トップページ > 府政情報 > 府政運営・行財政改革 > 京都府総合計画詳細版【南丹地域振興計画】(音声読み上げ2)について

ここから本文です。

京都府総合計画詳細版【南丹地域振興計画】(音声読み上げ2)について

施策の基本方向(基本的な視点、4年間の対応方向)

京都丹波では、「めざすべき将来像」の実現に向け、次のことを基本的な視点として取り組んでいきます。

施策推進の基本的な視点

京都丹波の強みである「食」、「自然・歴史文化」、「スポーツ」を生かし、オール京都丹波で地域活性化と交流拡大を推進

良質の食材や農林水畜産物、豊かな自然や伝統ある文化、自然を生かしたアウトドアスポーツ等、京都丹波が持つ強みを生かすことを常に意識しながら、あらゆる主体と連携して、オール京都丹波で施策展開を図ります。

人権が尊重され、誰もがその能力を発揮でき、住み続けたいと実感できる共生社会を構築

一人ひとりがお互いに相手の立場を理解し、思いやる心を持つとともに、人権が尊重され、女性や高齢者、障害者等をはじめ、誰もがその能力を発揮し、住み続けたいと実感できる「共生の京都丹波」を構築します。

1.京都丹波の地域資源を生かした交流・活力のまちづくり

基本的な考え方

  • 京都丹波には、豊かな里山などの自然環境・景観、伝統的な建造物、芸能、祭りなどの文化財、優れた食材や農林水畜産物等のキラリと光る地域資源が豊富にあります。また、京都縦貫自動車道の全線開通や京都丹波高原国定公園の指定、京都スタジアムの建設等、地域の活性化を支え、交流を促す基盤が整いつつあります。
  • さらに、令和2年(2020年)開催の東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会では亀岡市と京丹波町がホストタウンに、令和3年(2021年)開催のワールドマスターズゲームズ2021関西では地域内の全ての市町が会場となっています。また、令和2年(2020年)にはこの地にゆかりのある明智光秀が主人公の大河ドラマ「麒麟がくる」が放送されるなど、更なる誘客が見込まれています。
  • 豊かな地域資源の保存・継承に取り組みつつ、新たに整備された交流基盤やビッグイベントを活用しながら、森の京都DMOとの連携の下、京都丹波ブランドを国内外に広く浸透させて、地域外から人を呼び込み、来訪者を周遊・滞在型観光につなげ、地域の賑わいづくりに結び付く施策を積極的に展開します。

現状

【観光入込客数・観光消費額】

京都丹波への観光入込客数は概ね順調に増加しているが、一人当たり観光消費額は微増

  • 観光入込客数:2013年は5,999,000人、2018年は7,867,000人(約1.3倍に増加)
  • 観光消費額:2013年は1,684円、2018年は1,759円(微増)

【地域資源】

多くの観光客を惹きつける名所・旧跡、景観が存在

  • 国定公園:京都丹波高原
  • 日本風景街道:美山かやぶき由良里街道、西の鯖街道
  • 京都府景観資産:まほろば・亀岡かわひがし、琴滝
  • 京都の自然200選:保津峡、るり渓、質志鍾乳洞

歴史的な行事や伝統芸能が数多く伝承

  • 亀岡市:亀岡祭山鉾行事、佐伯灯籠
  • 南丹市:田原の御田、田歌の神楽
  • 京丹波町:和知人形浄瑠璃、丹波八坂太鼓

【食】

米、豆、野菜、畜産を中心とした府内有数の産地

  • 丹波産キヌヒカリ:3年連続「特A」を獲得(2016年度~2018年度)
  • 京のブランド産品(農産物)の出荷額:2018年度は府全体の約44%(6.1億円)
  • 畜産物産出額(推計):2017年は府全体の約38%(52.2億円)
  • 農産物直売所の販売金額:2013年度は16.9億円、2018年度は23.4億円(約1.4倍に増加)

【木材】

京都丹波の森林面積は広大で、府内で最も林業の盛んな地域だが、近年生産活動は低迷

  • 南丹広域振興局管内総面積に占める森林面積の割合:82.6%
  • 府全域の森林面積に占める南丹広域振興局管内森林面積の割合:27.6%
  • 年間木材生産量:2012年は75,674立方メートル、2017年は59,663立方メートル(約5分の4に減少)

【大規模な交流基盤施設】

高速道路網の充実によりアクセスが飛躍的に向上し、スポーツや観光の振興に資する広域の集客施設が整備

  • 京都縦貫自動車道:2015年全線開通
  • 京都トレーニングセンター:2016年オープン
  • 京都丹波高原国定公園ビジターセンター:2018年オープン
  • 京都スタジアム:2020年オープン予定

【スポーツ】

豊かな自然環境を生かした様々なアウトドアスポーツ

  • パラグライダー、ラフティング、サイクリング、ツリークライミング、カヌー、トレッキング

地形を生かした大規模なスポーツ大会

  • 京都亀岡ハーフマラソン(亀岡市)
  • 京都丹波トライアスロン大会in南丹、京都美山サイクルロードレース(南丹市)
  • 京都丹波ロードレース大会、全京都車いす駅伝競走大会(京丹波町)

大規模な国際スポーツ大会

  • 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のホストタウン:亀岡市(オーストリア・空手競技)、京丹波町(ニュージーランド・ホッケー競技)
  • ワールドマスターズゲームズ2021関西の競技会場【公式競技】南丹市(デュアスロン)、京丹波町(ゲートボール)【オープン競技】亀岡市(スポーツクライミング)
  • 海外も含め多くの参加者が来訪見込み(開催期間17日間、大会目標参加者数5万人)

ア.豊かな自然・歴史文化や食、木材など京都丹波ブランドの更なる魅力発信

(1)京都丹波ブランドを全面に出したイメージ戦略を推進します。

1.様々なイベント名や広報物等に京都丹波を冠するなど、京都丹波の名称が使用されるようにすることで、京都丹波の地域ブランドをより一層普及・浸透させ、国内はもとより世界に向けて京都丹波を発信します。

2.京都丹波産の食材や木材等を使った料理や製品を積極的に提供する店舗や、京都丹波の農林水産業・自然・文化を体験できる施設やツアー等の登録制度を新たに創設するとともに、ブランド統一マークを制定し、地域総ぐるみで京都丹波ブランドを発信します。

(2)京都丹波の豊かな地域資源を生かした賑わいづくりを推進します。

3.大都市部の子どもたちと保護者の方に、京都丹波の魅力に触れ、地域のファンになってもらえるよう、京都スタジアムや京都トレーニングセンターなどを活用し、スポーツで身体を鍛え、食を味わい、自然・歴史文化を学ぶ「京都丹波まるごと体感ツアー」の取組を推進します。【横断プロジェクト『食』、『自然・歴史文化』、『スポーツ』】

4.市町やNPO等地域活動団体、企業などとともに、オール京都丹波で、食や自然・歴史文化、スポーツなど京都丹波の魅力を体感できるイベントを開催し、京都丹波の魅力を広く発信します。【横断プロジェクト『食』、『自然・歴史文化』、『スポーツ』】

5.インスタ映えスポットの発掘・紹介や、京都丹波の魅力をテーマにしたインターネット上での句会・写真展の開催により、インスタグラムやフェイスブックなどSNSを活用した“京都丹波ファン”による地域の魅力発信を促進します。

6.京都丹波の観光モデルコースを紹介するプロモーション動画を作成し、京都スタジアムや8つの道の駅等の観光・交流拠点に設ける「京都丹波PRコーナー」で情報発信するとともに、「道の駅スタンプラリー」と連携し、周遊・滞在型観光を推進します。【横断プロジェクト『食』、『自然・歴史文化』、『スポーツ』】

7.市町の資料館や博物館等と連携して、住民自らが地域の魅力を再発見し、郷土愛の醸成につながる企画展や常設展の開催を促進します。

また、京都丹波全体を“野外博物館”と見立て、森の京都DMOや観光協会、商工関係団体等と連携して、交流拡大や地域振興の担い手となる“地域学芸員・語り部”を育成します。【横断プロジェクト『自然・歴史文化』】

8.京都丹波の生産者と有名ホテルの料理人によるグルメの集いなど、地域ならではの食を味わいながら、その背景の歴史・文化・風土を含めて楽しむ「ガストロノミーツーリズム」の取組を推進します。【横断プロジェクト『食』、『自然・歴史文化』】

9.里地・里山文化の発信拠点である京都丹波高原国定公園ビジターセンターや、芦生の森、美山かやぶきの里などの観光資源を生かし、森の京都DMOと連携して、食や森林浴、文化体験などを盛り込んだ新たな観光ルートや着地型旅行商品の開発、観光プロモーションを行います。【横断プロジェクト『食』、『自然・歴史文化』】

10.森の京都地域の歴史的魅力や文化・伝統を生かした地域づくりを一層推進するため、「都を支えた丹波・北山と保津川文化」をテーマに日本遺産の認定をめざします。【横断プロジェクト『自然・歴史文化』】

11.若者や地元住民、他の地域の住民から広くアイデアを募集するコンテストを実施して、新たな観光資源を発掘し、森の京都DMOと連携して周遊・滞在型観光ツアーの造成・実施に取り組みます。

12.地域アートマネージャーや地域の文化団体等と連携し、京都丹波の自然や歴史文化を生かしたアーティスト・イン・レジデンスの活動に取り組むなど、地域の活性化を推進します。【横断プロジェクト『自然・歴史文化』】

13.地域内の高等教育機関に在籍する学生に京都丹波の魅力を知ってもらえるよう、講師派遣等により地域の歴史文化を学ぶ機会を創出するとともに、同窓会等を通じて地域情報を発信するなど、卒業後も地域への関心を持ち続けることができる取組を進めます。

イ.京都スタジアムを核にしたまちの賑わいづくり、スポーツ観光の推進

14.京都スタジアムにVR・eスポーツの環境を整備し、新たなスポーツ体験を提供するほか、バーチャルで京都丹波を旅するプロモーション動画を上映するなど、京都スタジアムをゲートウェイとして、京都丹波全体への誘客を促進します。【横断プロジェクト『スポーツ』】

15.大河ドラマ「麒麟がくる」の放送を契機に、京都スタジアムに設置される大河ドラマ館などを活用し、光秀ゆかりの城めぐりなどのテーマ性を持った広域観光を、京都丹波観光協議会や大丹波(だいたんば)連携推進協議会等と連携して推進します。【横断プロジェクト『自然・歴史文化』】

16.京都スタジアムの集客機能を生かし、亀岡市等と連携して、地域住民の生活にも配慮しつつ、商店街の活性化や賑わいづくりなどを推進します。

17.JR千代川駅付近に新たな観光拠点を整備の上、千代川から保津までの新たな川下りコースを開発し、京都スタジアムの集客につなげるとともに、観光客の更なる周遊を促進します。

18.京都市内の各駅や観光スポット等において、パブリックデジタルサイネージ等を活用して、京都スタジアムや京都丹波の魅力をPRして誘客を図ります。

19.京都舞鶴港や関西国際空港等を利用して京都市を訪れるインバウンド旅行者を京都丹波へ呼び込むため、京都府観光連盟や森の京都DMOと連携し、京都丹波観光協議会において海外向けのPRを行うとともに、観光関連施設に翻訳対応タブレット端末を整備し、観光情報や災害発生時の避難情報を多言語で提供します。

20.地域内の全ての市町が「京都サンガ・ホームタウン」であるという利点を生かし、少年サッカー教室の開催や地域のお祭りへの選手の参加等により、地域の交流や賑わいづくりを図ります。【横断プロジェクト『スポーツ』】

21.都市近郊でパラグライダーやラフティング、サイクリングなど数多くのアウトドアスポーツが楽しめる京都丹波の特徴を生かし、京都丹波・まるごとスタジアム化推進協議会による活動を通じ、食や歴史文化等の地域資源を組み合わせた「スポーツ観光」を推進します。【横断プロジェクト『食』、『自然・歴史文化』、『スポーツ』】

22.東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のホストタウンについては、開催期間中はもとより、大会終了後も参加国との交流が維持されるよう、交流事業等の取組を支援します。【横断プロジェクト『スポーツ』】

23.ワールドマスターズゲームズ2021関西や京都丹波トライアスロン大会in南丹など世界規模のスポーツ大会の開催を捉え、商店街等と連携した地域の賑わいづくりに取り組むとともに、国内外から集まる参加者に地域の魅力を体感できる滞在プランを提案し、“京都丹波ファン”を増やします。【横断プロジェクト『スポーツ』】

2.人権が尊重され、希望を持って元気に暮らせる地域づくり

基本的な考え方

  • 地域が抱える様々な課題を解決していくためには、何よりもまず、一人ひとりの人権が尊重され、多様な主体が参画できる社会を形成することが必要です。近年、インターネット上の人権侵害やヘイトスピーチ、LGBT等性的少数者に関する問題など、人権に関わる新たな課題が顕在化しており、引き続き、人権問題に対する啓発や相談体制の確保に取り組みます。
  • また、地域活動の活性化を図るため、NPO等地域活動団体や地域住民等様々な主体の協働・連携や、自発的な活動を支援するとともに、誰もが能力を生かして暮らせる地域社会の実現をめざし、女性や高齢者等の交流の場の提供や障害者の生活支援・社会参画等を推進します。
  • さらに、京都丹波では、高齢化が府全体を上回るスピードで進展しており、要介護認定者や認知症高齢者の増加に伴い、介護や在宅生活に関する問題が顕在化しています。このため、地域内の医療・介護・福祉の関係機関が連携し、地域包括ケアの取組を更に進めていくとともに、京都丹波の豊かな自然環境や京都トレーニングセンターなどのスポーツ資源を生かして生涯にわたる健康づくりを進めます。

現状

【住民主体による地域づくり】

府とNPO等地域活動団体などが協働・連携して地域課題解決に取り組むプラットフォーム数

2013年度は14件、2018年度は34件

【高齢化率の推移】

35年間で20.9ポイント増の見込み(府内:15.9ポイント増の見込み)

(単位:%)

  2005年 2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年

南丹

21.3

24.5

29.6

33.3

35.6

37.5

39.4

42.2

府内

20.2

23.4

27.5

29.5

30.3

31.5

33.2

36.1

【要介護(要支援)認定率の推移】

10年間で2.9ポイント増の見込み(府内:4.4ポイント増の見込み)

(単位:%)

  2015年度 2020年度 2025年度

南丹

17.8

18.5

20.7

府内

19.5

21.1

23.9

【65歳以上人口に占める認知症高齢者の割合の推移】

10年間で3.6ポイント増の見込み(府内:5.5ポイント増の見込み)

(単位:%)

  2015年 2020年 2025年

南丹

15.8

17.2

19.4

府内

14.9

17.4

20.4

注意:京都府南丹広域振興局による実態把握

【健康づくり】

府内平均を下回る日常の運動状況(出典:平成28年京都府民健康・栄養調査)

  • 日常生活における1日平均歩行数:2016年の南丹は6,310歩、府内は6,711歩
  • 運動習慣のある者(1回30分以上の運動を週2日以上実施し、1年以上継続している者)の割合:2016年の南丹は34.3%、府内は37.4%

目標を下回る食物・栄養素等の摂取状況(出典:平成28年京都府民健康・栄養調査)

  • 1日当たり野菜摂取目標350gに届かない者の割合(20歳以上):2016年の男性は70.8%、女性は73.1%
  • 1日当たり食塩摂取目標(男性8g未満、女性7g未満)に届かない者の割合(20歳以上):2016年の男性は74.2%、女性は73.1%

ア.女性や高齢者、障害者等誰もが生き生きと暮らせる地域づくり

(1)部落差別や、女性、障害者等に対する差別等、様々な人権問題の解決に向けた施策を推進します。

1.部落差別や、女性、障害者等に対する差別、ヘイトスピーチ、LGBT等性的少数者の問題など様々な人権課題に対して、人権強調月間や人権週間での街頭啓発、市町の実施する啓発事業への支援や、人権問題法律相談などにより、効果的な啓発や相談体制の確保に取り組みます。

(2)NPO等地域活動団体やボランティア等との協働による地域づくりを推進します。

2.持続的な地域活動を進めるため、NPO等地域活動団体の交流会や地域活動に役立つセミナーの開催、地域内の多様な高等教育機関の学生による地域活動の促進など、市町と連携し、京都丹波パートナーシップセンターの取組を充実させます。

3.住民主体の地域課題解決の取組を「地域交響プロジェクト交付金」により支援するとともに、介護予防や子育てなど、地域の支えが特に必要な取組については、「パートナーシップ・ミーティング」でのNPO等地域活動団体同士の意見交換等を通じて、ブラッシュアップを図ります。

4.ワールドマスターズゲームズ2021関西をはじめ、地域内で開催される全国規模のスポーツ大会等の運営に協力するボランティアが、これを機会に京都丹波の様々な地域活動にも関わってもらえるような仕組みづくりを進めます。【横断プロジェクト『スポーツ』】

5.亀岡市の「セーフコミュニティ」の活動を支援するとともに、京都丹波全域に「セーフコミュニティ」の理念を広げ、安心・安全な地域づくりを進めます。

6.地域の高齢者や障害者、児童等、配慮を要する人たちを、交通安全、防災、防犯の観点も含め、地域全体で見守るシステムの構築や、通院・買い物等での高齢者の移動支援などに取り組むNPO等地域活動団体の活動を支援します。

また、MaaS(Mobility as a Service(マース(モビリティ・アズ・ア・サービス))、出発地から目的地まで、利用者にとっての最適経路を提示するとともに、複数の交通手段やその他のサービスを含め、一括して提供するサービス)などの導入による地域内の移動・交通手段の確保を支援します。

7.NPO等地域活動団体との協働により、子どもたちがイベントで和太鼓等を発表する場を提供したり、高校や企業との協働により、子ども向けものづくり体験会を開催したりするなど、様々な文化体験や社会体験を通じた次世代の育成に取り組みます。

8.京都丹波の子どもたちの作品を一堂に展示する「京都丹波美術工芸教育展」をはじめ芸術分野やスポーツ分野において校区や校種、年齢を超えた交流を行うことにより、次世代の地域づくりの担い手を育成します。【横断プロジェクト『スポーツ』】

(3)女性や高齢者が生き生きと暮らせるまちづくりを推進します。

9.女性や高齢者がいつまでも生き生きと暮らせるよう、行政とNPO等地域活動団体とのネットワークを構築し、就労やボランティア活動、スポーツ・文化活動、相談窓口などの情報の提供や交流の場を提供します。

10.女性や高齢者の「起業」のニーズを踏まえ、商工関係団体や地元金融機関等との協働による相談や研修会等の開催を通じた「起業」の支援を行います。

(4)障害者の生活支援・社会参画を推進します。

11.農福連携の拠点であるきょうと農福連携センター中サテライトに技術的な支援を行うとともに、チャレンジ・アグリ認証を進めることにより、障害者の就労支援と収入の向上を図ります。

また、福祉事業所等が丹波くり栽培など農業に参入する取組に対して、技術指導を実施します。【横断プロジェクト『食』】

12.南丹圏域障害者総合相談支援センター「結丹(ゆに)」や障害児者総合支援ネットワーク「ほっとネット」を核として、障害者のライフステージ全般にわたる総合支援体制の充実を図り、障害者が住み慣れた地域で自立した生活を送れるよう支援します。

13.障害者の収入増を図るため、オリジナルブランド「ぬくもり京都丹波」等の商品の販売促進を強化します。

14.みずのき美術館が行う障害者による「アール・ブリュット」の創作・発表の場の提供や、丹波自然運動公園で開催される全京都車いす駅伝競走大会への運営協力などを通じて、障害者の文化芸術やスポーツの振興を図ります。【横断プロジェクト『スポーツ』】

イ.スポーツ資源等を生かした健康長寿の地域づくり

(1)「健康の森プロジェクト」を推進します。

15.京都スタジアムや丹波自然運動公園などを活用し、球技やクライミングなどのスポーツに親しめる場を提供することにより、健康づくりとスポーツの振興を進めます。また、京都トレーニングセンターにおいて、明治国際医療大学等と連携して、スポーツ医・科学サポート機能を充実し、将来のトップアスリートを発掘・育成するとともに、ジュニア世代からの競技力を強化します。【横断プロジェクト『スポーツ』】

16.企業や大学等の食堂において、京都丹波の地場野菜やジビエ等を活用した食事の提供を促進するとともに、適切な量と質の食事を選択できる「けんこう食堂化プロジェクト」を推進し、食を通じた健康づくりを進めます。【横断プロジェクト『食』】

17.野菜たっぷりで、減塩や低栄養予防に配慮した「なんたん・かんたん・やさい料理レシピ」を農産物直売所等で配布するとともに、ホームページにおいて普及啓発を行い、心疾患、腎疾患、糖尿病の予防を進めます。【横断プロジェクト『食』】

18.誰もが健康づくりに取り組めるよう、「京都丹波の森のウォーキングコース」のルートや交通手段等の情報を分かりやすく発信するとともに、各種イベントにおける体験ウォーキングの実施や健康出前講座でのコース紹介により普及を図るなど、森の京都の豊かな自然や歴史文化を生かした健康づくりを推進します。【横断プロジェクト『自然・歴史文化』】

19.子どもから高齢者まで気軽に参加でき、親しみやすいスポーツ・レクリエーション活動を含めた様々なスポーツを継続的に楽しめる総合型地域スポーツクラブの取組を支援し、体力づくり・健康づくりを推進します。【横断プロジェクト『スポーツ』】

20.住民主体の介護予防を推進するため、「なんたん元気づくり体操」や「お口の健康体操」、適切な栄養・食事の摂り方を普及し、総合的な健康づくりを進めます。

(2)京都式地域包括ケアを推進します。

21.がん、脳卒中、心筋梗塞等、主要な疾病に応じて、急性期から回復期、在宅療養に至るまで、切れ目なく医療が提供できるよう、地域医療支援病院である京都中部総合医療センターを軸にした圏域医療機関の医療分担を図り、地域の実情に即した広域的な地域医療連携体制の整備を進めます。

22.認知症になっても本人の意思が尊重され、住み慣れた地域で安心して暮らせるように、認知症の初期から重度までの医療・介護サービスの提供や地域でのサポートを行う「認知症ケアセンター」の開設をめざします。

23.医療従事者及び介護従事者等の人材の不足や偏在を解消するため、医療と介護・福祉分野を一体化した人材確保の取組を推進するとともに、市町が行う人材フェアの開催を支援します。

24.京都丹波福祉職場応援プロジェクト促進会議を中心に、介護ロボットや見守り機器を展示し体験してもらう「福祉機器体験型セミナー」の開催や、「京都丹波福祉職場応援ムービー」の製作等の取組を通じて、福祉職場の負担軽減を促進するとともに、人材の確保を図ります。

25.オール京都丹波で健康長寿や地域包括ケアを推進するため、「なんたん元気づくり体操」を普及するリーダーを育成するとともに、地域の健康・介護に関するデータの分析結果等を提供し、市町の地域支援事業を支援します。

3.明日の京都丹波産業を担う人づくり

基本的な考え方

  • 京都丹波は、京阪神地域等へのアクセスの良さを背景に、高い技術力を有する多種多様なものづくり企業が集積しており、農林水産業においてもブランド京野菜や畜産物の生産が盛んな地域です。また、地域内には様々な専門分野にわたる特色ある高等教育機関が数多く立地しており、産学公連携の取組が進みつつあります。
  • 一方で、中小企業を中心に人材不足が一段と深刻化しています。また、農林水産業では、農家の減少や高齢化が進んでおり、新規就農者や後継者の確保・育成が最大の課題となっています。
  • このような中、地元企業等と連携した人材育成を進めるとともに、省力化をめざしたロボット技術導入による人材不足の解消に取り組みます。併せて、産学公連携や企業間のマッチングによりイノベーションを促進し、若者に魅力ある企業を育成します。

また、農林水産業でも、IoT等の先端技術導入による生産拡大や品質向上、ブランド化による販路拡大を進め、「儲かる産業」とすることで、就農意欲の向上を図るとともに、新規就農者の経営や、若手後継者の経営革新の支援を一層強化します。

なお、とりわけ人材不足が深刻な林業については、林業大学校や地元の林業事業体等とも連携し、森の京都推進の原動力となる林業の担い手育成と地元雇用の促進に取り組みます。

現状

【ものづくり産業】

機械金属、電気・電子、食品等をはじめ多様な業種のものづくり企業が集積

  • 製造品出荷額等は増加傾向:2007年は3,311億円、2017年は3,562億円(7.6%増)

【高等教育機関】

多様な高等教育機関が集積

  • 4大学:京都先端科学大学、明治国際医療大学、京都医療科学大学、京都美術工芸大学
  • 4大学校等:京都伝統工芸大学校、京都建築大学校、林業大学校、公立南丹看護専門学校

【農林水産業】

農業就業人口は5年間で約1割減少

  • 2010年は6,575人、2015年は5,883人

林業労働者数は10年間で約5割減少

  • 2008年は228人、2018年は111人

林業経営体は10年間で約5割減少

  • 2005年は1,294戸、2015年は646戸

家畜飼養者戸数は10年間で約7割減少

  • 2008年は500戸、2018年は162戸

ア.教育機関や地元企業、関係団体等と連携・協働した人材育成・確保

1.地域の企業や高等教育機関等との産学公連携を進め、AIやIoT等の先端技術に対応できる人材や、地域の農林水産資源を生かしたものづくり、伝統技術等を活用したものづくりなど様々な分野に関わる人材の育成・確保を支援します。

2.京都丹波中小企業支援Aチームが地域内企業を訪問し、商品開発や販路開拓などの助言、人材育成などトータルな支援を一層進めます。

3.南丹高等学校テクニカル工学系列と地元パートナー企業との連携を促進し、地域ぐるみでものづくりを担う人材の育成、製造現場を支える技術・技能の伝承を支援します。

4.持続可能な地域農業を実現するため、集落営農組織や農企業者等が取り組む加工・販売や法人化の支援を進めるとともに、就業者の育成・確保を支援します。

5.農芸高等学校が進めるグローバルGAPやスマート農業の取組を支援するとともに、企業等との連携を図り、農業・農村の担い手となる人材を育成します。

6.林業大学校と地元の森林組合や林業事業体が連携し、インターンシップを受け入れることにより、林業大学校で育成した担い手の地元雇用を促進します。

7.若手畜産農家を対象とした経営研修等の開催により、京都産和牛(繁殖、肥育)の生産拡大や販路開拓、加工品開発など積極的な経営を展開し、畜産業の未来を担う人材を育成します。

イ.特色ある高等教育機関の集積や立地条件を生かした商工業振興

8.京都先端科学大学等の高等教育機関や企業との産学公連携により、国家戦略特区制度等を活用して規制緩和を進め、ドローンによる災害調査、測量など新技術の研究開発・実証実験を支援します。

9.優れた技術や知見を有する京都美術工芸大学や京都伝統工芸大学校と、京都新光悦村をはじめ地域内の企業とのマッチング機会を提供し、京都の伝統や文化を生かしたものづくりを進めます。

10.最先端の研究開発を行っている大手企業と優れた技術を持つ地域内の中小企業等のマッチングを促進して、医療、伝統工芸、健康、スポーツ、バイオなどの様々な分野で、地域内企業の受注拡大や大手企業との共同開発を支援します。

11.高速道路網や企業集積を生かして、新たな商業施設や物流拠点等の整備を支援するとともに、多様な分野の企業誘致を進めて、継続的な地域内経済の好循環を作り出していきます。

12.商店街創生センターと連携し、地域内の企業やまちづくり団体など多様な主体のネットワーク化を進め、地域住民がふれあえるコミュニティの場として商店街の振興を図ります。

ウ.京都丹波ブランドを支える特産農産物等の生産拡大・品質向上

13.食味ランキングで3年連続特Aを獲得している米(キヌヒカリ)や黒大豆、小豆、京野菜など日本を代表する農畜産物の生産拡大と品質向上を図るとともに、農作業の省力・軽労化を促進するため、スマート農業実証コンソーシアムにおいて、国営ほ場整備農地で自動運転機器等を導入する実証事業に取り組み、スマート農業を推進します。

14.「有機農業サロン」で研修会や情報交換会等を開催するとともに、エコファーマーの認証や京都こだわり生産認証システムを普及することにより、環境に優しい農業を推進します。

15.丹波くりの振興を図るため、京都府丹波くり振興戦略会議を核として、里山や休耕田及び耕作放棄地を有効利用した新規くり園づくりや新規参入を支援するとともに、大丹波(だいたんば)連携推進協議会や森の京都DMOと連携し、くり拾い体験等を通じた観光振興や、販路の拡大に取り組みます。【横断プロジェクト『食』】

16.林業の振興を図るため、次世代建材である直交集成板(CLT)等の大型加工施設の建設を支援するとともに、材料となる間伐材等丸太を安定供給できるよう、森林組合等と連携して生産量の増加を図り、地域産木材の利用拡大を促進します。

17.経営管理が行われていない森林の所有者と林業の担い手をつなぐシステムである「森林経営管理制度」の円滑な運用を図るため、仲介役となる市町や、森林組合等の林業事業体を支援し、適切な森林の管理と整備を促進するとともに、森林資源の活用拡大を図ります。

18.未利用の間伐材や製材端材等を、チップや木質ペレット、薪として加工し、木質バイオマスエネルギーとして利用拡大を図るとともに、森の京都DMOと連携して、バイオマスツアーを開催するなど、バイオマス利用についての理解を広めます。

19.京都丹波の内水面漁業の振興のため、市町等の関係機関と連携し、全国的に名高い“美山川の鮎”をはじめ、良質な鮎の増殖や販路の拡大を支援するとともに、観光資源として活用するために、効果的なPRを図ります。【横断プロジェクト『食』】

20.畜産・耕種農家からなる「飼料用米生産利用推進研究会」の耕畜連携を支援するため、畜産センター、農業改良普及センター及び農林センターが連携して、飼料用米の低コスト・多収栽培の研究・普及拡大に取り組むとともに、良質な堆肥を供給し、資源循環型の農業を促進します。

4.オール京都丹波による移住・定住プロジェクトの推進

基本的な考え方

  • 少子高齢化や人口減少の著しい進展により、労働力人口の減少や地域コミュニティの担い手不足等が深刻になり、地域の活力の維持・発展が困難になるといった問題が顕在化しています。
  • 今後、持続可能な地域づくりを進めていくためには、地域外から人を呼び込む移住を促進するとともに、移住者や若者がいつまでもこの地域に住み続けたいと思える取組を進めることが必要です。

また、仕事や子育ては、移住者にとって最大の関心事であることから、特にこの分野に重点的に取り組むことが、移住・定住の取組を進める上で重要です。

  • 大都市に近く暮らしやすいという京都丹波の強みを生かした移住・定住施策を推進することとし、とりわけ移住希望者が多い30歳代の地元出身者を主なターゲットとしたUターン施策を地元企業とも連携しながら取り組みます。

また、子育てしやすい地域は、全ての世代にとっても暮らしやすい地域であり、移住・定住を考える上で魅力となることから、「子育て環境日本一」の実現をめざして、地域全体で子育てを支援する「子育て文化」の醸成に取り組みます。

併せて、地域の魅力を再認識する取組を通じて、若い世代が地域への愛着や誇りを持ち、定住が進む地域づくりを進めます。

現状

【移住・定住の促進】

人口の推移

30年間で約3割減の見込み(府内:約15%減の見込み)

(単位:千人)

  2010年 2020年 2030年 2040年

南丹

143

130

115

98

府内

2,636

2,574

2,431

2,238

【生産年齢人口の推移】

30年間でほぼ半減の見込み(府内:約27%減の見込み)

(単位:千人)

  2010年 2020年 2030年 2040年

南丹

89

72

59

47

府内

1,654

1,519

1,410

1,203

京都丹波移住・定住促進協議会や移住コンシェルジュ等と連携し、移住・定住の取組により、移住者数は増加

  • 移住者数:2015年度は23人、2018年度は188人

【都市農村交流の促進】

農家等への教育体験旅行の受入れ

  • 旅行受入数:2011年度は340人、2018年度は4,348人(約12.8倍に増加)

【子育て支援対策の推進】

出生数の推移

10年間で23.6%減(府内:14.2%減)

(単位:人)

  2007年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年

南丹

1,089

983

946

902

889

832

府内

21,597

20,106

19,583

19,662

19,327

18,521

子育てピアサポーター、子育て支援リーダーの育成の状況

  • 子育てピアサポーター74人、子育て支援リーダー147人(2018年度末)

きょうと子ども食堂(2018年度補助対象)4箇所

こどもの居場所(2018年度補助対象)2箇所

きょうと子育て応援パスポート協賛店舗数:281店舗(2019年7月末)

ア.「森の京都・京都丹波ライフスタイル」の発信

(1)オール京都丹波による移住・定住の取組を推進します。

1.京都丹波移住・定住促進協議会と京都丹波中小企業支援Aチームが連携し、移住者への就労機会の提供に積極的に取り組む地域内の企業を「京都丹波Uターン応援隊企業」として、企業の魅力や採用情報を一元的に情報誌やWebサイト等で発信します。

2.30歳代でUターンを考えている人と先輩Uターン者との交流会を開催し、Uターンの不安や悩みに対してアドバイスを与えるグループワーク等を実施します。

3.既移住者の暮らしぶりや移住のノウハウ、地域の魅力などを伝えたり、京都丹波の自然を体感したりしてもらうセミナーや相談会を開催することなどにより、「森の京都・京都丹波ライフスタイル」を発信します。【横断プロジェクト『自然・歴史文化』】

4.海外から移住してきた外国人を支援するため、日本語学習や交流の場づくりなどに取り組んでいるNPO等地域活動団体の活動を、京都丹波パートナーシップセンターや市町等と連携して支援します。

5.森の京都DMOと連携し、教育体験旅行など都市農村交流を推進するとともに、インバウンド旅行者や周遊客をターゲットとした食のツアーや農作業体験の受入れを支援します。【横断プロジェクト『食』、『自然・歴史文化』】

6.市町等と連携して「空家利活用プラットフォーム」を創設し、移住希望者に提供できる空家の掘り起こしを進めます。

7.学校の授業や地域住民等による地域学校協働活動を通じて地域の自然・歴史文化を学ぶ機会を充実させ、子どものうちから郷土愛を育みます。こうした取組により若者の流出を抑え、Uターンを促します。【横断プロジェクト『自然・歴史文化』】

(2)「子育て環境日本一」の京都丹波を実現します。

8.子育て支援団体、経済団体、関係行政機関等の参画を得て、京都丹波の子育て文化を推進する協議会を設置し、オール京都丹波で子育て支援に係る様々な課題を協議し、京都丹波が子育てしやすい地域と実感できる取組を進めます。

また、地域内の企業が、子育てに優しい職場づくりを進められるよう支援するとともに、子育て支援に積極的に取り組む企業を「京都丹波子育て応援隊企業」として周知します。

9.小中高生が乳幼児とふれあい、命の大切さや子育て、自己のライフデザインに関心を持つ機会となる学習プログラムを普及します。

また、若い世代が、子育ての楽しさや大変さを体験したり、子育て中の親の交流や、子育て支援団体の連携を促したりする「子育て応援フェスタ」を開催します。

10.発達障害児支援の専門機関である花ノ木児童発達支援センターをはじめ、市町や関係機関と連携して、身近な療育機関で専門性の高い支援が受けられる体制を構築するとともに、発達障害児支援のネットワークを強化することにより、発達障害を持つ子どもとその家族が、安心して就学期を迎えられるよう支援します。

11.幼稚園・保育所や小中学校、企業等と連携し、農作業体験などの体験型食育や質の良い地元産食材を使用した学校給食における地産地消、望ましい食習慣の形成などにより、子どもたちが「食」や京都丹波の食文化を大切にする気持ちを育みます。【横断プロジェクト『食』】

12.豊かな自然に恵まれ、魅力ある歴史と伝統を受け継ぎ、スポーツが盛んという京都丹波の強みを子育てに生かすため、子どもたちが京都丹波高原国定公園など豊かな自然を体感する機会や、佐伯灯籠、丹波八坂太鼓など地域の伝統文化を体験する場を設けるとともに、各種スポーツ大会を通じて、子どもたちの体力づくりや健康づくりを進めます。【横断プロジェクト『自然・歴史文化』、『スポーツ』】

5.交流と安心・安全の基盤づくり

基本的な考え方

  • 京都丹波は面積が広大で山間地域が多く、地域の生活や地域産業を支えるためには、交通ネットワークの整備が必要です。

平成22年(2010年)3月のJR山陰本線京都~園部間の複線化、平成27年(2015年)7月の京都縦貫自動車道の全線開通等、鉄道と道路の整備により京阪神主要都市との交通の利便性は飛躍的に向上したところですが、地域内を結ぶ道路については、引き続き整備等を進めるとともに、JR山陰本線の利便性向上を含め、道路と鉄道が一体となった交通ネットワークの整備に取り組みます。

  • また、近年、集中豪雨が多発し、毎年のように全国各地で洪水や土砂災害が発生していますが、京都丹波では、平成30年(2018年)に平成30年7月豪雨をはじめ、相次ぐ台風等により、甚大な被害を受けました。

京都丹波では、広大な山間地域と桂川、由良川の一級河川を有することから、今後ともまちづくりと一体となった河川改修を計画的に進めるとともに、急傾斜地整備や治山事業の実施など、土砂災害防止対策の推進を図ります。

  • 併せて、自然災害や感染症など、様々な危機事象に適切に対応できるよう、市町の防災部門や警察、消防等と連携した取組に加え、住民一人ひとりが安心・安全の意識を高め、地域ぐるみで危機に備える取組を促し、安心・安全な京都丹波づくりを進めます。

さらに、市町やNPO等地域活動団体、地域住民等との協働により、里山を有効活用するとともに、土砂災害の防止や水源の涵養をはじめ、保健休養の場の提供、生物多様性の保全など森林の持つ多面的な機能に着目して、モデルフォレスト活動など豊かな自然環境の保全に取り組み、住みやすい京都丹波づくりを進めます。

現状

【交通網の整備】

  • 2010年3月JR山陰本線京都~園部間の複線化
  • 2013年4月京都第二外環状道路完成
  • 2015年7月京都縦貫自動車道全線開通
  • 2017年12月新名神高速道路高槻~川西開通(箕面とどろみIC(インターチェンジ)開設)

【河川の整備】

桂川上流圏域では、100年に1回の洪水に対応する日吉ダムの完成により、浸水被害の発生回数は減少したものの、近年の集中豪雨により、浸水面積・浸水戸数ともに大きな被害が生じている。

  • 2013年の台風18号では浸水戸数366戸、浸水面積282ha、園部川堤防決壊
  • 2018年の平成30年7月豪雨では閉亀川土砂災害など

【近年の主な危機事象】

2003年5月 重症急性呼吸器症候群(SARS)
2004年2月~4月 高病原性鳥インフルエンザ
2004年10月 台風23号
2013年9月 台風18号
2014年8月 平成26年8月豪雨
2017年10月 台風21号
2018年7月 平成30年7月豪雨
2018年9月 台風21号

ア.京都縦貫自動車道からのアクセス道路の整備促進

(1)京都丹波と大都市圏を結ぶ道路を整備します。

1.阪神地域と亀岡市街地を結び、緊急輸送道路ネットワークを確保するとともに、地域産業の振興等に寄与する国道423号(法貴バイパス)の整備を推進します。

2.緊急輸送道路ネットワークを確保するとともに、地域産業の振興等への寄与や大阪方面との交流拡大が期待できる枚方亀岡線及び茨木亀岡線の整備を検討します。

3.京都市と亀岡市を結ぶバイパス等のネットワーク強化を促進します。

(2)京都丹波の交通ネットワークを整備して地域間の交流を促進します。

4.京都縦貫自動車道八木東IC(インターチェンジ)へのアクセス強化を図るとともに、地域振興に寄与する国道477号(西田大薮道路)の整備を推進します。

5.交通量が多く慢性化している渋滞の緩和を図るため、国道9号の整備を促進するとともに、国道9号下矢田交差点までの枚方亀岡線の整備を推進します。

6.幅員狭小で線形不良のため大型車の離合が困難となっている宮前千歳線、東掛小林線、南丹市内の国道372号(南八田道路)、綾部宮島線(肱谷バイパス)の整備を推進します。

7.災害時等における孤立集落の発生を防止するとともに、広域的な交流拡大が期待できる国道162号、京都広河原美山線の整備を検討します。

8.亀岡市川東地区と亀岡市街地を結び、地域振興にも寄与する亀岡園部線の整備とともに、橋りょうの老朽化が進む郷ノ口余部線(宇津根橋)の整備を推進します。

9.亀岡市街地の渋滞緩和に向け、都市計画道路である並河亀岡停車場線の整備を推進します。

10.南丹市北部地域と南丹市街地を結び、地域振興にも寄与する園部平屋線の整備を推進します。

11.JR山陰本線園部以北の複線化に向け取り組むとともに、JR山陰本線の利便性向上、鉄道駅舎のバリアフリー化、ICカードエリアの拡大等を促進します。

12.鉄道とバス・タクシーの乗り継ぎ、キス&ライド等の利便性の向上を図るため、園部駅東口駅前広場の整備を支援するとともに、園部停車場線の拡幅と無電柱化を推進します。

イ.桂川等の河川整備など災害対策の推進

(1)治水安全度の向上に向けて河川整備を推進します。

「桂川上流圏域河川整備計画」に基づき、治水安全度の着実な向上を図ります。

13.桂川の治水安全度を向上させるため、国と連携し、上流、下流のバランスにも十分配慮しながら、霞堤嵩上げ(約1m)を実施するなど、河川整備を計画的かつ着実に進めていきます。

14.園部川、千々川、東所川、雑水川、七谷川について、桂川改修との整合を確保しながら治水安全度の向上を図るため、河川改修事業を推進します。

15.閉亀川について、土砂災害から住民の生命・財産を守るため、堰堤及び渓流保全工の新設を推進します。

16.高屋川について、治水安全度の向上を図るため、浸水被害の軽減に向けて、護岸整備等の河川改修事業を推進します。

17.篠原西一谷川、上乙見川、大町谷川、谷山川、菖蒲谷川について堰堤の新設を、園部川、津の本谷川について既存堰堤の改良を推進します。

(2)災害に強いまちづくりを推進します。

18.老朽化したため池について、市町と連携し、改修やハザードマップの作成を進めるとともに、利用されなくなったため池の統廃合などを進め、災害の未然防止を図ります。

19.平成29年(2017年)、平成30年(2018年)の台風や集中豪雨により発生した山腹崩壊や土砂流出など甚大な森林災害に対応するため、被災箇所において治山事業を実施し、早期の森林復旧と人家・集落への土砂流出災害等の未然防止を図ります。

20.手入れ不足や台風が原因の風倒木、流木等の危険木を除去し、流木被害の未然防止を図るとともに、土砂の異常堆積によって防災機能が低下している既設治山施設について、土砂の浚渫を実施し、防災機能の回復と森林災害の未然防止を図ります。

21.平成29年(2017年)の雪害や平成30年(2018年)の台風21号などによる農業用パイプハウスの被害を踏まえ、倒壊防止のための補強や予防策について情報発信を進めます。

22.土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域の指定の完了をめざします。

23.天引、宍人、内林町、平松の各地区について、傾斜地等での崖崩れを防ぐ擁壁等の整備を推進します。

24.台風や豪雨等に備え、日吉ダムと下流域自治体との情報伝達網の整備と情報伝達訓練を実施するとともに、水害等に備えた自主防災組織の避難行動タイムラインの作成を支援します。

25.トンネル、橋りょうなど老朽化が進む各種インフラに対し、点検と補修による予防保全により、インフラの長寿命化を推進します。

26.交差点や橋りょう、横断歩道、道路表示板、トンネル等の照明のLED化を推進し、交通安全の充実を図ります。

27.工事説明会や見学会等を開催し、地域住民の意見を取り入れながら、道路や河川の整備を推進します。

28.府民協働型インフラ保全事業を活用し、地域に暮らす住民の視点から、身近な安心・安全につながる小規模な工事及びインフラの劣化対策を推進します。

29.小学校の授業で道路・河川等の役割の説明や、学校近くの工事現場の見学などを行い、小学生に公共施設の機能や重要性についての理解を深めてもらいます。

30.地域防災リーダーの育成や防災教室等の開催により、大規模な災害から住民が助け合って身を守れるよう、地域防災力の向上を図ります。

31.原子力災害に備え、市町や関係機関と連携した広域避難訓練の実施や避難路の整備を進め、広域避難計画の実効性を高めます。

32.南丹地域災害医療連絡会の開催や災害医療訓練の実施により、災害時における南丹地域の医療体制の強化や、災害医療の人材育成等を図ります。

33.災害時要配慮者の避難を円滑に行うため、市町における個別避難計画の作成を促進するとともに、医療的ケアが必要な難病患者や小児慢性特定疾病児童等の安全を守るため、自治会や民生委員・児童委員等支援関係者とともに個別の行動計画の策定を支援します。

ウ.暮らしの安心まちづくりの推進

家畜伝染病対策をはじめ、様々な危機事象への迅速・的確な対策を講じるとともに、自然環境の保全を図り、安心・安全で住みやすい京都丹波をつくります。

(1)家畜伝染病や有害鳥獣に対する備えを強化します。

34.府内で最も畜産が盛んな地域であるため、豚コレラや高病原性鳥インフルエンザ等を発生させないように、野生鳥獣の侵入防止など万全の衛生対策を講じます。

また、発生時に必要な資材や人員などの防疫体制を整えるとともに、現地で初動防疫を実施するスターターチーム員の訓練などを実施して発生に備えます。

35.府と市町、専門家等で「野生鳥獣被害対策診断チーム」を組織して、有害鳥獣の被害状況を分析し、集落ごとに効果的な侵入防止柵の設置方法等の対策を示した「診断カルテ」を住民に提供します。

36.市町や有害鳥獣捕獲班員と連携し、ICT捕獲檻の導入などにより捕獲者の負担軽減を図るとともに、集落の協力を得て捕獲水準を維持する地域ぐるみの捕獲に取り組みます。

また、猟友会等による食肉処理加工施設の整備を支援し、狩猟から捕獲、食肉販売までの一貫した対策を推進します。【横断プロジェクト『食』】

(2)感染症対策を推進します。

37.新型インフルエンザ等新たな感染症への危機対策として、市町や医療機関等と連携を図りながら、感染の予防や拡大の防止に向けた体制づくりを推進します。

38.高齢者施設などにおける感染性胃腸炎、インフルエンザなどの集団感染については、発生時に早期終息を図るため、発生の早期探知、施設での対策への助言を行います。また、施設職員への研修、感染症発生動向のメール配信、出前講座等を実施し、施設内の体制整備を支援します。

(3)京都丹波の豊かな自然環境を保全します。

39.天然記念物であるアユモドキをはじめ多くの生物の生息環境の保全・再生等を、市町やNPO等地域活動団体、住民等との協働により推進します。

40.芦生の原生林の植生を保全し、生物多様性に富んだ豊かな森林環境を維持できるよう、猟友会など地元関係者、京都大学、南丹市と連携し、食害の原因であるニホンジカの適正な数の捕獲を実施します。

41.森林所有者や地域住民、林業事業体、緑の少年団、企業、大学、市町等多様な主体が連携し、里山を中心に、「京都モデルフォレスト運動」を推進し、森の恵みを受けている府民みんなで京都丹波の森を守り育てます。

42.里山において、企業と連携し、放置竹林の整備を進めるとともに、伐採竹を資源として有効活用する新たな環境ビジネスモデルの構築に取り組みます。

43.府内産木材を活用した木材利用コンクール(もくもくコンクール)を実施するなど、将来を担う子どもたちを中心に広く木育を推進し、森林整備の必要性と木材利用の意義を発信します。

44.持続可能な社会の創り手を育成するため、地元企業等と連携し、小学生を対象に自然環境やSDGs(エス・ディー・ジーズ)について学ぶ体験型環境学習プログラムを推進するとともに、ICTを活用し、体験型環境学習プログラムを更に充実させます。

45.海洋ごみの原因となるプラスチックごみをはじめとしたごみの削減を図るため、市町と連携し、代替プラスチック製品の利用や3Rの取組の普及・啓発を推進します。

 

南丹地域振興計画(音声読み上げ3)に続く

お問い合わせ

総合政策環境部総合政策室

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4389

sogoseisaku@pref.kyoto.lg.jp