○京都府社会貢献活動の促進に関する条例

平成15年11月1日

京都府条例第31号

京都府社会貢献活動の促進に関する条例をここに公布する。

京都府社会貢献活動の促進に関する条例

今日、社会構造の急速な変化に伴い、私たちは、解決が困難な複雑・多岐にわたる多くの課題に直面している。また、人々の意識や価値観の変化により、公共的サービスへの府民のニーズも多様化するとともに、心の豊かさが重視され、社会参画や自己実現の場が求められてきている。

このような状況の下、日本海における油流出事故や地球温暖化防止京都会議におけるボランティアの活躍などを契機に、府民による主体的な社会貢献活動が広がりを見せている。

こうした活動は、柔軟な発想と機動的な行動により、社会が抱える様々な課題を解決し、公共的サービスの提供や府民の多様な交流の実現を通じて地域社会の活性化に寄与するなど、個性と豊かさにあふれ、生きがいを持って暮らせる活発な社会の創造に欠くことのできない原動力となるものである。

私たちの住む京都は、先人たちが、自治や共助の気風をはぐくみ、たゆまぬ努力と英知を結集することにより、幾多の困難を克服し、時代を切り開いてきた。

大きな変革の時を迎えている今日、私たちは、このような先人の歴史を受け継ぎ、自助自立の精神に基づいた地域社会を確立し、魅力ある京都府づくりを進めていくため、一人ひとりが社会貢献活動の重要性を深く認識し、公共心を高め、社会貢献活動の推進に努めるとともに、府民主体の下、社会貢献活動団体、企業、行政などが、それぞれの責任と役割を担いながら、しっかりと結びあい、社会全体で社会貢献活動を促進していかなければならないと考える。

このような認識に基づき、社会貢献活動の促進についての基本理念を示すとともに、府の責務とそれぞれの主体が果たすべき役割を明らかにし、真のパートナーシップにより社会貢献活動の一層の促進を図るため、この条例を制定する。

(定義)

第1条 この条例において「社会貢献活動」とは、営利を目的とせず、不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とし、自主的に行われる活動であって、次の各号のいずれにも該当しないものをいう。

(1) 宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成する活動

(2) 政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対する活動

(3) 特定の公職(公職選挙法(昭和25年法律第100号)第3条に規定する公職をいう。以下同じ。)の候補者(当該候補者になろうとする者を含む。)若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対する活動

 この条例において「社会貢献活動団体」とは、社会貢献活動を行うことを主たる目的とする法人その他の団体をいう。

(基本理念)

第2条 社会貢献活動は、その活動を行うものの自主性及び自立性を尊重しつつ、府民、社会貢献活動団体、企業及び行政がそれぞれの特性を生かし、相互理解及び協働を基本として促進されなければならない。

(府の責務)

第3条 府は、前条に定める基本理念に基づき、社会貢献活動の促進に関する基本的かつ総合的施策を策定し、これを実施するものとする。

 府は、市町村、社会貢献活動団体等との連携の下に、広域的な見地から、社会貢献活動の促進に関する総合調整を行うものとする。

(府民の役割)

第4条 府民は、社会貢献活動が地域において果たす役割を認識し、社会貢献活動に関する理解を深めるとともに、社会貢献活動に参加するなどその推進に努めるものとする。

(社会貢献活動団体の役割)

第5条 社会貢献活動団体は、自主性及び自立性の下にその活動を行うとともに、社会貢献活動団体相互の交流及び連携を進めるよう努めるものとする。

 社会貢献活動団体は、その活動内容の周知を図ることにより、府民等の社会貢献活動に関する理解及び参加を得るよう努めるものとする。

(企業の役割)

第6条 企業は、地域社会の一員として、社会貢献活動に関する理解を深めるとともに、それぞれの企業の実情に応じて社会貢献活動の促進に努めるものとする。

(社会貢献活動の促進に関する府の施策)

第7条 府は、社会貢献活動を促進するため、次に掲げる事項に関する必要な施策を実施するものとする。

(1) 社会貢献活動に関する理解の促進と参加の気運の醸成のための広報啓発

(2) 社会貢献活動の振興に寄与したものの顕彰

(3) 社会貢献活動の円滑な実施のための情報の提供

(4) 社会貢献活動の継続的かつ安定的な実施のための人材の確保及び育成への支援

(5) 社会貢献活動を行うものの相互の交流及び連携の促進

(6) 社会貢献活動の継続的かつ安定的な実施のための活動の支援拠点機能の充実

(7) 前各号に掲げるもののほか、社会貢献活動の促進のために必要な事項

(財政上の措置)

第8条 府は、前条に規定する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講じるものとする。

(税制上の措置)

第9条 府は、社会貢献活動を促進するため、必要な税制上の措置を講じるものとする。

(意見の聴取及び協働)

第10条 府は、社会貢献活動の促進のため、広く府民、社会貢献活動団体等から意見を聴くとともに、社会貢献活動の促進に関する施策の実施に当たっては、これらのものとの協働に努めるものとする。

(国及び都道府県との連携)

第11条 府は、社会貢献活動の促進に当たっては、国及び他の都道府県との連携を図るものとする。

(大学等の教育研究機関との連携)

第12条 府は、社会貢献活動に関する調査研究及び社会貢献活動を支える人材の育成について、大学等の教育研究機関との連携を図るものとする。

この条例は、公布の日から施行する。

京都府社会貢献活動の促進に関する条例

平成15年11月1日 条例第31号

(平成15年11月1日施行)