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第21回京都府スポーツ推進審議会の議事要旨

 

1日時

令和3年7月19日(月曜日)午後3時から同4時30分まで

WEB会議

2出席者

(出席委員)

松井道宣、北村泰子、吉田享司、森淳、村上昌司、水野加余子、坂野晴男、河合美香、木村祐子、中西純司、小林千紗、池本敬博、結城正典、石田洋也、植村智豪15名

(欠席委員)

久保典明、松永敬子、堀忠雄、藤田道子4名

(事務局)

吉村指導部長、柏木保健体育課長他事務局16名

3内容

 

 

【審議内容(結果及び主な意見)】議長:松井会長

(1)開会

(2)委員紹介(事務局より出席者紹介)

(3)役員選出

(4)あいさつ(会長)

(5)報告事項

今年度の事業について

(6)協議事項

ア各分野でのスポーツの現状と目指すべき方向性

イ部活動の地域移行についての現状と課題

(7)閉会あいさつ(吉村指導部長)

報告事項「本年度の事業報告」

【説明(事務局)】

今年度の事業について説明する。昨年度は新型コロナウイルス感染拡大により多くの事業が中止となった。今もなお感染終息の目途はついていないが、今年度については、開催方法など検討しながらできる限り事業を実施していきたいと考えている。

まず、資料1ページの京都府民総合体育大会については、今年度は例年通り実施する方向で進めている。しかし、4月後半からの緊急事態宣言発令により、市町村対抗競技のバスケットボールにおいては、各市町村での予選会を実施することができなくなり、中止することとなった。また、亀岡市で開催予定のオープニングフェスティバルについては、予定していた会場が亀岡市のワクチン接種会場に急遽決定したことにより総合開会式は中止し、フェスティバルの内容も縮小して開催することになった。

次に、資料4、5ページには、まもなく開催される「東京2020オリンピック・パラリンピック」に京都府にゆかりのある選手の一覧を載せている。この中には、京都府競技力向上対策本部として支援を続けてきた選手も含まれている。6ページからは、京都府選手の国内外大会での競技結果を載せている。国内外ともに大会が少ない中であったが、多くの選手が活躍してくれた。

資料8ページからは高等学校の選抜大会の結果と、高校総体の開催日程等について載せている。

続いて、11ページには京都府競技力向上対策本部の事業について、12ページには、トップアスリート支援、13ページ、14ページには京のメダリスト創生事業の対象選手やチームを載せている。京都府にゆかりのある選手の中から、東京オリパラ代表選手以外にも、将来のメダリストを目指す選手を指定している。

次に、「京の子どもダイヤモンドプロジェクト・京都きっず」について報告する。これまでのバドミントン、フェンシング、カヌーの3競技において進めてきたプログラムも10年目となった。資料にもあるが、今年度募集する11期生からは、2.期プロジェクトのスタートとなり、フェンシング、ボート、スポーツクライミングの3競技で種目特化型として実施する。これまでの成果と課題を明確にし、より良いシステムの構築を目指しながら、今後も選手としてだけでなく、人格的にも優れたトップアスリートを育成していきたいと考えている。

次に、第76回国民体育大会について説明する。昨年度予定されていた鹿児島国体は延期となり、2年ぶりに開催される三重国体に向けて現在も強化を進めている。三重国体では、新型コロナウイルス感染拡大防止のため総合開閉会式は無観客での開催となる。現在、大阪府を中心に、近畿ブロック大会が開催されているが、三重国体においても、男女総合の入賞ライン1,500点を目標に各競技団体と協力して強化を進めていく。

その他に、20ページに京都府パラリンピック聖火フェスティバルについて、別添チラシにワールドマスターズゲームズ2021関西関係の資料も掲載している。全体を通して何か不明な点があれば、質問いただきたい。

【質疑応答】

特になし

協議事項1「各分野でのスポーツの現状と目指すべき方向性」

【説明(事務局)】

協議事項1について説明する。ここでは、国による第3期スポーツ基本計画の策定が進められていることや、令和6年度から京都府としての新たなスポーツ推進計画をスタートさせるという、今後の大きな流れや、WITH・アフターコロナ時代におけるスポーツ分野の実態を踏まえ、今後のスポーツ施策の目指すべき方向性を考えていきたい。

まず、国の第3期スポーツ基本計画策定の動きについて確認していきたい。平成29年3月に「第2期スポーツ基本計画」を策定してから、4年が経過した。第2期計画では、1.スポーツで「人生」が変わる、2.スポーツで「社会」を変える、3.スポーツで「世界」とつながる、4.スポーツで「未来」を創るという4つの観点から「スポーツの価値」を提示した上で、4つの政策目標、19の施策目標、139の具体的施策を取りまとめるとともに、20の成果指標を設定している。

令和4年3月に第3期スポーツ基本計画が策定されることから、現在、第2期計画に掲げる各施策の進捗状況や成果目標・指標の達成度合い等について、点検を行いつつ、施策の改善につなげている。ここでは、第2期計画の進捗状況を確認する。取組結果と政策目標ごとの進捗状況と課題が示されている。国においては、成人の週一回以上のスポーツ実施率は年々上昇しているが、目標の65%までは届いていない。また、障害者の週一回以上のスポーツ実施率も目標の40%まで到達できていないことが分かる。

子供のスポーツの機会については、自主的にスポーツをする時間を持ちたいと思う中学生の割合は向上傾向にあるが、スポーツが「嫌い」・「やや嫌い」である中学生の割合は計画期間中数値がほぼ変わらず、達成度は低くなっている。子供の運動習慣の確立と体力の向上については、重要課題であることから、今後も子供の体力向上に向けた施策や部活動改革を実施していくとしている。

これらの状況を踏まえ、第3期スポーツ基本計画では、次の観点で審議が進められることになっている。

第一に、スポーツ基本法の理念、スポーツ庁の設立の趣旨、第2期計画の成果と課題、東京大会をはじめとした大規模スポーツ大会の自国開催に係るレガシーの継承・発展、予想される社会の変化を踏まえた、来るべき社会像、「持続可能な開発目標(SDGs)」の理念やユネスコのカザン行動計画等の国際動向等を踏まえつつ、未来社会における生涯を通じた豊かなSportinLifeビジョン等も含め、2030年以降を見据えたスポーツ政策の在り方についての観点。

第二に、第一の2030年以降を見据えたスポーツ政策の在り方を踏まえた、今後5年間のスポーツ政策の目指すべき方向性及び主な施策を、「障害者、女性、子供、高齢者等、多様な主体の参画」、「スポーツ団体、他の行政機関、地方公共団体、学校、民間事業者、研究機関等との連携・協力」、「デジタル技術をはじめとした新技術やデータの活用」、「多様な財源・資源の安定的な確保、戦略的・効果的な活用」、「各々の政策目標や具体的施策の達成状況に係る検証・評価」、「地方スポーツ推進計画等の策定に当たっての指針としての活用」の観点から審議されている。

次に、第3期スポーツ基本計画策定までのスケジュールだが、現在、各団体へのヒアリングが終了し、その取りまとめをおこなっている。ヒアリング状況についても資料30ページから添付している。このようなスケジュールで、令和4年3月に第3期計画が策定される予定となっている。

このように、国の第3期スポーツ基本計画策定の流れに伴い、今後、京都府としても新たな京都府スポーツ推進計画策定に向けて、協議を進めていく。大きな今後の流れとしては、まず今年度は「京都府スポーツ推進計画の進捗状況の確認」、令和4年度には「京都府民のスポーツ実態調査の実施」、そして令和6年3月には新京都府スポーツ推進計画の策定という流れで進めていく。

次回審議会での議題となるが、推進計画中間年改定では次の項目で目標を立てているので、その達成状況をそれぞれ示していきたい。

スマートスポーツでは、スポーツ実施率や総合型クラブについて。エンジョイスポーツでは、子どもの体力やスポーツとの関わりについて。チャレンジスポーツでは、オリパラや国体で活躍する選手の育成や、指導者の育成について。夢・未来スポーツ拠点整備では、新たな施設などの整備について状況の調査を進め、次回、達成状況等を示したい。

次回の審議会からは、このように京都府スポーツ推進計画策定に向けての具体的な取組を進めていく。

また現在、これまで紹介した国や京都府としての新たな推進計画等の策定の流れの他に、新型コロナの感染拡大によるスポーツ環境の大きな変化が生まれている。このことから、前回審議会においては臨時のスポーツ実態調査を実施した。その結果のまとめを振り返りたい。

調査結果から「1.今回の新型コロナ感染症拡大によって、大部分の人はストレスを感じていた。」「2.その中で、運動欲求も高まっていたが、緊急事態宣言発令中において、多くの人が運動・スポーツを自粛していた。」「3.緊急事態宣言解除後も、以前のような運動実施頻度には戻っておらず、減少傾向である。」「4.コロナ禍において、さまざまな考え方の変化や、運動・スポーツへのニーズにも変化が生まれている。」ということが明らかになった。そして、今後の方向性として、コロナ禍では多くの種目で自粛されていたが、施設を必要とせず「個人」で実施できる「ランニング」、「ウォーキング」、「体操」などといった種目は、継続して行うことができており、若者から高齢者にかけても、そのニーズは大きくあることが分かった。

また、これまで運動を実施していなかった層の考え方に変化が生まれていることも明らかになった。例えば、野外スポーツへのニーズが高まりである。臨時調査の問36「新たにやりたい運動・スポーツの種類」では、「登山」、「キャンプ」が13.8%で8位に入っている。これらの種目は、緊急事態宣言発令前と比較すると、以前の実施率は「登山」が6.9%、「キャンプ」が4.1%と、ともに大きく増加している。コロナ禍の現在、感染リスクを避けるために野外での運動・スポーツへのニーズが増えていることが、はっきりと現れていることがわかる。

また、アウトドアでの活動やゴルフの人気など、コロナ禍において様々な状況の変化が生まれている。

このように、国や京都府の施策の転換期であり、コロナによる社会の変化も生まれている時代において、現状を把握するという意味でも、ここからはそれぞれの分野でのスポーツの現状を聞かせいただきたい。また、これからのスポーツ施策を考えるうえで、国の第3期スポーツ基本計画の諮問でも踏まえたい観点としてあげられている「持続可能な開発目標(SDGs)」の理念の視点から、それぞれの分野で考えられる施策や方向性などのご意見などがあれば、聞かせていただきたい。

 

【質疑応答】

〇委員(意見)

コロナの影響で、昨年度は中体連の大会も全く開催できなかった。今年度は全国大会が開催されることになり、近畿、府大会も開催の予定である。子ども達にとっては活動が制限され、運動量も減っている。それにより運動不足による怪我が増えてきている。また、熱中症による体調不良も懸念している。

 

委員(意見)

資料の中で障害者の週1回以上の運動実施率は現在25%程度で、これを目標の40%程度まであげる必要がある。さまざまな要因が考えられるが、運動施設まで行きたいが交通手段がないことなども考えられる。現在、現状を把握するために、各自治体に対して調査を行っている。例えば、地域で生活している人がどんなスポーツを行っているか。障害者を対象とした行事があるか。また、現在実施されている京都府内の大会への参加状況やその阻害要因などを掘り下げて調査していきたい。このように、どうすれば、障害のある方がスポーツに携われるかを考えていきたい。

 

委員(意見)

東京2020オリパラに関わっていることもあり、次世代にどのように伝えていくのかについて、現在考えていることとして、大会をレガシーとして残していくために、SNSからスタートして、それらを本にするなど形に残して継承していきたい。それらをモデルとして、京都でも何かできることを考えていきたい。また、このコロナ禍においては、実際に市民体育館やプールなどで入場制限や解放されないなどの問題もある。トップアスリートはある程度守られている部分もあるが、これからスポーツに取り組む子ども達にとっては厳しい現状である。怪我の問題など、スポーツに関われない子どもが増えていくことも懸念される。東京2020オリパラの取組からヒントを得てこれからも改善に向けて取り組んで行きたい。

 

会長(意見)

コロナにより、さまざまな制限を受けているこの期間が空白の時代とならないように、特に影響を受けている、子ども達や高齢者などに対するフォローを考えていただきたい。

協議事項2「部活動の地域移行についての現状と課題」

【説明(事務局)】

協議事項2「部活動の地域移行についての現状と課題」について説明する。

まず、事業の概要だが、文部科学省では、これまでも生徒にとって望ましい部活動の環境を構築する観点から、平成30年3月に部活動ガイドラインを策定し、部活動の適正化を推進している。部活動は、スポーツ、芸術文化等の幅広い活動機会を得られるとともに、体力や技能の向上に資するだけではなく、教科学習とは異なる集団での活動を通じた人間形成の機会でもある。

一方、部活動の設置・運営は、必ずしも教師が担う必要のない業務と位置付けられている。しかし、実際の学校現場では、休日の活動も含めて、教師の献身的な勤務によって支えられており、このことが長時間勤務の要因になっている。また、指導経験がない教師には多大な負担となっており、生徒にとっても専門的な技術指導が受けることができないなどの問題も生じている。

中央教育審議会の答申や給特法改正の国会審議において、「部活動を学校単位から地域単位の取組とする」ことが指摘され、これらを踏まえ、「学校の働き方改革も考慮した更なる部活動改革の推進」を目指す必要性が指摘された。

そこで今回の部活動改革では、主として中学校を対象とし、高等学校についても同様の考え方を基に部活動改革を進めることとしている。

まず、休日に教師が部活動の指導に携わる必要がない環境を構築すること。また、平日に学校の活動として行われる部活動(学校部活動)と休日に地域の活動として行われる部活動(地域部活動)との連携を図り、地域部活動の実施のために必要な取組を行うこととしている。

具体的な方策としては、主に次のとおりである。まず、「1..休日の部活動の段階的な地域移行」として、休日の部活動における生徒の指導や大会の引率については、地域の活動として地域人材が担うこととし、令和5年度以降、休日の部活動の段階的な地域移行を図る。そのために、地方自治体は、地域人材の確保に向けて人材バンクを整備・活用し、人材の育成からマッチングまでの仕組みを構築するなどの取組を行うこと。また、費用負担については、保護者が負担することや、地方自治体が減免措置等を講ずることが適切であると考えられるが、国による支援方策についても検討すること。そして、各都道府県に拠点校(地域)を設け、実践研究を実施するとしている。

次に、「2..合理的で効率的な部活動の推進」として、特に少子化の影響が大きい過疎地域においては、市町村を越えた他校との合同部活動を推進するとともに、都市部においては、市内の近隣校との「拠点校方式」による合同部活動を推進する。その際、地理的な課題は、ICTを活用することで、生徒・指導者間のコミュニケーションが可能となるよう実践研究を行う。また、主に地方大会の在り方を整理し、地方自治体が関係団体と連携・協力して、地方大会の開催の実態を把握し、大会の在り方について整理することとして、スポーツ庁より通知があった。

それらを受け、ここからは、京都府としての事業計画を説明する。

京都府として、今年度については「持続可能な部活動と教職員の働き方改革の実現に向けた地域部活動の在り方について、拠点地域(校)における実践課題を検証する」ことを主な目的として事業を進めていく。そこで「京都府地域部活動推進検討委員会」を設置し、7月、11月、2月の年3回の会議をもち事業の検証を進めていく。この検討委員会においては運動部に絞っての検証を行う。

次に、実践研究を行う2市町の事業内容等を説明する。今年度は、舞鶴市と京丹波町において実践研究を行う。

はじめに舞鶴市についてだが、舞鶴市の現在考えられる課題は、主に次のとおりである。まず、地域の指導者確保が困難な状況であり、人材バンクを設立してもどれだけ指導者が確保できるかが不透明な部分がある。次に、学校部活動と地域スポーツ活動が協力できる体制が整っておらず、整備していく必要があること、また、経費の確保が難しいという部分である。

それらを踏まえ、達成目標としては、学校とスポーツ協会が連携できる基盤をつくり、休日の部活動の地域以降により教員の負担感を軽減すること。そして、それらの活動が生徒にとっても負担感がなく魅力のある活動となるよう取組を進めていきたいと考えている。

計画している事業内容は、主に次のとおりである。まず、「中学校とスポーツ協会との連携の基盤作り」として、舞鶴ちゃったスポーツクラブに人材バンクを設立し、登録後に人材派遣を開始する。次に「休日における地域移行」として、対象の専門部(今年度については剣道・柔道・陸上)において調整し、活動内容を作成する。その後、保護者や生徒等に説明を行い、休日の地域移行の活動を開始する予定である。

そして、活動内容だが、週に1回から2週に1回程度、舞鶴市内の施設や学校施設を利用し、人材バンクに登録された地域指導員で運営していく予定である。

実施体制については、次の図のとおりである。舞鶴ちゃったスポーツクラブを事務局として、市内7中学校や舞鶴市スポーツ協会との調整、剣道、柔道、陸上部に対しての指導員の派遣を行う。

次に、京丹波町について説明する。京丹波町としての課題は、少子化が著しく、部活動の維持が難しいことや、教員の疲弊感が高まっていること、そして、急速な高齢化も相まって、地域の人材確保が難しい点が考えられている。

これらをふまえ、達成目標としては、まず町立中学校の部活動設置数を維持することや、平成30年度と比べて教員の休日の部活動指導を20%削減することとしている。

事業内容としては、次のとおりである。

まず、「京丹波町の特色ある競技スポーツの普及振興」。今後の地域でのスポーツクラブ化を視野に入れ、教育委員会が主催、各競技協会が主管となりホッケーとカヌーの教室を実施し、地域でのスポーツの普及を目指す。次に、地域スポーツ指導者人材バンクを設立し、中学校において休日の部活動での指導者派遣を目指す。その他には、「小規模校における部活動の維持継続」のために、休日における合同部活動を実施する。

それらの実施体制については、普及振興の為のスポーツ教室はカヌー・ホッケー協会が主体となり実施し、地域スポーツ指導者人材バンクに関しては「スポーツ協会、少年団、スポーツ推進委員」と連携し実施していく予定である。小規模校における部活動の維持継続は、休日における合同部活動を町内の学校が合同で集まり活動する。以上が、京都府における今年度の事業計画である。

これらの状況や課題を踏まえたうえで、ここからは協議事項2として、次の論点で意見をいただきたい。1.地域部活動の運営基盤づくりの方策2.人材バンクの設立と人材確保の方策3.経費の確保の問題(受益者負担による格差の発生)4.生徒の満足度をあげるための方策。以上4点を主な論点としたい。

部活動の地域移行については、教員の働き方改革が一つのきっかけになっているが、学校以外のスポーツ協会、少年団、総合型も含む地域のスポーツクラブなど、様々な関わりが必要となる。現時点では、実践例も少なく、多くの問題点が考えられるが、将来的には、地域の様々な人が地域部活動をきっかけにつながり、生涯にわたって地域全体でスポーツに親しむ環境を作り上げることができる可能性も秘めているのではないかと考える。

今後の地域部活動の推進に繋げていきたいと考えているので、それぞれの分野からの忌憚のない意見を伺いたい。

 

【質疑応答】

〇委員(意見)

総合型地域スポーツクラブで学校の部活動を担うという話は以前から聞いていた。そのための資質という部分は難しいが、この活動がうまくいけば総合型スポーツクラブの発展にもつながる。今後、学校とつなぐ、事情をよく知ったコーディネーターが必要となってくるのではないかと考える。府立高校では開放型スポーツクラブとして地域の小中学生を受け入れているので、そういったところを拠点にして上手く広げていけないかと考えている。

 

委員(意見)

現場の現状としては、本校に外部指導者として10名近く来ていただいているが、それらの謝金の財源の確保という部分で苦慮している。また、コーディネーターという話があったが、学校の教育現場に来ていただくということは、個人情報の管理や守秘義務など学校での活動に際して、事前に外部の指導者との連携を図る必要があり、現時点で本校では学校長がコーディネートをしている。今後、モデル校での実践研究をしてく中で、人材の配置や財源の部分が問題となってくると思う。また、部活動については、技術指導以外にも休日の大会運営にも多くの教師が関わっているのでその部分も今後の課題かと思われる。

 

委員(意見)

地域部活動になると、指導できる人材の確保ができるのか。地域によっては大きく格差が生まれるのではないかと思われる。また、働き方改革という面があり、部活動を負担に思っている教師にとっては改善につながるが、部活動に対して意欲的な教師にとっては達成感や充実感がなくなるのではないかと懸念しており、その部分が難しいと感じている。部活動は競技力を上げるためだけにやっている訳ではなく、生徒指導の部分も担っており、その点も地域に移行して上手くいくか不安がある。また、どこかで拠点校を置き複数の部活動が集まり、学校の教師や地域の指導者が一緒になって指導することなどは考えられる。

 

委員(意見)

今回の動きは、教員の働き方改革も発端となっているが、子どもの豊かなスポーツライフをいかにつくるかがメインである。学校の部活動において、部員の少ない学校や多い学校もある。数が少ない部活動においては、合同部活動などでなんとか逃れていたが、いよいよ学校のある地域のクラブ、特に総合型地域スポーツクラブとの連携をスポーツ庁は考えている。単に人材を派遣して学校の教員が指導しなければよいという話ではない。学校と地域の連携を図りながら子ども達の多様なスポーツへの価値を認めていこうということで、平日は学校で競技スポーツを行い、土日はその延長で同じスポーツをするのも良いし、違う種目をするのも良いなど、豊かなスポーツライフをつくるということもメインに考えられている。

子ども達を受け入れる組織的なクラブが必要であるため、京都府として総合型クラブ作りと、その質的向上をどのように計画の中に入れていくかを考えていかなければ上手くいかない。令和5年度から地域部活動に移行してくと計画されているが、将来的には、学校部活動は全て地域クラブに移行するというドイツ型のやり方になりかねない。

余力のある教員は、兼職規定を作り土日は地域のクラブが受け入れて、そこで指導することもできる。ただ、単なる人材派遣では兼職規定を教員に認めることができないので、受け皿となる地域のクラブがどうしても必要となる。そのようなことを視野にいれて地域部活動を検討していく必要がある。

 

会長(意見)

学校から地域に部活動が移っていくということは、これまでとは大きくイメージが変わってくる。子ども達のためにより良い仕組みを作っていく必要がある。

 

 

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