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京都府総合計画詳細版【丹後地域振興計画】(音声読み上げ2)について

施策の基本方向(基本的な視点、4年間の対応方向)

基本的な視点

施策の推進に当たっては、人権を尊重しながら府民個々の能力が発揮できるように、地域の特性を踏まえ「様々な主体(地域住民、市町、海の京都DMO、京都府北部地域連携都市圏形成推進協議会、大学などの教育機関、企業、商店街、地域で活動する団体などありとあらゆる主体)との連携・協働・共創(きょうそう)」の視点で実施します。

特に、丹後の強みである「豊かな食」、「ものづくりの伝統・技術」、「魅力あふれる歴史・文化」を生かし、各市町や関係団体などと連携しながら戦略的に取り組みます。

4年間の対応方向

地域の将来像を実現するため3つの柱に基づき施策を推進します。

1.住み続けることができる安心・安全な地域づくり

地域産業の営みや人々の暮らしの下支えとなる、災害に強い安全な地域、安心して元気に住み続けられる地域づくりを推進

2.稼ぐ力の強化による産業振興

観光産業の振興を入口としながら、地域に根付く織物業や機械金属業等ものづくり産業や農林水産業などの基幹産業全体の更なる発展に取り組み、稼げる地域づくりを推進

3.地域を支える人材の確保・育成

稼ぐ力の源泉となる人材の確保・育成を進めることにより、更に地域全体が活性化する好循環を実現するため、誰もが活躍できる地域づくりを推進

1.住み続けることができる安心・安全な地域づくり

ア.災害に強い安全な地域の構築(戦略1)

現状分析・課題

  • 平成29年(2017年)台風18号や平成30年(2018年)に発生した7月豪雨など、昨今頻発する自然災害により甚大な被害が生じており、早急な復旧を行うとともにソフト・ハード両面から防災・減災対策の取組が必要です。
  • 丹後地域各所で浸水が発生する状況となっており、市街地部の浸水常襲地区における河川整備が急務となっています。
  • 橋りょう等インフラの老朽化が急速に進行しており、公共インフラの長寿命化対策が喫緊の課題です。
  • 異常気象時の通行規制により孤立する地域があり、道路の強靱化が急務です。(異常気象時道路通行規制基準の見直し・ダブルネットワーク路線整備等)
  • 山地荒廃に起因する土砂流出を伴う災害が増加しており、山林から海まで水系一貫となる土砂災害防止対策が必要です。
  • 丹後地域各所で人的被害に及ぶ土砂災害が発生しており、特に避難所や要援護者利用施設を含む土砂災害特別警戒区域の砂防等の施設整備の推進が急務です。
  • 老朽化などにより地震、大雨時に決壊する恐れのある農業用ため池や被災したため池の対策が必要です。
  • 地域住民が避難場所や緊急連絡体制の確認と併せて作成する「ため池安心・安全マップ」(ハザードマップ)の整備が必要です。
  • 森林の荒廃化が進んでおり、防災面からも適正な森林管理や治山対策の取組が必要です。
  • 津波や雪害などの災害や海岸保全の対応が必要です。
  • 原子力災害に備えて、緊急時防護措置準備区域(UPZ)の範囲内にある宮津市及び伊根町域の防護対策と広域避難体制の整備や住民等の円滑な避難を行うための路線の強化等が必要です。
  • 近隣府県において高病原性鳥インフルエンザや豚コレラの発生が見られるなど、家畜伝染病のまん延の防止対策が必要です。

4年間の対応方向・具体方策

防災・減災対策を進めるため、市町との連携を強化するとともに、地域住民の防災意識を高めるための取組や迅速な避難行動につながる自主防災組織等におけるタイムラインの作成を支援します。

  • 地域住民の防災意識の向上につながる防災・減災対策(防災訓練・防災リーダー研修の実施など)
  • 市町等関係機関と連携した災害情報収集力の強化
  • 市町と地域住民が共同で作成する「ため池安心・安全マップ」(ハザードマップ)づくりを支援
  • 大手川、宇川、筒川等68河川において洪水浸水想定区域図を作成
  • 香河川、鱒留川等15河川において危機管理型水位計を設置
  • 危機管理型水位計を設置する河川に係る雨量・水位データを分析、検証し、住民が自ら避難する目安となる水位を順次設定
  • 災害を未然に防ぐための維持管理体制の強化
  • 高齢者等要配慮者の避難支援と外国人を含む観光客への避難情報の伝達強化

「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」により、河川整備、土砂災害対策、河道内の樹木、堆積土砂の撤去、防災上重要な道路の法面対策等、総合的な防災対策を推進します。

  • 被災箇所の早期復旧に取り組むとともに、近年激化、多発化している災害に対してはソフト・ハード両面から防災・減災対策及び道路強靱化に取り組み、災害に強いまちづくりを推進

浸水常襲地及び近年の被災地の浸水被害解消を図るため、河川整備計画に基づく河川改修等を推進します。

  • 計画期間内完成に向けて改修推進(吉野川災害関連事業、竹野川支川(鳥取川))
  • 河川整備計画に基づく河川改修の推進(福田川、野田川(加悦奥川)、竹野川(本川、小西川)、川上谷川、佐濃谷川)

災害による孤立化等を防ぐため、道路強靱化を推進します。

  • 国道178号等の異常気象時道路通行規制基準の見直し、迂回路となる府道の機能強化
  • 国道178号(宮津市日置~伊根町)の道路強靱化
  • 法定点検により早期措置段階と診断された橋りょう等(天橋立線(小天橋)、国道176号(宮津トンネル))の補修工事を計画的に実施
  • 国道178号、国道312号等防災上重要な道路の法面対策等の推進
  • アセットマネジメントによる橋りょう等公共インフラの長寿命化の推進

山地荒廃に起因する土砂流出を伴う災害を防止するため、山林から海まで水系一貫となる土砂災害防止対策を推進します。

  • 河川断面を阻害している堆積土砂の継続的な浚渫(大手川・野田川等)
  • 土砂災害対策施設については、24時間滞在型要配慮者利用施設が立地する土砂災害特別警戒区域内の整備を重点的に推進(小浜地区等)
  • 砂防施設(堤谷川、イガロ、目黒谷川、平地川、シシ伏川、桃ヶ谷川)、急傾斜地崩壊対策施設(小香河、小田宿野、谷内、平、小坪、本庄上)の整備推進
  • 頻発する山地災害に備え、ハード・ソフト両面から総合的な防災・減災対策に取り組み、災害に強い森づくりを推進
  • 山地災害危険地区について、地域住民への周知とともに市町の防災対策との連携により、早期避難など住民の防災意識の向上を推進
  • 放置され荒廃した森林については、間伐等適正な森林整備の促進とともに、山地災害の危険度が高い箇所について計画的に治山施設の整備を促進

防災上特に保全管理が重要な防災重点ため池を中心に、状況に応じて適宜点検調査を行い、計画的な改修を推進(廃池を含む。)

  • 下流に人家や病院、学校など公共施設等があり、被災時に甚大な影響が想定される防災重点ため池を中心に計画的な改修(廃池を含む)を推進

高潮・高波・津波対策や雪害などの日本海側特有の災害や海岸保全への対応を進めます。

  • 丹後沿岸海岸保全基本計画に基づく海岸保全施設の整備を推進(久僧海岸、久美浜港海岸)
  • 原子力発電所のUPZ(約30km)圏内の避難路の強化(原子力災害時避難円滑化モデル実証事業としての舞鶴宮津線の整備)
  • 原子力災害時における広域避難を円滑に実施するための仕組みづくり(原子力防災訓練(関西広域連合、他府県、市町と連携した広域避難訓練等))

家畜伝染病の発生防止や、発生時のまん延を防ぐための対策に取り組みます。

  • 家畜伝染病に備えた計画的な巡回指導・検査、発生を想定し、迅速に対応していくための実地訓練の実施

イ.安心して暮らせる地域づくり(戦略2)

現状分析・課題

  • 人口当たりの数が全国平均を大きく下回る医師をはじめとする医療従事者不足、介護・福祉人材不足への対応が急務です。
  • 丹後地域の健康課題(運動不足、高い喫煙率、多い塩分摂取量等)や死因の第1位である「がん」の予防等を踏まえた健康寿命延伸の取組が必要です。
  • 高齢者・障害のある人が安心して暮らし、地域の支え手となることが可能な環境づくりが必要です。
  • 高齢化が府内で最も進む中、認知症や慢性疾患を抱えた高齢者等が住み慣れた地域で安心して暮らせるための取組が必要です。
  • 人口減少、人口流出が顕著な中で、子どもや子育て家庭を支援する地域づくりが必要です。
  • 大規模災害発生に備えた医療体制の整備が必要です。
  • クマの出没情報件数は府内の全件数の約半数を丹後地域が占め、生活環境被害が大きく安心安全を脅かされています。また、サルは人家付近での出没が増加するとともに、シカ・イノシシなどによる車両衝突事故が多発しており、生活環境被害を防止するための取組が必要です。

4年間の対応方向・具体方策

府立医科大学附属北部医療センターにおいて診断から治療まで一体的に実施できるがん診療棟を整備し、高度・専門医療を提供するとともに、医師派遣機能の充実など、同センターの更なる機能強化を進めるとともに、圏域内6病院間の連携を強化し、丹後医療圏において安心して暮らせる地域医療体制を確保します。

  • 地域医療支援センター、北部看護職支援センターを中心に医療人材の確保定着等に向けた取組の推進
  • 丹後圏域保健医療協議会、丹後地域医療構想調整会議による課題抽出と連携強化

働く世代の健康づくりを進めるため、商工会(商工会議所)、職域団体、企業等と顔の見える関係を構築し、地域一体となった取組を推進します。

  • 事業所などを訪問して健康づくりをサポートする職域健康出前講座の実施や「きょうと健康づくり実践企業認証制度」認証取得の推奨等による企業の健康づくりを支援

がんの早期発見、早期治療のため、府民が自らの健康は自ら守る意識を持ち、がん検診の受診拡大に向けて取り組みます。

  • がんの早期発見、早期治療のためのがん検診受診勧奨

高齢者・障害者が地域の支え手として活躍し、多様なサービスを創出します。

  • 圏域障害者自立支援協議会を中心とした障害者の支援と自立の促進
  • 共助型生活支援推進隊による市町の生活支援整備体制の支援

医療・介護・福祉一体型の地域包括ケアシステムの充実により、安心して暮らせる地域づくりを推進します。

  • 丹後地域在宅医療支援連絡会議を中心とした、医療・介護連携の取組の充実
  • 北部福祉人材養成システムを中心に介護・福祉人材の確保・定着・資質向上に向けた取組の推進

子育て環境日本一の取組を推進します。

  • 育児と仕事の両立を支援する病児・病後児保育施設の設置と広域化
  • 丹後地域において家庭の教育力の向上、子どもたちを包み込む「はぐくみの環境づくり」を支えるネットワークやサポート体制の更なる充実
  • 安全な通学路を確保する歩道整備の完成(国道178号(里波見・小浜)、国道312号(栃谷)、網野峰山線(郷))

大規模災害発生時に備えた災害医療体制を強化します。

  • 災害医療連絡会の設置、情報共有、訓練、研修を実施

野生動物による生活環境被害を防止するため、共存に配慮しながら、捕獲等対策を強化します。

  • 集落内に出没するクマを捕殺上限数の範囲内で捕獲
  • サル個体数調整計画に沿った各種対策により群の加害レベルを低減、シカ・イノシシの捕獲を強化

将来にわたる、安心・安全な水道水の供給体制を構築できるよう取組を進めます。

  • 管内市町の水道施設の広域化支援

ウ.人権を尊重し、誰もが輝ける地域の実現(戦略3)

現状分析・課題

  • 部落差別や女性、子ども、高齢者、障害のある人、外国人等に対する差別など、様々な人権問題が依然として存在しています。
  • 少子高齢化の進行に伴う人手不足の中で、女性の就業継続や男性の家庭・地域参画のためのワーク・ライフ・バランスの推進などの課題への対応が必要です。
  • 高齢者・障害のある人が安心して暮らし、地域の支え手となることが可能な環境づくりが必要です。(再掲)
  • 地域の重要課題を解決するために、各地域で活動する団体相互がつながりを強めるとともに、行政との協働を拡大して取り組んでいく必要があります。

4年間の対応方向・具体方策

一人ひとりの尊厳と人権が尊重され、誰もが自分らしく生きることのできる地域づくりを推進します

  • 部落差別をはじめ女性、高齢者、障害者、外国人、LGBT等性的少数者等に対する様々な人権問題の解決に向けてあらゆる機会を通じた多様な教育・啓発等の推進や人権問題法律相談などの相談体制の充実

「輝く女性応援京都会議(地域会議)」等での女性活躍の取組の推進、ネットワークの拡充を図ります。

  • 地域活動に参画する女性の人材育成や活動支援につながるワークショップやセミナー等の開催

高齢者・障害者が地域の支え手として活躍し、多様なサービスを創出します。(再掲)

  • 圏域障害者自立支援協議会を中心とした障害者の支援と自立の促進(再掲)
  • 共助型生活支援推進隊による市町の生活支援整備体制の支援(再掲)

農福連携を進めるため、福祉事業所ごとの特性に応じた伴走支援を実施します。

  • 事業所ごとの農業技術レベルに応じた栽培技術の指導、地域との円滑な連携支援

地域内のNPO等の活動支援と団体間の情報交換の促進及び行政、民間企業、団体間のつながり強化を支援し互いに協働し合う仕組みづくりを推進します。

  • 地域課題解決のための地域交響プロジェクトの推進、パートナーシップセンター機能の充実によりNPO等の活動を支援

エ.元気に住み続けられる環境の整備(戦略4)

現状分析・課題

  • 地域の特性を生かしたスポーツ観光やスポーツ大会誘致が行われているところですが、更に住民の健康づくりに生かせる環境づくりが必要です。
  • 地域の人々が主体となって芸術文化活動に関わる環境づくりを促進するとともに、交流人口の拡大、地域の活性化につなげる取組の推進が必要です。
  • 伝統芸能や行祭事など、各地域に根ざした多くの文化活動が活発に行われてきましたが、少子高齢化や地域コミュニティの衰退により、担い手が不足し、継承が困難になってきている地域があります。
  • 市町や地域団体などと連携し、地域の水環境・自然環境の保全・活用を図るための取組や、地域コミュニティを守るための取組が必要です。
  • 100歳以上長寿者の割合が府内平均の約2倍であるとともに、多くの高齢者が農林水産業や織物業などに従事したり、様々な行事や伝統文化の維持・承継などに携わっており、高齢者がいつまでも健康で生き生きと活動できる環境整備が必要です。
  • 観光、通勤・通学などの交通手段として重要な役割を果たしている鉄道・路線バスについては、運転手不足や利用者減などの問題を抱えており、その対応が必要です。一方で、支え合い交通やEV乗合タクシー、グリーンスローモビリティを活用した実証実験等、新たな交通手段の実用化に向けた取組も進んでいます。
  • 丹後地域各所で人的被害に及ぶ土砂災害が発生しており、特に避難所や要援護者利用施設を含む土砂災害特別警戒区域の砂防等の施設整備の推進が急務です。(再掲)
  • 少子高齢化に対応した安全な交通安全施設(歩道等)の整備が必要です。

4年間の対応方向・具体方策

令和2年(2020年)開催の東京オリンピック、令和3年(2021年)のワールドマスターズゲームズ関西などスポーツイヤーに呼応し、市町と連携し、地域全体が更にスポーツに親しむことができる環境づくりを推進します。

  • 自転車道リニューアルや丹後地域の観光地を巡るサイクリングコースの案内表示等や整備を実施
  • ワールドマスターズゲームズ2021関西における地元市での開催支援

市町や様々な団体と連携し、誰もが文化に親しめる地域を構築します。

  • 丹後地域に配置する地域アートマネージャーや地域の文化団体、市町等との連携により、アーティスト・イン・レジデンスの活動等文化を活用した地域活性化・文化ツーリズムの推進
  • 歌舞伎や能などの伝統芸能の公演、短歌、俳句大会などの地域に定着した文化活動を支援するとともに文化に携わる人材を育成

市町や地域団体などと連携し、地域外の力も借りて、地域の環境やコミュニティを守るための取組を強化します。

  • 阿蘇海(あそかい)環境づくり協働会議などを通じて大学生ボランティアをはじめ、外部の力も借りて、効果的な阿蘇海(あそかい)の環境改善に向けた取組を実施するとともに、市町等と連携し、阿蘇海(あそかい)流域に住む住民の皆さんや企業とともに、地域の子どもたちに啓発や事業を実施
  • 白砂青松の天橋立を後世に継承するため、天橋立公園松並木景観保全計画(平成30年度(2018年度)策定)に基づく松並木の適正な保全等の取組の展開
  • 河川・港湾・漁港におけるプレジャーボート等による公有水面の秩序ある利活用と不法係留対策の取組を強化
  • 丹後の海岸の魅力を保全するため、市町と連携した海岸漂着物対策を継続実施
  • 地域のコミュニティの場でもある商店街の支援

人生100年時代を見据え、健康長寿に向けた取組の推進、働く世代の健康づくりに向けて取り組みます。

  • 府立医科大学附属北部医療センターの活き生き長寿研究などと連携した健康長寿の取組の推進
  • 事業所などを訪問して健康づくりをサポートする職域健康出前講座の実施や、「きょうと健康づくり実践企業認証制度」認証取得の推奨等による企業の健康づくりを支援(再掲)
  • 高齢者が多様な場面で活躍できる取組の推進(第1次産業事業者などとのマッチング、シニア観光ガイドの養成)

市町や様々な団体と連携し、住民の移動手段を確保するための取組を推進します。

  • MaaS(Mobility as a Service(マース(モビリティ・アズ・ア・サービス))、出発地から目的地まで利用者にとっての最適経路を提示するとともに、複数の交通手段やその他のサービスを含め、一括して提供するサービス)と連携した広域での交通施策の検討
  • 地域の実情に応じた新たな交通手段の検討・実用化に向けた取組の推進
  • 小学生等を対象にバスの乗り方講座等を通じた公共交通事業やその担い手のイメージアップにつなげる方策の実施

土砂災害対策については、24時間滞在型要配慮者利用施設が立地する土砂災害特別警戒区域内の整備を重点的に促進します。(再掲)

  • 24時間滞在型要配慮者利用施設が立地する土砂災害特別警戒区域における砂防等の施設整備(小浜)(再掲)
  • 砂防施設(堤谷川、イガロ、目黒谷川、シシ伏川、桃ヶ谷川)、急傾斜地崩壊対策(小香河、平、小坪、本庄上)の整備推進(再掲)
  • 福祉避難サポートリーダー人材養成

通学路等における交通安全施設(歩道)の整備を推進します。(再掲)

  • 安全な通学路を確保する歩道整備(国道178号(里波見、小浜)、国道312号(栃谷)、網野峰山線(郷))(再掲)

2.稼ぐ力の強化による産業振興

ア.「海の京都」構想の更なる深度化(戦略1)

現状分析・課題

  • 京都縦貫自動車道全線開通や山陰近畿自動車道(野田川大宮道路)開通、海の京都事業の推進などにより、観光入込客が大きく増加しているが、一人当たりの観光消費額は伸び悩んでおり、通過型観光から滞在型観光への転換が必要です。
  • 外国人観光客が増加(外国人宿泊者は、平成25年(2013年)に15,988人が平成30年(2018年)に50,077人)しているが、京都市域に集中しており、丹後管内への更なる誘客の取組が必要です。
  • 日本遺産「300年を紡ぐ絹が織り成す丹後ちりめん回廊」(管内全市町)、「荒波を超えた男たちの夢が紡いだ異空間-北前船寄港地・船主集落-」(宮津市)、「1300年つづく日本の終活の旅-西国三十三所観音巡礼-」(宮津市)、世界で最も美しい湾クラブに加盟した「宮津湾・伊根湾」と「モンサンミシェル湾」との姉妹湾協定などの優れた資源を観光誘客や地域活性化につなげていくため、ランドマークである「天橋立」の世界文化遺産を実現するための機運醸成などの取組と併せて取り組んでいく必要があります。
  • 平成30年(2018年)に世界ジオパークネットワークへの加盟が再認定された「山陰海岸ジオパーク」や、丹後天橋立大江山国定公園などの優れた観光資源があるにもかかわらず、それらの資源が十分活用できていない状況があります。
  • 丹後コシヒカリやブランド京野菜、間人ガニ、伊根ブリなどの豊かな食材に恵まれているものの都市部への出荷が大半で、地域内での消費や観光消費につなげる取組が必要です。
  • 平成27年度(2015年度)にリニューアルオープンした道の駅丹後王国「食のみやこ」を丹後地域の食の拠点施設として、入園者、農・水産物直売所の売上額を伸ばしていくことが必要です。

4年間の対応方向・具体方策

京都府観光総合戦略に基づく新たな時代に対応した施策・事業を推進します。

  • 丹後エリアの豊かな「食」、丹後天橋立大江山国定公園や山陰海岸ジオパークなどの優れた「自然環境や景観」などあらゆる資源を活用した交流人口の増加
  • 「世界で最も美しい湾クラブ」に加盟した「宮津湾・伊根湾」での海岸や海のスポーツなど海を活用した観光誘客
  • 「丹後ちりめん」の魅力を生かした職人ツアーやコト体験等、稼げる産業観光創出

近隣関係自治体等と連携し、行政単位を超えた地域の魅力創出、周遊強化による体験型観光の充実などの新しい観光産業プログラムの開発により、滞在日数延長の取組を進めます。

  • 山陰海岸ジオパークエリアの府県市町と広域連携したジオトレイルの整備など、地域の豊富な資源を生かした体験型観光の拡大
  • 日本遺産(丹後ちりめん回廊、北前船、西国三十三所観音巡礼)構成文化財などを活用し、関係自治体・団体と連携した観光誘客やまちづくりを推進
  • 鉄道事業者や他県と連携した広域観光誘客の取組の推進

京都府北部地域連携都市圏振興社(通称:海の京都DMO)と連携し、観光誘客やインバウンド誘客・海外プロモーション事業の展開を推進します。

  • 美食のまち、食の宝庫、ガストロノミーツーリズムなど食を生かした観光事業(ビジネス)の高度・高質化を進め、丹後の地域づくりを推進
  • 滞在型プログラム(着地型旅行商品)造成、ナイトカルチャー創出の推進
  • 京都市発の旅行商品造成等による誘客の推進

天橋立の世界文化遺産登録をめざし、丹後の自然環境・文化の保全と発信、活用や地元での機運醸成の取組を進めます。

  • 白砂青松の天橋立を後世に継承するため、天橋立公園松並木景観保全計画(平成30年度(2018年度)策定)に基づく広葉樹伐採等松並木の保全等の取組を推進(再掲)
  • 丹後の歴史・文化・観光拠点施設となる博物館をめざした、府立丹後郷土資料館のリニューアルの取組
  • 天の橋立線の宮津養父線交差点から知恩寺に至る区間の良好な景観を形成するため、無電柱化を推進
  • 丹後の海岸の魅力を保全するため、市町と連携した海岸漂着物対策を継続実施(再掲)

自転車を周遊観光のツールとして活用する取組を推進します。

  • eバイク(スポーツ仕様の電動アシスト自転車)を活用した片道ライドの推進
  • 里山ライド、フルーツライド等を実施する事業者の取組支援
  • 立ち寄りスポットの環境整備(非常用電源として活用可能なソーラーサイクルステーションの設置等)
  • 自転車関連サービス(ポップアップストア(期間限定で展開される店)、輸送サービス等)の誘致・育成

既存の自転車道のリニューアルを行うとともに、丹後半島一周をはじめ丹後地域の観光地を巡る安全で快適なサイクリングロードネットワークを構築します。

  • 自転車道リニューアルや丹後地域の観光地を巡るサイクリングコースの案内表示等の整備を実施(再掲)

道の駅丹後王国「食のみやこ」を丹後の食、観光、物流の拠点となるよう支援します。

  • 道の駅丹後王国「食のみやこ」を活用した取組の推進(誘客事業、情報発信、10次産業化推進、商品開発及び「食」やインバウンド市場などの多様なニーズに対応する人材育成など)

地域産業と連携した観光コンテンツの創出を進めます。

  • 丹後の伝統を体感できる商品造成
  • 商談に訪れた海外ビジネスマンや留学生等が利用しやすいサービスの開発支援

イ.ものづくり産業等地域産業の振興(戦略2)

現状分析・課題

  • 平成30年(2018年)の丹後ちりめんの「白地生産量」は28.2万反と和装需要の低迷等で厳しい状況が続いていますが、今なお、「日本最大の絹織物産地」であり、近年では、若手事業者を中心に和装から洋装やインテリアなど新たな分野への進出や海外に向けた商品展開を行う事業者も見られています。
  • 令和2年(2020年)の「丹後ちりめん創業300年」を契機として、今後、持続し発展していくためには情報発信機能拠点の整備や人材の確保・育成、技術の伝承が必要です。
  • 丹後の機械金属業は、現在は、安定した景況感の中で、受注状況が好調で、短納期や低価格、高精度、効率化等のニーズに対応し業績を上げる企業も見られています。
  • 少子高齢化・人口減少を背景とした人材不足が課題となる中、生産性や雇用規模を維持するため、事業の適切な承継と新たな技術の導入や、人材確保・育成を図ることが必要です。

4年間の対応方向・具体方策

「丹後ちりめん創業300年事業」等を契機として、「織物といえば丹後」と世界中のデザイナー、バイヤーが行き来するクリエイティブな地域づくりを進めます。

  • 医療や福祉、健康などの分野への展開も視野に、国内外のデザイナーやバイヤー等が訪れる産地づくりを推進
  • 丹後織物の「NEO KOUGEI(ネオ・コウゲイ)」を体感し、バイヤーとのマッチング等を行うことができる環境の整備を検討
  • バイヤーやクリエーター等と織物事業者をつなぐプロデューサーやマネージャーを育成

次世代への技術継承を図るとともに、市場ニーズに合った商品開発を推進します。

  • 丹後ちりめん創業300年を契機として、次世代への技術の継承を図るため、生産技術や新技術習得支援、素材産地から高付加価値の商品提案ができる人材の育成
  • 外部専門家とのコラボによる市場ニーズやターゲットを見据えた商品開発支援
  • 人材確保につながる織物産地の魅力発信及び人材の受入れ体制への支援
  • 生産基盤の維持・発展に向けた加工や生産設備等への支援
  • 将来を担う人材確保のためインターンシップ受入れや高等学校の実習授業等への協力拡大

既存分野から新分野への進出及びAI・IoT技術等の活用による企業の支援を実施します。

  • 課題解決を目的とした異業種との連携による製品開発への支援、最先端技術機器活用によるものづくり技術のレベルアップ
  • VR技術による危険体験学習を実施し、企業のリスク回避を図り生産性の向上を支援

地元教育機関や産業団体等と連携し、機械金属業界の人材確保対策を進めます。

  • 高等学校と連携したインターンシップの受入れを推進
  • 産業団体等と連携し、小中学校への出前講座などを実施し、将来を担う人材確保を推進

地域企業のニーズに応じた人材育成研修等を推進し、企業の技術力向上を支援します。

  • (公社)京都産業21北部支援センターと連携し、ものづくり事業者の育成と高度化を図るための基礎研修をはじめ技術研修のほか、技能検定対策講座を実施
  • 京都経済センターとオンラインで結んだテレビ会議システムを活用した人材育成研修の開催

異業種連携等を推進し、企業の新分野進出を支援します。

  • 丹後地域の農林水産業等が抱える課題に対し、機械金属及び織物関連企業の高度な技術を用いて、新技術や新商品開発を行い、課題解消を図るとともに、企業の技術力向上、新分野進出を支援
  • 研究開発意欲の高い企業との共同研究開発を通じて新技術等の研究開発を支援
  • 京都経済センターとオンラインで結んだテレビ会議システムを活用した起業、第2創業等を支援

ウ.「食」や「暮らし」を支える農林水産業の振興(戦略3)

現状分析・課題

  • 食の多様化による米消費量の減少や平成30年度(2018年度)には米生産調整が廃止されるなど、米の産地間競争が激しくなっています。
  • 丹後国営開発農地では、良質な土づくりを行うため、家畜ふん尿、野菜残渣などを活用した、堆肥化及び散布までの仕組み作りが課題となっています。
  • お茶、果樹及び米など輸出に向けた取組が近年増加していますが、特別な防除体系の対応やGAP取得などのソフト面や管理機械、集出荷場の再整備などのハード面の強化が課題となっています。また、国内市場の規模縮小が懸念される中、新たな市場開拓が重要です。
  • 丹後地域は、都市部の大規模消費地までの距離があるため、輸送コストなど販売経費の面で不利であり、なおかつ少量多品目生産のため、ロット面でも販売に苦戦を強いられています。
  • 農業従事者の高齢化や減少などの課題に対して、スマート農業を取り入れた新たな営農方法の推進が必要です。
  • イノシシ、シカ、カラスなどの有害鳥獣による農作物被害は防除対策により減少傾向にある一方、防護柵の維持管理に係る負担は増加傾向にあります。
  • 管内の人工林は小規模点在的で合理的な林業経営に適した面的まとまりがないことから森林経営計画の策定が進んでいない状況であり、さらに市町や森林組合等の事業体も実施体制の整備に向けた支援が必要です。
  • 管内の畜産農家は、後継者のいない経営体が多く、高齢化に伴う廃業により、地域の畜産業が衰退してきています。
  • 近年の漁業の生産量は1万トン前後、生産額は40億円前後で推移しており、長期的には漸減しています。今後、成長が見込める養殖生産の拡大、水産物のブランド力の向上と安定供給、次代の漁村を支え、経営を担う人材育成の推進が必要です。
  • 近年、福祉の現場では、利用者の就業率の向上や生きがい対策として農業への関心が高まっています。一方、農業サイドでは、農業従事者の高齢化や働き手の不足などの問題があるため、農福連携による取組を進め、WIN-WINの関係を構築することが重要です。

4年間の対応方向・具体方策

丹後地域の農林水産業における栽培・生産技術の確立に向けた取組を推進します。

  • 丹後産コシヒカリのブランド力向上、新品種の早期技術確立、実需者ニーズに基づく酒米や加工米などの対応の推進及び水田を活用した土地利用型園芸作物の栽培技術の確立
  • 丹後産コシヒカリのブランド力向上に向け、青空教室やSNSを活用した技術情報の発信など、産地全体のレベルアップを図るとともに、水田を活用した土地利用型作物の研究
  • 丹後管内で廃出される野菜残渣と家畜ふん尿を活用した資源循環型農業の実現
  • 国営開発農地の良質な土づくりに向けて、堆肥製造から散布まで一連の資源循環型農業の仕組みづくりの研究

ブランド力向上や新たな販売チャンネルの拡大などによる所得向上への取組を支援します。

  • 海外輸出や観光などの新たな販売チャンネルの拡大への支援
  • 丹後産農林水産物の販売拡大に向けて、食品企業やホテルなどの実需者と産地での交流会・商談会の開催
  • お茶や果樹の海外輸出に取り組む品目の実需者ニーズを踏まえた品質向上及び販路拡大の支援
  • 地域特性である少量多品目生産に対応する販売方法やCAS(キャス)冷凍技術を活用した商品開発等の推進
  • ブランド京野菜や加工契約野菜など園芸品目の生産力強化
  • なしやブドウなどの丹後のフルーツを活用した加工品等の新商品開発とPR
  • 丹後管内の直売所が連携し、一体となった情報発信と出荷農家数の増加支援
  • 農産物加工事業所と連携し、集落営農組織や丹後農業実践型学舎修了者等の農家の域内出荷支援や加工契約栽培を安定的に実施するためのJA、農業法人及び集落営農組織等への栽培技術の向上支援や生産基盤の強化支援
  • 農産物加工事業者向けの丹後の地場産品等のPRと市町と連携した関連企業誘致
  • 6次産業化による農業経営体の経営強化支援
  • 農・水産物直売所による地元農・水産物を使った加工品開発支援、消費者との交流イベント促進

農業現場にマッチしたAI・ICT技術の導入や地域と連携した担い手確保対策を推進します。

  • 農林水産業へのAI・ICTなど先端技術の導入支援
  • 地域の担い手や農地の確保のための京力(きょうりょく)農場プランの作成・支援

道の駅丹後王国「食のみやこ」を丹後の食、観光、農産物の物流拠点となるよう支援します。(再掲)

  • 道の駅丹後王国「食のみやこ」を活用した取組の推進(誘客事業、情報発信、10次産業化推進、商品開発及び「食」やインバウンド市場対策など多様なニーズに対応できる人材育成など)(再掲)

有害鳥獣対策に取り組みます。

  • 有害鳥獣の捕獲強化と合わせ、防護柵の適切な管理や農地周辺環境の整備、捕獲担い手確保

森林整備の推進や森林資源の活用拡大の取組を支援します。

  • 森林環境譲与税の活用や新たな森林管理制度による森林整備等を円滑に進めるため、市町や森林組合等への支援を強化
  • 京都府豊かな森を育てる府民税を活用し、森林整備や木材需要拡大の取組を推進
  • 木質バイオマス利用を含む木材利用の拡大、森林組合等の林業担い手の育成支援により、地域の森林資源の循環利用を促進

畜産農家の法人化を進めるとともに、第三者経営継承等により畜産の担い手を確保します。

  • 畜産農家の法人化や畜産農家でのインターンシップ等の受入れを支援

漁業振興を図るため、「養殖生産の拡大」と「観光との連携」を軸とする施策を集中して展開するとともに、意欲ある担い手への承継を推進します。

  • サバやサーモンなど「御当地もの」の養殖魚を生産していくための実証試験や京都産をコンセプトとした養殖を推進していくための新たなルールを研究。丹後とり貝等の出荷規格の再設定、新たな主力品目の開発により、「京のブランド水産物」を再構築
  • 「海の民学舎」を核とした個人漁業の経営継承の推進、先進的な漁業経営の実例を学ぶ経営研修や他分野の若手経営者との交流を促進

生活文化を生かしたコンテンツ創出を支援します。

  • 農家民宿や漁家民宿の開業支援

農福連携を進めるため、福祉事業所ごとの特性に応じた伴走支援を実施します。(再掲)

  • 事業所ごとの農業技術レベルに応じた栽培技術の指導、地域との円滑な連携支援(再掲)

エ.地域産業を支える基盤整備(戦略4)

現状分析・課題

  • 京都縦貫自動車道の全線開通や山陰近畿自動車道の京丹後大宮IC(インターチェンジ)までの開通により京阪神都市圏への所要時間が短縮し、管内の観光客の増加や産業立地の進展等の効果が現れています。更なる広域観光誘客の促進や日本海国土軸の形成及び災害に強い道路ネットワークを構築するため、山陰近畿自動車道の早期整備が強く望まれています。
  • 骨格となる山陰近畿自動車道の整備と合わせて、管内の円滑な移動が可能となる丹後半島一周道路や山陰海岸ジオパーク関係路線の整備が急務です。
  • 異常気象時の通行規制により孤立化する地域があり、道路の強靱化が急務です。(通行規制基準雨量の見直し、ダブルネットワーク路線整備)(再掲)
  • どこにいても、必要な情報が入手できるための情報整備を進め、スマート社会で豊かさが実感できる地域にしていくことが必要です。

4年間の対応方向・具体方策

山陰近畿自動車道及びアクセス道路の整備を促進・推進します。

  • 大宮峰山道路の整備促進
  • (仮称)大宮峰山IC(インターチェンジ)から(仮称)網野IC(インターチェンジ)までの早期事業化
  • ルート未決定の網野から兵庫県境の早期のルート決定
  • インターアクセス道路の整備推進(国道312号大宮峰山インター線)

国道178号をはじめとする丹後半島一周道路や山陰海岸ジオパーク関係路線の整備を促進します。(産業・観光促進に寄与する丹後半島一周道路やダブルネットワークの整備促進)

  • 国道178号(カマヤ工区、袖志工区、木津道路)
  • 国道312号(野中バイパス)
  • 浜丹後線(宮バイパス)
  • 網野岩滝線(外村バイパス)
  • 浜丹後線(上野平バイパス)
  • 間人大宮線(丹後工区)
  • 宮津養父線(岩屋峠)
  • 掛津峰山線(丹波バイパス)

「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」により、防災上重要な道路の総合的な防災対策を実施します。

  • 国道178号(宮津市日置~伊根町)の道路強靱化の検討・推進(再掲)
  • 国道178号等の異常気象時道路通行規制基準の見直し及びう回路となる府道の機能強化(再掲)

情報基盤の整備を推進します。

  • 地域でのキャッシュレス化の取組を支援
  • アクティブワーキング等を活用した情報基盤整備に向けた支援

オ.円滑な事業承継や新たな起業の促進(戦略5)

現状分析・課題

  • 織物業や機械金属関連産業、観光業など、丹後地域を支える基幹産業においては、後継者と熟練技能者不足が深刻化し、円滑な事業を適切に承継していくことが重要な課題となっています。
  • 丹後地域の優れた自然景観や歴史、文化、豊かな食、ものづくりの伝統・技術など様々な資源を活用した「新たな起業」を促進することが求められています。

4年間の対応方向・具体方策

地域産業を支えている企業に対し、後継者問題等の重要性を啓発するとともに、円滑な事業承継を支援します。

  • 多様な事業承継セミナーの開催や、創業希望者と後継者不在企業とのマッチングの他、M&A手法の活用などによる中小企業の事業承継の円滑化

起業しやすい環境づくりや「チーム丹後」(移住・定住に係る関係団体で組織する移住定住推進会議)の移住・定住促進の取組と連動した取組を推進します。

  • 京都経済センター、京都産業21、商工団体及び金融機関などの関係団体と情報共有を行い、セミナーや個別相談によるガイディング、各種補助金の活用や融資による連携した伴走型支援を実施

3.地域を支える人材の確保・育成

ア.移住・定住の推進(戦略1)

現状分析・課題

  • 丹後管内における過疎・高齢化集落数は直近5年間で倍増し(平成22年(2010年)に31集落が平成27年(2015年)に63集落)、集落の維持が困難な地域もあり、府の命の里事業の成果を踏まえた更なる展開が求められています。
  • 農山漁村地域の新たな担い手を確保するため、都市部の若年層を中心とした外部人材の移住を促進する取組の強化が必要です。
  • 移住者のための住居の確保と空家を移住希望者とマッチングする仕組みが必要です。(空家率:宮津市26.2%、京丹後市12.8%、与謝野町11.9%(伊根町はデータなし)、出典:2013総務省住宅・土地統計調査)
  • 出入国管理法の改正により更なる在留外国人の増加が予想される中で、管内での外国人人材の活用に向けた受入体制の整備と多文化共生の取組が必要です。

4年間の対応方向・具体方策

移住・定住に係る関係団体で組織する移住定住推進会議チーム丹後による「丹後移住サポート事業」を推進します。

  • 市町をはじめとした関係団体と連携した移住支援
  • 受入地域の拡大と紹介・マッチング、空家改修支援、空き店舗の利活用など移住促進につながる取組を強力に推進
  • 企業、NPO、大学などが組織の応援団として地域と関わり、参加型住民(地域外ファン)や移住の取組が進むよう支援
  • 北部地域連携都市圏形成推進協議会が運営する京都府北部UIターンプロジェクト「たんたんターン」との連携推進

移住希望者の居住地を確保するための空家の確保に取り組みます。

  • 居住可能な空家物件を市町及び京都府の空家バンクへの登録を促進
  • 京都府移住の促進のための空家及び耕作放棄地等活用条例に基づく「移住促進特別区域」の拡大

移住者が、地域で安心して生活できるよう、住居の確保だけでなく、就業、修学、出産、子育て、地域での役割など、必要な情報提供など総合的な支援を実施します。

  • 移住受入地域でのスキルアップ研修等の実施
  • 先輩移住者が生の声を発信する移住セミナーの開催
  • 「丹後らしい暮らし」を体感できる移住者向けふるさと暮らし体感交流ツアーの実施

企業、NPO、大学などが組織の応援団として地域と関わり、二地域居住や移住の取組が進むよう支援します。

  • 参加型住民・応援隊という形で地域外からの協力も得て地域活動と経済活動に取り組む活動を支援

管内の在留外国人が安心して生活できるよう、市町等と連携し、様々な文化交流事業など多文化共生に向けた取組を支援します。

  • 市町と連携し、日本人住民と外国人住民のつながりの場を創出し、多文化共生の取組を推進
  • 外国人住民の生活や災害時の支援を行うサポート体制の整備

イ.地域企業等と連携した人材の確保・育成(戦略2)

現状分析・課題

  • 観光、ものづくり等の地域産業やバス等旅客運送業、医療・福祉分野など多くの分野・業種で人材不足が深刻化しており、人材確保・人材育成に取り組むことが必要です。
  • 過疎・高齢化が顕著な農山漁村地域では、次世代の地域の担い手確保が求められています。
  • 農業については、農家戸数の減少と高齢化が進行しており、特に中山間地域の水田地帯での担い手不足が顕著であり、耕作放棄地の増加が懸念されます。
  • 漁業への新規就業者数は、海の民学舎の取組等もあり増加傾向である一方、漁業経営体数は減少が続いており、新規就業の促進や個人経営体の育成など、次代の漁村を支え、経営を担う人材育成の推進が必要です。

4年間の対応方向・具体方策

就業支援機関、人材育成機関、産業支援機関、移住施策支援機関と協力し、企業や事業所の人員確保支援と人材育成を支援します。

  • 就業支援機関等と連携したセミナー、大学訪問等の取組を推進
  • 小学生等を対象にバスの乗り方講座等を通じた公共交通事業やその担い手のイメージアップにつなげる方策の実施(再掲)
  • 男性も女性も、また、あらゆる業種において働きやすい環境(インフラ・勤務体系)にするための支援
  • 市町や産業分野の枠を超えた外国人労働者等確保のための取組を推進
  • 府立医科大学附属北部医療センターにおける医師派遣機能の充実による医師不足への対応

農村の集落機能の維持に向けた、半農半Xや農福連携及び外国人労働者の雇用など、多様な人材を想定した担い手の確保を進めます。

  • ICT・AI・ロボット技術等に精通した若手農業者の育成のため、海の民学舎及び食人材学舎に専門カリキュラムの開設を検討
  • 国家戦略特区の認定を受けている「農業支援外国人受入事業」を活用した外国人の就農支援
  • 京都式農福(のうふく)連携事業の推進

集落営農組織が地域の中核となって、農地の保全及び地域の合意形成において活躍するための支援を行います。

  • 農業経営基盤強化促進法等に基づく「不明所有者のみなし同意」制度の活用による、農地の適正な相続・管理の促進及び再生可能農地の担い手への集積
  • 農業従事者以外の農村居住者が、農地の持つ多面的機能を意識し、保全活動に積極的に参加するような仕組みづくり

海の民学舎生などの意欲ある担い手に漁業が確実に承継され、経営力の高い生産者(漁業者・企業)が、意欲的かつ効果的な経営を実践し、活躍できる環境整備を推進します。

  • 漁業団体、沿岸市町と連携の上、海の民学舎運営事業を実施し、新規就業者の育成とチューター(指導役)の配置による新規就業者や若手漁業者への個別指導とサポートを継続

ウ.誰もが能力を発揮できる環境づくり(戦略3)

現状分析・課題

  • 女性の活躍できる環境づくりを一層進めるため、住民や企業等の意識改革や職場環境の更なる整備が必要です。
  • 子育て世代が安心して職場などで活躍できるよう環境整備が必要です。
  • 少子高齢化が進む丹後地域では、多くの高齢者が現役で農林水産業や織物業などに従事したり、地域コミュニティの担い手として活躍しています。
  • 人口減少や高齢化により、農村の集落機能が低下する中、持続的かつ自立的な農村コミュニティの実現に向けて、複数集落の連携を促します。また、地域活動や企画調整を担う組織と新たなコミュニティビジネスを展開する組織が相互補完できる体制整備や、都市住民や企業、大学等の多様な人材が持つ知識・スキルを地域に取り込むための仕組みづくりが必要です。
  • 障害者が安心して暮らし、更に地域の支え手となることが可能な環境づくりが必要です。

4年間の対応方向・具体方策

「輝く女性応援京都会議(地域会議)」等での取組の推進、ネットワークの拡充を図ります。(再掲)

  • 地域活動に参画する女性の人材育成や活動支援につながるワークショップやセミナー等の開催(再掲)

「子育て環境日本一」実現をめざし、子育て世代が安心して働くことができる環境づくりを推進します。

  • 「子育て環境日本一」実現をめざした「職場づくり行動」運動を展開し、ライフスタイルに応じた多様な働き方を支援
  • 育児と仕事の両立を支援する病児・病後児保育施設の設置と広域化(再掲)

就労意欲のある高齢者が持つ技術・能力の活用・継承に努めます。

  • シルバー人材センターの運営支援などを通じて、高齢者が持つ技術・経験の積極的な活用及び次世代への承継のための取組を支援

農村コミュニティ組織の構築のため、地域活動をしている組織と収益事業をしている団体が一体となった共同体の設立を支援します。

  • 地域活動と収益活動を一体化した「農村コミュニティ推進組織」を設立し、法人化をめざす取組を支援

地域活動や企画調整を担う組織と新たなコミュニティビジネスを展開する組織が相互補完できる体制整備への支援を行います。

  • 「農村コミュニティ推進組織」への「里の仕事人」の伴走支援

関係人口の確保など地域に必要な人材を多様な手法により確保する取組を進めます。

  • 都市部のビジネスマンが一定期間丹後に滞在し、地域企業や課題について理解を深める「アクティブワーキング」の実施
  • サテライトオフィスや移住者向け住宅等、空家活用を促進する専門組織の設置に向けた取組の推進

高齢者・障害者がサービス提供の主体となる多様なサービスを創出します。

  • 農福連携の推進による就労促進や障害者福祉事業所における新商品開発、販路開拓による工賃向上の支援
  • 高齢者が多様な場面で活躍できる取組の推進(第1次産業事業者などとのマッチング、シニア観光ガイドの養成)(再掲)

企業、NPO、大学などが組織の応援団として地域と関わり、二地域居住や移住の取組が進むよう支援します。(再掲)

  • 参加型住民・応援隊という形で地域外からの協力も得て地域活動と経済活動に取り組む活動を支援(再掲)

エ.丹後の未来を担う人づくり(戦略4)

現状分析・課題

  • 地域と学校との連携・協働体制を導入し、学校を核とした地域力の強化を図るため、社会教育法等の一部改正が施行され、学びによるまちづくりや地域人材育成等の取組を通じて、地域社会全体の活性化を図ることが一層重要となっています。
  • 都市部に比べて地域内の社会資源や人材が点在しており、ネットワークの充実や有効な情報提供・共有を行っていくため支援が必要です。
  • 地域内の食育の取組は小規模で、取組相互間の連携が少ない状況があり、学校現場での取組が中心で家庭や地域全体としての広がりが少ない課題があります。
  • 平成30年(2018年)にNPO法人国際ボランティア学生協会(通称:IVUSA(イビューサ))と丹後広域振興局との間で包括連携協定を締結し、年間延べ200名を超える大学生ボランティアが管内で活動していますが、一部の地域のみでの活動となっており、更なる取組の広がりが望まれます。

4年間の対応方向・具体方策

丹後で育つ子どもたちの育成と郷土愛醸成の取組を進めます。

  • 丹後で生まれ育つ子どもたちがふるさと丹後に誇りと愛着を持ち、健康で人間性豊かで社会に貢献できる人材として育むための教育の推進
  • 家庭の教育力の向上、子どもたちを包み込む「はぐくみの環境づくり」を支えるネットワークやサポート体制の更なる充実(再掲)

未来の農山漁村を支えるため、子どもたちや都市部の住民等に農林水産業や農山漁村の魅力を発信するとともに農業分野以外の企業や都市部住民が丹後の農林水産業や農山漁村地域を支える仕組みづくりを進めます。

  • 農村漁村での協働活動に地域コミュニティの一員として参加する「参加型住民づくり事業」、子どもたちが農業農村の多面的機能を学習・体験する「ふるさと発見隊」、都市住民がふるさとの守り手として参加する「さとボラ」、学校と農村地域が連携する「教育実践パートナーシップ活動の実施」、府民参加で森を守り育てる京都モデルフォレスト運動の推進

食育を通じた未来の丹後を担う人づくりを進めます。

  • 地域住民一人ひとりが丹後地域への愛着を深めるとともに、丹後の食文化を他の地域にも発信できるよう地域全体が一体となった、丹後ならではの食育、関連企業と高校生の連携等の推進
  • 地域内の食育活動のネットワーク化と地域で中心となって食育を推進する中核的な食育ボランティアの育成
  • 道の駅丹後王国「食のみやこ」などを活用し、高校生を対象に地元の食関連企業と連携した商品開発・販売実習、インターンシップや講師派遣などの人材育成プログラムを実施

地域と大学生との協働事業を推進し、地元の中高生との交流による地域課題の解決と未来を担う人づくりを進めます。

  • 地域団体と大学生ボランティアなどが協働した取組の推進
  • 大学生ボランティア等と地元中高校生等が連携した地域課題解決事業

 

丹後地域振興計画(音声読み上げ3)に続く

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