トップページ > 子育て・健康・福祉 > 子育て・青少年 > 青少年の国際交流の支援 > 青年海外緑と文化の大使レポート(サモア)

ここから本文です。

青年海外緑と文化の大使レポート(サモア)

新井 教之 平成28年度第1次隊(職種:小学校教育)

  京都府のみなさま、こんにちは。

 2016年より南太平洋に位置するサモア独立国のレウルモエガ小学校で教員として活動していましたが、2年の任期を終えて帰国しました。2018年4月からは京都市内にある高校で社会科の教員として働いています。京都に戻ってきて、食べ物の美味しさと、生活の便利さと、連日、気温が40℃近くまで上がる夏の暑さに驚いています(赤道に近いサモアよりも京都の夏の方が暑いです。サモアは風があって気持ちのいい暑さでした)。今後は日本の子どもたちに2年間の国際協力活動の経験やサモアのことを伝えていければと考えています。

(1)サモアでの国際協力活動について

 サモアでは全校児童100名の小さな小学校で理科と算数の授業を主に行いました。サモア語もあまりわからず、最初はなかなか成果がみえなかったので、果たして自分のやっていることに意味があるのかと、しんどい時期もありましたが、活動の後半では、数を数えられなかった子が足し算や掛け算ができるようになるなど、少しずつ成果があらわれました。日々の子どもたちの成長がモチベーションとなり、活動後半は、授業だけでなく、放課後や休日に村を回っての学習指導も行っていました。子どもたちにどうしたらうまく伝わるだろうかと考え抜いた末に失敗する授業の方が多かったのですが、同僚や子どもたちに助けられながら、活動を最後まで行うことが出来ました。授業ではサモア語だけでなく身振りや小道具を使ったり、工夫して授業を組み立てる大切さが痛いほどわかった2年間でした。国(サモアと日本)や学校種(小学校と高校)、教科(理科、算数と社会)が違っても、授業するうえで大事なことは同じであることがつかめたのは教師として大きな財産になりました。 

 (2)サモアでの生活について

 日本人の誰もいない村に一人で生活することに初めは不安もありましたが、1年くらいたつと慣れてしまい、サモアでの生活が普通になっていました。鳥の鳴き声で目覚め、ためた雨水で顔を洗い、タロイモを食べ、甘いココアを飲む。放課後は、村の人たちとマンゴーが落ちてくるのを待ち、原っぱでラグビーやバレーボールをして、暗くなったら寝る。日曜は教会に行き、ビンゴに熱狂し(サモアではビンゴが人気の娯楽です!)、行事ではサモアのダンスを踊る。スーパーやコンビニはもちろんなく、水道・電気は不安定、家の周囲は凶暴な犬がうろつき、村人が頻繁にお金を借りにくる、定期的におこる腹痛と原因不明のじんましん、壁のない家、深夜まで続く大音量のサモアンミュージック・・・と不便なことや大変なことはたくさんあったのですが、困っている人がいたら絶対にほうっておけないサモア人の優しさにいつも助けられていました。子どもの面倒は血縁関係なくみんなでみる、目上の人を敬う、食べ物は分け合うなど、2年間でサモアの良さをたくさん見つけることができました。びっくりするほど美味しいマンゴーなどの果物、運動したあとのココナッツジュース、ココナッツミルクで味付けしたタロイモ、透き通った青い海、爽やかな風、午後のスコール、市場での交渉、綺麗な星空、村人との世間話、カラフルなバス、同僚からのおやつ、ホストマザーのココア、教会での談笑、村のこどもたち・・・サモアでの2年間でたくさんの好きなものができました。

 長いようで短かったサモアでの2年間、苦しかったことやうれしかったことなどさまざまな思い出がありますが、とても多くのことを学ぶことができました。サモアでの経験を大切にして今後の人生に活かしていきたいです。

 


写真1:レウルモエガ小学校の同僚たちと

 


写真2:ホストファミリーと

 


写真3:村の子どもたちと

 


写真4:レウルモエガ小学校の子どもたちと

 


写真5:サモアのカラフルなバス

 

京都市 新井 教之(あらい のりゆき)

お問い合わせ

健康福祉部こども・子育て総合支援室(青少年係)

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4792

kodomo@pref.kyoto.lg.jp