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農業ビジネス支援アクションプラン

1 プラン策定の趣旨

  • 京都府では、農業の維持・発展に向け、地域を守り生産を支える「農の担い手」づくりを進めるため、これまで進めてきた多様な担い手の連携による地域農場づくり等の一層強力な推進を基本としながら、「農の担い手確保・育成アクションプラン」を平成18年12月に策定し、「農林水産業ジョブカフェ」の開設、「担い手活用農地バンク」の開設、京野菜等生産法人の設立、農業大学校の機能強化など主に新規就農者のサポート体制を整備してきた。
  • しかし、過疎化・高齢化はますます進行しており、将来の農業・農村を見据えた場合、担い手の確保・育成は十分でなく、地域農業を支える即戦力となる担い手の確保・育成など更なる施策展開が必要である。
  • このため、これらの取組に加えて、若い人達をはじめ農業の担い手が魅力を感じる農業ビジネスモデルの育成・普及、後継者へのスムーズな経営継承・発展、企業的経営の円滑な参入を図り、更に都市農業の新たな経営展開などを進めることとし、早急に取り組むべき具体的な施策を取りまとめる。

2 現状と課題

(1)農業の担い手が魅力を感じる農業ビジネスモデルの育成・普及

<現状>

  • 若い人達をはじめ農業の担い手が魅力を感じる経営感覚に優れた農業ビジネスモデルが府内各地に存在する。
  • 地域農場づくり事業などにより設立した農作業受託組織が、継続的・安定的な経営体を目指し法人化している。

<課題>

  • 農業の担い手が魅力を感じる経営感覚に優れた農業ビジネスモデルが府内各地に存在するが、まだまだ少なく、十分に知られていない。
  • 地域農場づくり事業などにより設立した農作業受託組織が、継続的・安定的な経営体を目指し法人化しているが、米価の低迷など経営環境が厳しさを増す中、依然として米主体の経営から脱皮できていない。
  • 農地の集積・団地化による効率的利用や作物に応じた適地適作による品質・収量の高い農産物生産、新規就農希望者や農業参入希望の企業などに提供する農地の確保など農地の有効利用を図るための土地利用調整を生み出す体制が十分でない。

(2)後継者へのスムーズな経営継承・発展

<現状>

  • 集落の水稲生産の太宗を担ったり、野菜生産で地域農業をリードするとともに、収益性の高い農業経営を実践している農業者の中には、後継者のいない農業者もいる。
  • 既に、第三者への経営継承に向け、取組を進めている農業者もいる。

<課題>

  • 後継者がいないことにより、長年の努力で作り上げた優良な経営を絶やすことは、地域農業にとって大きな損失である。
  • リーダー的な農業者達は、後継者のいない農業者と新規就農希望者を結び付ける仕組みが必要と考えているが、その体制が出来ていない。

(3)企業的経営の農業参入

<現状>

  • 丹後国営開発農地を中心に食品・農林水産業関連企業などが農業生産法人を設立して、野菜や茶の生産を始める農業参入事例が出てきた。
  • また、食の安心・安全を確保するため、国内産の農産物を求める食品関連企業も増えつつあり、契約栽培による顔が見え、生産状況が確実に掴める農産物が求められている。

<課題>

  • 丹後国営開発農地を中心に食品・農林水産業関連企業などが農業生産法人を設立して、野菜や茶の生産を始める農業参入事例が出てきたが、用水路の清掃等の共同活動や雇用の確保・条件などについて地域と十分調整がされないまま参入している。
  • 農作物の栽培技術が無かったり、効率的・合理的な栽培計画を立てる力を十分持たないまま農業参入する企業もあり、参入する前に十分なアドバイスやチェックする体制がない。

(4)都市農業の新たな経営展開

<現状>

  • 府内の都市農業は、全体の農家数、農地面積の4分の1、農業産出額の4割、中でも野菜産出額の6割を占め、京都府農業の重要な位置にあり、新鮮で安心・安全な農産物生産による収益性の高い農業が展開されている。
  • 都市域の農地は、農産物生産はもとより、緑地、防災空間など多面的な機能を有しており、農に親しみたいという府民のニーズに応えるため市町村や農家による市民農園の開設が進んでいる。

<課題>

  • 府内の都市農業においても、担い手の高齢化や耕作放棄地も増加傾向にあり、農地の利用度や農業所得への依存度が低下し、農業者の農業への意欲が減退している。
  • 市民農園の開設は、農地の利用や消費者のニーズ・農への理解促進という効果はあるものの、単なる貸し農園で収益性のある農業経営となっていない。また、税制度の制約があり、農業経営の基盤である農地の維持、確保が難しくなっている。
    生産者と消費者の距離が極めて近く、販売に有利という条件を十分に生かせていない。

3 施策の基本方向

  • 農商工連携等による新たな農業ビジネスの展開など農業の可能性をさらに拡大し、地域の中核産業としての農業を発展させるためには、農業者と商工業者が自主的に集い、交流する中で知恵やアイディアを出し合う「農業ビジネス創出プラットフォーム」を構築することが重要である。
  • このため、農業支援機関と産業支援機関等をネットワーク化し、技術情報、商品開発、マーケティングなどソフト面からの支援を総合的に提供する体制を整備することにより、次の重点施策に取り組む。
  1. 若者がこれまでにない農業ビジネスにチャレンジできる環境づくり
  2. 後継ぎのいない中核的農業者の経営の円滑な継承対策
  3. 地域農業を活性化する企業的経営の秩序ある参入の仕組みづくり
  4. 都市農業は、新鮮で安心・安全な農産物供給を基本としながら、新たな経営展開による農地の有効活用を推進

<取組目標(平成25年)>

 ファンド活用連携事業体数  30連携事業体
 経営継承支援数  10経営
 企業的経営体数(企業参入含む)  10法人
 京野菜農園開設数  10農園

※ビジネスセンターでの5年間の育成目標

4 重点施策

<農業ビジネス支援による担い手の確保・育成>

(1)農商工連携等の支援拠点として「農業ビジネスセンター京都(仮称)」を設置

  • 農業ビジネス創出プラットフォームの自立的な取組を支えるとともに、認定農業者等の経営拡大支援、中核的農家の後継者育成、集落型農業法人をはじめ農業法人の経営の多角化や企業的経営の参入支援などの窓口を一元化するため、農業支援機関の機能強化により農商工連携等による農業ビジネスの支援拠点として「農業ビジネスセンター京都(仮称)」を設置する。
  • プラットフォームで創出された新たな事業化の芽を確実に育むため、マーケティングなどを学ぶ「農業ビジネススクール」の開催や、生産(一次)・販売(二次)・加工(三次)に総合的に取り組む農業ビジネス(六次産業化)等を育成するため、産業支援機関と連携して専門家等によるビジネスプランへの助言などの「ハンズオン型支援(伴走型支援)」から販路拡大や資金調達など経営の自立化までを支援する「農業ビジネス育成支援制度」を創設する。
  • さらに、「きょうと農商工連携応援ファンド(仮称)」の組成や地域連携拠点事業等の活用により、農業ビジネス経営体等が取り組む、商品開発や新商品の生産、販路開拓等への助成や経営課題の抽出・解決支援のための経営指導員・専門家の派遣等を行い、農業ビジネスチャンスの実現と、地元農産物の活用や雇用の創出など地域農業と農村の再生を図る。

(2) 農業経営継承支援制度の創設

  • 地域のリーダーや市町村、JA、府等による「農業経営継承支援チーム」を設置し、後継ぎがいない中核的な農業者と新規就農希望者等とのマッチングを行う仕組みを作る。
  • さらに、移譲農業者のオンリーワンの栽培技術や経営のノウハウを伝授するために行う実践研修制度として「農業経営継承支援制度」を創設する。
  • 移譲農業者と新規就農希望者の橋渡しを円滑にするため、事業継承の受け皿として法人設立を推進するとともに、法人が施設等を譲り受ける場合の低利の融資制度等を創設する。
  • 農地やハウス・農作業小屋等の施設、農業機械等に加え、住宅の円滑な移譲を助言・指導するため、京都府段階に金融機関、税理士、司法書士等の専門家を派遣できる体制を整備する。

(3)地域農業の有力な一員となる企業的経営の参入支援

  • 地域農業の有力な一員となり、地域活性化につながる地域密着型企業的経営の参入を進めるため、検討段階から経営開始まで「農業ビジネスセンター京都(仮称)」で支援する。
  • また、地域資源を活用した商品開発や新たな農業経営による不安定な経営初期投資の支援を行うため、農地の確保・集積の支援、基盤整備や地元雇用補助、低利融資等の「企業的経営の農業参入促進制度」を創設する。
  • 地域と企業がともに安心して参入が進められるよう、市町や地元の理解を得るための重要な事項、農地の適正利用の誓約、農薬の抑制など栽培上の遵守事項、地元雇用条件、さらに用水路の清掃等の共同活動への参加ルールを定めた協定の締結例などをまとめた参入マニュアルを作成する。

(4)都市域における農業体験を提供する「京野菜農園」の整備支援

  • 農に親しみたいという府民との協働や企業の福利厚生事業、園芸療法を取り入れる福祉施設等との連携も視野に入れながら、プロ農業者が持つ京野菜の栽培技術や食に関する知恵、農の伝統文化などの提供を農業経営の一事業とする農業体験農園「京野菜農園」の整備を推進する。
  • 具体的には、農業体験の京野菜主体のカリキュラムづくり(一年を通した京野菜の栽培・収穫体験。例:春…花菜、夏…賀茂なす、秋…紫ずきん、冬…みず菜・九条ねぎなど)や講師養成講座の開催、農業体験農園開設マニュアルの作成や農園整備の支援等を行う。

検討会開催状況

 (1)第1回政策検討会(平成20年6月27日(金曜日))
     アクションプランの進め方について
     事例報告(企業的経営者のビジネスモデル)
     企業参入の状況について
   第1回議事概要( PDFファイル ,17KB)


 (2)第2回政策検討会(平成20年7月28日(月曜日))
     府民協働による農業経営体の育成について
     事例報告(農業体験農園の運営)
   第2回議事概要( PDFファイル ,27KB)


 (3)第3回政策検討会(平成20年9月3日(水曜日))
     事例報告(広島県における企業参入の取組)
     中間案について
   第3回議事概要( PDFファイル ,24KB)


 (4)第4回政策検討会(平成20年10月17日(金曜日))
     事例報告(企業の農業参入の取組)
     企業等の農業参入支援について
   第4回議事概要( PDFファイル ,26KB)


 (5)第5回政策検討会(平成20年12月18日(木曜日))
     事例報告(経営感覚のある農業の取組)
     パブリックコメントの結果について
     アクションプランについて
   第5回議事概要( PDFファイル ,27KB)


 (6)農業経営継承検討会(平成21年3月24日(火曜日))
     事例報告(第三者への農業経営継承の取組)
     農業経営継承の今後の展開方向について 
   検討会議事概要( PDFファイル ,34KB)


  (7)平成21年度第1回政策検討会(平成21年12月18日(金曜日))
     講演(「農」が変える食ビジネス)
     事例報告(和束町農産物の海外輸出展開)
     農商工連携について
     農産物直売所について
     農産物の輸出について
   検討会議事概要( PDFファイル ,37KB)


 (8)平成21年度第2回政策検討会(平成22年3月30日(火曜日))
     講演(地域の特徴を生かした農産品輸出)
     事例報告(京都名酒会の取組)
     意見交換 
   検討会議事概要( PDFファイル ,23KB) 

 

   (9)平成22年度第1回政策検討会(平成22年6月9日(水曜日))
     話題提供(農林水産物輸出の現場から―なぜ、いちごは空を飛んだのか―)
     アクションプラン策定に当たっての主旨説明
   第1回検討会議事概要( PDFファイル ,15KB) 

 

 (10)平成22年度第2回政策検討会(平成22年7月21日(水曜日))
     事例報告(シソの海外輸出の取組)
     輸出に関する意向調査の結果について
     輸出アクションプランの素案の提案について
   第2回検討会議事概要( PDFファイル ,11KB) 

 

 (11)平成22年度第3回政策検討会(平成22年8月20日(金曜日))
     講演(中国向けインターネットショッピングモール“JapaNavi”を活用した中国内販拡販戦略)
     輸出アクションプラン(中間素案)の提案について
   第3回検討会議事概要( PDFファイル ,13KB)

 

 (12)平成22年度第4回政策検討会(平成22年9月3日(金曜日))
     講演(東アジア等への輸出に向けた知的財産の保護)
     輸出アクションプラン(中間案)の提案について
   第4回検討会議事概要( PDFファイル ,20KB)

 

 (13)平成22年度第5回政策検討会(平成22年11月12日(金曜日))
     農業ビジネス支援アクションプラン<改定>(最終案)の提案について
     講演(ジェトロツールを活用した海外ビジネス成功事例)
     講演(「中国ワイン市場の現状」~拡大する中国のワイン市場~)
     中国上海市における市場調査の実施について
   第5回検討会議事概要( PDFファイル ,15KB) 

検討会委員

20・21年度検討会委員名簿 (PDFファイル ,7KB)
22年度検討会委員名簿( PDFファイル ,7KB)