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青年海外緑と文化の大使レポート(セネガル)

新堀 春輔(出身:京都市) 平成19年度1次隊(職種:青少年活動)


2年間のセネガルでの任期も残り半年になりました。
今回は僕のセネガルでの活動についてご紹介させていただきます。

僕の配属先はセネガル・カオラック市の教育委員会です。中心となる活動は「遊びと学びのバランスの取れた就学前(幼児)教育」を普及することです。
まだセネガルでは就学前教育の歴史は浅く、殆どがフランスなど先進国のカリキュラムをそのまま導入しているような形です。ですが、他の国、しかも先進国のカリキュラムをそのまま導入してもうまく行かないのは目に見えています。そこで、セネガルの子供達にあわせて、またセネガルの文化などにも合わせた就学前教育が求められているわけです

特に僕達就学前教育に関わる隊員に求められているのは、先生が話して子供が反復するだけのような授業ではなく「遊びと学びのバランス」を大切に、子供達の発達段階にあわせた音楽・図工・体育を実施すること及びそのアイディアを現場の先生に伝えることです。

 

(写真)手作りの笛・色眼鏡で遊ぶ子ども、クリスマスカード作り

幼稚園では音楽・図工・体育の実施だけでなく、保健衛生(ゴミ箱の使用や手洗いなど)の普及、運動会の開催、身近なものを使った教材づくりなどもしています。セネガル国内にいる他の就学前教育隊員たちと協力して、ちょうど幼稚園での活動1年間分の授業案や教材案に、幼児教育の必要性・子供の発達段階の説明・指導現場でよくある場面のケーススタディなどの理論をつけて、就学前教育指導マニュアルを作成しました。現在このマニュアルは隊員の活動園などで現場の教員が活用してくれています。

(写真)運動会

 配属先からの要請としての活動は上記の就学前教育ですが、他にも幾つかの活動をしています。
まず、教員養成校での活動があります。これはセネガルでこれから教員になる方達を対象に音楽・体育・図工などの情操教育の授業体験と指導のポイントを伝える活動です。今年2009年からは環境教育の授業体験も実施することになりました。
次に、環境教育の活動です。僕の住んでいるカオラックの小学校・幼稚園や青少年団体はもちろん、他の町や村の学校、グループとも一緒に活動しています。日本や他の国と「環境を交換」する環境・国際交流や、学校植林につなげるための環境教育、マングローブやその周りの水産資源の継続利用の為のワークショップなどを実施しました。セネガルの学校教育は先生が話す・生徒が反復する、先生が書く・生徒が写す、というのが多いので、自分の意見や気づきを口に出したり、グループで考えたりすることが最初は難しいようでしたが、何度かやっているうちに形になってきました。先生たちの反応も上々です。また、「環境教育は必要だと思うけど、やり方がよく分からない」という声をよく学校の先生から聞いたので、環境教育の進め方や実施のアイディアをまとめた小冊子をつくりました。

(写真)マングローブ植林

(写真)環境学習

 最後に、子ども空手教室の活動です。京都の道場で指導員をさせていただいていたこともあり、文化交流の意味も込めて始めました。ちょうど始めて1年になります。海外に行くと何処でもそうですが(?)、「日本=空手」のようで、空手の人気はすごくあります。セネガルでも例外でなく、町を歩いているだけで「教えて!」といわれたりします。話を聞いてみると、セネガルにも空手協会があり、いろいろなところに道場がありますが、月謝や空手着などの用具の購入などがハードルになって、習いたいけど習えない子どもが多くいることを知りました。そこで、僕が住んでいる地区と隣の地区の子ども会で空手教室を始めました。週3回、子ども達(対象は子どもだけに限定しています)に教えています。

(写真)空手教室の様子

 就学前教育、教員養成、環境教育、そして子ども空手教室といった活動を紹介しました。残りあと半年です。課題は僕が帰った後もできるだけ多くのものを残すことです。物理的な物ではなく、子ども達や関わった人々に何かしらのインパクトを残せたらと思います。やはり、僕が帰ったからもう「音楽・体育・図工の授業はなし!」「空手教室はおしまい!」では寂しいですから、セネガルで関わった人々が継続して実施できるような形にしていきたいと思っています。

お問い合わせ

健康福祉部こども・青少年総合対策室(青少年係)

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4792

kodomo@pref.kyoto.lg.jp