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学校図書館司書の先輩職員

経歴の所属名は、発令当時のものです。(組織改正により、現在の所属名と異なる場合もあります。)

村瀬 奈奈(平成19年度採用)

顔写真

 経歴

平成19年4月 府立洛西高等学校

 

 

 

 どんな仕事をしていますか。

本の選定やレファレンス(調査相談)だけでなく、読書活動・教科学習への支援や環境整備など、学校図書館の運営全般に関する仕事を行っています。個別のレファレンスは相談者と一対一で回答を探していきますが、教科学習への支援は、生徒それぞれが自分なりの回答にたどり着くための材料提供を幅広い視点で行う力が求められています。大学では農学を専攻していましたが、最近の調べ学習では環境問題を取り上げることも多く、一見司書の仕事とは関係ないように見える大学での勉強が役に立っているなと思うことがあります。例えば、遺伝子組み換え食品が題材の場合、食品としての安全性について書かれた資料のほか、種そのものの改良の過程、作付時のまわりの自然環境に及ぼす影響など、複数の角度からのアプローチを想定した資料を提供することができました。司書の仕事には、今までの経験すべてが役に立つと言えます。

 仕事をする上で心がけていることは何ですか。

若者の読書離れを問題視する声もありますが、世論調査等のデータ上では読まない子は減ってきているようです。ただ、実際に高校生と接する中で、読む子は読むけれど、まだまだ読書のおもしろさを知らない子は多いなと感じています。社会に出ると、自分で意識しない限り図書館に行く機会はなくなります。学校という毎日通う場所にある図書館として、読書の世界への働きかけができる最後のチャンスと思い、本を手にとってもらう工夫をしています。「これおもしろかったよ」と言ってくれた本には、生徒自身に簡単な感想を書いてもらったテープを本にぺたりとはってみたり、「○○先生おすすめ!」と表示してみたり。身近な声があると手にとってもらいやすくなりますし、高校生に親しみのあるものを読むきっかけにしてくれたらいいなと思います。次は図書館に足を運ばない生徒への対応が課題ですね。

 今年やってみようと思っていることはありますか。

大学進学に当たって、教授がどんな研究をされているのか知りたいとの声があり、インターネット上での論文検索の仕方をアドバイスしたことがありました。偏差値だけでなく、大学で何を学びたいのか、将来を見通した視点でいろいろ調べてほしいですし、職業や進路選択について図書館も役に立つことをもっと多くの生徒に知ってほしいです。また、面接や論文も、技術だけでなく、幅広い知識や自分で考える力がないと内容が伴いませんが、いろいろな世界を知ることができる読書が必ず役に立ちます。進路指導と連携し、司書としてサポートできる題材をもっともっと提供していきたいです。

 受験される皆さんへのメッセージ

自分自身がたくさん読んで、考えて、常にアンテナを立てていないと、生徒たちに的確なサービスを提供することはできません。学校の中だけでなく、大きな視点で研究活動を行ったり、他の司書と連携したりすることもあります。自分なりのビジョンを持って行動すれば世界が拡がっていくと思います。

(平成22年4月取材)

 

お問い合わせ

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