「京都府子育て支援条例(仮称)」案の骨子
「京都府子育て支援条例(仮称)」案の骨子
1 条例制定の背景及び目的
近年、核家族化や少子高齢化の進行などを背景に、人と人とのつながりが希薄化し、地域社会では人々を温かく見守る力が次第に弱まり、家庭においても児童虐待の増加など養育や教育をする力の低下が見られるなど、子どもが安全に、安心して育つ環境が失われつつあります。このことが、更なる少子化の進行とそれに伴う経済や地域社会の活力の低下など、京都府の将来に様々な影響を及ぼすことが懸念されています。
こうした状況において、未来の京都を担う子どもが、豊かな人間性とたくましく生きる力を備え成長するよう、行政はもとより、府民、子育て支援活動団体、事業者、学校などが連携し、子育てを社会全体で支えることが必要です。
そのために、子育ての大切さや家庭の果たす役割について、すべての府民が認識を共有し、地域における人と人との信頼と絆(きずな)を再生して、ネットワークを強化し、子育てを支援する仕組みづくりを行うことにより、子育て支援の取組みを推進していくことが必要です。
そこで、子育て支援についての基本理念を定め、様々な主体の責務又は果たす役割を明らかにするとともに、子育て支援に関する施策を総合的に定め計画的に推進することにより、府民みんなで子どもや子育て家庭を支え、応援する社会を実現することをめざし、この条例を制定します。
2 基本理念
子育て支援は、家庭が子どもの育つ基盤であり、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するとの認識のもとに、子どもの人格や個性が尊重されるよう、次に掲げる事項を基本として推進します。
(1)次代を担う子どもたちが健やかに成長し、自立できるよう支援するという視点に立ち、安心して子どもを生み、育てることのできる環境が整備された社会を実現することを旨として行うこととします。
(2)子育て家庭の孤立化を防ぎ、子どもが地域における様々な活動の中で健やかにたくましく育つことのできる社会を実現することを旨として行うこととします。
(3)子どもを温かく見守り、慈しみ育むことや、親子や夫婦が共に過ごす時間を増やす等、家族の絆(きずな)の大切さについて府民の理解を深め、子どもの成長を楽しみ、子育ての喜びが実感できる社会を実現することを旨として行うこととします。
3 関係者の責務・役割
(府)
・子育て支援に関する施策を総合的、計画的に推進します。
・施策の推進に当たっては、学校、幼稚園、保育所、事業者、子育て支援活動団体、府民、行政機関等と緊密な連携を図ります。
(府民)
・子育て支援の取組みに積極的に参加し、子育ての重要性や家庭の果たす役割について理解を深め、地域において相互に連携・協力するよう努めるものとします。
(子育て支援活動団体)
・子育て支援に関する活動を積極的に行うよう努めるとともに、実施に当たっては、地域社会と連携・協力するよう努めるものとします。
(事業者)
・必要な雇用環境の整備に努めるものとします。
・子育て支援に関する活動を積極的に行うよう努めるとともに、実施に当たっては、地域社会と連携・協力するよう努めるものとします。
(学校、幼稚園、保育所等)
・集団の中での学習や様々な活動を通じて、子どもの心身の発達を助長し、子どもが豊かな人間性とたくましく生きる力を備え成長するよう努めるものとします。
・保護者及び地域社会と連携・協力して、子どもが安心して育ち学ぶ環境づくりに努めるものとします。
4 基本的施策
府は、次の子育て支援に関する施策を講じるものとします。
(1)子育てを支援する環境づくりのための施策
(相談・支援体制の充実)
・子育てや家庭問題の相談・支援体制を充実するため、学校、幼稚園、保育所、事業者、子育て支援活動団体、府民、行政機関等と連携を図り、総合的な相談・支援体制の整備を促進していくこととします。
(拠点の整備)
・子育てや家庭問題に関する総合的な支援のための拠点を整備していくこととします。
(母子保健・医療体制の充実)
・母子保健・医療体制を充実するため、妊娠、出産、子育て期における母子及び周産期医療、小児医療等を提供する体制の整備を促進していくこととします。
(児童虐待防止対策の充実)
・児童虐待防止対策を充実するため、対策を総合的に推進するとともに、市町村及び関係機関等との連携体制を強化していくこととします。
(経済的負担の軽減)
・出産や子育てに伴う経済的負担の軽減を図るため、子育て支援医療等に係る施策を実施していくこととします。
(2)子育てを支援する場・地域づくりのための施策
(子育てを支援する仕組みづくり)
・学校、幼稚園、保育所、事業者、子育て支援活動団体、府民、行政機関等の連携・協働による子育てを支援する仕組みづくりが、府民運動として展開される環境を醸成していくこととします。
(地域における組織及び人材の育成・支援)
・地域において子育て支援に関する活動を担う組織及び人材を育成・支援するための施策を実施していくこととします。
(安心・安全の確保)
・子どもが犯罪及び交通事故その他の危害から守られ安心・安全に生活することができる地域環境を整備するため、地域における防犯活動への支援等を実施していくこととします。
(子育てを支援する場の充実)
・地域における子育ての支援の場を充実するため、保育サービス等、多様な需要に対応した子育てを支援する場の整備を促進していくこととします。
(子どもの健全な成長の促進)
・子どもの健全な成長を促進するため、自然や文化・芸術に親しむなどのさまざまな体験、食育等を通じて豊かな心身を育む機会を確保していくこととします。
(3)子どもを育むことや家族の絆(きずな)の大切さを共有する意識づくりのための施策
(府民に対する啓発・教育)
・命の尊厳及び子育てにおいて家庭が果たす役割や家族の絆(きずな)の大切さについて、また、安心して子どもを生み、育てることができる社会の形成について府民に対する啓発及び教育を実施し、理解の促進を図ることとします。
(子育て支援活動団体による取組への支援)
・子育て支援活動団体が実施する、命の尊厳及び子育てにおいて家庭が果たす役割や家族の絆(きずな)の大切さについて府民の理解を深める取組を支援するため、情報提供、相談、助言等を実施していくこととします。
(事業者による取組への支援)
・事業者が雇用の場において実施する、家庭生活と職業生活における活動の両立を支援する取組を支援するため、情報提供、相談、助言等を実施していくこととします。
(学校、幼稚園、保育所等による取組への支援)
・学校、幼稚園、保育所等が実施する、様々な体験活動等を通して、命の尊厳及び子育てにおいて家庭が果たす役割や家族の絆(きずな)の大切さについて理解を深める取組を支援するため、情報提供、相談、助言等を実施していくこととします。
(表彰・認証)
・安心して子育てができる社会づくりを推進するため、子育て支援に積極的に取り組む企業、団体などの表彰を行うとともに、家庭と仕事の両立支援を行う企業の認証を行うものとします。
5 その他
・基本的施策を総合的に推進するために、子育ての支援に関する基本的な計画を定めます。
・計画の推進のため、推進体制を整備します。
・施策を計画的に実施するため、事業の成果を公表します。
・必要な財政上の措置を講じるよう努めます。
