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日本調味食品株式会社(京都企業紹介)

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京都でオンリーワンのレトルト食品OEMメーカー

(掲載日:平成29年1月16日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)

 平成19年度経営革新企業の日本調味食品株式会社(京都市西京区)様。今回、(公財)京都産業21小企業事業継続・創生センター(外部リンク)の「プロフェッショナル人材戦略拠点事業(外部リンク)」をご利用いただきました。同社の奥村代表取締役様にお話をおうかがいしました。

京都で珍しいレトルト食品OEMメーカー

まず、事業の概要を教えてください

奥村) 昭和23年に創業し、現在、従業員約45名で、レトルト食品、調味料・香辛料の製造販売をしています。

―レトルト食品ですか。

奥村) 「レトルト食品」という言葉はマスコミが作った造語で、一般には「レトルトパウチによって包装された食品」と言い、高温・高圧殺菌、急速冷却により、食べ物の味をそのままに生かして保存された調理食品です。「レトルト」は高圧釜のことで、通常の加熱では水蒸気やお湯は100度までが限界ですが、圧力を加えることで、より高温での加熱処理が可能です。「レトルトパウチ」とは高圧釜の高温・高圧に耐えうる包装材のことです。これらにより、レトルト食品の殺菌時間は缶詰よりも短く済み、内容物の変化はほとんどありません。そして、保存料・殺菌剤は使用禁止になっているので安心して食べていただけますし、使用法はパウチのまま短時間湯煎して温めるだけで食べられるお手軽なものなのです。

―レトルト食品といいますと、カレーなんかのイメージが強いですが、同業他社はどういった感じですか?

奥村) その通り、カレーが最も多いです。そして、たいていが品目を絞って、あるいは自社ブランドを中心にされており、当社のように、レトルト食品なら何でもやろうとか、OEMを中心に行っているところは珍しく、京都では当社だけです。

総アイテム数1万超― 「感覚」を紡いで「カタチ」にするノウハウ

―御社の特徴はどういったところでしょうか。

奥村) 今申しましたように、まず1つは、多品種のレトルト食品を作ってきたということです。そのために研究開発を多く重ねてきたということですね。殺菌の関係上、レトルトに向き・不向きのメニュー・素材があります。例えば、加熱時間が長いほど品質にダメージを受けやすい場合には、高温で短時間殺菌を行うとか、逆に高温に弱いケースでは低めの温度で時間をかけて殺菌するなど、様々なノウハウが必要なのです。あるいは、「和風」や「白物」は不向きだとされていますが、経営革新計画で取り組んだのは「日本料理」でありましたし、ホワイトソース等も生み出してきました。

―なるほど。

奥村) もう1つは、OEMをメインで行っています。「こういう味のものを作ってほしい」というオーダーをいただくわけですが、この味というのは、数値化するのが難しい、非常に「感覚的な」ものです。多品種ですので、卸業から小売、レストランのシェフまで大変幅広くお客様がいらっしゃいますが、それぞれが異なる「感覚」でお伝えいただくということになります。ですので、ケースによっては大変時間をかけて開発することもありますが、いずれにせよ、この「感覚」に応えるために、配合を変えるだけで済むのか、材料そのものを変えなくてはいけないかなど、当社のノウハウ、対応力が発揮されるところなのです。

―これまでどのくらいのアイテム数を製造なさってきたのですか?

奥村) そうですね。ざっと、1万種類を超えるでしょうね。OEM中心ですので、一般の消費者の方々には名前を知られていませんが、おかげ様で業界の中では知っていただいており、営業部隊が飛び込み営業するということはなく、いずれもお客様からのご紹介などでお問い合わせをいただける状況です。最近では、梱包用の箱折りを行うカートニングマシンを導入してから、小売店からのOEM依頼が増えたりしましたね。

プロフェッショナル人材戦略拠点事業(外部リンク)」の活用

―すばらしいですね。製造工程はどういったものですか?

奥村) 原料入荷、受入検査に始まり、水洗いや切断、ソテーやボイル等の前処理、調合や煮込みなどの調理、品質検査、金属探知機検査を経て、レトルトパウチへ充填包装し、加圧・加熱殺菌・冷却により微生物は死滅し常温保存が可能な製品になります。そして、製品検査、脱水乾燥、包装、保管・出荷という流れですね。賞味期限は、常温で1年以上というのが一般的です。

 

―年末はお忙しい時期ですよね。国内の市場動向はいかがでしょうか?また、海外展開についてはいかがお考えですか?

奥村) 盆、正月、GWなどは運送がストップしますので、事前に詰めて製造しなければならず、忙しくなりますね。公益社団法人日本缶詰びん詰レトルト食品協会の統計によりますと、国内はほぼ横ばいで推移しています。一方、海外展開に関しては、それぞれの国の食品衛生の決まりをよく理解しないといけません。将来的な課題ですね。

―今回、プロフェッショナル人材戦略拠点事業(外部リンク)で人材を確保されました。

奥村) 現在の工場が手狭になってきましたし、今後、HACCP対応も含め更に衛生管理体制を高め、将来的に新工場を建設したいと考えておりまして、そうした分野を支えてくれる人材を確保するために活用させていただきました。他にも今年度は6名を新規採用しましたし、これまでから社員の定着率も極めて高いと思います。全体的に社員の高齢化が進んできておおりますので、意欲のある若い人にどんどん来ていただきたいと思っています!

 

今後の展開が楽しみです。

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