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青年海外緑と文化の大使レポート(タンザニア)

  野川 敦司(出身:木津川市)平成19年度2次隊(職種:自動車整備)

私はタンザニアの職業訓練校で自動車整備科50人ほどのヤンチャ坊主達の教師として活動しています。
タンザニア人は、物を貰う事に慣れていて、物を大切にしません。ボランティア慣れと言う奴ですね。
生徒達も、日本からの支援で入った工具や教材を乱暴に扱い、大切にしません。
そして、頑張る事を知らない様に感じます。頑張ってチャンスを掴むと言うよりは、待っていればそのうちチャンスが来る。という考えのようです。
面白いのが、生徒のほとんどが携帯電話(タンザニアではすべてプリペイド式)を持っています。もちろん収入が無いので仕送りのお金で通話代を払っているようですが、チャイの時間のマンダージ(ドーナツ)を買うお金が無いから先生買ってくれ、なんて言うくせに携帯ガンガン使っています。確実に通話料金の方がマンダージより高いです!
のん気というか、計画性が無いというか、可愛い奴らです。
私の具体的な仕事は、自動車整備に関する物理、数学、理科の3科目で2年生と3年生の2クラスを担当しています。
授業は英語で行いますが、生徒の半分が英語を話せないので、通訳の時間を作ったり、スワヒリ語で無理やり伝えたり、簡単な教材を作成したりと四苦八苦の日々です。
当校は、自動車整備科が整備工場の運営も行っているため、お客さんの車の修理の故障探求や修理の指示、実際に作業したりしています。


もうすでに任国に着いて約4ヶ月が経ちました。
タンザニアへ来て約2ヶ月間は現地訓練のため中心都市のダルエスサラームにて生活しました。その時の印象は、想像していたよりも清潔で、車通りも多く、活気がある印象です。しかし、それは、表通りや中心街だけの印象で一歩わき道に入れば、まるでスラム街の様な所もあり貧富の差が激しいことが解かります。


任国での生活にも慣れてきて、タンザニア人の友達も増えました。最近は、日本人だということを忘れてしまうこともあります。
挨拶をとても重んじるタンザニア人ですから、こちらから、挨拶すると必ず挨拶してくれますし、陽気でのんびりした性格のお国柄から、何をするにも遅く感じますが、こちらが急いでない限りはのんびり構えていれば、イライラすることもありません。
私は、タンザニアの南東部に位置するムトワラに住んでいます。
舗装道路はほとんど無く、雨季に入ってからは道路は大変なことになっています。
家の前にはインド洋が広がっていて、朝夕は海風が吹くので、内陸部に比べると比較的過しやすいです。
毎晩、波の音を子守唄代わりに聞きながら寝ています。ロケーション的には最高ですが、市場まで遠くて食料などの買い物には困ります。水不足の為、雨水を溜めたり、停電になったり、不便なことの方が多いです。
鶏肉を買う時は、生きている鳥を選ぶところから始まり、店の人がやってくれるのは、首を落として羽を抜くだけです。 後は家に持って帰って自分で捌きます。慣れてくるとささ身が綺麗に取れるんですよ。
タンザニアの食事は美味しいと思った物は無いですが、フルーツだけはおいしいです。
シーズン中は、大きなマンゴーが1個5~10円で買えます。 マンゴーを食べ過ぎてマンゴーアレルギーになった隊員もたくさんいます。※聞くところによるとマンゴーはウルシ科らしいです。

 


直面する問題について少し書かせてもらいます。
当校は職業訓練校の為、生徒の年齢も学歴もバラバラです。
自動車の構造や作動を理解するには、数学や物理学が必要になってきますが、過去に数学や物理学を習っていれば簡単に理解できる構造や作動も、習っていなければ無理です。
また、セカンダリースクール(中高学校)のナショナルイグザム(卒業試験)の数学、物理学の全国平均点が10点前後、合格点が30点となっていてセカンダリースクールを卒業していても数学や物理学を理解していない生徒が多く存在します。
そういった生徒に掛け算、割り算から始め、最終的にABSや電子制御を教えるには時間が少なすぎる事
自動車整備の国家試験の内容が古く、現在使われていないようなシステムが試験に出てきます。国家試験に合格させるのを最優先するべきではありますが、生徒が社会に出てから仕事に使える様な新しい事を教えたいと希望しています。
国家試験の内容も、専門家が作っていないので、答え様が無い問題や、意味の無い問題もあるのが現状です。
職業訓練校を卒業し国家資格を手にしても就職先がみつからずフリーターになる生徒が多い事。 生徒達自身、仕事の探し方も知らないし、学校に求人が来ることもありません。
日本からの機材整備により、当校には多数の機材が供与されていますが、現状では、扱い方が解らず使用されないままであり、機材に対するメンテナンスを行っていないため、故障している機材も多数あり、それらの機材に対するメンテナンスの手法・システムの構築、そして前述の機材償却等に対する予算なども充分に確保されていません。
インジェクションポンプテスターやブレーキテスターなどの大きな機材は私では直すことはできませんし、タンザニアにそれらの機材を直せる職人はいません。
以上4点が大きな問題点です。他にも細かい問題は山のようにありますが、自分の出来る事から少しずつやっていくつもりです。

 

お問い合わせ

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