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きょうと元気な地域づくり応援ファンド検討プラン

きょうと元気な地域づくり応援ファンド検討プラン 

1.プラン策定の趣旨

 地域の公益を担うNPO活動や、地域が抱える課題にビジネス的手法で取り組むコミュニティビジネスに対する社会的な関心が高まっている。 
 しかし、地域の課題解決や活性化を図る個人及び団体の活動基盤は脆弱な場合が多く活動が定着しにくいため、行政と府民が共に「きょうと元気な地域づくり応援ファンド(仮)」を創設し、資金的な支援や活動を行う場所等を提供することで、府民が互いの信頼と絆のもとに協働し、地域力の再生を図ることができる社会環境づくりを進める。

 2.現状と課題

(公共ニーズの複雑化・多様化)
 社会構造の急速な変化や府民の価値観が多様化する中、コミュニティの希薄化が進み、地域の課題も一層複雑化、専門化しており、それに伴い公共サービスの領域が広がるとともに、地域の団体等と行政の役割分担も変化してきている。こうした公共サービスへのニーズに対応し、地域の課題解決を図り活力ある地域社会づくりを進めるためには、地域住民・団体・行政がそれぞれの役割を発揮し、社会全体で公共・公益を担うことが求められている。
(多くのNPO法人・若手芸術家が活動)
 この公益を行政と共に担うNPO法人については、毎年、新たに約100法人が設立し、現在900以上の法人が活動しているが、年間支出額が1千万以下の法人が約8割(平成17年度)と財政基盤が脆弱であるため、資金協力を希望する団体が多い。
 また、府内には芸術系大学の卒業生等をはじめ多くの若手芸術家等が創作活動に従事しており、これらの活動が活性化することが、京都の文化力の向上や心豊かで質の高い府民生活の実現につながる。しかし、安定した活動を展開するための資金や活動の場が少なく、若手芸術家等の活動基盤に対する支援が必要な状況にある。
(女性起業やコミュニティビジネスの充実への期待)
 一方、ビジネス的手法を活用して地域や社会の課題解決に取り組むコミュニティビジネス等の事例が増えてきている。これらの取組を、自立した持続可能なビジネスとして成立させていくためには、経営面での助言や立ち上がり期の資金調達などの支援が必要な状況にある。
 特に、女性の起業については、子育てや介護等によるブランクを経ての再チャレンジであることも多く、人脈が乏しいことなどから、取引先との折衝や、資金の融資や借入れの際に不利に扱われると感じられるケースもある。
(望まれる活動への支援)
 このように、地域の課題解決や活性化に取り組む個人及び団体は、小規模なことが多いため、安定した活動の展開が難しく、社会的信用が得にくい状況が見られる。
 一方で、その設立、運営、活動を経済的に支える社会的な仕組みは十分に整っていないため、それぞれの活動が定着しにくい状況がある。

 3.施策の基本的方向

(「きょうと元気な地域づくり応援ファンド(仮)」の創設)
 2つのプログラムで様々な活動支援を行う「きょうと元気な地域づくり応援ファンド(仮)」を創設し、地域全体で公共・公益を担う社会づくりを推進する。

(1)収益を目的としない公益的な活動への支援プログラム
(2)コミュニティビジネス等支援プログラム
 

4.「きょうと元気な地域づくり応援ファンド(仮)」の仕組み  

4-1 収益を目的としない公益的な活動への支援プログラム

(1)趣 旨

・ 地域の課題解決や活性化に取り組むNPO(注1)や若手芸術家等が、社会的に認められ輝くことができるよう、活動に必要な資金や活動の場等の提供、利用者へのフォローアップなどを行い、その活動が府民の暮らしに根付くことができる環境づくりを行う。 
(注1)NPO:法人格の有無のかかわらず、自主的・自立的に公益的な活動に取り組む民間非営利団体(NPO法人、ボランティア団体、地域活動団体など)

・ 府民や企業、行政が共に資金等を提供することで、支援する側と支援される側の双方が、社会貢献の直接的従事者と間接的従事者になることができ、府民自らが府民の公益を支えることができる仕組みを構築する。

(2)3つの特徴

<1>府民の多様なニーズへの対応
・ 府民の様々なニーズに対応できるよう、資金的支援だけでなく、活動の場の提供など時流に応じた支援を包括的に取り組む総合的なプログラムとすることで利用者の利便を図る。
<2>府民が育て、成長する仕掛け
・ 府民の公益を府民自らが支えることができる仕組みの構築と併せて、資金等を提供する側にとっても魅力のある助成制度などを創設し、社会ニーズに応じて成長するプログラムとする。
<3>府民が見守る適正な運営
・ 府民の視点に立った適切な運営を行うとともに、活動内容が更に発展するよう助言等を行う。 

(3)支援の対象

・ 地域課題の解決や地域の活性化に取り組むNPO、若手芸術家等

(4)取り扱う資源

・ 府民等や行政機関からの資金
・ 府民等から提供のあった建物・土地・資材や府有資産
・ その他、人材などの資源等

(5)支援の内容

(融資制度)
・ 組織設立・運転資金(つなぎ資金)・設備投資などを対象に、既存の融資制度では対応しにくい少額融資を行う制度を創設する。
・ 一定額の資金を銀行に預託し、低金利で銀行が貸出す方式とする。
(助成制度)
・ 府民等が、文化芸術活動、女性のチャレンジ、福祉活動、組織の運営支援などの寄附の対象分野を指定できる助成制度を創設する。
・ 助成制度の独自性を発揮できるよう、助成目的や期間、助成額、対象などの制度内容を定めて公募を行う。
(冠助成・冠褒賞制度)
・ 一定額以上の寄附金に対しては、寄付者の名称を使用するなど寄付者の意向に応じてプロデュースする「冠助成・冠褒賞制度」を創設し、寄付者が直接的な資金等の提供者となれる助成・褒賞事業を行う。
(まごころ掲示板)
・ 府の施設や府民から提供を受けた不動産・資材等を適材適所で活用できるよう「まごころ掲示板(仮称)」を開設し、府民等から提供のあった建物・土地・資材や人材などの資源の仲介を行う。

(6)円滑な資金等の調達を目指して

・ 府民の公益を府民自らが積極的に支えたいと思えるよう様々な工夫を行い、府民が育てる仕組みづくりを行う。

(分野指定寄附)
・ 府民の意思を助成金等の用途(文化芸術、福祉など)に反映できる「分野指定寄附(注2)」を行うことで出資しやすい環境づくりを行う。
(注2)分野指定寄附:寄附する側が、寄附金の使用用途について環境、子育て、文化などを指定できる制度

(商品代金等の一部寄附)
・ 商品代金等の一部が寄附される仕組づくりを行うことで、日常生活においても公益を支えることができる社会環境づくりを行う。
(オーダーメイドの助成・褒賞)
・ 寄付者の希望に応じて、寄付者の名称を使用するなどの魅力的なオーダーメイドの助成制度や褒賞制度をプロデュースし、寄附したいと思える制度づくりを行う。
(資金等の調達イベント)
・ 資金等を調達するために、パーティやバザーなどのイベント等を行う。
(ロゴ使用許可などの特典)
・ 希望に応じて、社会貢献の間接的従事者であることを示す寄付者の名称公開や、公益を支える個人・団体であることを示す「地域づくりサポーター(仮)」のロゴマークの使用許可などの特典を設ける。

(7)利用者の選考と活動への助言

(委員会)
・ 融資制度や助成制度などの利用者の選考と活動への助言を行う委員会を設置する。
・ 委員会は、府民の意見が反映できるよう有識者、実務者、金融関係者、行政担当者などで構成する。
(選考方法)
・ 委員会は、府民の意見及び採算性や専門性などに関する専門機関の意見を踏まえて利用者を選考する。
・ 府民の意見については、申請内容をホームページでの公表など広く意見を聴く。
(選考基準)
・ 選考基準については、その使途に応じて公益性、地域性、継続性、発展性、採算性、専門性、実行性、活動実績の他、ファンド利用者が地域に公益を還元すること等を考慮することとし、その選考基準・選考過程を明らかにする。
(活動助言)
・ 委員会が活動内容の確認を行い、必要に応じて更に発展するよう助言を行う。
・ 活動内容については、ホームページで公表し府民からの意見を聴く。

 

(8)運営とフォローアップ

(運営組織)
・ 支援を行う運営組織については、利用者及び寄附者の双方から信頼される専門性の高いスタッフの活動しやすい環境づくりが不可欠であり、京都府はそのために必要な支援を行う。
・ 寄附金等の一部を組織の運営経費とするなど、自立した組織運営ができる仕組みづくりを行う。
(運用に関する説明責任)
・ 利用者の選考過程や使途内容などを明らかにすることで、寄付金の責任ある取り扱いを行う。
(利用者へのフォローアップ)
・ 利用者のネットワークが広がり、より幅広い活動が展開できるよう、活動報告会や異業種交流会などの各種交流の場を設ける。

(9)支援プログラム実現に向けた検討課題

<1>管理・運営体制の構築
・ 様々なメニューを取り扱うこととなるため、こうした取組を効果的・効率的に実施できる管理・運営体制の構築が必要。
<2>寄附者にとって寄附しやすい環境の整備
・ 運営のための円滑な資金等の調達には、寄附する際の税の減免等、寄附者にとって寄附しやすい環境づくりが必要。

4-2 コミュニティビジネス等支援プログラム

(1)趣 旨
・ 独立行政法人中小企業基盤整備機構(以下「中小機構」という。)の「地域中小企業応援ファンド」制度を活用して、ファンドを造成し、ビジネス的手法を活用して、地域や社会の課題解決に取り組むコミュニティビジネスの事業者が、自立した持続可能な事業として取組を進めていくために必要な資金について、支援を行う。

(2)特 徴 
コミュニティビジネス等の事業活動を促進
・ 立ち上がり期の事業基盤の整備を促進して、地域が主体となった事業の創出や経営革新等を図る。

(3)支援の対象者
・ 創業又は経営の革新を行おうとする中小企業
・ 上記の中小企業を支援する事業を行う者
・ 自ら事業を行うNPO等の中小企業以外の者

(4)支援の内容
(創業時の資金支援)

・ 創業時(立ち上がり期)の初期設備費用等について助成を行うことにより、コミュニティビジネスの起業を促進し、事業活動のスムーズなスタートを支援する。
・ 支援対象は、事業の立ち上げに伴う初期設備費用や新商品開発の経費の一部とする。
(コミュニティビジネスを支援する事業への支援)
・ コミュニティビジネスに取り組む事業者を支援する団体等を支援する。
・ 支援対象は、事業者の計画づくり、事業実施のフォロー、指導など支援事業に必要な経費の一部は又全部とする。
(女性起業者への支援)
・ 女性の起業は、生活経験を活かしたり地域密着型の起業をすることにより、地域を活性化する鍵となりうる。このため、支援事業の中に女性起業支援枠を設けて、積極的な取組を支援する。

(5)財源
(形態)

・ 中小機構の無利子貸付金に加えて、地域力の再生に取り組む京都府と地域経済の発展を支援する地元金融機関が協力して、ファンドを造成する。
・ 管理者はファンドを運用し、その運用益を支援(助成金)の原資とする。
(中小機構の貸付条件)
・ 貸付割合…ファンド総額の8割以内
・ 貸付期間…貸付金の償還期間は、10年間以内(貸付期間終了後一括償還)

(6)運営・事業審査
(運営)

・ 京都府が出資する財団法人
(事業審査委員会の設置)
 助成対象事業者の決定に当たっては、事業審査委員会に諮る。
・構成:有識者、金融機関、行政関係者等
・審査選定基準:市場性、事業化実現性、競争力、経営体制、革新性、支援体制等
(事後評価の実施)
・ 助成を受けた事業者は、継続的に事業の進捗状況を報告するものとする。
・ 事業審査委員会は、助成金の使途、実績等についての事後評価を行う。

4-3 総合的な展開

(連携体制)
・ 「きょうと元気な地域づくり応援ファンド(仮)」を構成する2つの支援プログラムが連携・役割分担を行う中で、より効果を発揮できる体制を構築する。
・市町村が当ファンドを活用できるような仕組みづくりを行う。

(府民に分かりやすい環境づくり)
・ ファンドの支援内容や相談窓口を分かりやすく明示する等、府民の利用しやすい環境づくりを行う。 
・ 「きょうと元気な地域づくり応援ファンド(仮)」で実現できる内容やファンド利用者の事業内容等をホームページやマスメディアを活用して紹介し、ファンドの有効性に関するPR活動を戦略的に展開する。