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青年海外緑と文化の大使レポート(カンボジア)

松尾 潤子 平成29年度3次隊(職種:看護師) 

  皆様、ご無沙汰しております。JICAシニア海外ボランティアとしてカンボジアのバッタンバン州立病院に派遣されております、看護師の松尾です。

 カンボジアは、現在、乾季に入り、雨はほとんど降らず、また気温も30度を下まわり、大変過ごしやすい毎日ですので、観光シーズンを迎えております。バッタンバンは、アンコールワットのあるシェムリアップからバスで3時間程の場所にあります。取り立てて観光資源となるようなものはありませんが、フランス領時代のコロニアル風建築が残った町並みと静かさに惹かれて、シェムリアップから訪れる西欧人の観光客が多くいます。

 さて今回は、現在取り組んでおります活動の一部をご紹介したいと思います。

 カンボジア人の罹患する疾患は、感染症から生活習慣病へと移行してきており、私の働く病院でも高血圧、糖尿病患者は急増を続けており、死亡の原因疾患も感染症よりも脳梗塞、心疾患が増加しました。この原因には、食生活の変化ももちろんありますが、交通手段の変化もあると思います。車の所有者が増え、どんなに近い距離でも皆歩く事はせず、バイクと車で移動するためにカンボジアの人々の運動量は明らかに減少していると思います。

 また、私の働く病院は、基幹病院であるために、州内のみならず、周囲の地域から日々多くの患者さんが訪れますので、混雑した外来では、患者さんから待ち時間の苦情も多く受けています。

 この運動不足と待ち時間の有効活用という視点から、高血圧・糖尿病外来の患者さんを対象に10分間の健康体操を始めることにしました。とはいえ、私には、体操メニューを作る事は難しかったので、病院近くの中学校で体育を教えている隊員に協力してもらうことにしました。数日の話し合いの後、最終的に5分ストレッチと5分ダンスの構成で、計10分間の健康体操ができあがりました。その後、外来看護師6人でチームを作り、彼らがインストラクターになるべく、30分間のトレーニングをひと月行いました。カンボジア人は歌も踊りも大好きな人たちですが、音楽を聴きながら、リズムをとって、身体を動かすという、日本人からすればそれほど難しいこととは思えないことが、皆なかなか習得できず、本当に始められるか危惧しましたが、皆の努力の末、9月から外来で開始する事となりました。

 外来の扉には、ポスター掲示も行い(写真1)、朝9時からチームリーダーが運動の必要性について説明をして、約30名程の患者さんとともに健康体操が始まります。(写真2・3)現在、健康体操を開始して3ヶ月が経過したところですが、患者さんの反応はとても良く、皆さん笑顔で参加してくださっています。また看護師達も患者さんの反応に後押しされ、楽しんで続けています。私も、仕事始まりに10分間、音楽に合わせて運動する事で、思いがけず楽しさと清々しさを実感することができています。

 

  (写真1)

 

 (写真2)右の白衣が私です

 

 (写真3)

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