いわけです。北京で聞いた話ですが、中国の人は大阪南部が大好きと言っていました。意外性と何が起こるかわからないわくわくする感じや、路上でおいしいものが安く食べられるからだそうです。回遊ルートとしては、大阪を見て、京都に来て、京都の文化に触れるということになっています。

これは、関西に来るきっかけとしての万博という意味においても変わらないわけです。大阪に来られた方が、その後どのように関西で過ごされるかということで、京都の持っている良さがもともとあるわけですから、そこを磨くのに尽きるかなと思います。

本当にたくさん来られた時に、受け入れ環境をどうするか、中国で色々な話を聞いてきました。中国語の案内の問題やテレビの中国語放送といった受入環境の話やカード決済の話などいくつかありましたが、従来のインバウンド受入環境整備の一環だと思うので、関西がそれぞれ持っている魅力をどう高めあっていこうかということで、あまり変わらないと思います。

 

記者

京都の素晴らしさや魅力をアピールする上で絶好の機会とコメントしていたが、万博に来られた方が京都にも来られることをイメージしているのか。

 

知事

そうですね。一方で、京都をはじめとした関西地域に来る人に、ぜひ万博に一足伸ばして欲しいということもあると思うので、誘客という意味ではお互いさまみたいなところがあると思います。

 

記者

知事自身は、前回の大阪万博の思い出はあるか。

 

知事

当時、私は中学3年生で、うちは商売をしていて、万博会場ではないのですが、近くに店を出していました。英語の勉強ということで手伝いに行かされており、万博のナイターには、何度も行きました。生きている間に、二度行けると思っていなかったですね。

 

記者

万博と聞くとわくわくするような気持ちになるか。

 

知事

当時は並んで大変と言われていましたが、夜は意外とすいていましたし、今になって思えば色んな最新鋭の機器がありましたね。わくわくするという意味では、今回、AIや自動運転技術など最新鋭の先端的な科学技術もありますし、視覚的、バーチャルの体験もあるかもしれないですし、どういうものが展示されるのか個人的には非常に楽しみですね。

 

記者

万博に関して、大阪以外の自治体が負担金等を拠出する可能性はあるか。

 

知事

そうしたものは一切聞いていないですね。おっしゃっている負担金の意味が分かりませんが、博覧会の開催や会場建設については入場料を含めて収支が合う計画となっているので、そういったものを出すとは聞いたことはありません。協力していくときに、京都だけでなく関西全域にメリットがある場合に、協力していくプロジェクトのようなものがあって、こちらが主体的に整備しないといけないものがあれば、それを負担するようなことがあるかもしれません。今のところ、具体的なものは何も聞いておりません。

これも関西広域連合の枠組みの中で検討が進められると思います。今までに大阪以外の自治体の負担金については聞いたことがないですし、あまり想定できないと思います。

 

記者

必要があれば出すこともあるか。

 

知事

必要があればというか、オリンピックでも何でも、周辺のインフラ整備の話で、単独の自治体ではないところが絡む場合に一緒にやっていこうという話はありますよね。今回、そういったものが想定されているかわからないのですが、万博開催そのものについての負担金という話はイメージが沸かないということです。

 

記者

例えば京都に周辺整備するとか。

 

知事

あるかどうかわからないですけどね。会場の夢洲は、大分遠いです。今、具体的に出ているのは地下鉄延伸の話と道路ですが、そこまでの話にはならないと思います。

 

記者

関西広域連合の関係で、先日の関西広域連合委員会で、経済団体から話のあった道州制としての「関西州」について、関西広域連合発足後8年が経過し、当初、華々しく目指していた分権や出先機関の移管も進んでいないという話があった。今後、京都として関西広域連合のあり方について、どういう方向を目指すのか。また、現状をどうしていくか。

 

知事

「関西州」については、関西経済同友会が出された話ですね。もともと道州制は都道府県の存在をなくして、道州と市町村の関係にするものですが、段階的に進めていくために都道府県を残して、というご提案だったので、そういう意味では現実に近い提案だと同友会の方は説明されていました。一方で、そうすると結局4重構造となるという意見を門川市長が出されていたと思います。議論をするたたき台としては有用な意見だと思いますが、「関西州」のことがいいかどうかというと、私も4重構造のイメージがありました。議論のたたき台として出されたと理解をいたしました。

元々、広域連合は共通の事務を持ち寄ることで、より効率的・効果的に行政執行するための法律に基づく制度です。広域という観点に立てば、インフラ、交通機関や情報通信機関、経済活動や社会活動が、どんどん広域化しているのは間違いないので、方向性としては一つだと思いますが、道州制は、課税権等の国の統治機構の話です。質問の中で、議論が当初ほどの華々しさがないとありましたが、一方で広域的な行政のニーズは高まっていますので、そういうものも含めて議論するべきものだと私は直感しています。

 

記者

広域連合の意義は、これからますます必要になってくるということか。

 

知事

それは具体の施策をどこまで共通で共同化していけるか次第です。実際に効果を発揮しているものもあると思います。それがもう一つ次の段階に進んでいくのかについては、逆に言えば、そういうことが議論できる土台がようやく整いつつあると思います。

 

記者

具体的には、災害対応などでは評価されているが、それ以外に、今後知事として広域連携としてやっていくところはあるか。

 

知事

とりあえずは、今の時点ではあまり思いつかないです。

 

記者

北陸新幹線の整備に向けた京都市内の地質調査の現場で、配水管を工事業者が破損させてしまい断水が続く事故が起こった。かねてから慎重な調査をという要望をしていた京都府の立場として、それ以前の初歩的な考えられないようなミスだと思うが、知事はどう感じられて、どういう対応を求めるか。

 

知事

まず一つは、我々は「慎重な調査と丁寧な地元への説明を」と常に申し上げております。これは、原生林や地下水の問題もありますし、そもそも京都は歴史的・文化的な遺産が非常に多いことから求めているものです。それに対して今回の件は、そこで求めている慎重さと比べものにならない初歩的な話なので、これをその慎重と一緒に言われては困ります。

実際に配水管があることを確かめることは慎重と言わないです。適正な業務の執行と考えた方がいいと思います。我々が求めているのは高度な慎重ですが、そういう質問が出るということは、慎重性に欠けると言われかねないということであり、地元や関係者に対する不安を増長させるので、あってはならないことであり、極めて遺憾です。当然ですが、起こっている損害に対して、きっちりと対応し、改めて不安の無いように説明すべきです。それをしないと本来の慎重さに追いつきません。もともとお願いしている慎重な対応と地元の丁寧な説明について、改めてお願いしたいと思います。

 

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