がんばる京の商店街&グループ(嵯峨・嵐山商店街)
〈京の商店街チャレンジ21事業から〉
広域、多彩な仕掛けで、客の滞在時間延長を目指す
嵐山商店街 副会長 細川政裕さん
今年度の助成を受けることになった経緯をお聞かせください。
嵐山商店街と嵯峨商店街を中心に嵯峨・嵐山活性化実行委員会をつくり、京都商工会議所主催で「みちづくり―あかり・灯―」事業に取り組んでいます。
昨年は嵐山商店街が受け皿となって助成をいただき、「道」をテーマにした冊子づくりや嵐山音楽祭などを行ったところ、嵯峨商店街から「今年は合同で」とのご提案がありました。
初年度はすべてのスタートラインとして道をつくっていこうとしたのですが、2年目の今年は「ともしび」がテーマ。道づくりのなかでかかえていた「夜の閉店時間が早い」という問題に対し、明かりを使って嵐山の夜の活性化を図りました。
具体的にどのようなことをなさったのですか?
9月23日の「秋の嵐山スターティングパレード」を皮切りに3日間にわたって「ZENSHIN」と題するイベントを行いました。台風や地震など国内外のさまざまな災害で亡くなられた方の鎮魂として、京都嵯峨芸術大学卒業生の荘田剛史さんらipoプロジェクトが制作した光のオブジェを渡月橋付近の桂川に浮かべました。いわば平成の大文字です。新聞の一面にカラーで紹介されるなど客観的に見ても反響はよかったと思います。
今年は助成対象事業ではないのですが会場近くで嵐山音楽祭も開催し、相乗効果で誘客を図ったおかげで渡月橋や桂川の両岸にかなりの人が集り、歩けないほどでした。
11月1日から30日には、「嵯峨・嵐山秋の行燈灯し」としてJR嵯峨駅前から中の島公園まで、高さ1.8メートルほどの光のオブジェを200本余並べました。商店街の会員の私有地を使うなどして広範囲に設置し、光の回廊を演出しました。
その他A3紙をジャバラに折った観光案内冊子も発行しました。この冊子は地図や年間行事および花の歳時記を掲載したもので、嵐山を訪れた人にリピーターになってもらうための仕掛けと位置づけていますが、今年は縦のサイズを昨年の半分にしたところ、持ち帰る人が大幅に増加しました。
さらに嵯峨・嵐山活性化実行委員会の事業のもうひとつの柱に、バリアフリーのまちづくりがあります。JR嵯峨駅前の全国手話研修センター開館を機に、各店でも手話で挨拶できるよう勉強中です。まだ使える手話の数は少ないですが、「障害のある方、どうぞお越しください」という姿勢をもつのが、嵐山のおもてなしだと考えています。
バラエティに富んだ内容ですが、ご苦労はありませんでしたか?
業者への委託事業とは違い、「ZENSHIN」では若い会員たちが自ら川の中へ入ってセッティングしましたし、「嵯峨・嵐山秋の行燈灯し」では、道路に面して設置するため、電源や杭を打つ場所の確保に苦労しました。しんどい仕事でしたが、みんなでこれをやっていこうという結束が、この事業を通して生まれ、有意義なものになりました。集団で取り組めばしんどいこともやっていけると実感できたことが大きな収穫です。
両商店街では、嵯峨・嵐山活性化実行委員会以外にもさまざまな活動をしているので、会合時間が重なったり、人手が足りないことが課題ですが、それだけ嵯峨・嵐山が元気になってきたということでしょう。
今年は他のイベントチラシの一部に「ZENSHIN」の案内を掲載させるといったリンクも試みました。これまで単体で事業展開し、宣伝も単体でアピールしていましたが、全て網羅した形で発信したほうが、お客さんにとってもわかりやすく相乗効果も狙えます。
今後、どのような展開をお考えですか?
目標は、年間を通じて恒常的にお客さんに来てもらえる体勢をつくること。嵐山の繁忙期は春の桜シーズンとゴールデンウイーク、秋の紅葉シーズンで、6月から7月にかけては一旦、客足が落ちます。この波の一番底と平均化するためにどんなしつらいやおもてなしが必要か、まだまだ勉強していかなければなりません。
そのためにはイベントの集客力や精度もあげていく必要があります。商店街の人間だけでは、まだ閑散期にイベントを行ってボトムアップできるだけの実力がないため、今は客の波が繁忙期に入る直前の右肩上がりの時期にイベントを行っています。経験を積んで、将来は閑散期にもイベントを展開できればと考えています。
嵯峨・嵐山商店街は嵐山の中心にありますが、商圏を限定せずお客さんに「鳥居本や北嵯峨まで足をのばしてみてください」と言うんです。狭い範囲だと滞在時間はせいぜい2~3時間ですが、広い範囲なら1日、さらに1泊していただければ店の前を通る回数が増え、購買につながります。また、夜の営業を延長することは滞在時間の延長になりますから、今後も夜の活性化に取り組み、来年は助成なしに自力展開できるよう頑張ります。
「まいんどKyoto」2005年12月号掲載
