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青年海外緑と文化の大使レポート(ネパール)

藤井 美和子 平成24年度3次隊(職種:村落開発普及員)

1 着任しての感想・現地事情

 皆様、初めまして。現在、青年海外協力隊・村落開発普及員(現コミュニティ開発)としてネパール派遣中の藤井美和子と申します。これから青年海外緑と文化の大使として、皆様に任国ネパールの魅力をお届けして行けたらと思います。

 ネパールは中国とインドの間に位置し、世界一の標高を誇るエベレストを有する、西南から東北に横長の北海道の1.8倍程の面積の内陸国です。又、30以上の民族が暮らす多民族国家で、話される言語も50を超えると言われます。(ただ、方言などを含むとその数は70以上とも、100以上とも言われます。) 人口は最新の2011年国勢調査によりますと、ネパール全土で京都府人口の約10倍である約2,650万人との事です。

 ネパールに到着してまず驚いた事は、本当に多民族国家だという事です。道を歩いていても、インド系、モンゴリアン系、その他様々な顔立ちをした人たちとすれ違います。新聞社には、日替わりで一つの民族の言語を取り上げて、その言語のみでニュースを紹介するという取り組みをしている所もあります。(その言語話者にニュースを伝えるという目的と、各民族間の異文化理解のねらいの両方があるとの事です。)
 現地の方の家庭に招いて頂いた際には、民族により食文化も異なる事に驚きます。お肉や乳製品を全く食べない人たち、逆に、お肉を主に食べる人たち…マサラ(香辛料)の量も激辛だったり、マイルドだったり…家庭により味付けも異なります。

 この様に、多民族国家のネパール。お互いがお互いの文化や存在を認め合い、融合しながらも、丁度よい距離感を保ちながら人々が暮らしているネパール。外国人の私が居心地の悪さを感じない理由は、もしかしたらそんな所にあるのかもしれません。

カトマンズの街角

2 ラト・マチェンドラナート祭と祇園祭

 先日、私の暮らすラリトプール郡にあるパタンという町で、「ラト・マチェンドラナート」というお祭りが行われました。(「ラト」とはネパール語で赤色の意味。「セト(=白色)」・マチェンドラナートもカトマンズにあります。)  毎年雨季を目前に控えた4~5月に行われるお祭りで、12年間雨が降らず苦しんだネパールの人たちが、マチェンドラナート神を祀った所、恵みの雨が降ってきた、という伝説から、雨乞いの祭りと言われています。台車に大きな柱を立てた山車がパタンの町を何日もかけて巡ってゆきます。毎年山車の引かれる日程は暦の良き日を占って選ばれるので、最終目的地に到着するのに1か月近くかかることもあるとか!

 祭りのクライマックスまでには、早朝4時から女性だけで山車を引く「マヒラ・レ・タンネ・ディン(女性が引く日)」や、山車の天辺からナリワル(=ココナッツ)を投げる「ナリワル・ジャットラ」、宝石をちりばめた「ボト」と言われるジャケットを観衆に見せる「ボト・ジャットラ」など様々な日程があり、町は地元の見物客で大変賑わいます。

 私は山車がパタンの町を巡って行く雄大な光景をみて、京都の夏を思い出しました。そう、京都の夏の風物詩である祇園祭りの風景と重なったのです。

 疫病の流行に対して無病息災を祈って始まったと言われる京都の祇園祭と、豊作を願って恵みの雨を乞い始まったラト・マチェンドラナート祭。国は異なれど、人々の願い、祈りの深さは万国共通。マチェンドラナート祭を通して、そんな事を感じました。さあ、ネパールは約3か月続く雨季の始まりです!

ラト・マチェンドラナート祭

ボト・ジャットラ

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