がんばる京の商店街&グループ 西陣千本商店街振興組合
<京の商店街チャレンジ21事業から>
新たな人材を発掘するSOHO事業
西陣千本商店街振興組合 理事長 喜多泰弘さん
西陣千本商店街振興組合は、随分歴史のある商店街ですね。
西陣千本商店街は千本通り沿いの今出川から上長者町までの約600メートルの商店街で、昭和40年代の最盛期には170~180軒の店がありました。昭和44年に組合を設立、昭和57年に組合事務所を購入しました。上立売、中立売などの地名が残るように、明治の初め頃からこの地域には立ち売りの市が出ていました。
戦前は劇場や映画館、飲食店が建ち並び、西陣織の織手さんが休日を楽しむスポットとして賑わいました。現事務所の向い側には、かつてマキノ省三氏が座主を勤めた千本座という日本映画の原点がありました。
西陣織と共に発展した商店街ですが、現在は織物業の厳しい状況の影響を受けて店舗数が減り、組合員も最盛期は50人いた青年部が、現在は10人を割っています。西陣織の道具で人形を飾る笹屋町の「つくりもの」を復活、展示するなど組合員は活気を取り戻そうと智恵を絞っており、チャレンジ21事業にも取り組むことにしました。
SOHO事業で、どのようなことをなさるのですか?
組合事務所の空きスペースを有効利用できないかと考え、1日100円で借りていただく方を募りました。
事務机にコピー機やFAXなどの事務用品が揃っていますから、大いにお使いいただいて、ビジネスの拠点にしていただきたい。その代わりに時間があれば商店街活動のお手伝いをしてもらったり、智恵をお借りしたいと考えています。
チャレンジショップのように物品を販売する店ではなく、オフィスとして使っていただくのが我々のSOHO事業の趣旨です。
昨年10 月から募集を始め、現在20代の男性が来られています。4月からは3月で退職される方の利用も決まっており、机さえあれば4人ほどは利用していただけるので、各自のビジネスをしながら、それぞれのネットワークで重なる部分があったり、SOHO事業の利用者と組合員との間でコラボレーションをしたり、そこから新しい何かが生まれてこないかと期待しています。
オフィスの提供というユニークな発想は、どのようにして生まれたのですか?
イベントは確かに集客力があるのですが、準備には時間や経費がかかります。それに、組合員だけで話していてもなかなか斬新なアイデアが出ないので、「もっと地域に還元できるものはないか」、「少子高齢化が進む中で外部の目から見た新しい発想は出ないか」と期待したのです。
当商店街は縦に長いため、北と南では町内も学区も違い、接点がほとんどありません。組合通信もあまり読まれていないのが現状で、意思の疎通が図れていないため、それを補填する意味で、事務所利用者に商店街の案内マップ作りにかかわっていただき、それを機に商店街の現状や問題点などを見て、アドバイスや智恵をいただきたいと考えています。
今年度のSOHO事業が、どのように発展していけばよいとお考えですか?
閉店した店舗がテナントとして使われるのであれば新陳代謝もあります。しかし、廃業後もそこに住んでおられるとシャッターが閉まったまま…これがうちの商店街の問題のひとつです。
今回の事業が成功すれば、同じようにオフィスとしてスペースを貸す店舗が増える可能性もあります。まずは小さなことから始めて、とにかく継続させることが大事だと思っています。ですから募集は常に行います。利用者の入れ替わりがあってよいですし、そこからこんなことだったら手伝えるよとか、仲間が集ってこんなことができるよといった提案をいただけたらと考えています。
昔は市電も通っていた幹線道路の商店街ですので、なんとか死守していきたい。そのためのチャレンジが、今まさに始まったばかりなんです。
「まいんどKyoto」2006年3月号掲載
