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第21回木津川・桂川・宇治川圏域河川整備計画検討委員会

第21回木津川・桂川・宇治川圏域河川整備計画検討委員会の開催結果

開催日時

令和元年11月11日(月曜日) 
   現地調査:13時から15時まで
   委員会:15時から16時まで

会議場所

京都府山城広域振興局 宇治総合庁舎 1階大会議室

出席者

【委員】  8 名(1 名欠席)

井上 和也 (京都大学名誉教授)
上原 真人 (京都大学名誉教授)
大西 正光 (京都大学防災研究所准教授)
川島 茂人 (京都大学大学院農学研究科名誉教授)
出口 晶子 (甲南大学文学部歴史文化学科教授)
羽倉 睦人 (公募委員)
本郷 弥香 (公募委員)
吉村 真由美(森林総合研究所関西支所チーム長)

(欠席委員)
中村 久美 (京都ノートルダム女子大学副学長・現代人間学部教授)

    (敬称略、五十音順)

【行政関係者】  20名
【報道関係】  2社

議事

  宇治川圏域河川整備計画の進捗点検について
   (対象河川) 古川・井川・名木川、弥陀次郎川、戦川・新田川

    ・進捗点検_資料(PDF:5,633KB)

結果

  宇治川圏域河川整備計画について、事業継続は妥当

主な発言内容

【委員】
 配布資料(現地調査資料)で、床上浸水対策特別緊急事業に括弧書きで交付金とあるのはどういう意味か。
【事務局】
 通常の河川改修事業は交付金で実施しており、交付金は府全体で交付された額を府が一定の裁量で箇所配分することができる予算であり、補助金は床上浸水対策特別緊急事業のように個別河川に対して集中的に予算を投入し、整備する必要がある場合に国から別枠で支援されるものである。
【委員】
 費用便益分析で、いずれもB/Cが増加しているのは、事業費全体としては変わっていないので、事業を前倒しで進めていることによるものという理解でよいか。
【事務局】
 そのとおりであり、床上浸水対策特別緊急事業のような形で予算を確保して前倒しで進めていることが、B/Cの増加に貢献している。
【委員】
 資金を前倒しして投入するとコストも増えるのではないか。
【事務局】
 全体事業費(C)の一部を前倒しで投資することで、事業効果の発現時期が早期になるため、便益(B)を享受できる年も増えることになる。
【委員】
 今回の19号台風でバックウォーターという現象が多く発生したという話を聞いているが、例えば弥陀次郎川においても、バックウォーター現象への対応は考えられているのか。
【事務局】
 宇治川のような本川に支川が合流するところは、本川の水位の影響を受けるので、その影響を受ける区間(バックウォーター区間)を設定して、その区間については、本川の水位を考慮した高さで堤防が整備されている。
【委員】
 弥陀次郎川の矢板の根入れはどのあたりまで入っているか。
【事務局】
 5m以上の根入れがあり、堤内の地盤よりも5m程度深く入っている。
【委員】
 ソフト対策として、住民自身がいつ避難するかということを決めるきっかけ(=避難スイッチ)を決めておくという取り組みへの対応として、例えば、河川があふれる危険性の高い所に、簡易水位計を置いておく、あるいはインターネットを通じてライブカメラの映像を流すといったような住民避難の避難スイッチへの取組の可能性も今後検討していただければと思う。
【事務局】
 地域の方々にできるだけ身近にわかりやすい情報を直接的に伝えることは非常に大事であると考えている。ご指摘の簡易水位計(危機管理型水位計)については、今回の対象流域では設置していないが、市町や地元の方の意見も伺いながら、設置の位置を現在調整しているところである。委員のご指摘も踏まえて、今後とも設置を進めていきたい。
 また、ある地域においては、どういうときにどういう行動をとるかというタイムラインに関する協議・ワークショップの実施を考えている。こうした取組は時間がかかるが、着実に広げていきたいと考えている。
【委員】
 良好な環境の形成及び保全については、既に整備が終わっているところにおいてなされていると考えてよいか。
【事務局】
 生態系に配慮すべきところでは、その都度、治水対策と両立するよう整備を行っている。
【委員】
 古川のように様々な制約により事業での対象とする雨量規模が現時点で小さい場合、ソフト対策と組み合わせることをぜひ考えていただきたい。その1つとして、行政区の人に限った避難場所の広域化を図ることも必要なのではないかと思う。
【委員】
 ソフト対策として、ハザードマップの住民への周知徹底が重要である。行政として住民に自分の住んでいる地区の危険度合いなど知らせる努力は必要であると思う。さらに、河川改修されても、それを上回る氾濫の危険性は常にあるということを周知する方法を考える必要がある。
【事務局】
 国も河川行政の一環で、「水防災意識社会の再構築」を展開して、ハードのみならず、水防災への意識を高くするように取組をいろいろ実施しているところである。
【委員】
 国土地理院が今年の6月から災害の記念碑を地図の中に落とし込むということを始めており、ウェブマップでも見ることができ、新しい情報が逐次追加されるので、もっと教育の現場でも使えるようになると大変よいと思う。
【委員】
 ハザードマップの住民への意識付けは、報道等を通じ、災害経験を踏まえて少しずつ浸透していくと思わざるを得ない。もう一つは学校教育が重要である。
【委員】
 弥陀次郎川において、鋼矢板に流木が引っかかって被災するおそれについては考えられているか。
【事務局】
 弥陀次郎川で採用している鋼矢板は根入れが5m以上あり自立するため、破堤に対して非常に強い構造となっており、その点は心配ないと考えている。
 あわせて、上流において、土砂の流出を抑えるだけでなく流木を止めるスリット形式とした砂防堰堤を施工中である。
【委員】
 宇治川圏域河川整備計画(古川・井川・名木川、弥陀次郎川、戦川・新田川)について、事業を継続することに異論はなし。
 なお、目指すところは高くあるべきで、そこに至るまで一層のご努力をお願いしたい。また、最近、雨の降り方が変わってきており、ソフト対策との連携・充実を図ることもお願いしておきたい。

お問い合わせ

建設交通部河川課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-432-6312

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