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コフロック株式会社(京都企業紹介)

知恵の経営元気印経営革新チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。

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流体のコフロックによる業界初「差圧フリー 窒素ガス発生装置 BOOSTAR」

(令和3年6月24日、ものづくり振興課 足利)

ブースター小型ガス発生装置

コフロック株式会社(本社:京田辺市)(外部リンク)の矢嶋取締役様、FS事業部の堀田部長様、船井事業部長様、木崎様にお話をおうかがいしました。

流体計測制御機器

--6月に販売を開始した「低差圧型ガス発生装置」についてお聞きしに参りましたが、その前に、御社の概要から教えてください。

船井)1949年創業、現在約200名体制で、流体(気体、液体)計測制御機器、それを活用したガス発生装置等を開発、製造しています。

--まず、流体計測制御機器というのは?

船井)例えば、マスフローメータ/コントローラですね。マス、すなわち、質量の流量を計測し制御するものです。熱式流量センサーを用いており、毛細管にヒーターを兼ねた抵抗体を上流側、下流側の2ヶ所にそれぞれ巻きつけてありまして、ガスを流すと上流側と下流側の温度バランスが変化し温度差が生じます。この温度差はガスの質量流量に対して関数関係にあり、上流側と下流側の抵抗値の変化を電気信号として取り出し増幅、補正してメータとして利用しています。

マスフローメータ

--なるほど。

船井)さらに、センサー部から出力された流量信号を外部からの流量設定信号との比較制御で高速、高分解能の比例電磁弁(ソレノイドバルブ)により電磁弁の開度をコントロールしています。これがコントローラです。熱式センサーは質量流量を計測していることから温度、圧力の影響をほとんど受けず安定した計測制御を可能にしています。

--そうなのですね。

船井)その他様々な、フローメータ、流量制御バルブ、流体計測制御機器等を開発、製造しています。高純度ガスを扱う半導体製造プロセスをはじめ、電機電子、バイオ・食品など様々な分野で取り扱われています。

フローメータ 流量制御パルプ 流体計測制御機器

ガス発生装置

--素晴らしい。

船井)それらは主に本社工場で対応しており、一方、ここ八幡工場では、ガス発生装置を開発、製造しています。もともと1980年頃に、流体計測器を組み合わせるようなイメージで、複数の異なるガスを混合して機能性ガスを作る装置の依頼を受けたのがきっかけで、1982年よりガス混合装置を、1990年10月ガス発生装置を販売するようになりました。

--そうなのですね。具体的にはどういったものですか?

船井)例えば、窒素ガス発生装置、オゾンガス発生装置、酸素ガス発生装置などです。窒素の場合「吸着工程」で、圧縮空気を吸着タンクに取り込み、その中の吸着剤CMSで酸素ガス、炭酸ガス、水分等が短時間のうちに吸着され、高純度の窒素ガスが吸着タンクの出口側より、製品ガスとして得られます。

窒素ガス発生装置 オゾンガス発生装置 水素ガス発生装置

--空気から作るのですね。

そうです。その後「均圧工程」を経て、「再生工程」で酸素ガス等を吸着した吸着剤CMSは常圧まで減圧することで、容易に脱着再生が可能です。2槽の吸着タンクで吸着、均圧、脱着再生を繰り返し、2次側に設置されたバッファタンク内で圧力を整え、連続的に高純度の窒素ガスを製造することができます。このような吸着方式をPSA(Pressure Swing Adsorption)方式と呼びます。

 その他、電気分解方式の水素ガス発生装置の販売もさせて頂いております。

--用途は?

船井)例えば窒素であれば、多くが酸化防止用途で使用されます。ボンベの代用となり、熱処理用、基板のはんだ付けプロセス、青果物のCA貯蔵ガス用、薬品類・食品の包装充填ガス、溶接の雰囲気ガス、分析機器のキャリアガスなど、多岐に渡りますね。例えば空気中で熱処理を行えば、材料が空気に触れて酸化し、熱処理後に被膜取り処理が必要でしたが、その解決策として窒素等の雰囲気ガスが用いられます。その他、府県の公設試験場の分析装置用にも多数お求め頂いております。

--こうした空気からガスを作る装置って、競合他社はどのくらいあるのですか?

船井)国内で5、6社ですね。用途は広いとは言え、ニッチな市場でもありますので、「少ない」というわけでもないですので、少ないというわけではないですね(笑)。ただ、当社は業界最小スペースを目指し開発したシリーズなど、多くのお客様に評価いただいており、年間数百台ペースでお求めいただいております。

業界初!低差圧型ガス発生装置

--素晴らしい。そして今回、低差圧型ガス発生装置を「京都エコノミック・ガーデニング支援強化事業」で開発いただいています。

矢嶋)工場内でガス発生装置を使う場合、コンプレッサ室から送られる圧縮空気配管の口からガス発生装置の原料空気を取り出すわけですが、近年、工場は、コンプレッサの省エネのために、圧縮空気圧力を0.8Mpaから0.6Mpa程度にまで下げる傾向にあります。

--ふむ。

矢嶋)すると、今まで、0.8Mpaの原料空気で例えば0.6Mpaの窒素ガスを供給できていたものが、0.6Mpaの原料空気では0.6Mpaの窒素ガスを得られないということになります。

--なるほど。お客さんはどれくらいの圧力が必要なのですか?

それは用途によってケースバイケースです。0.2Mpaのケースもあれば、もっと高いものもありますが、0.5Mpaくらいだとかなりの用途をカバーできるのかもしれませんね。

--ふむ。

船井)今回当社は0.6Mpaの材料空気で0.6Mpa以上の窒素ガスを供給できるよう、ガス発生装置に2段昇圧機構を組み合わせた新製品を開発しました。既に特許出願済みです。

仕組み

--いいですね。

船井)この開発中の「差圧フリー 窒素ガス発生装置 BOOSTAR(外部リンク)」は、工場空気0.4Mpaから0.6Mpaの窒素の供給も可能です。

ブースター

京都スマートプロダクト2020、関西ものづくり新撰2021

--素晴らしい。御社の強みはどういったところにあるでしょうか?

矢嶋)材料仕入れから設置までの一貫対応ですね。もちろん、制御システムも含めて、ハード・ソフトともに内製化しています。それ故に、装置に組み込む重要パーツなども工夫しながら低コスト化できますし、バリエーションも豊富に作ることができます。

--いいですね。

矢嶋)おかげさまで、(一社)京都知恵産業創造の森が主催する「2020年度 京都スマートプロダクト」に、当社の小型ガス発生装置「MⅡ series」を認定していただきました。

スマートプロダクト

--そうでしたね!

木崎)また、先般、経済産業省 近畿経済産業局が主催する「関西ものづくり新撰2021」に、当社の屋外型ガス発生装置「GENE-BASE series」が選定されました。これも、「京都エコノミック・ガーデニング支援強化事業」を活用させていただいて開発したもので、コンプレッサを内蔵し屋外で使えるものです。

関西ものづくり新撰

--いいですね!

船井)差圧フリー 窒素ガス発生装置 BOOSTARも、今年10月より出荷を開始する予定です。ぜひよろしくお願いします!

 

大変楽しみです。

お問い合わせ

商工労働観光部産業振興課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4842

monozukuri@pref.kyoto.lg.jp