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第17回(第121回)京都府スポーツ推進審議会の議事要旨

1開催日時

令和元年7月17日(水曜日)午後3時から同4時30分まで

2場所

ルビノ京都堀川「平安」の間

3出席者

出席委員

松井道宣、齊藤昌久、東佳明、徳地守、角井弘之、水野加代子、坂野晴男、河合美香、木村祐子、松永敬子、勢子由紀子、堀忠雄、石田洋也、中島貴史14名

事務局

山口指導部長、村上保健体育課長他事務局19名

欠席委員

北村泰子、梅田陽子、福中善久、小林千紗、藤原有希子、5名

4内容

(1)開会

(2)委員紹介

(3)役員選出

(4)あいさつ

松井会長挨拶

(3)委員紹介

(4)報告事項

京都府スポーツ推進計画中間年改定について導指針について

(5)協議事項

京都府スポーツ推進計画中間年改定の具現化にむけた全体スケジュールについて

ア具現化に向けた全体スケジュール

イ各分野の具現化に向けた計画について

(ア)スポーツイベントの充実について

(イ)京都府部活動指導指針一部改訂について

(ウ)障害者スポーツの普及・啓発について

(6)閉会

山口指導部長挨拶

審議(協議事項)内容(結果及び主な意見)

1報告事項について(内容の要旨)

報告事項京都府スポーツ推進計画中間年改定について

【説明(事務局)】

京都府スポーツ推進計画中間年改定について説明する。

計画改定の趣旨として、京都府では今後10年間を見通した本府のスポーツ推進に関する基本計画として、平成26年に京都府スポーツ推進計画を策定した。その後、5年間に生じた環境の変化や、これまでの成果と課題、今後の展望を踏まえて今年3月に中間年改定をすることとなった。

今回の改定にかかわり、本審議会、京都府スポーツ協会、京都府総合型地域スポーツクラブ連絡協議会、京都障害者スポーツ振興会等から御意見をいただいた上で、関係部局による検討会議や小委員会を開催し、改定に向けた協議を行った。

改定の主な背景としては、スポーツ立国を目指す上での国の新たな指針、第2期スポーツ基本計画が策定されたことや、ゴールデンスポーツイヤーズを迎えるということがある。

現状と課題については、リーフレットで示している。そこに書いてある現状と課題だが、京都府の新たなスポーツ施設として、亀岡に専用球技場である京都府立京都スタジアムや山城総合運動公園のすぐ近くに、通年型のスケートリンクが完成間近となるなど、誰もが親しみを持てるスポーツ施設の整備を進めている。

それでは、今回特に重点政策として改定したものを4つ挙げる。

1点目は、障害者スポーツの振興である。スマートスポーツ(障害者スポーツ分野)で記載されている、障害者スポーツを通じた共生社会の実現に向けた取り組みの推進や、チャレンジスポーツ、競技スポーツ分野に記載されている、障害者アスリートの発掘、育成支援を推進していく。

2点目は、スマートスポーツのところに記載されている、京都府の地域資源を生かしたスポーツツーリズムの推進である。京都府は世界有数の観光地でもあり、2021年にはワールドマスターズゲームズ2021関西も開催される。府内8市町で開催される全11競技と観光を融合させたイベントを盛り上げ、地域の活性化につなげていきたいと考えている。

3点目は、チャレンジスポーツのジュニアアスリートの発掘・育成である。京都府では、将来の日本を代表するアスリートを発掘・育成するため、京の子どもダイヤモンドプロジェクトを実施している。このプロジェクトは、現在フェンシング、バドミントン、カヌーの3競技において、小学校4年生から中学校3年生までの6年間で専門競技の実技やトレーニング指導などを行い、育成を進めている。

4点目は、エンジョイスポーツの、東京2020オリンピック・パラリンピックを契機としたスポーツ心を醸成する取り組みの推進である。東京2020大会の感動を一過性のものではなく、本府のスポーツ文化の醸成につながるようにこの取り組みを進めていく。ゴールデンスポーツイヤーズを好機として、スポーツをするだけではなく、みる、ささえるといったさまざまな関わりの中で、人々がつながり、スポーツの力で京都をもっと元気にしたいと考えている。

 

【質疑応答】

〇委員(質問)

5年間の振り返りのもとに中間年改定の策定が行われたと思うが、目標の設定というのは、具体的にしているのか。

 

〇事務局(回答)

まずスポーツ実施率を上げるということ。実施率65%という目標を達成するために、これから、いろいろな仕掛けをこの5年間で実施しながら、目標としている65%にするための具現化を図っていく。大きくはスポーツを皆さんにやっていただき、またそれを「みる、ささえる」というところで関わっていただきたいと考えている。

2協議事項について(内容の要旨)

〈ア具現化に向けた全体スケジュールについて〉

【説明(事務局)】

まず、全体図としては、本推進計画の4本の柱を縦軸として4点、今後5年、令和5年までの改定の進行予定を時間軸として横軸に表としている。各分野の目標項目に合わせて具体的施策を色別に示している。一番上の段で記載しているのは、本審議会において、今後検討していく事項のおおよそのスケジュールである。令和2年から3年にかけて具現化に向けた取り組み内容について検討し、その後、令和3年から4年にかけ、取り組みの達成状況等の成果と課題を振り返り、そして令和4年以降は新たな推進計画に向けて検討をはじめ、令和6年にそこから10年間を見通した新しい推進計画の策定を目指している。

次に、4つの柱ごとの具現化スケジュールについて、主な取り組みについて簡単に説明する。まず、スマートスポーツは次の3点を上げている。

1点目は障害者スポーツの普及・啓発の推進である。この中身に関しては、後ほど詳しく説明する。

2点目は、総合型スポーツを核とした豊かな地域コミュニティの創造である。国の方針として、2021年、総合型クラブにおける登録・認証制度の策定が具体的に進んでいく。その方針を受け、京都府でも今後総合型クラブの質の向上に向けて取り組んでいく。

3点目は、スポーツイベントの充実である。この内容に関しても、後ほど説明する。

次に、エンジョイスポーツでは主に次の4点である。

1点目は体を動かすことが好きになる環境づくりである。学校等のグラウンドの芝生化の推進、トップアスリートとの交流の充実に加え、青少年の憧れの舞台となる専用球技場、府立京都スタジアムや京都アイスアリーナ(仮称)における利用を促進していく。

2点目は、合理的かつ効率的な部活動の推進である。この後、協議事項でも説明するが、持続可能な部活動の推進に向けて、京都府としての体制を構築していく。

3点目は、指導者養成講習の充実である。運動部活動指導ハンドブックの改定や、コンプライアンスやスポーツ・インテグリティの確保に向けた研修、あるいはスポーツ医科学関係団体と連携をした研修を充実させ、指導者の資質向上に向けた取り組みを引き続き進めていく。

4点目は、スポーツごころを誘う事業の展開と、オリンピック・パラリンピック教育によるレガシーの創出である。オリンピアンやパラリンピアンとの交流や理念や意義、歴史学習等の学びを通じ、大会後もレガシーとして社会全体に広がりを見せ、成熟した共生共助社会の形成に発展するよう取り組んでいく。

チャレンジスポーツでは3点挙げている。

1点目は、京の子どもダイヤモンドプロジェクトの充実とプログラムの普及である。現行のプログラムは、種目特化型として実施している。今後は2020年の10期生までを1期と考え、新たに11期生迎える2021年以降については、2期として今後2.期検討準備委員を立ち上げ検討を進めていく予定としている。

2点目は、障害者トップアスリートの競技力向上のための拠点施設の活用推進である。この内容に関しても、この後、障害者スポーツの普及・啓発の推進と合わせて説明する。

3点目は、若手指導者の育成・拡充である。各競技団体において、中核を担う指導者の高齢化が進んでいるため、若い指導者のための研修制度や支援を充実させ、指導者養成講習の充実と合わせて取り組んでいきたいと考えている。

最後に、スポーツ拠点整備の分野では、次の2点を挙げている。

1点目の府立京都スタジアムの整備では、2020年にオープンが予定されているが、サッカーでの活用以外にも、日本では数少ない室内のスポーツクライミング施設として、トップアスリートの活動拠点として誘致するほか、府民も楽しみながら利用できるよう環境を整備していく。

2点目は、京都アイスアリーナ(仮称)の整備である。京都スタジアムと同様にトップアスリートやジュニアアスリートの活動拠点を目指すほか、カーリングなど近年人気のある競技の普及に活用していく予定である。これらの事業以外でも、スポーツ推進計画の具現化を目指し、今後の5年間の取り組みを進めていくこととしている。

 

【質疑応答】

〇委員(意見)

計画を進めていく上では経済的なことも必要だと思うが、今行政のほうは経済的にはあまりよくないと聞いている。過去、兵庫県が法人県民税を財源として総合型スポーツクラブを広めていったということを聞いているので、そのようなことをして、経費を集めて計画を進めていくのも一つかと思う。

 

〇事務局(回答)

検討していきたい。

 

〇委員(意見)

この具現化のスケジュールは、これで進めていただければと思うが、スポーツ実施率を高めていくということは、もうある程度やることはやってきているが、やる人はやって、やらない人はやらないという二極化がずっと固定化しており、数字を見ても1回上がってまた下がるという状況になっている。また、スポーツ以外のいろいろな会議に行くと、地域の活性化について「スポーツ」のキーワードがなかなかあがってこない。関係部署とどのように連携していくのかというところをクロスさせてやっていかないと、もうスポーツのところだけでやることに関しては、限界が来ていると思う。そのあたりで、今回の説明では、その他部署との連携が見えてこないところがあるので、今後、他部署とこんなふうに絡んでやっているということが、見えるようにしていくと、非常に広がっていくと思う。

 

 

〈協議事項(ア)スポーツイベントの充実について〉

【説明(事務局)】

6月に開催された、国のスポーツ審議会において、「スポーツ実施率の向上のための中長期的な施策」の中で、「スポーツをしやすいまちづくり」が指針案として出されている。その中で、地域のスポーツイベント等によりスポーツをする機会を増加、拡大させることを提言している。本府としても、スポーツイベントの充実を検討している。具体的には、今あるイベントの改善・発展である。新たにスポーツイベントを立ち上げるには、莫大な予算が必要となる。そこで、今あるスポーツイベントの枠組みを活用しながら、より魅力的なイベントにつくり変えることが大切かと考えている。

そこで、今後5年間のビジョンを、「誰もが楽しめるスポーツイベントを活性化させ、京都府のスポーツ人口をふやす」とし、取り組みを進めていきたいと考えている。具体案の一つとして、教育委員会が主催している、府民総体のオープニングフェスティバルを充実させていくことを考えている。

現在、府民総体のオープニングフェスティバルは、総参加人数が約3,600人程度となっている。運動に興味がある層は継続して参加しているが、そのほかの新しい層を取り込むことが必要となっている。

実施プログラム内容をより体験的なものに変えることや、民間企業との連携により、効果的な宣伝や運営を目指している。そして、京都府内でそれぞれ開催されているスポーツイベントと連携することや、各地域の特色も取り入れながら、オール京都で挑むスポーツイベントをつくり上げることで、スポーツに親しむきっかけとなるようなイベントを目指し、5年後には1万人規模のスポーツイベントに発展させたいと考えている。そのイベント案は、府民総体一般参加型プログラム3本柱として、3ページに記載している。

また、長期的な視点で、スポーツ人口をふやすイメージを2ページの右の図であらわしている。

まず、体験型のスポーツイベントを通じて、スポーツに興味を持ちスポーツとかかわる子どもをふやす。そのスポーツと出会った子どもたちが、さまざまな種目を経験することで、多くのスポーツの活性化につながると考えている。また、子どもがスポーツと出会うことで、その家族も同時にスポーツにかかわることで家族としてもみる、ささえるという立場でスポーツに携わることができると考えている。同時に働き世代や高齢者のスポーツの出会いにもなるよう、プログラム内容を検討していきたいと考えている。このように、魅力的なスポーツイベントをつくり上げ、そのイベントを通して「スポーツとの出会いをつくる」こと目指し、5年後の京都のスポーツ人口をふやすという長期的な視点で取り組みを進めていきたいと考えている。

 

【質疑応答】

〇委員(意見)

スポーツイベントの取り組みだが、スポーツ人口を増やすということは、もう半世紀以上にもなる古くて新しい課題とスポーツ界では言われている。今やっていることだけでは当然無理だと思う。やはり課とか署とかを乗り越えたような形で取り組んでいかなければいけないと思う。その点をもう少し力強くした方がいいと思う。

もう一点、イベントというのは、そこに行かないといけないが、なかなかそこに行ける人ばかりではない。「身体運動のトロント憲章」では、生活している場所や町で、運動ができる環境づくりもしていきましょうという提案があった。やはりそのようなことを含めて日常生活の中で何かできるような、環境を作ることも合わせてしていければ、スポーツ人口もふえていくかと思う。その場所に行き、スポーツをしないといけないというような感覚では、難しいと思う。

 

〇委員(意見)

広域スポーツセンターで総合型地域スポーツクラブの支援をしているが、京都府では総合型クラブは50クラブ、府立学校を拠点としたクラブが10クラブで、計60クラブが活動している。それぞれのクラブはそんなに大きいクラブではないが、地域で活動を頑張っている。各地域にあることを生かして、例えば、当日同時間開催のようなことで、各種のクラブイベントを実施するなど、そのようなことであれば実施していけると思う。

もう一点、私自身スポーツは好きで、見るのも、するのも好きだが、このようなスポーツイベントに参加したことがない。あまり広報がうまくいってない場合は、目につくことがなく、行く機会もあまりないと思う。メディアなどをもっと使い、広報をしていくことができるのではないか考えている。例えば、若い世代を取り込んでいくのであれば、SNSのツイッター、フェイスブックなどを活用していくも可能ではないかと思う。

 

〇委員(意見)

日ごろ、まちづくりというという観点から活動している。どうスポーツをする環境づくりをしていくかというところで、取り組みやすい状況をどうつくっていくかという観点で考えている。身近なところで「歩いて健康に」ということでウォーキングの推進をしている。日常の中で取り組めるようなものも大事だと思う。

例えば、和束町では特産としてお茶があるが、ウォーキングをしながら茶畑を見て、汗をかきながら歩き、喉が乾いたらお茶を飲むこともできる。また地域によっては、海辺のウォーキングもあれば、森林のウォーキングも考えられる。景色を見ながら歩き、いろいろな地域を歩くたびにスタンプがたまり、多くたまれば地域の特産品を渡すなど、運動と観光を絡めてやることで、地域振興にもつながるのではないかと考えている。

 

 

 

〈協議事項(イ)京都府部活動指導指針一部改訂について〉

 

【説明(事務局)】

改訂前の旧「京都府部活動指導指針」では、有識者のよる検討会議で議論を重ね、スポーツ省の運動部活動のあり方に関する総合的なガイドラインを踏まえ、平成30年4月に策定した。その1年後の今年の4月に今回の改訂版を策定したが、ポイントとなるような部分については、改訂前と変わっていない。まず、指針のポイントについて改訂版をもとに説明をし、その後改訂版で新たに追記した内容を説明する。

参考資料1の1ページ最上部に、この指針の対象が中学校及び高等学校の体育系または文科系の部活動全体にかかわるものであるということを示している。学校現場では、体育系、文科系の区別なく部活動が実施されており、現場の混乱を避けるために全ての部活動を対象に策定した。

それでは、指針のポイントについて簡単に説明する。

1つ目は、練習時間、休養日の設定についてである。中学校については、国のガイドラインに準拠し、休養日は週当たり土日を含めて2日以上、練習時間については、平日2時間程度、休日3時間程度としている。国のガイドラインでは、高校においても、原則中学校の練習時間や休養日を適用するとあり、京都府においても、原則適用するとしながらも、子供たちの発育・発達の観点、自己管理能力の向上、そして、中学校教育の基礎の上に多様な教育が行われているというようなことや、地域や学校の実態を踏まえ、弾力的な運用とし、休養日の下限を週当たり1日以上、練習時間の上限を平日3時間程度、休日4時間程度とし、高校現場の実態を踏まえ、実効性のある設定とした。

2つ目は、スキルアップコーチの活用である。

京都府では平成29年に学校教育法施行規則の改正により、制度化されました部活動指導員と、従来から派遣をしていた、外部指導者を総称し、京都府独自に「スキルアップコーチ」と呼んでいる。その活用について記載をしている。

単独引率、単独指導ができる部活動指導員の導入は、教員の働き方改革と質の高い指導の観点から、大きな効果が期待されている。一方、生徒引率はできないが、顧問とともに技術指導ができる外部指導者の活用は、競技経験のない顧問の精神的な負担の軽減や、顧問教員の指導力向上に効果が期待することができ、学校現場で引き続き活用している。

次に、改訂に至った経緯とともに、新たに追加した内容を説明する。

表紙裏の「はじめに」の上から6行目、熱中症対策について、スポーツ庁から各都道府県の指針の中により詳細な表記を求められたことを受け、追記した。また、平成30年12月に、文化庁のから「文化部活動のあり方に関するガイドライン」が出されたが、京都府は当初から文化部も包括した形で策定していたこと、また、国の運動部、文化部のガイドラインがほぼ同じような内容であったため、大幅な変更はしなかった。

平成30年3月に、高等学校の新学習指導要領が告示され、中学校と同様、「部活動における持続可能な運営体制の構築」が明記されたことを追記した。

下から8行目文末のところ、「加えて」から後ろの文言について、国の文化部活動のガイドラインに、中高の部活動だけではなく、小学校についても発育・発達段階に応じた対応が明記されたので、小学校に関する内容をこの部分に追記した。

次に、主な指針内容の改訂部分について確認する。

4ページでは、熱中症対策についてより詳細な内容を追記した。「暑さ指数や高温注意報の活用」、「練習や大会時の柔軟な対応」、「熱中症予防に向けた水分補給や休憩の取得」、また「熱中症発症時の適切な対応」など具体的な内容を追記した。

5ページの大きな3番の(1)部活動指導員の2つ目の丸では、部活動指導員の資格について表記をした。1年前の改訂前のものでは、学校教育活動への理解の観点から、「教員免許を保有していること」を必須条件にしていたが、学校現場から、今まで外部指導者として長年指導に携わっていた指導者が、教員免許を所有していないことで、部活動指導員になれないというような現場の声を受け、「教員免許を有していることが望ましい」という表現に一部条件を緩和した。

以上、改訂したポイントについて説明をしたが、京都府教育委員会では、今日まで部活動が果たしてきた教育的意義を踏まえ、「生徒の健全育成とバランスのとれた学校生活の実現」の観点と、「教員の働き方改革」の観点から、部活動指導の適正化を図るとともに、より一層充実、発展することを目的として、基本的な事項や留意点を示している。時間をかけることによって部活動の成果を求めるのではなく、指導者は自己研鑽を重ねることによる指導力の向上、また生徒の自発的・自主的な活動へ移行することにより、より効率的・効果的、そして意欲的な活動を促し、今まで以上の成果が得られることを目指していきたいという考えのもと、今回の部活動指導指針を策定、改訂した。

 

【質疑応答】

〇委員(意見)

個人的な意見になるが、東京オリンピック・パラリンピックを控え、まさしく今の中学生、高校生がターゲットエイジということで、大きな機運の高まりを見せていく中、2年前に、この運動部活動のガイドラインをスポーツ庁が策定した。青少年のスポーツに携わってきた人間としては、水を差される部分も感じたが、オリンピック前年度を控え、今この方向性を打ち出さなければ、練習量などより過剰な部分が生まれてきたのではないかと思う。もともとこの考え方は学校運動部活動がいかに持続可能なものにしていくか、未来永劫続けていくためにはどうすればいいかということが、論点であったというように把握している。そうした中、保護者の考え方、地域の考え方が、この部活動指針を理解していただけるよう説明をしていく必要がある。

学校現場では、30年ほど前に、校内暴力が激化したとき、生徒指導の一環としての部活動の意義が美化された時代があった。そういうスポーツを通じて子どもを指導していくという時代があって今の流れがあるが、それぞれの時代を経験された感覚で、今も保護者が部活動を見ている。

指導者や保護者に理解していただきながら進めていくために、丁寧な対応が大切になってきていると思うが、今後、時間の経過につれて一定、指針の考え方が定着したものになっていくのではないかと思っている。

もう一点、競技力もやはり強化していくためには、練習量を担保していく必要がある。今、国も、学校を離れた社会スポーツに移管していくという方向性がある。学校を離れたとき、無償では教えることはできないので、学校外の社会スポーツに身を置く子どもたちについては、一定の経済的な負担がかかってくるのではないかと思う。また、社会スポーツに教職員が指導者として携わっているというケースが、他府県では見られおり、結局また、先生方に苦労をかけるということも頭に入れながらやっていかなければならないと思っている。

 

〇委員(意見)

部活動の役割は、大きなものがある。子どもたちが自己肯定感を高めていくということで、部活動が有効であったという事実は、この後も変わらないと思う。ただ、部活動ガイドラインができて1年経ち、少しずつ定着してきていると思う。ガイドラインに示されているように、休養日もしっかりととって子どもたちの健康を守り、長くスポーツを親むという方向性は、とても大事であるため、指導者も意識改革をしていかなければならない時代が来ていると思う。

現場の指導者には2通りの声があり、「もっとやりたい」という思いと、「これぐらいでちょうど子どもたちにとってはいい」という両方の声が聞こえているのが現状だと思う。

最近では、京都府中体連も、けが予防、スポーツ後のケアという部分での講習を進めている。

今後は、小中の連携、それから中高と、長くスポーツを続けさせるという観点が、これからの指導者には必要だと思う。

 

〇委員(意見)

運動に携わる子どもを増やすためには、小学校と中学校の連携は、大事だと思う。また、中学校に入って運動に時間が取れないような子どもたちがたくさんいるので、そのような子どもたちに、どのようにして運動に取り組ませるかという部分については、これから小中で一層連携していかなければならないと思っている。

 

 

 

〈協議事項(ウ)障害者スポーツの普及・啓発について〉

【説明(事務局)】

障害のある成人の週1日以上のスポーツ実施率は約20%と活動環境が少しずつ整備されてきたことなどから、平成25年以降わずかに増加しているのが現状である。しかし、健常者に比べ、スポーツ実施率が低く、未実施者における無関心層も多い傾向がある。このため、障害者スポーツを推進するためにはさまざまな環境整備が必要とされる。本府では、平成28年に、「障害者スポーツ振興アクションプラン」を作成しており、その具現化に向けて取り組んでいる。特に、本年度以降はゴールデンスポーツイヤーズに入ることから、よりスポーツへの関心が高い時期に差しかかる。東京2020パラリンピックやワールドマスターズゲームズ2021関西により、障害者スポーツへの関心も高まることが予想をされる。この機会を活用し、障害者スポーツにかかわるレガシーを、さらに発展させていきたいと考えている。

また、5ページでは、障害者スポーツ振興アクションプランの具現化に向けた進捗状況について、各関係部署によって整理点検を行っているものが掲載している。表にあるように、指導者の育成とともに資格取得者の定着が課題の1つとなっている。本府では、障害者スポーツ指導員の資格取得者が約400名いるが、その資格を約半数が更新していないという現状がある。その理由として、資格を持っていても活用する場が少ないということがあげられる。そこで、指導者資格を活用できる場や機会を設定すること、案内を定期的に行うなどの取り組みを進めていく。また、同時に障害者の活動する場を広げるために、既存の施設の使用、学校施設の開放活動等でも利用しやすい環境を整えていく必要がある。国のスポーツ審議会においても、特別支援学校の体育施設の活用促進が提言されている。特別支援学校の活用が進めば障害のある児童生徒が、卒業後も学校の体育施設を利用することができ、障害者スポーツにかかわるきっかけをつくることができると考えている。障害のある人もない人も、スポーツにかかわることができる環境の整備を今後とも継続して行っていきたい。

 

【質疑応答】

〇委員(意見)

先日、島津アリーナで障害者の「スポーツの集い」が延べ550回を迎えた。48年間にわたってそのような集いが行われてきた。

昭和24年の時点では、一般の方が週1回以上運動しているのが47.5%、障害を持っておられる方では18.2%であった。これを40%にするという目標が掲げられたが、まず施設が利用しやすいバリアフリー化になっておらず、指導者が体育施設にいないという課題がある。障害者の方を専門にしている指導者がおらず、体育館の利用を断られるということもあった。

その中で、指導者養成の実施については、昨年度は3会場で実施した。昨年度は30名弱の受講があったが、今年はすでに27名が受講している。この後まだ2回開催されるので、養成講座の紹介が広まってきていると思っている。

京都府の各市町村で、スポーツの集いを行っている。参加の少ない場所もあるが、アピールの仕方や、今後は行政にも手伝っていいただいて、障害を持っている家族も含めて、いろんな形で取り込むような機会を増やしていきたい。また、少しずつ若い学生スタッフも参加してきているので、広がっていけばと思っている。

 

〇委員(意見)

京都府スポーツ推進委員協議会の委員には、初級障害者スポーツ指導者の資格を取る場合、補助をして、できるだけ取るようにと勧めている。今年度は3名受講している。

しかし、障害者の方が、車いすで家の外に安全に出て行ける環境が、まだ整ってないような気がする。健常な人でも危ない環境が多いので、その辺がもう少し充実してきたら、外に出やすくなり、障害者の方も今まで以上に社会参加され、スポーツに参加するようになると思う。

 

〇委員(意見)

障害者スポーツの説明の中で、指導員の方は、ボランティアだと言っていたが、お金もうけをするつもりは全くなくても、全てがボランティアとなると難しいと思う。

今、大阪マラソンでは、いろいろな団体がチャリティーということで募金を集めて、それを資金にして団体の運営費に充てているというような仕組みもある。共感して寄附をする方もいるので、そのような仕組みをうまくして、実際にその資金を利用して団体がうまく回るような、仕組みが進めばいいと思う。

 

〇委員(意見)

来年東京オリンピック・パラリンピックが開催される。車いす駅伝は、京都府の目玉のように認知されている。一方で、ナショナルトレーニングセンターの競技別強化拠点で、城陽市が「パラパワーリフティング競技」、京都市が「車いすフェンシング競技」だが、かなり認知度が低いと思われる。来年がパラリンピックの開催なので、この1年集中的に京都府が障害者スポーツに力を入れ、注目しているということを、わかりやすく府民に発信する必要がある。また、この競技以外でも京都府から出場される選手のPRをしていただきたいと思う。SNSを活用するなど、この1年でもう少しアピールをしていくと、この具現化に弾みがつくと思う。

 

 

〈その他全体を通して〉

〇委員(意見)

スポーツイベントの充実のところで、例えば、亀岡のスタジアムが春にオープンするので、2020年は亀岡でスポーツイベントをすると集客も増えると思う。いろいろな角度からつなげていくという方向性もあると思う。

また、「幼少年期のスポーツとの出会い」では、以前の事業で、子どもたちのスポーツ運動の指針をつくったので、その指針をどう普及させてきたか、その子どもたちのスポーツに親しむ形はどう変化したのかを、検証していただきたい。

PRの部分に関しては、若い人はスマホの情報のほうが短時間で見ることができるので、情報を発信するものを、今までの紙媒体から電子媒体にすることも効果的である。また、資金の部分でも、京都府のふるさと納税の使い道を統括できるようなものがあれば、スポーツの振興に活用できるのではと考える。

〇委員(意見)

京都マラソンやワールドマスターズゲームズに関わり、企業を訪問して、協力のお願いをしている。その中で、この大会に社員に参加していただき、これをきっかけに大会が終わった後もスポーツをすることを推奨する会社であってほしいと話をしている。企業としてスポーツに参加することを奨励していくことを、京都の経済界も含めて働きかけることは大事だと思っている。

〇委員(意見)

京都スタジアムについて説明したいと思う。来年の5月末ごろにはスタジアムに聖火がやってくる。聖火が来るスタジアムということで、2020年のオリンピック本番に向けて盛り上がるような使い方というのも各方面に働きかけていこうと思っている。

もう一点、障害者スポーツに絡んでだが、ブラインドランナーのマラソン大会をしたいが会場がないという話があった。そこで京都スタジアムを活用してはどうかという話をした。そこで同時に、マラソンランナーが懇親する場を設けるのであれば、スタジアム周辺の温泉街を使っていただきたいとも伝えた。このようなことも一つのスポーツツーリズムだろうと思っている。

このように京都スタジアムを核にいろいろなスポーツで地域を盛り上げたいと思っている。

お問い合わせ

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