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株式会社ナンゴー(京都企業紹介)

知恵の経営元気印経営革新チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。

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「グッドキャリア企業アワード2022」受賞!

(2023年1月10日更新、ものづくり振興課 足利)

株式会社ナンゴー(外部リンク)が「グッドキャリア企業アワード2022(外部リンク)」を受賞されました!

グッドキャリアアワード

 

“金賞”の3Dステレオグラム技術と「中途半端net」

(掲載日:平成28年3月28日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)

 チューとハンパーマン

 平成25年度元気印経営革新、27年度元気印株式会社ナンゴー(外部リンク)の南郷社長にお話をおうかがいしました。

中型加工を得意分野に社内一貫対応 × 各種職人ネットワーク

京都試作ネット(外部リンク)でもおなじみの御社ですが、御社のお取り組みについて、まず、技術面から教えてください。

社長) 自社内で同時五軸加工、縦・横フライス加工、旋盤加工、鋳物加工、製缶加工など一貫対応が可能で、試作・開発から、機械加工、治具・省力化機械生産まで幅広くお客様のニーズにお応えしています。特に得意としているのが、「少し大きめ」の中型機械加工、剛性を要する加工、横フライス(MC・NC・中ぐり)による技術力とスピードです。

  
左から、航空関係試作部品、横フライス加工によるローラー軸受部品、ダミーフライホイール

―さらには、多くの職人さんとも連携されていますね。

社長) はい、この協力ネットワークにより、あらゆる加工に対応できる体制を整えています。

 

もうひとつの顔「中途半端net」―「中途半端で頼みにくいこと」を徹底的にサポート

―これが、御社のもう一つの顔、「中途半端net」のベースにもなっているわけですね。どういったサービスですか?

社長) 「こんな中途半端な加工、中途半端な数量、追加工品など、どこに頼んだらよいのか」というお困りごとを徹底的にサポートするものです。例えば、「図面はあるけど製造している時間がない、製造機能がない」「予算が決まっていて、とにかくこの金額でなんとかしてほしい」「ポンチ絵のみで図面を描く時間が無い」などといったお困りごとです。こうしたお困りに対して、24時間受け付け、工場稼働時間なら1時間以内に対応します。

―あるようでなかったというか、大変目の付け所が素晴らしいサービスですね。

社長) 平成23年に開始し、おかげさまで、「中途半端」でお悩みのお客様から毎日のようにお問い合わせいただくようになり、これまで、北海道から九州・沖縄まで全国各地の300社近くのお客様をサポートし、その多くがリピーターとしてご利用いただいています。

きっかけはリーマンショック― 逆境を跳ね除け顧客数30倍に

―すごいですね。きっかけは何だったのですか?

社長) リーマンショックです。もともと当社は自動車メーカーの下請けを長くしていました。主要取引先はほぼ1社に集中し、広く数えてもせいぜい10社までという状況でした。しかし、自動車生産の海外シフトなど先細りも、目に見える情勢でした。そうした中で、平成17年、私は事業承継を受け、翌年、京都試作ネットに参画、そして、2008年(平成20年)にリーマンショックが起こりました。普通は、取引先を回ったりするのでしょうけれど、仕事が減るということが分かっていましたので、私は協力工場に仕事が減るだろうとお詫びに回りました。そうして協力工場の皆さん、職人の皆さんの姿を見ているうちに、なんとか仕事を増やさねばという思いを強くしました。

―それで考え出されたのが、この「中途半端net」なのですね?

社長) はい。ただ、「中途半端」というキャッチ―な名称を本当に採用すべきかどうか、すごく悩みました。この言葉自体は、ある会合で自己紹介を求められた際に、何気なく発した言葉だったのですが、ふと「意味を成す言葉だ」と思いました。しかし、下手をすれば、ナンゴーの社名に泥を塗ることになるのではないかと怖かったのです。それでもリーマンショックの逆境を脱するために決断しました。そして、その年、株式会社森精機製作所主催の加工技術コンテスト「第8回切削加工ドリームコンテスト」金型・造形部門で金賞を受賞できたことは、幸いでした。

ナンゴー彫り― 金賞の3Dステレオグラム技術

―関西ものづくり新撰2015でも選ばれた、ナンゴー彫り、3Dステレオグラムですね。

社長) そうです。これで「たしかな技術の裏付けがあるからこその中途半端net」という見え方に名実ともになりました。中途半端netでは「金賞受賞企業がお届けする信頼の金属加工ソリューションサイト」と表現しております。ステレオグラムは、これまで印刷物等平面にのみ描写されていたトリックアートを、厚みのある金属に当社独自の技術で凹凸をつけ立体造形物化しました。単なる紋様に見える中央の部分を目の焦点をずらして眺めると、隠し絵や隠し文字が浮かび上がってきます.

―ステレオグラム、見えると本当に楽しいですし、すごく奥行き感もあり、驚きました。技術面で真似されるということはありますか?

社長) 似て非なるものまでは簡単に真似されるかもしれませんが、何度も試行錯誤を繰り返して加工機の刃の入れ方、深さなど「最適解」を導き、特許も取得し、専用の特殊な装置も開発しています。アミューズメント施設や会社のコーポレートマーク等での導入実績もありますが、むしろ当社にとっては、技術力を示すフラッグシップとして、あるいは販路を開拓するための社員トレーニングとしてなど、全ての「きっかけ」に当たるものだと捉えています。

NC-Navi ― お客様からも「進捗状況見える化」

―「中途半端net」を支える秘訣はそれだけですか?高いリピート率を支える秘訣は何でしょう?

社長) そうですね、2015年度の関西IT百撰で優秀賞を受賞したNC-NaviというITシステムがあります。これは、3つのシステムからなっています。1つは、従業員全員に配付したスマホやタブレットから作業開始時に「GO」、終了時に「STOP」をタッチすることで、生産工程の進捗状況の社内共有化等を図る「一括生産管理システム」、もう1つが、過去の図面DBともいうべき「図面連携サービス」で、過去の類似品、リピート品の過去の対応記録、作業ミス記録などを検索し、活かしていくというものです。そして3つ目が、「Customer Service」で、必要に応じて中途半端netの発注企業様にID/PWを発行し、発注いただいた加工・製品の進捗状況をお客様の側でいつでもご確認いただけるというものです。

―それはお客様も安心ですね。

社長) 「中途半端net」でお問い合わせが増え、電話対応による時間ロスが問題になってきていましたので、「Customer Service」では、お客様にとって安心と利便性向上だけでなく、当社にとっても納期確認の問い合わせ対応の省力化が実現できました。そして、NC-Naviにより、社内情報共有により作業効率化はもちろん、収益管理もリアルタイムでできるようにもなりました。それに、従業員自身の時間とコストの意識向上、お客様からの見える化により、顧客数は伸び、かつ顧客離れがほとんどない状態になっています。

ナンゴーの「未来年表」

―リーマンショックという逆境から、「中途半端net」など素晴らしい展開で進んでこられたわけですが、今後の展望はいかがでしょうか。

社長) 世間の当社への視線が変わってきていると実感していますし、それにより従業員のレベルも一段上がったと思います。彼らが「10年後、楽しみやなー」と思ってくれるような「未来への種まき」を行っていきたいです。ナンゴー彫りは、まさしくその一環で、いろいろな異業種とも知り合えるきっかけです。そうして、「宇治のあの会社、小さいけれどすごいぞ、従業員も粒揃いだぞ」と思ってもらえるよう、引き続き「ナンゴー」と「中途半端net」が世の中に必要とされる会社であり続けたいです。

下請系列体質から見事に転換され、飛躍を遂げ続けてらっしゃる同社の今後の展開が、ますます楽しみです!

 

 

京都ビジネス交流フェア2016出展

(掲載日 平成28年2月18日)

ついに見えた「ナンゴ―彫り」!ミクロンレベルの加工レベルの高さを実感!

25年度元気印経営革新、27年度元気印ナンゴー(外部リンク)様。平成28年2月18日(木曜日)、19日(金曜日)パルスプラザで開催の「京都ビジネス交流フェア2016」に出展。

3次元ステレオグラム「ナンゴ―彫り」、遂に見えました!すごい立体感! 見え始めるとどんどん見えます。楽しい!!

そしてもう一つ、同社の取り組みそのもの、それが「中途半端ネット(外部リンク)」。現場のちょっとした困りごとを解決する、あるようでなかった、かゆいところに手が届く、すばらしいお取り組み事業ですね。

お問い合わせ

商工労働観光部ものづくり振興課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4842

monozukuri@pref.kyoto.lg.jp