ここから本文です。

丹波漆の復活を!

岡本嘉明(おかもとよしあき)さん

 

岡本さんのプロフィール

  • 近畿唯一の漆生産地と知られる福知山市夜久野町で生産される「丹波漆」の「漆かき」職人。「漆かき」は樹液を集めるために幹に傷をつけた木を使って、漆を採取するもの。岡本さんは養鶏業のかたわら漆かき職人として、歴史ある丹波漆のPRと復興に情熱を注がれており、昭和62年には「丹波漆生産組合」の結成に尽力され、現在、組合長を務められています。
  • 平成3年には「丹波の漆掻き」が京都府民族無形文化財に指定されるとともに、国内の他の漆生産地(備中、阿波)と共同して漆研究を進めるため、平成10年に「西日本の漆を守る会」を結成し、平成18年には、「森林の名手・名人100人(※)」にも選定され、日々丹波漆の振興のため努力されています。

(※森に関わる生業において、すぐれた技を極め、他の模範となっている達人を、社団法人国土緑化推進機構が毎年、「森の名手・名人」として選定・表彰しています。)

  • 毎年6月から9月にかけて、4日に1回のペースで漆掻きを行い、生産活動に努められています。また、漆を安定して供給できるよう、「丹波一号」という、良質で多くの漆が収穫できる木から、分根という増殖技術により苗木を育成し、毎年植栽を行われています。そういった活動のかたわら、地元中学生や京都伝統工芸大学校の生徒など、多くの人々に漆掻き技術の指導を行い、丹波漆のPRと技術の継承にも努めておられます。

漆掻きの技術の伝承と漆の確保を

「丹波漆の第一人者」として尽力されている岡本さんにうかがいました。

  • 養鶏業の合間をみて漆に関わる仕事をしています。漆掻きは一人で行いますが、力を入れている漆の植栽・保育については、植裁箇所の選定や地拵え、鳥獣害防止柵の設置、植裁後の下草刈りといった多くの手間がかかるので、丹波漆生産組合の賛助会員の皆さん、その他多くの人々の力を借りて一緒に作業をしています。
  • 漆掻きの技術の伝承も大切なことですが、掻くことのできる漆を確保することが大きな課題です。その為、丹波漆生産組合では、現在漆苗木の植栽・保育に力を入れているところですが、植裁する苗木は、私の師匠、夜久野町の漆掻きの第一人者であった、故衣川光治氏が選抜・育成された「丹波1号」という優秀な漆から、分根によって苗木をつくっています。
  • 最初は何度やっても上手くいかず、300本植えて発芽したのは10本とか20本でしたが、現在では99%くらいの確率で発芽させることができるようになりました。この「丹波一号」という漆は大変優秀で、通常1本の木から200グラム程度しか採れないところを、私が今年掻いたものでは430グラムも採ることができました。私はこの「丹波一号」に勝る漆はないと思っています。

漆はかぶれる!?

  • 漆を植える土地を探していた時、漆はかぶれるからということで地元の方に反対されたこともあり、植裁できる場所を探すのに苦労しました。その後も、鹿に苗木を食べられてしまったり、葉を食い荒らす虫が発生したりして、その対処に現在も苦労しています。

仲間の結束と多くの人々との出会い

  • やってきて良かったと思ったことは、丹波漆生産組合のメンバー4人の結束力が強くなったこと。組合発足後、解散の危機などいろいろあったのですが、今は本当に漆が大切だと思うメンバーしか残っていません。そんなメンバーと一緒に漆を守る活動ができる、それが何より嬉しいことです。また、漆を通じた沢山の人達との出会い、これもやっていてよかったなあと思うことです。

丹波漆の良さを知ってもらい漆を増やすこと

  • まず、「やくの木と漆の館」(福知山市の体験・PR施設)で作品作りに取り組んでいる皆さんに、夜久野で採れた漆を使って、素晴らしい作品を作ってもらうこと。それによって夜久野の漆の良さをPRしてもらい、将来は京都府内の文化財の補修を夜久野の漆でまかなうこと、それが夢です。
  • そのために黙々と今の活動に取り組んで、漆を増やしたいと思っています。そうすれば漆を掻く後継者も、今はいないけれど、掻ける木さえあれば誰かがやってくれる、そう私は信じています。

漆は美術や芸術につながる

  • 漆は最終的には美術や芸術につながるものだと思います。そして、一回きりで無くなってしまうようなものではなく、長い時を経ることができるものです。また、自然から生まれるものですから、体にも優しい。そういったところに私は魅力を感じます。夜久野の漆も、将来はそういったことにつながるものになればいいなと思います。

一口コラム樹木コーナー

一番好きな樹木は、漆?

もちろん漆の木。「かぶれる」から。ここで言うかぶれるというのは、「気持ちがかぶれる」という意味ですよ(笑) そういった気持ちにさせてくれる木は他にないでしょう。

 

お問い合わせ

農林水産部林業振興課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-5010

ringyoshinko@pref.kyoto.lg.jp

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?