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名誉友好大使活動レポート

京都府名誉友好大使からの報告から、名誉友好大使の活動ぶりを御紹介します。

レポート集

京都府名誉友好大使レポート集 「世界から京都へ 京都から世界へ」 (2004年発行)

京都府名誉友好大使レポート集 「世界から京都へ 京都から世界へ」 (2005年発行)


活動のようす

京都府では母国と京都府との架け橋になろうという熱意をもっている留学生の中から京都府名誉友好大使を任命しています。  京都府国際センターでの企画や、学校等を訪問し自国の歴史や文化を伝える等の活動をしています。

王梅欣(ワン・メイシン)

山東省青島市出身、和束町「体験交流センター・料理教室(平成15年9月16日)

和束町体験交流センターにて、「隣国の食文化から学ぼう」と題し、中国人留学生、王梅欣(ワンメイシン)さんから出身国の文化や生活をお話して頂き、その後料理教室が開かれました。 メニューはほうれん草と春雨のサラダ、紅焼鯖、ガタ湯。 和やかな雰囲気の中で交流が深められ、日本と中国との文化や生活環境(食事・課程等)の違いについても大変わかりやすく学ぶ事ができました。

料理教室の様子 料理教室の様子


修徳健(シュウ・デェジェン)

山東省青島市出身、京都府国際センター・中国の政治経済等について(平成16年6月20日)

京都府名誉友好大使講演会について(報告)

  1. 日時:平成16年6月20日(日曜)13時~15時
  2. 場所:京都府国際センター
  3. 講師:修徳健(中国海洋大学外国語学院教授・京都府名誉友好大使)
  4. 参加者:約40名
  5. 講演概要

(1)中国の政治の民主化の兆しについて

  • 全国人民代表大会(全人代)の機能が強化されてきている。全人代代表の選出は、本質的に信任投票による。
  • 3月5日から十日余りで北京で開催される全人代の会議は、かつては政府の活動報告、最高裁の活動報告、予算などについて真剣に議論する場ではなかった。しかし、最近では、中国が直面する多くの課題について議論するようになり、テレビや新聞でもその模様がリアルタイムで報道されるようになった。
  • 委員からの提案を積極的に受け付け、政策に反映するようになった。
  • 中国人民政治協商会議(政協)-野党連合が毎年3月3日(全人代の2日前)に開催されているが、全人代に対し厳しい意見が出されるようになった。国民の声を代表するものとして全人代の決定に影響力を持つようになった。
  • 全人代の採決も以前は100%賛成であったが、現在は棄権、反対票も投じられることがある。また、議論して結論が得られなければ採決を見送るケースも出てきた。
  • 少しずつではあるが、中国の政治の民主化の現れとして評価している。 
  • 共産党においても改革が進んでいる。共産党は無産階級の党であり、私有財産を持つ者は党員にはなれなかったが、改革・解放後、それら富裕層を取り込まねば、党基盤が脆弱になることから、自営業者も入党を可能にすることとした。
  • 情報公開の面でも積極的に情報を開示するようになった。SARSの感染拡大が防げなかったのも、情報開示が遅れたためである。経済への悪影響をおそれて、情報を隠したため、SARSによる被害が拡大し、中国人はどこへも行けず、また、外国人は帰国するなど、経済、学術交流に多大な被害を与えた。(中国国内で3ヶ月間も隔離された状態におけれることとなった)
  • 現在、きめ細かな情報を提供するとともに、内部通達を一般公開するなど情報公開法も整備された。

名誉友好大使修先生講演風景写真

(2)中国経済について

  • 中国は昨年著しい経済成長(7%)を遂げた。青島は全国平均を大きく上回る15%の成長率であった。都市部は活気に溢れており、国営企業もわずかとなり、民営化、外国企業との合弁化が進み、自営業者が増えた。
  • 青島には韓国、ドイツ、日本など多くの外国企業が進出しており、6番目の日本人学校が青島に開設されるなど、今後も日本企業の進出が見込まれている。(現在6千人の邦人が青島に居住している)
  • WTOへの加盟も中国経済のグローバル化、企業の国際化に大きく貢献している。青島にハイアールという家電メーカーがあるが、品質の良さとアフターサービスの良さから急成長を遂げている。現在、パキスタン、イタリア、アメリカ、ロシア、ポーランドに工場を建設し、海外進出が著しい企業の一つである。
  • 2008年のオリンピック(於:北京)及び2010年の万博(於:上海)開催は、中国の経済成長を加速化させている。
  • 他方、厳しい国際競争にさらされて、倒産、工場閉鎖する企業も増えている。
  • 外国企業との連携・交流が進める中、国際企業との連携も進んでいる。珠江デルタ(香港、澳門、広東省の中国で最も経済発展を遂げた地域)、長江デルタ、黄河デルタ(山東省及びその周辺)、渤海デルタ(北京、天津、河北省)、東北三省など経済圏を形成しつつある。
  • 西部と東部に大きな経済格差が生じており、その差が拡大している。
  • 他方東部の環境破壊が大きな問題となっており、政府も環境保護を重要課題の一つとしている。
  • 西部開発の一番大きな課題は人材の確保である。大学を卒業する者は東部での就職を希望する。現在、政府が西部地域に就職する若者が大学院へ再度進む場合の政府推薦、公務員就職の優先枠の制度を設けているがあまり効果を上げていない。
  • 中国人の生活水準も向上している。マイホーム、マイカーの購入も夢ではなくなった。年中いろいろな食べ物が供給されている。

(3)中国の抱える課題について

◆教育問題(青少年問題)

  • 20年前から中国は一人っ子政策を進めている。都市部は厳格に一人っ子、農村部においても二人まで(一人目が女子の場合、跡継ぎ問題や労働力問題のため)となっている。
  • このため、過保護に育てられた者が多く、自己中心的な行動が目立つようになった。(小皇帝と呼ばれている)
  • 大学の授業(50分)が我慢できない、授業中にメールを送る、すぐにキレルなど大学の授業が成り立たなくなっている。
  • 就職したがらない、ストレス過多となって自殺を願望するなどの問題も出てきている。青少年の犯罪も増えてきている。

◆貧富の差

  • 都市部の富裕層は子弟を海外へ留学させる一方で、農村部では都市部に出稼ぎに出ざるをえない状況にある。その上、建設現場等で働いた賃金の未払いが頻繁に起こっており、大きな社会問題となっている。現在、政府は賃金を支払わない企業を厳しく指導している。

◆環境破壊

  • 都市部では大気汚染が大きな問題となっている。排気ガスによる呼吸器系疾患の増加、抗生物質や農薬に汚染された食品によるアレルギー等皮膚病の増加が見られる。
  • 長江や黄河などの下流部は水質汚濁による被害が甚大である。
  • 森林伐採による砂漠化や黄砂の問題など経済成長に伴う環境破壊は社会問題となっている。
  • 他方、国民の食品の安全に対する関心が高まってきたのは良いことと考える。

◆資源・エネルギー

  • 急激な経済成長に伴い、エネルギー問題の解決が急務になっている。
  • 石油の輸入量が増えてきている。中国では電力のほとんどが火力発電で賄われており、石炭が不足してきている中、イラクやロシアからの石油の輸入が増加している。
  • 三峡ダム建設で解決されると考えられていた上海の電力も既に不足してきている。
  • 政府は節電を呼びかけているが、急激な経済成長に電力供給がついていけない状況にある。
  • 都市部の水問題も深刻である。青島では地元のミネラルウォーターの他、生活用水として黄河の水を利用してきたが、現在長江の水も必要としている。

◆中国を見る視点

  • 中国は広く、地域によって言葉や文化、生活習慣、価値観が大きく違う。
  • 山東省は儒教の影響が強いが、広東省は弱い(商売が上手い)。
  • 中国は様々である。

名誉友好大使修先生講演風景写真

(4)青島について

  • 1891年にできた新しい街
  • 人口750万人、気候は温暖で夏は過ごしやすい。(平均25度)
  • ドイツの租借地であったため、ドイツ風や洋風の建物が多い。

<プロフィール> 修 徳健(シュウ デェジェン)

京都留学中の成果を活かし、帰国後京都文化等を教材に日本語教育・日本語教育を進め、その講義は常に学生から高居評価を得ている。また、社会人対象の集中講義においても京都府を広くPRする等、積極的に活動中。それらの教育活動は、勤務校から高く評価されている。現在、中国での京都紹介展示会等の開催に向け、「京都歳時記」の編纂に尽力中。

名誉友好大使修先生写真修 徳健氏