がんばる京の商店街&グループ 株式会社伏見夢工房
<中心市街地商業活性化事業・京の商店街チャレンジ21事業から>
地元の商店街・企業の知恵を結集して伏見の“地域力”を高める
株式会社伏見夢工房 専務取締役 村上好夫さん
納屋町商店街振興組合 理事長 石本正宣さん
「株式会社伏見夢工房」では、全国に先駆けて斬新なまちづくりの取り組みをされていますね。
株式会社伏見夢工房は、伏見のまちが中心市街地活性化法の適用地域に決定されたのをきっかけに、地元商店街や企業、酒造会社など55社が参画して、平成 14年2月に発足した会社(同年3月に京都市よりTMO認定)です。地域の創意工夫を活かしながら、まちを活性化するためのさまざまな事業を企画・運営しています。
伏見地域には7つの商店街(伏見大手筋商店街、伏見風呂屋町(ふろやまち)商店街、納屋町(なやまち)商店街、油掛(あぶらかけ)商店会、竜馬通り商店街、柳町(やなぎまち)繁栄会、中書島繁栄会)がありますが、これまで横同士のつながりが希薄で、全体的な集客に結びつけることができませんでした。もちろん、個々の商店街の独自色を打ち出すことも大切ですが、“点”や“線”ではなく、“面”としての魅力を訴えよう…、というのが私たちの取り組みの原点です。
例えば、大好評の「十石舟・三十石船の運航」「夏の夜市」などの開催をはじめ、2年前から寺田屋前の濠川で行っている「伏見万灯流し」は新選組ブームもあり、毎回1万人以上の人出で賑わっています。また、伏見桃山城のライトアップの1日オーナーになれる「メモリアルライトアップ」なども好評で、たくさんの応募や問い合わせをいただいています。伏見夢工房が一つの“核”となって、地域力を高めていきたいですね。
伏見地域の商店街はどのように変わりましたか?
伏見地域の商店街でも空き店舗が目立つなど、活性化の課題を抱えています。例えば、納屋町商店街振興組合では大型量販店が撤退し、その跡地にマンションが建設されることになりました。マンションが建ってしまうと、街並みの景観が損なわれ、集客力が低下する危惧もあります。
そこで、商店街がマンションの1 階フロアを購入し、伏見夢工房が橋渡し役となって新しい出店者を見つけ、フロアを賃貸することにしました。まさに、“マイナス(マンション建設)”を“プラス(新規出店)”に転換するユニークな発想だったと思います。地域の力を結集して、空き店舗を解消していこうという試みは注目を集めました。
納屋町商店街では今回の教訓を活かし、商店街に面する建物の1階部分を“店舗”に限定し、景観を保存しようという取り組みを始めています。
今回の京の商店街チャレンジ21助成を活用した事業もなかなかユニークですね。
最近、地域の安全をどのように確立していくかが大きな問題となっています。
平成17年度では納屋町商店街が中心となり、皆さんに親しみのある“ケータイ端末”を使って、不審者情報や高齢者の徘徊情報、商店街のイベント情報などを無料でメール配信する「なやまちいきいき安心ネット」を、昨年12月にスタートさせました。近隣の板橋・南浜学区の住民の皆さんから、「安心して買い物ができる…」という期待の声が寄せられています。
将来的には、緊急情報だけでなく、各個店の売り出し情報や新商品の販売情報なども発信し、ケータイを見せれば割引するなどのサービスも考えていきたいですね。 まだまだ始まったばかりの事業ですが、これからもっと会員数を増やし、商店街全体の集客へとつなげたいと思っています。
今後、伏見夢工房ではどのような取り組みをしようと考えていますか?
これまでさまざまな活性化事業を推進し、伏見の商店街のブランドイメージは確実に向上したと思います。
この伏見のまちは、歴史的な文化資産と京都市南部創造のまちづくりを先導する高度集積地区が隣り合わせに立地し、不思議な魅力をもっています。今後とも、地域で暮らす私たちの知恵を活かしたユニークなイベントを行っていくとともに、空き店舗の再活用などを積極的に進めていきたいですね。
商店街というのは、百貨店と同じだと思っています。必ずしも「商店街=小売店」でなくてもいいのではないでしょうか。銀行や病院、公園(休憩所)があってもいい。たくさんの人が集まってくれるような、「便利で居心地のいいまち」を目指します。
「まいんどKyoto」2006年3月号掲載
