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治山 はじめに

京都府では、戦後3つの大きな災害に見舞われ、特に昭和28年8月の「南山城水害」では、336人もの尊い命が奪われるなど、大きな被害を被りました。このような過去の苦い教訓を生かし、4,580箇所に及ぶ山地災害危険地区から府民の生命と財産を守るため、計画的な治山事業の展開に努めています。

現在、京都府の総面積の75%に当たる約34万ヘクタールを森林が占めています。そのうち、人工林が12万ヘクタールを超え、10年後には、その70%が40年生以上となることから、水源かん養機能の向上や豊かな自然環境の創出などとあわせて、人工林を多面的に活用する施策に取り組んでいるところです。

林野庁では、現在「緊急間伐五カ年対策」に基づき、森林整備を重点課題として推進されておられますが、京都府においても「緊急間伐推進計画」を策定し、間伐と間伐材の利用促進を、林業政策の柱として積極的に進めています。

特に、「京の木材利用促進ネットワーク事業」により、府民に木の良さを理解いただく中で、需要の拡大を図るとともに、府内産木材の公共土木工事や公共建築物などへの利用促進にも鋭意取り組んでおります。

治山事業の分野でも、自然にやさしい工法を採用する点から、これまでの仮設構造物などへの利用から一歩踏みだして、主要構造物に間伐材を利用した木製治山ダムの導入も進めています。

21世紀を目前にひかえ、急速に進む高齢化や少子化などにより、これからの日本は成熟型社会へ移行するとともに、心の豊かさが一層大切にされることになり、人々の心を癒す森林の機能もあらためて見直されています。

また、1997年には京都の地で「地球温暖化防止京都会議」が開催され、人類の存続を左右する地球温暖化については、各国が協働して早急に対策に取り組んでいくことが確認され、地球温暖化防止に果たす森林についても再認識されています。

治山事業におきましても、豊かな森林を次世代に引き継いでいくとともに、山地に起因する災害の防止はもとより、木材の循環利用を促進し、安心・安全で、ゆとりある暮らしを実現するために、多様な公益的機能を備えた山づくりを目指して取り組んでいきたいと考えております。

お問い合わせ

農林水産部林業振興課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-5010

ringyoshinko@pref.kyoto.lg.jp