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特定商取引法に違反した「連鎖販売業者」に対する行政処分について

平成22年3月30日
京都府消費生活安全センター
(075)671-0030

  平成22年3月30日付けで、大学生等の若者に対して、京都府を含む複数の府県において、不当な取引行為を行っていた連鎖販売業者に対し、大阪府、兵庫県と同時に特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)第39条第1項(取引停止命令)及び第38条第1項(指示)の規定による行政処分を行いましたのでお知らせします。
  なお、本府における特定商取引法に基づく「連鎖販売業者」に対する取引停止命令は、今回で2件目です。

主な違反行為の内容

1 氏名等不明示(特定商取引法第33条の2)
  同社の勧誘者は、友人、知人に対して「夕ご飯を一緒に食べませんか。」、とメールで誘ったり、「事業者がどんなところか見学に行ってみませんか。」、と告げる等、勧誘に先立って会社名、特定負担(自宅学習教材の購入)を伴う取引についての契約の締結について勧誘をする目的である旨及び当該勧誘に係る商品の種類を明らかにしていなかった。

2 特定利益に関する事項の不実告知 (特定商取引法第34条第1項第4号)
  同社の勧誘者は、「労働と時間をかけずにお金を稼ぐことが出来ている。」、「何もしなくてもユーザーを集めるだけでお金が入ってくるので50万円位は直ぐに取り戻せる。」、「簡単なビジネス活動があり、加入して貰うだけで権利収入が入る。」等、誰でも確実に自宅学習教材の購入額以上の収入を得ることができるかのように告げていたが、実際には、誰もがそのような収入が得られるわけではなかった。

3 不適合契約 (特定商取引法第38条第1項第4号)
  同社の勧誘者は、連鎖販売契約において、知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる大学生や会社に入って間もない若年層の者等に対して勧誘を行い、支払いがすぐに出来ない者に対し、「皆も学生ローンで借りて支払って貰っている。」等と告げ、消費者金融業者を紹介して、金銭を借り入れさせる等により契約代金を支払わせていた。

4 書面記載不備(特定商取引法第37条第1項及び第2項第4号)
  同社は、連鎖販売業の概要について記載した書面(概要書面)及び契約の内容を明らかにする書面(契約書面)において、クーリング・オフに関する記載事項に不備のある書面を交付していた。 

 

行政処分の概要

 

1 事業者の概要

所 在 地    大阪市淀川区西中島四丁目13番5号
商     号  株式会社インフィニットクリエーション
代 表 者  代表取締役 田 川 亮
資 本 金    1,001万円
設   立  平成17年10月14日
従業員数 約20名
業務内容   同社会員(代理店)登録と一体となった「ソーホーマイスターアプレンド」と称する「自宅学習教材」の販売等

2 業務停止期間

    平成22年3月31日(水曜日)から平成22年12月30日(木曜日)までの9箇月間

3 取引停止命令の内容

    特定商取引法第33条第1項に規定する連鎖販売取引に関する業務のうち、次の行為を停止すること。
(1)勧誘し又は勧誘者に勧誘をさせること。
(2)契約の申込みを受けること。
(3)契約を締結すること。

4 指示の内容  

    取引停止命令期間中は、連鎖販売業に係る事業の全部又は一部を他の事業者に譲渡又は貸与しないこと。

5 参考事項

(1) 自宅学習教材(ソーホーマイスターアプレンド)の価格  699,000円 (2008年6月16日から499,000円)、 入会事務手数料 2,900円 

(2) 相談のあった契約当事者の平均年齢  22歳(全員20代)    

(3) 同社の相談件数 

 

  京都府 大阪府 兵庫県
平成18年度以前 8件 34件 7件
平成19年度 7件 14件 2件
平成20年度 4件 22件 8件
平成21年度 5件 20件 8件
合 計 24件 90件 25件

 

 

5 勧誘事例 

(事例1)
  平成21年夏、XはAから突然「夕ご飯を一緒に食べないか」とメールで勧誘目的を告げずに誘われた。
  数日後、XはAと一緒に食事をしたところ、そこでAはご飯を食べながら「ポイントサイトの「えある」のオーナーの権利を買って、オーナーとしてやっている。」、「その会社では労働と時間をかけずにお金を稼ぐことができている。」、「そこでは夢に向かって頑張っている人が多く、パワーも貰えているので一緒にやってみないか。」などといった誘いの話を繰り返した。Xはその場の雰囲気から断ることができず、誘いに応じて会社に行くことになってしまった。
  会社でXはBから「オーナーの権利を買うには50万円が必要となる。」、「現在の売り上げは1000万円位であるが、今後1億円になったらもっと収入が増えてくる。」などと説明を受け、「今度いつ来られますか。」などと、しつこく催促をされた。Xは断り切れずに次回の約束をした。
    約束の日、Xは再び会社でBに勧誘を受けたため、代理店登録する旨を告げたところ、「お金についてはサイトを運営するのに必要だから今すぐ支払って欲しい。皆も消費者金融で借りて支払っているので、今からすぐ借りに行こう。」と急にXに告げ、Xは不安で堪らなかったが、Aも「私も借りて支払っているので大丈夫。」と告げたため仕方なくBらに連れられ、消費者金融で50万円を借り入れた。
  もし、XはAからの最初のメールが「「えある」のオーナーになってみませんか。」という誘いであったら、決して応じることはなかった。
  その後、Xは受け取った書類の内容に不審を感じ、疑問点についてAに質問したところ曖昧な返答しか返ってこなかったため、同社の運営方法は怪しい、と感じてクーリング・オフすることに決めた。

(事例2)
  平成21年冬、大学生であったYは知り合いのCからメールで「サッカーの試合を見に行かないか。」と誘われ、「「えある」という業者の知り合いから無料の入場券を手に入れることが出来る。」などと教えられた。
  そしてしばらくして、Cから「今度フットサルをやるので一緒に行かないか。その前に「えある」という業者がどんなところか見学に行ってみないか。」と誘われた。
  数日後、Yは単に見学をするという軽い気持ちでCに連れられて同社の事務所に行くと、Dから、「「えある」会員になれば、明るくなって自分が変われる。」、「「えある」は1000人限定でオーナーを募集しているが、スポンサーや広告料として5億円が必要となっており、1000人で割れば一人当たり50万円になる。」、「何もしなくてもユーザーを集めるだけでお金が入ってくるので、50万円位はすぐに取り戻せるから、サイトのオーナーになってみないか。」と誘われ、Yはびっくりした。YはもしCから誘われたときに事前に聞かされていたら、同社に見学に行くことはなかった。
  後日、イベントに誘われて出かけた帰りに、Dらから契約をするよう勧められ、結局契約を締結し、翌日にはしつこく言われていたので代金を工面して振り込んだ。
  しかしその後、Yは友人を勧誘することに抵抗を感じ、「辞めたい。」と申し入れたが、Dらから、「50万円位はすぐに取り戻せる。」などと言われ、仕方なく同社のセミナーに誘われて参加した。セミナーではオーナーの集め方と称して、「「えある」はこれから絶対に流行ってくる。」、「社長は30歳代で年収5億円位はあるので、人を誘うときはそのことを話すだけでも人は必ず食いついてくる。」等の説明やサイトの会員の集め方の説明が繰り返しなされた。
  しかしYは同社の運営に疑問を抱き、辞めたいと思ったため、クーリング・オフをすることにした。 
 

(参考:条項の関連部分のみ抜粋)

特定商取引法
(定義)
第33条 この章並びに第58条の7第1項及び第3項並びに第67条第1項において「連鎖販売業」とは、物品(施設を利用し又は役務の提供を受ける権利を含む。以下同じ。)の販売(そのあつせんを含む。)又は有償で行う役務の提供(そのあつせんを含む。)の事業であつて、販売の目的物たる物品(以下この章及び第58条の7第1項第1号イにおいて「商品」という。)の再販売(販売の相手方が商品を買い受けて販売することをいう。以下同じ。)、受託販売(販売の受託を受けて商品を販売することをいう。以下同じ。)若しくは販売のあつせんをする者又は同種役務の提供(その役務と同一の種類の役務の提供をすることをいう。以下同じ。)若しくはその役務の提供のあつせんをする者を特定利益(その商品の再販売、受託販売若しくは販売のあつせんをする他の者又は同種役務の提供若しくはその役務の提供のあつせんをする他の者が提供する取引料その他の主務省令で定める要件に該当する利益の全部又は一部をいう。以下この章及び第58条の7第1項第4号において同じ。)を収受し得ることをもつて誘引し、その者と特定負担(その商品の購入若しくはその役務の対価の支払又は取引料の提供をいう。以下この章及び第58条の7第1項第4号において同じ。)を伴うその商品の販売若しくはそのあつせん又は同種役務の提供若しくはその役務の提供のあつせんに係る取引(その取引条件の変更を含む。以下「連鎖販売取引」という。)をするものをいう。

(指示)
第38条 主務大臣は、統括者が第33条の2、第34条第1項、第3項若しくは第4項、第35条、 第36条、第36条の3(第5項を除く。)若しくは前条の規定に違反し若しくは次に掲げる行為をした場合又は勧誘者が第33条の2、第34条第1項、第3項若しくは第4項、第35条、第36条若しくは第36条の3(第5項を除く。)の規定に違反し若しくは第2号から第4号までに掲げる行為をした場合において連鎖販売取引の公正及び連鎖販売取引の相手方の利益が害されるおそれがあると認めるときは、その統括者に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。

(連鎖販売取引の停止等)
第39条 主務大臣は、統括者が第33条の2、第34条第1項、第3項若しくは第4項、第35条、第36条、第36条の3(第5項を除く。)若しくは第37条の規定に違反し若しくは前条第1項各号に掲げる行為をした場合若しくは勧誘者が第33条の2、第34条第1項、第3項若しくは第4項、第35条、第36条若しくは第36条の3(第5項を除く。)の規定に違反し若しくは前条第1項第2号から第4号までに掲げる行為をした場合において連鎖販売取引の公正及び連鎖販売取引の相手方の利益が著しく害されるおそれがあると認めるとき、又は統括者が同項の規定による指示に従わないときは、その統括者に対し、一年以内の期間を限り、当該連鎖販売業に係る連鎖販売取引について勧誘を行い若しくは勧誘者に行わせることを停止し、又はその行う連鎖販売取引の全部若しくは一部を停止すべきことを命ずることができる。