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第2回検討会(第3回京都府リハビリテーション部会)開催結果

開催概要

当日資料一式(PDF:2,238KB)

主な意見等のまとめ(PDF:173KB)

日時

平成25年8月13日(火曜日)15時~17時

場所

京都府医師会館2階 212,213会議室

当日出席者(敬称略)

学識経験者

平澤泰介(京都府立医科大学 名誉教授)
久保俊一(京都府立医科大学 教授)

保健医療福祉関係者

谷口洋子(京都府医師会 理事)
水野昭彦(京都府歯科医師会 地域保健部次長)
武田隆久(京都市立病院協会 副会長)(代理出席)
内藤和世(京都府病院協会 理事)
今西美津恵(京都府看護協会 会長)
並河茂(京都府理学療法士会 会長)
織田泰匡(京都府作業療法士会 地域部 部長)
山下明宏(京都府言語聴覚士会 理事)
松本善則(京都府介護支援専門員会 理事)
前渕功(京都府老人福祉施設協議会 副会長)
大川和春(京都府介護老人保健施設協会 理事)
野稲貞雄(京都府地域包括・在宅介護支援センター協議会 理事)
塚脇康宏(京都府障害厚生施設協議会 会長)
中野博美(京都府医師会脳卒中登録事業委員会 委員長)
垣田清人(京都府リハビリテーション連絡協議会 委員)
東小百合(丹後地域リハビリテーション支援センター コーディネーター)(代理出席)
中村紳一郎(中丹西地域リハビリテーション支援センター センター長)
小幡彰一(中丹東地域リハビリテーション支援センター コーディネーター)
林田達郎(南丹地域リハビリテーション支援センター センター長)
小西哲郎(京都市域地域リハビリテーション支援センター 院長)(代理出席)
吉岡慎二(乙訓地域リハビリテーション支援センター センター長)
髙橋守正(山城北地域リハビリテーション支援センター センター長)
岩本芳浩(山城南地域リハビリテーション支援センター センター長)

行政関係者

木曽布恭(京都府市長会 (亀岡市 担当部長))
中嶋浩喜(京都府町村会(和束町 担当課長))
中田泰司(京都市保健福祉局(京都市身体障害者リハビリテーションセンター 次長))
廣畑弘(京都府保健所長会 副会長)(代理出席) 

概要

議題

  1. 第2回リハビリテーション部会(第1回京都府総合リハビリテーション推進プラン検討会)の主な意見について
  2. 個別項目の検討について
    1. 高齢者のリハビリテーションについて
    2. 障害児・者のリハビリテーションについて

主な意見等

高齢者のリハ
人材の確保・育成について 

リハ医の確保・育成について
京都府リハビリテーション教育センター(以下「リハ教育センター」)について

  • リハ教育センター設立趣旨の3つのポイントは
  1. 専門医を育てる
  2. 開業医にリハマインドを普及
  3. 他府県からの先生とも協力、連携して実施ということ。

是非みんなで京都をもり立てていきたい。

  •  リハ教育センター主催の第1回座学研修会を平成25年10月6日(日曜日)に実施する。多くの医師にリハマインドを持っていただきたいため、できる限り門戸を広げるという意味で無料とした。
    講師の先生もリハ教育という考えに賛同いただき、報酬なしでやっていただいている。是非参加いただきたい。
  •  京都府医師会としてはこのリハ教育センターに全面的に協力する。
  • 京都在宅医療塾では、内科医に多く参加いただいているが、リハマインドを持った内科医を増やすことも重要と考えており、この研修を周知していきたい。
  • 京都私立病院協会としても協力していきたい。リハ医もリハ専門職も不足しているので、そういう方を教育・養成することは大切。また北部・南部では人材確保が難しい面もあるので、地域偏在解消の施策も必要。
  • 京都府病院協会は急性期から在宅までの広範な範囲の病院で成り立っている。急性期リハから在宅リハを含め、全てを見る立場にあるため、座学研修会にも積極的に参加していきたい。
  • リハそのものをしっかり勉強した医師は少なく、現状は神経内科や整形外科が担っている。リハを学ぼうと思っても、その場がなかなかない。是非、このリハ教育センターにおいて、リハ医のあり方など、リハそのものに興味をもたれる先生を教育・養成していただきたい。
  • 多くの科の先生が集まっていただきやすいように、広く、浅く門戸を広げたスタートがいいと考えているので、今回のリハ教育センターでの研修は大変良い。
  • リハ専門医の養成はなかなか難しいが、リハの評価ができる程度の知識を広く、かかりつけ医の先生が持つという体制が必要。是非そのようなリハ教育センターとしていただきたい。

 看護・介護職に対するリハビリテーションマインド醸成

  • リハ看護認定看護師は京都府内は、まだまだ少なく、あまり増えてもいない。看護協会では認定看護師が講師し、看護師にリハの研修会を実施しているが、まだまだ不十分である。摂食・嚥下障害認定看護師も少ない。訪問看護ステーションにもリハ専門職が必要であるが、経営的に難しい。
  • リハマインドを持った医師が、看護師・介護士に指導、教育してもらえる体制づくりが必要。

リハビリテーション専門職の確保・育成

認知症高齢者のリハについて

  • 常勤のリハ専門職がいて、施設の中で入所、通所、訪問という形でサービス提供しているのが老健施設の特色
  • 老健施設では、認知症の中核症状(記憶、認知機能の低下等)や、周辺症状への緩和に対してのリハをチームアプローチとして提供している。
    また、在宅復帰を目指すための、認知症の短期集中リハ等を併せて作業療法士等が携わり、実施している。
  • 認知症へのアプローチが身体的なリハ改善にも影響すると感じており、認知症へのリハも必要。
  • 通所リハの中での認知症リハや軽度の認知症の方に対する予防も含めた形でのリハに対しても現在研究事業を実施している。
    当法人では、医療機関型の認知症カフェ事業を京都府委託事業で実施しているが、臨床心理士が神経心理検査を行い、作業療法士がリハプログラムをするような「医療的ケアのできるカフェ」のようなものも必要ではないか。

認知症短期集中リハビリテーションについて

  • 府として、そういうリハを実施するための支援が必要ではないか。また、認知症に対しても専門的な知識をもつ医師が必要。
 施設の拡充について

量の充足・質の確保

回復期リハ

  • リハ資源不足している地域においては、圏域内に回復期リハがなく、県外や他圏域でのリハを受けてもらっている現状。今後の方策で各圏域に回復期リハをというのは心強く、期待している。ぜひ具体的施策をプランに盛り込んで欲しい。

在宅リハ

  • 回復期リハについては、だんだんと充実してきているが、在宅については課題がまだまだ多い。通院のリハもまだ不十分。
  • 過疎の地域においては、社会資源は少なく、リハ資源もないという状況。リハが必要な方でも通所が利用出来ないことも多い。そのような中で地域を支えるということになると、訪門リハの整備促進が非常に重要だと思う。
  • 現プラン策定時から、補助制度の創設は非常に有効な制度と感じている。ただ、過疎地において安定したサービスの提供・確保ということを考えると、イニシャルコストだけでなく、ランニングコストに対する支援(補助)も必要。

北部地域

  • 与謝の海病院に北部医療センターができ、リハ提供体制が強化されることは、長年住民の念願だったので良かった。
  • 現行プランに基づいて、地域のリハ支援センターの役割を定め、この3年間で地域でのリハは充実してきていると感じている。
  • 北部では、脳卒中の急性期病院が少ないという現状もある。診療報酬で指定されている病院では丹後にはなく、中丹も舞鶴医療センターのみである。
  • 急性期での適切な対応ということが重要だと思われるので、府立医大、京大における人材派遣についても協力をお願いしたい。

先端的リハ

  • 先端リハ機器については、今年度導入計画で、ということであるが、スペースやイニシャルコストの問題もあり、他の選択肢も考えて欲しい。
  • 先端的リハ(HAL以外)については、徐々に効果も出ているが、機器の正しい使い方や正しいリハ治療を施す必要がある。そのためリハ専門医やリハスタッフへ教育して、普及させることが必要であり、そのような研修システムも必要。
  • 経頭蓋磁気刺激治療などは、安全性の考慮が必要。
  • 先端的リハに係る機器の導入はなかなか難しい面がある。HALはレンタルでランニングコストもかかるため、そういう支援も必要。
  • IVESは急性期~維持期まで有効とされているのでその選択肢も考慮にいれてほしい。色んな選択肢を示してほしい。

地域包括ケアについて

  • 府のリハ施策の推進について、様々な立場の方々から意見を聞けるような仕組みも必要ではないか。
  • リハに係る専門家の意見を取り入れ、京都府に支援できるような企画検討委員会のようなものを設置すればよいと思う。
連携体制について

ケアマネ等に対するリハ知識の普及

  • 過疎の進んでいる地域の中で、地域包括支援センターが必要な役割を担うということであるが、日々業務に追われており。リハの知識の習得や研修が進んでいない現状。今後はよりいっそうのリハ知識の習得が必要。

 地域

  • 地域包括支援センターや特養等の施設と歯科医師との連携、協力システムが必要。
  • 亀岡市では、多職種が一緒に研修をするなどの様々な取組の中で、風通しのよい場を作るという取組をしており、今後もそのような取組が必要と感じている。また、リハの提供に加え、介護サービスとの連携により在宅生活への支援をしていくことも必要。
  • 京都市でもリハセンターの見直しをすすめており、地域リハについて強力に推進していくとともに、高齢者や障害者に対するリハについては、京都府のリハ支援センターと協力、連携して進めていきたい。京都市としても出来る限りのことはしていく。

連携パス等

  • 現在、連携パスに関して、京都府は頸部骨折と脳卒中に関しては京都府統一版で動いており、全国的にもめずらしい動きではある。行政主導でセキュリティを確保した電子カルテと連携した、インターネットによる連携ツールを整備する必要がある。
  • 京都府、京都府医師会、地域連携パスに参加している病院とそれぞれ思いが少しずつ違うことを感じている。京都府医師会としても今後うまく調整していきたい。
  • 最近は、接骨院やリラクゼーションというような資格のない方がやっておられるのもリハという看板を掲げてされていることがある。リハの本来の意味を考えしっかりと区別することが必要。
  • 特に急性期、回復期では「訓練」というのが大きい要素を占めていると思うが、生活期のゴールを考えると、障害受容や社会復帰といったものだと思う。
  • 少ない資源を上手にシェアしていくためにも、急性期の時期にある程度ゴールを指し、専門的知識をもった医師が要所要所で関ることで、ある一定のラインみたいなものを引くことが必要ではないか。
  • 認知症のリハ、病院でのリハ、通所でのリハが特養では継続されないのが現実。

  それぞれの機関で提供されているリハの情報を特養等の施設へ提供できる連携システムが必要。

障害児・者リハ

府の現状(事務局)

  • 周産期医療センターから医療機関、福祉サービスに繋がっていく中で、低体重児の障害発生率が高い状況にあるが、京都府内にある19の周産期医療センターでのリハが十分に実施できていない現状。国でも言われているが、GCUにおいて適切なリハの提供が重要。
  • 各地域において医療機関でリハを実施していただいており、小児整形は一定行われているようだが、脳原性の疾患には十分対応できていない状況にある。
  • 医療ケアが必要になっている障害児に対して、在宅ケアという中で、訪問看護、訪問リハのニーズに対する対応が必要。
  • 舞鶴子ども療育センター、花ノ木医療福祉センター、聖ヨゼフ医療福祉センター、発達子ども療育センター等の施設間連携と併せて、城陽の心身障害者福祉センターからのサポートも得るなどの府内における連携体制も必要と考えている。

 障害児・者リハ

  • 高次脳機能障害については、南部には心身障害者福祉センターに専門外来が出来ているが、北部の専門外来についても計画的に推進できないか。
  • 在宅へ戻れる受け皿の面では、訪問リハの充実の必要性、重度介護訪問事業、居宅介護事業繋ぐような医療、介護保険、障害のことをよく知っている訪問支援ができるような人材や施設が必要。また、社会復帰に関しては就労支援事業の充実も必要ではないか。
  • 失語症のリハについては、回復期から在宅(医療から介護)に移行する際の支援として、外来での継続したフォローや介護保険、福祉でのサービスなど、長い経過をみるシステム的な流れや支援の体制が必要ではないか。
 全般
  • リハでカバーされる領域の広さ、課題を再認識した。
    正しいリハの知識を広く普及していくということが必要だと感じており、リハマインドを持つ医師の教育・養成については、腰を据えて、時間をかけて医師に対する教育の中身を整理し、ステップバイステップで充実していくことが重要。 

お問い合わせ

健康福祉部リハビリテーション支援センター

京都市上京区河原町通広小路上る梶井町465 京都府立医科大学内

ファックス:075-251-5389

rehabili@pref.kyoto.lg.jp