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第26回由良川水系・二級水系河川整備計画検討委員会

第26回由良川水系・二級水系河川整備計画検討委員会の開催結果

 

開催日時

平成29年5月10日(水曜日)13時00分~16時45分
現地調査:13時00分~15時00分、委員会:15時15分~16時45分

場所

舞鶴西総合会館(舞鶴市南田辺1)第1会議室

出席者

【委員】6名(3名欠席)
川合 茂(国立舞鶴工業高等専門学校名誉教授)
池上 甲一(近畿大学農学部教授)
田中 俊文(公募委員)
長谷川 達(元京都府立丹後郷土資料館学芸員)
藤本 英子(京都市立芸術大学教授)
森田 愛子(公募委員)

(欠席委員)
東山 憲行(宮津市立吉津小学校教頭)
槇村 久子(関西大学社会安全学部客員教授)
矢島 正枝(和歌山大学観光学研究所研究員、講師)

【一般傍聴】 6名
【報道関係】 3名

議事

1.高野川水系河川整備基本方針(原案)について(資料2:基本方針(原案)本文(PDF:507KB)資料3:説明資料(PDF:6,954KB)

2.高野川水系河川整備計画(原案)について(資料4:整備計画(原案)本文(PDF:2,844KB)資料5:説明資料(PDF:1,909KB)

その他資料:資料1(高野川流域における総合的な治水対策について)(PDF:5,060KB)

結果

1.高野川水系河川整備基本方針(原案)について、概ね了解された。

2.高野川水系河川整備計画(原案)について、概ね了解された。

主な発言内容

1.高野川水系河川整備基本方針(原案)について

【委員】
 慣行水利権は、現場で確認したパイプのような小さなものも含めているのか。
 慣行水利権は、昭和40年ごろ届出のものと聞いたが、この資料はいつごろの調査に基づいたものか。
 河川改修で、特に拡幅や掘削がある場合に、非常に小規模な慣行水利権に対してどのような対応をするのか。

【事務局】
 ご指摘の小規模な取水は、慣行水利権だと思われる。
 慣行水利権は、昭和42年時点で調べて整理した資料で、それ以降減っている可能性はある。
 改修に伴う統廃合については、地元調整が必要があると考えている。

【委員】
 現実的には、統廃合せざるを得ないと思う。その場合、上流の方で取水して配水することになり、それなりの水量が必要で、用水路が必要になる。それらの費用を負担してでも農業を続ける農家が少ないことが懸念されるので、補償や負担軽減策が要求されることが考えられる。舞鶴市や農林部局と十分に調整されたい。

【委員】
 景観に配慮して、古い護岸を活用する計画なので、それはいいなと思ったが、浮世橋のあたりの薄緑の橋が、色彩的に飛び出ている。色彩的に周りから飛び出さないように、無彩色、えんじ色、鉄のさびた色などに抑えた感じにすると、整備された護岸がより生きてくるし、自然の水面や生物がメインに見えてくるような、いい景色も作っていけるのではないか。
 堤防についても、連続性を重んじていただきたい。
 大手川に設置するゲートについても、色彩も含め、突出しないように配慮いただきたい。

【委員】
 西舞鶴駅の東側の貯留施設は、田辺城の城内になる。埋蔵文化財包蔵地という観点から、教育委員会や文化財保護課と十分調整していただきたい。
 高野由里から城屋にかけて結構広い範囲で、舞鶴市などによる遺跡地図にはほとんど(遺跡の存在を示す)点が落ちていないが、あのような山裾のレベルの高いところを直線的に流れており、本来の川筋ではないと思う。あのような山裾は、集落などが立地する条件を満たすところなので、本当に遺跡等が無いのか再確認いただければありがたい。

【委員】
 地域住民への周知方法について、対象地域へは丁寧な説明があるが、少し離れた地域では、工事の内容等が分かりにくい点がある。また、工事関係の書類は素人には分かりにくい。何メートルぐらいかさ上げするといった、もう一手間かけた具体的な丁寧な説明にしていただきたい。

 

 

2.高野川水系河川整備計画(原案)について

 

【委員】
 まちづくりの視点という観点で、資料5の9~10ページに書かれている市民向けの情報に関して、現地調査で見た限り、例えば津波のサインなどが無かったように思う。サイン計画として、海からの災害と川の災害を一緒に出していくような計画が必要だと思う。また、住民向けだけでなく、舞鶴では外部から来る方も多いので、外から来た方にも伝わるような、総合的に情報発信する計画をすべきではないか。
 また、安全性だけではなく、水害対策のために府や市が色んな努力をしていて、それがあって今安心してここを楽しめるということを発信する計画も作っていただきたい。

【委員】
 今の意見に関連して、お年寄り等の災害弱者への配慮が必要だと思う。短い時間で避難できるような避難先の設定や、インターネットを使い慣れない人への配慮が必要。民生委員と連携するなどして、きめ細かく住民を把握するようなモデルを作ったら良いと思う。

【委員】
 ハザードマップに関連して、浸水する高さだけでなく、どれぐらいの時間でどれぐらいの高さまで浸水するといった情報があると、逃げる時間等を考えやすくなる。

【委員】
 西舞鶴という、非常に人口の集中した地域の中心部を流れている点を考慮すると、整備計画の確率年10分の1は少し低いかなと思う。
 ただ、絵に描いた餅の整備計画を作っても仕方ないので、確実に、着実に実行できる計画となると、十分に満足ではないが、当面の施策としてはこれで良いのかなと思う。
また、資料5の6ページの「おおむね1時間50ミリの降雨水準」の位置づけが分からない。50ミリが、基本方針の確率年30分の1とどういう関係になるのか。
基本方針と整備計画の中で、50ミリを目標にするとは読めない。

【事務局】
 平成の初めぐらいに、概ね1時間50ミリ対応で河川整備をやっていくということで全国的に展開していた時期があり、これは京都府ではおおむね10分の1に相当している。そういった事情で50ミリと10分の1の両者を使っているが、高野川に関しては、10分の1を目標にしている。混乱しないよう、10分の1で、平成16年の洪水対応で当面の整備をしていくと説明していく。
 それから、10分の1でいいのかという意見について、西舞鶴地区での近年の大きな水害は平成16年の台風であり、まずそれをクリアするのを目標にせざるを得ないと思っている。というのは、資料5の7ページの断面イメージのように、10分の1でもかなり掘削するものを、30分の1では、さらに1.4メートルの掘削が必要になってくる。これでは、景観・環境への影響もあり、コストも10分の1に比べてかなり大きくなる。
 また、地元からは、平成16年、25年という被害を経験して、一刻も早く安全にしてほしいという声もあるというのも事実なので、まず10分の1を当面目標として、次のステップとして30分の1というのがベストだと思っている。

【委員】
 資料5の7ページの整備概要の内、河道掘削は分かるが、断面図等を見ても、築堤がどこなのかよく分からない。各区間の整備内容を文章で書くなど、一般の人が見て分かりやすい形が良い。

【事務局】
 資料5の7ページの右下の図で、パラペットがあるところが少し高くなる。ただし、あまり堤防を高くすると、あふれたときの被害が大きくなるし、橋への影響もあるので、あまり堤防を上げられない。なので、全体は今の堤防高を基本としつつ、少し低いところを埋めていくような形にする。
 ただ、河口部あたりではかなり低いところもあるので、かさ上げが必要だと思っている。表現を注意して説明していきたいと思う。

【委員】
 先ほどの意見と同様、私も10年確率でいいのかなと感覚的に思う。
 特に、最近の降水パターンや台風の動きの変化、土地利用の変化、山の荒れ具合などを考えると、心配が残る。
そういったことも考慮して、住民に説明するときには、計画に書かれない部分も含めて丁寧な説明が必要だと思う。

【委員】
 その辺は非常に難しい問題で、雨のことは、確率年で言うより、いつの出水に対応できているというのが分かりやすいと思う。
 それから、ソフト的な対応の重要性が、ものすごく高まってきている。ハードの水準を上げていくのは結構だが、絵に描いた餅になってはいけない。それよりも、予算的、工期的に可能なことをやって、それを理解いただいた上で、ソフト対策で身の安全を図るというのが今の流れだと思う。そういったことを、これから地域の方と一緒に考えていっていただきたい。地域の方への説明を丁寧にして、ソフト対策の重要性も理解していただくようにお願いしたい。

【委員】
 資料5の10ページの雨水貯留施設は、補助制度として、タンクのようなものを個人の軒下に設置するということか。
また、西舞鶴駅東口の貯留施設の計画の7800立方メートルと比較して、このタンクを各戸設置したとして、どれぐらいの貯水量が確保できるのか。

【舞鶴市】
 各戸にこういう貯留施設を作るに当たって、市の下水道から補助がされる。
 このタンクを設置したことによって、高野川の水位が何センチ下がるとか、貯水池の容量が幾ら少なくなるというような定量的なものは算定していないが、住民の意識啓発や水環境の保全といった効果があると考えている。

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建設交通部河川課

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