ここから本文です。

気象による農作物被害の防止対策

気象による農作物の被害の多くは、気象予報等により事前に予測できます。
下記の基本的な被害対策を確実に行い、被害を最小限にとどめましょう。

 

 1.水稲の被害防止対策の概要

 台風対策

(通過前)
 ・強風が予想される場合、倒伏、乾燥防止のため、深水管理に努める。
 ・刈取適期になっているものは、速やかに刈り取る。

(通過後)
 ・滞水している場合は、速やかにほ場の排水に努める。
 ・成熟期に達し倒伏した稲はできるだけ早く刈る。特に京の輝き、キヌヒカリ等、穂発芽しやすい品種には注意する。
 ・収穫までに日数がある場合は、無理に起こすとさらに被害を大きくする恐れがあるため、穂を茎葉の上に乗せる。
    株際を調べ、折損していないようであれば、5~6株ずつ緩く束ねて立て寄せてもよい。排水を図り、必要に応じ、
    液肥を施用し、草勢の早期回復を図る。

 

高温、少雨対策

・ほ場をかんがいする際には、畦から漏水していないか、ほ場を点検する。
・出穂期の水不足は、稔実を著しく不良にするので、湛水管理に努める。
・登熟期の高温は、粒の充実が悪くなり、乳白粒など未熟粒が多発するほか、収穫時の殻粒水分が低下して胴割
  れ米が発生するので、土が湿った状態になるよう心掛ける。
・水温が低い夜間の入水や掛け流しにより地温の低下に努める。

 

長雨、日照不足対策

・いもち病の発生に注意し、適切に防除を行う。
・刈り取り適期は、出穂後の積算温度がコシヒカリで950~990℃、キヌヒカリで1000~1100℃、一穂全体の
  85~90%の籾が黄化した時期が基準になるので、籾の色を観察し適期に刈り取る。

 

 

 

 2.野菜の被害防止対策の概要

台風対策

 (通過前)
    ・ハウス栽培では、風が吹き込まないように閉めきる。
    ・露地栽培では、支柱を点検して補強し、しっかり固定する。
    ・ほ場内の排水溝を排水路まで確実につなぎ、雨水がほ場外へ排水されるようにする。

(通過後)
  ・排水を図り、必要に応じ、液肥を施用し、草勢の早期回復を図る。
   ・風雨による傷から病害が発生しやすいので、殺菌剤で予防防除を行う。
   ・収穫可能なものは速やかに収穫し、播種直後で発芽不良の場合は播き直す。

 

高温、小雨対策

・可能であれば、生育に合わせ定期的なかん水を行い、土壌水分を一定に保つ。
・乾燥条件ではアブラムシ、ハダニ類などが発生しやすいので、発生初期に防除を行う。
・春先でも高温時にはハウスやトンネルを開け閉めして、適度な温度を保つ。

 

長雨、日照不足対策

・生育が緩慢になるので、果菜類ではせん定や摘果により着果数を抑えるとともに、必要に応じて追肥を施用し、
  草勢を高める。
・病害が発生しやすくなるので、果実や葉に発病を認めたら切除し発生初期に防除を行う。

 

降ひょう対策

・降ひょうによる傷から病害が発生しやすいので、殺菌剤で予防防除を行う。
・なす等の果菜類では、被害茎葉の除去、枝の切り戻し等を行う。
・落葉が多い場合には、液肥施用や葉面散布により樹勢回復に努める。

 

雪害対策

・ハウスの屋根が陥没しないように、補強用の支柱を細かな間隔で立てる。
・被覆資材が破れているとハウス内気温が低下し雪が積もりやすいので修理する。
・雪がハウス側面にたまると屋根の雪が落ちなくなるので、早めに取り除く。

 

 

3.豆類の被害防止対策の概要

台風対策

 (通過前)
・排水路、排水口等の点検を行い、滞水を発生させないようにする。
・支柱、ビニールひも等による倒伏防止対策を行う。

(通過後)
・倒伏して莢が地面についていると腐敗するので、地面につかない程度に起こし、株元に空いた穴に水が溜まらな
  いように軽く踏み固める。その後、腐敗防止のため、殺菌剤の散布を行う。
・浸冠水した場合は速やかにほ場の排水を図り、殺菌剤の散布を行う。

 

高温、少雨対策

・開花期以降は多くの水を必要とするので、土が乾燥しないようかん水に努める。開花期から莢伸長期にかけて
  の水不足は、落花・落莢を増長させ、稔実莢数や一莢粒数の減少に結びつくので注意する。しかし、開花期に
  急激に大量の水を与えると根を傷めて落花することが多いので、長時間の湛水を避け、夕方にうね間かん水を
  一定間隔で実施するなどして、土壌水分量の急激な変化を避ける。
・水不足の場合は、1うねか2うね飛ばしでかん水する。区画の大きな(30a以上)ほ場では、数日に分けてかん水
  してもよい。
・開花期以降、子実の肥大に伴ってカメムシ類や子実害虫の被害が増えるので、若莢期(アズキは開花期)から
 10日間隔で2~3回防除する。また、この間の乾燥天候によりハダニ類やハスモンヨトウの発生も増加してくるの
 で、ほ場をよく観察し、発生を認めたら早期防除に努める。

 

長雨、日照不足対策

・土壌水分が多すぎる状態が続くと、茎疫病、炭そ病が発生しやすいので、適用のある農薬を確認の上、必ず予防
  散布を行う。
・収穫時期が遅くなることが予想されるので、枝豆は莢の厚みと黄化程度に注意して収穫適期を判断する。

 

 

 

 

詳しい農業気象に関することはこちらを参照

気象庁ホームページ
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/nougyou/nougyou.html

 

農水省の作成「主要作目の災害対策技術上の基本的留意事項」はこちらを参照

農水省ホームページhttp://www.maff.go.jp/j/kanbo/kihyo03/gityo/g_kihon_sisin/sisin22/pdf/iii_ii_saigai_taisaku.pdf

 

詳しいハウス被害防止対策はこちらを参照

施設園芸用ハウス 自然災害対策マニュアル(JA全農)
https://www.agri.zennoh.or.jp/ 
(JA全農 アピネス/アグリインフォ・トップページから「自然災害対策」バナー(ページ下)をクリック)

 

その他詳しいことは、普及センターまでお問い合せください。

 

 

 

お問い合わせ

南丹広域振興局農林商工部 南丹農業改良普及センター

南丹市園部町小山東町藤ノ木21

ファックス:0771-63-1864

nanshin-no-nantan-nokai@pref.kyoto.lg.jp