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重要文化財「京都府庁旧本館 今後の利活用のあり方」報告書 府民に開かれた府庁のシンボルとして

はじめに

旧本館正面 京都府庁の旧本館は平成16年12月に竣工100周年を迎えた。また、同月には、道府県の旧庁舎としては三重県・北海道・山形県・山口県の旧庁舎に次いで全国で5番目の国の重要文化財に指定された。
これを機に、京都府は「京都府庁旧本館利活用検討委員会設置要綱」を定め、これに基づいて置かれたのが本委員会である。委員会に与えられた課題は、「設置要綱」にあるとおり、高い歴史的かつ文化財的価値を有するこの京都府庁旧本館を「後世にわたって保存していくとともに、府民に開かれた府庁のシンボルとして今後のあり方について検討」することである。委員を委嘱された者は末尾の参考資料に掲げた10名であるが、近代建造物に関する専門家も含めた文字どおり各界の関係者である。それだけに、第1回委員会(平成16年9月16日開催)以降6回にわたって開催してきた委員会では、実に多様な意見が出された。
その検討結果を取りまとめたのが本報告書である。
第1章で重要文化財としての「京都府庁旧本館」の歴史と現状を概観し、第2章でこの建造物の「利活用に当たっての基本的な考え方」をまとめている。最初に「基本的観点」を確認し、次いで具体的な「修復・整備」や「利活用」並びに公開の方法や管理運営などについての案を提示している。もとより、本報告書で各委員から出された多様でかつ貴重な意見を十分に盛り込めているかどうかは、はなはだ心もとないが、最後の第3章でまとめられている、検討結果の実現にむけてのいわば留意事項とも言うべき提言を併せてご覧願えれば、各委員の真意をくみ取っていただけるものと考えている。
また、府民の方々のお知恵もいただいた。末尾の参考資料を参照されたい。それらに十分応えているとも言い難かろう。ただ、本報告書の「具体的な修復・整備」や「利活用」の案は、第2章の表現に端的に現れているとおり「イメージ」を示したものである。「利活用」の実現も中長期的な課題として提案している。実現の過程で一層豊かな「イメージ」が生まれるものと考えている。
とはいえ、本委員会は報告書をまとめるに当たって、常に二つの視点を重視し念頭に置いてきた。その一つは歴史的かつ文化財的重要性の尊重である。もう一つは、21世紀に入り100年前とは質的に異なる新たな地方自治の展開が求められているという現代的な課題である。この二つの視点は間違っていない重要な基本的視点であると確信している。
その意味で、本報告書の提案への判断や具体化の実現に当たっては、京都府が上記の二つの視点を常に念頭に置かれ、尊重されることを切に願うところであり、また、中長期にわたる取り組みとして具体化される過程でその都度再点検し、より実りある利活用を実現されることを期待する。

平成17年3月
京都府庁旧本館利活用検討委員会
座長 井口 和起

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