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第8回木津川・桂川・宇治川圏域河川整備計画検討委員会

第8回木津川・桂川・宇治川圏域河川整備計画検討委員会の開催結果

開催日時

平成23年10月31日(月曜日) 午後1時30分から4時

場所

御所西 京都平安ホテル 「白河」

出席者

【委員】6名(3名欠席)
井上 和也(京都大学名誉教授)
川島 茂人(京都大学大学院農学研究科教授)
羽倉 睦人(公募委員)
林 博之(京都府立嵯峨野高校教諭)
本郷 弥香(公募委員)
吉村 真由美(森林総合研究所主任研究員)
(欠席委員)
上原 真人(京都大学大学院文化研究科教授)
出口 晶子(甲南大学文学部歴史文化学科教授)
町田 玲子(京都府立大学名誉教授)


【一般傍聴】 なし
【行政関係者】 10名
【報道関係】 2名

議事

結果

宇治川圏域の河川整備計画(期間概ね30年間)の宇治川下流右岸ブロックの目標に関する事項について説明し、概ね了解された。

主な発言内容

  • 治水の現状と課題
    【委員】
     昭和42年の弥陀次郎川の決壊は、河床保護のため敷設されたアスファルトが出水により剥がれたことが原因と記憶している。
    【事務局】
     弥陀次郎川では、河川改修工事により天井川の切り下げを実施している。築堤構造ではあるが川底を周辺地盤より低くし、ブロック積み護岸の根入れを確保したうえで、河床にコンクリート等は張らない計画としている。
    【委員】
     昭和28年に向島の辺りで宇治川が破堤し、巨椋池のあった地域一帯が水浸しになった。現在でも、宇治川堤防と古川排水能力の状況によっては、内水氾濫による浸水が長期間に及ぶことが懸念される。
    【事務局】
     宇治川では直轄の河川整備が計画的に進められ、昭和28年に破堤した辺りの堤防強化も実施されている。また、巨椋池のあった地域は、上段と中・下段に集まった水がそれぞれ宇治川へ排水される仕組みで、宇治川水位が上昇した場合は排水機場で強制排水される。
    【委員】
     どの程度の出水で、どの程度の内水被害が起こるかなどの分析は行われているか。例えば、宇治川水位が高くなってポンプは排水規制となり、支川の内水氾濫に至るなど。
    【事務局】
     宇治川の改修と瀬田川洗堰の操作により、宇治川水位の高い状態を少しでも短くするよう洪水調節が図られる。また、計画規模を超える洪水に対しては、警戒避難などソフト対策も含め検討する必要がある。
    【委員】
     河川改修以外のハード対策で、最近、農耕地の多面的機能として水田や畑が持つ貯留機能が見直されている。どの程度の冠水なら農作物に影響がないかなど利害関係等の調整が前提となるが、巨椋池干拓地など水田がかなり広い面積を占めている地域において、こうした農耕地の洪水緩和機能を積極的に取り入れていく考えはないか。
    【事務局】
     古川流域については、整備計画とは別に総合的な集中豪雨対策を検討しており、その検討テーマの一つとして農地の持つ貯留機能も取り上げている。そこでの検討も踏まえ、次回に報告できることは、反映していきたい。
    【委員】
     ソフト対策で、雨量水位情報や防災カメラ映像はインターネット、携帯電話、地上デジタル放送など多様な媒体を通して提供されているのに対し、浸水想定区域図はホームページ上で公表とされている。地上デジタル放送で雨量水位情報も防災マップも閲覧できれば非常時でもすぐに役立つのではないか。
    【事務局】
     洪水発生時にどこが危険なのかという情報を、多様な通信手段で発信する必要があるということは認識している。デジタル放送のデータ放送は、提供するデータ容量に制限があること、対象降雨など閲覧上の注意も誤解のないよう伝える必要があるため、すぐに対応は難しいが、実現に向け検討はしていきたい。
    【委員】
     災害が起こった時、または起こりそうな時に、インターネットや携帯電話では回線が込み合いスムーズに動かないし、平時に使い慣れていないと、非常時には役に立たないと思う。デジタル放送を通してなら操作もわかりやすく、誰もが情報を受け取りやすくなるだろう。
  • 河川環境の現状と課題
    【委員】
     前回、現地調査した時に、古川の水質は良いとは思えなかった。
    【事務局】
     古川の中橋、支川の名木川ともBOD観測値では水質として良いとは言えない。
    【委員】
     城陽市の資料によると、古川の上流にタナゴ類が生息するとされている。河川整備で河床にコンクリートを張ると、タナゴ類が産卵する貝の仲間が生息できなくなるので、それら生態系にも配慮されたい。
    【事務局】
     城陽市の調査報告については、確認し次回に反映したい。また、基本的に河床はコンクリート張りとしていない。
  • 整備計画の目標
    【委員】
     整備計画の目標全般に関し、桂川下流や木津川圏域と基本的な考え方は整合が図られていると考えてよいか。
    【事務局】
     対象区間、対象期間、目標規模の考え方などで整合を図りつつ、宇治川圏域の上流域では工業団地や新名神の事業計画など今後30年間の地域状況に大きな変化が想定され、下流右岸では、ほとんどの河川がDID地域を流下するなど、圏域内の地域特性に配慮したい。
    【委員】
     期間は、概ね30年間というより、いつからいつまでと、具体的に記載すべきではないか。
    【事務局】
     整備計画は、国に申請してからでも認可まで約半年から1年かかることもある。その後、告示をした時点から概ね30年間ということになるので、平成何年までと明記するのは困難。
    【委員】
     概ね30年ということは、世代交代のサイクルという感覚か。
    【事務局】
     中期目標として想定できるのが20~30年先までだろうということと、まちづくりとして事業効果が現れる1つのサイクルでもある。なお、期間の途中で甚大な水害の発生等、地域状況等の変化に応じ計画の見直しが必要となることもある。
  • 整備河川の抽出(宇治川下流右岸ブロック)
    【委員】
     未整備区間が残る山科川上流域において、山科川、四ノ宮川、藤尾川及び安祥寺川と、旧安祥寺川、西野山川及び西野山川支川とでは、優先度に差がついているが、これは近年の浸水被害があるかどうかによるということか。
    【事務局】
     山科川、四ノ宮川、藤尾川及び安祥寺川は、内水被害を除き、河川からの溢水被害は確認できなかった。
    【委員】
     「近年」とか、洪水被害が「あった」、「なかった」というのは曖昧な表現なので、例えば、過去何年間調査した結果、どのレベルの浸水被害があったのか、なかったか、あった場合の被害の程度など、きちんと定量的に示した上で判断すべきである。
    【事務局】
     近年の洪水被害について定量的な評価を検討し、次回に示したい。なお、山科川は災害関連の改修事業、四宮川は暫定計画による河道整備が一定完了しているため、旧安祥寺川などに比べ、現況の安全度が少し高いと考えている。
    【委員】
     山科川他は「浸水被害の発生などを踏まえ、河川改修の実施時期を検討する」とあるが、浸水被害が発生すれば実施を検討するということか。
    【事務局】
     「実施時期を検討する」河川というのは、現在の状況ですぐには事業着手しないが、「概ね30年間」の状況変化に応じ、例えば、新たに甚大な浸水被害が発生したり、予算規模により継続事業が早期に完了するなど、河川整備の緊急性、重要性に変化があった時点で、整備計画の見直しを図り、事業に取り組むということである。
    【委員】
     適宜、実施時期を見直すなどのように、誤解のないよう記載していただきたい。
  • まとめ
    【委員長】
     本日は、整備目標の一部まで示していただいたが、下流右岸ブロックも含め、下流左岸ブロック、上流ブロックついて、もう少し具体的な整備内容が示されれば、いろいろなご意見も出てくるかと思います、それは次回以降とし、本日はこれで議論を終わります。

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