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高齢者居住安定確保部会(第2回・平成29年8月31日)の開催概要

1 開催日時

平成29年8月31日(木曜日) 午後2時~3時45分

2 場所

ルビノ京都堀川 2階 加茂の間 (京都市上京区東堀川通下長者町下ル)

3 出席者

 出席委員(12名)
  西村 周三 部会長(医療経済研究機構所長)
  清水  紘 委員(京都府慢性期医療協会会長)
  荻野 修一 委員(一般社団法人京都府老人福祉施設協議会会長)
  太田  努 委員(一般社団法人京都府介護老人保健施設協会理事)
  武田 知記 委員(社会福祉法人京都府社会福祉協議会事務局長)
  小林 啓治 委員(公益社団法人京都府介護支援専門員会副会長)
  徳山 晴子 委員(公益社団法人京都府看護協会 訪問介護支援委員会委員長)
  山田 尋志 委員(地域密着型総合ケアセンターきたおおじ代表)
  髙田 艶子 委員(特定非営利活動法人コンシューマーズ京都副理事長)
  辻本 尚子 委員(株式会社みやこ不動産鑑定所代表取締役)
  岡田 博之 委員(京都府町村会(和束町福祉課長))
  和田 幸司 委員(京都市保健福祉局介護ケア推進課施設支援・指定担当課長) 

 欠席委員(5名)
  三浦  研 委員(京都大学大学院工学研究科教授)
  北川  靖 委員(一般社団法人京都府医師会副会長)
  齋藤 嘉子 委員(一般社団法人京都府作業療法士会役員)
  栗林 三善 委員(京都府市長会(亀岡市健康福祉部長))
  小嶋 新一 委員(京都市都市計画局住宅政策課企画担当課長)

 4 内容

1 協議事項

(1) 高齢者のニーズに応じた住まい環境の確保方策
 <意見交換>

  • 京都市居住支援協議会の活動として「見守り」を行っている。不動産団体は空き家の増加に悩む一方、高齢者の入居を断っている事例が多かったため、平成26年から、「見守り」契約を高齢者と社会福祉法人が行い、その契約を条件に、賃貸契約を家主と高齢者が結ぶということを始めた。これを、京都市全域に広げていきたい。利用者の多くは80代90代。地域密着型サービスの拠点を持つ社会福祉法人は、5分以内の訪問が可能で「見守り」事業になじむ。
  • 現在では80歳くらいまで元気な高齢者が多い。「80歳で介護度が上がればすぐに施設へ」ではなく、見守り等のある空き家などを利用すると、地域で暮らすことができる。90歳頃にはどうしても支援が必要となる。比較的軽い支援が「見守り」や「日常生活支援」。このニーズは確実に増えていく。
  • 和束町も、高齢者の「見守り」として2つの事業を実施している。1つは、地域の民生児童委員による定期的な単身高齢者、高齢者夫婦世帯の訪問。平成23年度から夏は携帯型の熱中症計を持って各家庭を回り重点実施。毎週1、2回程度の見守り、相談から福祉サービスに繋げている。
    また、平成23年から、府の地域包括ケア総合交付金により、単身高齢者で日常生活に相当不安のある世帯を、ケアマネージャー、かかりつけ医、28年度からは町臨時職員も、訪問しており、高齢者の見守り、日常生活支援に繋げたい。
  • 例えば、食品等の個別配送サービス事業者が、配送後ずっと荷物が残っていて高齢者の変化に気づく場合もある。福祉、医療、病院だけでなく、配送サービスなど、日常生活に関わる事業者も高齢者と密接な接点を持っており、絆ネット、京都高齢者あんしんサポート企業、市町村のSOSネットなど、事業者との連携が大切。また、何か異変を感じて連絡する時に、顧客の個人情報を安全に包括支援センターや生活支援センター、社会福祉協議会や行政に伝えられるという協定を結んでおくことも必要かと思う。
    家賃や金銭管理では、地域福祉権利擁護事業や成年後見制度の補助類型等を上手く活用して暮らしを支えることも大切ではないか考える。
  • 中重度になれば施設に入所して人生最後の約10年をずっと施設で暮らす、ということではなく、在宅から、状況に応じて一時期施設に入ったり、また在宅に戻ったりできるよう、地域密着型サービスを増やす方向が国からも示されている。ただ、過疎地域では新規事業者の参入がなかなか見込めないという問題がある。
  •  和束町は、面積が広く、町の中心地から最も隅まで車で約20分かかり、道も狭く事業者が参入しにくい地域。また、事業者にとっては、運営面からも在宅介護者が約20人という規模では、経営を成り立たせるのは難しい。人材確保も困難。
  •  施設に入るか在宅でサービスを受けるかという境目にある方が、みんな施設へ入所されれば、財政負担は過大になる。地域包括ケアの発想からすると、10年後20年後を考えた上での採算を考える必要あり。近隣の病院、老人福祉施設の協力体制等も検討する必要がある。
  •  事業所にとり、一番の課題は人材確保。多くの社会福祉法人は「地方でもニーズがあれば事業をはじめたい」と思っているが、現状のサービスを展開するだけでも厳しい。
    小規模多機能型居宅介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護等について、地域住民は期待をしているものの、実際には、月初めの支払いプラス食費の費用への負担感が払拭できない。そういう負担感から、その都度デイサービスや、訪問介護を選ばれる傾向にある。
    施設があればご家族は365日24時間安心感はあるが、在宅サービスを使うには何日かは家で過ごすことになり、その不安感や疲れ等によって、どうしても施設へ入所しようということになる。
    地方の小規模多機能型居宅介護は、利用者宅まで片道30~50分かかり、これも地方で広がらない理由かもしれない。
  •  特養には、まず、食費と居住費が必要で、個室ユニットなら食費と居住費で計10万2千円が必要になる。そこに介護保険の1割負担が2、3万程度プラス。よって個室ユニットで約13万円、従来型で約8万5千円くらい必要。在宅ならば、持ち家なら家賃は基本的に不要、食事も慎ましくすれば、10万2千円がかなり節約可能。施設型の報酬体系では定額なので、例えば小規模多機能型居宅介護なら要介護2の方で利用者負担は月2万円。施設に比べると、在宅の方が経済的には本人の負担感は少ない。不安感についても、小規模多機能型居宅介護のように短時間で常に駆けつける拠点が家の近くにある、24時間開いているとなれば、家族も孤立化から解消されると思う。
  •  現在、国で特に期待されているのは訪問看護。住民の方のご心配は医療が必要な時にちゃんとやってもらえるかということであって、訪問看護がお医者さんとの仲介をやってくださると効果が高い。

 (2) 高齢者のニーズに応じて選択できる多様な住まいの確保
<意見交換>

  • 京都市内はゲストハウスの急増により、地価が高騰。約3年前までは、サービス付き高齢者向け住宅を建てる相談もあったが。ここ1年くらいは、以前ならばワンルームマンションが建ったような所が簡易宿所になり、一戸建てもゲストハウスにするという動きがある。さらに、家主が賃料値上げ請求や空け渡し請求をしている実態がある。これまでの家賃相場は、安価な借家では約2~4万円。一方、特養の個室ユニットで食費含めて等約13万円。国民年金だけの方で収入7万程度だと、払える家賃は4万円くらい。
    介護離職の話で、訪問介護を利用しても、ご飯を作ってくれるのはその介護保険の人だけで、家族の分までは作ってくれないとのこと。もう少しフレキシブルにならないか。できれば高齢者を在宅で介護してあげたいという気持ちは、非常に強いと思う。利用者側にも詳しい情報がもっと周知されるとよい。
  • 地域でサロン等をしているが、〝できるだけ在宅で、介護サービスを受けて自立してすごしたいが、病気やケガで急にそれができなくなった時、受け皿は本当にあるのか。特養の何百人待ちとかを聞くと、なかなか難しそうなので、元気なうちに施設入居を考えた方が良いのでは”という声をきく。在宅で中重度になったとしても、どこに、どういったサービスや施設があるのか、どのような状況なら利用できるのかが地域住民にはなかなかわからず、先行きの不安が増幅される。地域の高齢者の状況に応じた細やかな情報提供、いわゆる「見える化」が必要だと思う。
    府では京都市などで「京都ソリデール事業」として、高齢者宅の空き室に低廉な負担で若者が同居・交流する事業が実施されている。同様に、空き家や空き家になりそうな家の所有者と介護施設が契約し、中重度になったときも、ずっと住み慣れた地域で暮らせるような、高齢者のシェアハウス的な施設ができればと思う。
  • 京都市内の地価の高騰は特に都心部で大きく、家賃は値上がりし、また地域密着型サービスの提供も、地価高騰によりなかなか進まないのが実情。京都市では、地域密着型特養の整備を促進するため、小規模でも建てられるよう、ユニット定員を、従来上限が10名だったところを、全ユニットの半分に限り上限12名で認める取扱いを、8月の事業者公募から実施している。
    昨年12月に京都市でアンケート調査を実施した結果では、申込から1年以内に特養に入所できている方が約6割。特養入所にあたっては、入所申込者の要介護度や家族の状況あるいはお住まいの状況等を総合的に勘案しており、先着順ではない。そういう点をしっかりとお伝えしていかなければならないと認識しているところ。

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健康福祉部高齢者支援課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

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