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疥癬の予防対策

今、高齢者の間で疥癬が流行しています。
老人福祉施設等では、疥癬を出さないために注意が必要です。
協力して予防しましょう。

疥癬ってどんな病気?

主な症状は激しいかゆみです。
ヒゼンダニが皮膚に寄生することによって引き起こされる感染症です。メスのヒゼンダニが皮膚の最も外側の層(角質層)にトンネルを掘り、卵を産み付けます。ダニの幼虫は数日で卵からかえり、1ヶ月生存します。そのため、虫や糞に対するアレルギー反応により激しいかゆみが生じます。

ヒゼンダニの弱点は?

  1. 熱・乾燥に弱い…50度では10分間で死滅
  2. 人の皮膚を離れると長生きできない…離れて、数時間で感染力を失う
  3. 人肌の温度でないと動作が鈍くなる

どうして感染するの?(感染経路について)

  1. 皮膚と皮膚との直接接触
  2. 布団やシーツ、ベッドの共用などからの間接接触
  3. ノルウェー疥癬患者を介した二次感染(皮膚の落屑にもダニが存在)

どんな症状がでるの?(疥癬には2つの病型があります)

  通常疥癬 ノルウェー疥癬
かかる人 だれでも 免疫力の低下している人
(高齢者、癌末期、重い感染症、ステロイド使用中など)
ダニの数 1000以下 100万~200万
主な症状 赤いブツブツ 角質が殻状に
(灰色から黄白色の分厚い汚い鱗のような屑が付着し、ぼろぼろになる)
かゆみ 強い
(夜に温まるとかゆみが強くなる)
個人差が大きい
発症部位 首から下
(腋下、おへその周り、手足の指の間、乳房の下、陰部など軟らかく湿ったところに出やすい)
全身 頭に及ぶことも
(手や体の骨ばったところで摩擦を受けやすいところに出やすい)
感染力 弱い 非常に強い
(ダニが大量に存在する落屑が周りに飛び散るため。ただし、ノルウェー疥癬から感染しても、なるのは通常の疥癬
潜伏期間 1ヶ月
(かかったことのある人は数日で症状がでることがある)
1週間
個室隔離 不要
室内駆除 不要
(できれば初期に1回)

感染したらどうしたらいいの?

  • 通常疥癬であれば、隔離・室内駆除不要で特に何も行う必要はないが、ノルウェー疥癬の場合は感染力が極めて高いので個室に隔離、室内駆除も行う。
  • 毎日入浴後、皮疹部だけでなく、首から下の全身にオイラックス軟膏を塗る。
  • ノルウェー疥癬では、オイラックスだけでは治療困難のため、r-BHC1%含有外用剤(リンデン)等を全身くまなく(頭部、顔面にも)塗る。
  • 他の虫さされや湿疹などとの区別が難しいので、皮膚科を受診しましょう。

治療後どのくらいでよくなるの?

  • 有効な治療が行われた後2、3日で、新しい疥癬トンネルや発疹は出なくなる。
  • かゆみは2週間~3週間持続する。
    (ダニの体や糞などが皮膚の中にしばらく残るため、それに対するアレルギー反応の持続であり、感染の持続を意味するわけではない)
    →かゆみは、弱いステロイドや抗ヒスタミン薬で治療できる。

※ 副腎皮質ホルモンの投与にて悪化するため、他の皮膚病との鑑別が大切。
感染性のないかゆみや残った結節に対してステロイドを使用する場合は、使用時期の判断を慎重に行うこと。

二次感染を防ぐためには?

ダニは50度以上、10分間で死滅するので、基本的には加熱処理で殺虫

  1. 殺ダニ薬のペルメトリン(バルサン、ゴキブリジェット、スミスリンなど)1回散布
  2. 衣類、シーツ類の毎日入浴後に交換…天日干し、乾燥機で加熱・乾燥患者の衣類は別に洗濯、タオル等の共用は避ける
  3. 電気掃除機で掃除
  4. 洗濯機の消毒は不要(通常疥癬)浴室浴槽・モップ・雑巾・ストレッチャー等の熱湯消毒(ノルウェー疥癬)
  5. 患者病室へ入る時は予防衣を着る。退院後のベッド、病室は2週間使わない