ここから本文です。

「成年年齢の引下げで変わること」について

★NHK
きょうは「成年年齢の引下げで変わること」について、お話しいただきます。
大人といえば今は20歳ですが、民法が改正されて、成年年齢が引き下げられることになったと聞いています。成年に達すると、未成年のときと何が変わるのでしょうか。

☆相談員
2022年4月から成年年齢が20歳から18歳に引下げられることになりました。改正によって変わることは、たとえば結婚できる年齢は男女ともに18歳以上となること、未成年者契約の保護が18歳になるとなくなることが大きいです。一方、成年年齢が18歳になっても、飲酒や喫煙、競馬などの公営競技に関する年齢制限は、これまでと変わらず20歳のままです。健康面への影響や非行防止、青少年保護等の観点から、現状維持となっています。

★NHK
飲酒や喫煙、競馬などは20歳のまま、ということですね。
未成年者契約の保護がなくなると具体的にはどのような影響がでるのでしょうか?

☆相談員
消費者被害が低年齢化するのではないかと危惧されています。
成年に達すると、親の同意を得なくても、自分の意思で様々な契約ができることになります。例えば、携帯電話を契約する、一人暮らしをするための部屋を借りる、クレジットカードをつくる、高額な商品を購入したときにローンを組むなどです。お小遣いの範囲を超える高額な契約などの場合、未成年者は親(親権者)の同意が必要ですが、成年に達すると、親の同意がなくても、こうした契約が単独でできるようになります。そして、いったん合意した契約は簡単に取り消すことはできなくなります。

★NHK
成年になると様々な契約が一人でできる、そして、いったん結んだ契約は簡単に取り消すことができないということですね。未成年の若者が親の同意を得ずに契約をしてしまった場合はどうなるのでしょうか。

☆相談員
未成年者が親の同意を得ずに(金額の大きな)契約をした場合には民法の「未成年者取消権」によって、その契約を取り消すことができます。しかし、成年年齢が18歳に引下げられることで、18歳、19歳の方はこれまでのような未成年者取消権を行使できなくなってしまうのです。

★NHK
成人した若者は、未成年者契約の取り消しができない、ということですね。実際に消費者被害が低年齢化するのでしょうか?

☆相談員
実際に全国の消費生活センター等に寄せられた若者の消費生活相談でも、15歳から19歳の相談件数に比べ、20歳~24歳の相談件数は約2倍となっています。

★NHK
成人した若者からの相談では2倍に増えるのですか。
社会経験に乏しく、保護がなくなったばかりの若者は狙われやすいと言うことですね。

☆相談員
そうなんです。若者は社会経験や知識が乏しいためにトラブルに巻き込まれることも多いものです。消費者トラブルに遭わないためには、未成年のうちから、契約に関する正しい知識を学び、ルールを知った上でその契約が本当に必要なのか、よく考え、判断する力を身につけておくことが大切です。

★NHK
契約を結ぶかどうかを決めるのも自分なら、その契約に対して責任を負うのも自分自身になる、ということですね。そうなると大人になるための契約知識などの、若者に対する教育や啓発が必要ですね。

☆相談員
そのとおりです。京都府では、教育委員会と連携し、府内の全ての高校生が消費者教育を受けられるよう取りくんでいます。私たち消費生活相談員も府内の高校や中学校で出前講座を実施しています。また、消費者教育の新たな担い手として大学生ボランティア「京都府くらしのヤングリーダー」も養成しています。

★NHK
大学生ボランティアが消費者教育の担い手となるのですね。「くらしのヤングリーダー」はどのような活動をされているのでしょうか?

☆相談員
主に、小学校や大学で出前講座を実施していますが、今回、成年年齢引下げを見据えたイベントを京都府と一緒に企画・運営してくれています。

★NHK
イベントの企画・運営もするんですね。それはどのようなイベントですか?

☆相談員
12月14日(土曜日)午後1時から「成年年齢引下げを考える in KYOTO ~若者の消費者被害を防ごう~」と題し、KBSホール(京都烏丸丸太町)にて公開生放送によるトークイベントを実施します。
くらしのヤングリーダーが自分たちのような若い世代に消費者被害の事例を紹介しながら、大学の先生や吉本芸人の方と一緒に解決方法などを話し合うトークセッションです。
申込不要、無料で参加いただけますので、是非、お気軽にお越しください。

また、困ったとき、おかしいなと思ったときには、あきらめてしまうのではなく周りに相談することが大事です。おかしいなと、思ったら早めに最寄りの消費生活センターなどにご相談いただきたいと思います。

お問い合わせ

文化生活部消費生活安全センター

京都市南区東九条下殿田町70 京都テルサ西館2階

ファックス:075-671-0016

kyo-shohisen@pref.kyoto.lg.jp