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着物ショーの出演に応募したら長時間勧誘されて和服を買うことに

事例

新聞で着物ファッションショー出演者募集の広告を見て、娘と2人で応募した。オーディションに行くと「着物を着る機会が少ない今日、その場を提供したい」という、ショーの説明がされた。後日、合格通知がきて、説明会とリハーサルに行き、いよいよ本番の日を迎えた。

ショーの開幕まで3時間勧誘が続いて

ショーが始まる3時間前に集合し、受付を済ませると会場に入った。ショー会場といっても実際は展示会場で、担当者という人2人が「帯を買うと着物がつくので得だ」などとあれこれ勧めだした。なんだかんだと3時間近く勧誘され、結局、疲れ果ててしまい留袖と袋帯などを30万円で購入する契約をしてしまった。この間、一緒にショーに出る人は次々と準備に呼ばれ、最後の方になってきた。結局準備に入ったのは直前で、10分ぐらいで着付けメーク等をし、それからは何をしたのか分からないほど急がされて本番に入った。
帰宅して冷静に考えると、娘と記念にと思って応募したものが、欲しくもないものを買うことになり、何とか解約できないものかとセンターに相談した。


消費生活安全センターに寄せられる和服に関する相談は、年間平均50件(2008年~2018年)で推移しています。通常の呉服店での購入トラブルよりも展示(販売)会での購入に関する相談が多く、この事例のように展示会でのショーや販売員として応募した人に執拗に販売するというトラブルも後をたちません。

展示会ではクーリング・オフできない場合も

特定商取引に関する法律では、自ら<営業所等>へ出向いて結んだ契約は、特定商取引に関する法律による契約とはなりません。この場合の<営業所等>には、通常の店舗だけではなく、展示会のような一定期間(最低2日~3日以上)商品を自由に選べるよう陳列して店舗に類する販売施設を有しているものも含まれます。したがって、展示会に出向いて契約した場合は、通常の店舗での買い物と同じく特定商取引に関する法律の適用はなく、クーリング・オフなどできないことになります。

販売目的を隠したりするとアポイントメントセールスに

一方、営業所等に出向いた場合でも、業者が販売目的を明らかにしなかったり、「あなたは特に選ばれたので安く買える」などと言って呼び寄せられたような場合は、アポイントメントセールスといい、訪問販売の一種となります。この事例の場合も、販売目的を隠したアポイントメントセールスではないかと考えられます。

販売目的を雇用の形を借りて隠していると考えられる場合も

ショー参加以外にも、展示会での販売アルバイト等に応募した者に対し強引な勧誘がされる場合もあります。事業者がその従業員に対して行う販売行為は特定商取引に関する法律が適用されないことになっており、このような場合が該当するかどうかが問題となります。個々の事例の実態に応じて考えていくこととなりますが、雇用の形を借りつつ実は販売目的を隠したアポイントメントセールスとして特定商取引に関する法律の対象となる場合もあるでしょう。

ただし、消費者がクーリング・オフを主張しても、業者側が最初から売る目的などなかったなどと反論し、簡単には解決しないこともあります。展示会などのアルバイト中の商品購入については、このような微妙な問題があることを知っておく必要があります。この事例の場合は、アポイントメントセールスとしてクーリング・オフ通知を出すことを助言したところ、業者がクーリング・オフに応じて、解約することができました。

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