ここから本文です。

井上株式会社(京都企業紹介)

知恵の経営元気印経営革新チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。

京都企業紹介(業種別) 京都企業紹介(五十音順) スマート各補助金  京都府の産業支援情報

地域を笑顔にする会社が「製造業のIoT」をサポート

(令和3年11月25日、ものづくり振興課 足利)

タイトル

「電気」「制御」「ソフトウェア」の3つに強みを有し、近畿北部の電気設備やIoTを支える井上株式会社(外部リンク)(福知山市)。

戦後、電気工事材料卸で創業、配電盤等の製作、さらには、制御盤、制御システムなどに技術領域を拡大され、上下水道や防災防犯の監視システム、病院・介護施設や駐車場等のネットワークソリューション、エネルギーや生産管理のIoTなど、地域や産業全般がその活動領域です。

上下水道 制御盤 監視システム

近年は「製造業のIoT」のサポートにも注力。
IoTの導入目的で多いのは、生産履歴や不良の原因把握など「品質管理のため」だそう。制御盤からデータを直接収集し見える化するなど、電気、制御、ソフトウェアの強みを発揮されています。パンフレットもとっても明快で、これはオススメ!ぜひご相談ください。

事例集

なお、小学校の廃校等を活動フィールドにしたアグリチーム(外部リンク)も運営されています。

小学校 チーム

 

いろいろ教えてくださいました、チームインダストリアソリューションズ 佐竹アシスタントマネージャー様、ありがとうございました!

AIの力で農業支援

(令和3年7月2日、ものづくり振興課 鴨井、丸岡)

budouai1budouai2

令和2年度中小企業共同型ものづくり支援事業補助金採択企業である井上株式会社(福知山市)(外部リンク)の大槻義範アシスタントマネージャー、廣瀨太知アシスタントリーダーにお話をお伺いしました。

ブドウの実の数をAIで計測

-はじめに採択された事業の内容を教えてください。

大槻) 今回開発したのはAIを用いたブドウの房整形補助システムです。ブドウの実を綺麗に育てるために、成長の初期段階で摘粒する必要がありますが、その数の見極めは熟練者でも難しい作業です。

-なぜ摘粒は難しいのでしょうか?

大槻) 摘粒とは、ブドウの粒数をそろえるための間引き作業ですが、摘粒精度が悪いとブドウの形や味などの品質・等級に悪影響が生じます。また、粒を多く残しすぎたぶどうの比率が多くなると圃場内のぶどう品質にバラつきが発生し、結果圃場全体の品質が担保できなくなってしまいます。つまり、この摘粒作業がブドウの価格・収益にも直結します。こういった理由でブドウの摘粒作業は外部委託が大変難しく、また摘粒作業が可能な期間が4日間程度と短いことから栽培面積拡大への障壁となっているなどの課題を抱えています。

-4日間とはとても厳しいですね。どの程度まで間引いていくのですか?

大槻) 今回、対象としているピオーネという品種では、一房で80粒程度から35粒程度まで、シャインマスカットでは一房100粒程度から45粒程度まで間引きます。平均的なブドウ農家一戸当たりの栽培面積は約53a(5300平方メートル)程ですが、経験者でも10a(=1000m2)あたり約24時間かかりますので、いかに摘粒作業を効率化するかが求められていました。そこで、適切な摘粒箇所や個数の判断が難しい摘粒作業をサポートするために、カメラでブドウを撮影し、AIで粒の数をカウントし、機械から出る音の違いで現在の個数を知らせるシステムを開発しました。

budouai3budouai4

-システムは、どのように作業者をサポートするのでしょうか。

廣瀨) 作業者は小型カメラが搭載されたデバイスを装着し、映像をAI処理用端末に送信します。受信した映像をAIで解析し、結果を作業者のデバイスに返すことで摘粒の止め時を知らせます。また、熟練者が判断するような最適な摘粒状態の見える化が可能となり、作業の効率化が図れます。

budouai5budouai6

動画や音を用いる創意工夫!

-このシステムの特徴はどんなところですか?

廣瀨) 認識方式を「写真取り込み」ではなく「動画配信によるリアルタイム認識」とすることで、写真の撮影工程を増やすことなく粒数の識別が認識可能となります。また、ディスプレイを見ながら作業することは効率的ではないため、解析結果を音でフィードバックするように工夫しました。音の高さや間隔によって、粒数の違いをわかるようにしています。

budouai7budouai8

作業効率50%アップ!

-このシステムでどの程度、作業効率の向上が期待されますか?

廣瀨) 実証実験の結果では1房当たり36秒かかっていた作業時間を24秒とこれまでの3分の2に短縮することができました。圃場全体で膨大なブドウの数となりますので、この効果はとても大きいと考えています。

-なるほど。導入にあたって必要なものは小型カメラとAIデバイスだけというわけですね。

廣瀨) はい。より多くの人が利用できるように、できるだけ一般的に普及している安価な装置で構成するようにしています。精度の追求というよりも、使いやすさを重視し、いかに農家の皆様の作業効率を向上させるかが重要なポイントと思っています。

-今後の展開についてはいかがでしょうか。

廣瀨) 今回試作機を用いて、農家の方に実証実験にご協力いただくことで、新たな課題を認識することもできました。これらの課題に対してソフトウェアの改良を進め、来年6月の摘粒時期までには本システムの試験販売を予定しております。このシステムを活用することで、熟練者でなくても作業が可能となるため、新規参入の促進やアルバイトの活用による栽培面積拡大等も期待されます。今後もより使いやすい装置にするために改良を進めていきます。

-ありがとうございました!今後の御活躍が楽しみです!

お問い合わせ

商工労働観光部ものづくり振興課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4842

monozukuri@pref.kyoto.lg.jp