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「きょうと食育シンポジウム2008」を開催しました。

開催の趣旨

「農業体験等体験型の食育を通じ、『食』を選択する力を体得させる」ことの大切さを実践例を通じて普及する。

日時

平成20年11月24日(振替休日・月曜日)午後1時30分~4時

場所

京都市アバンティホール

来場者

約150名

 内容

(1)基調講演

テーマ:食農教育を通して「食べること」は「つながること」に気付く子どもたち
講 師:舘岡真一 氏(上越市立高志小学校教諭)
   <2007年度「地域に根ざした食育コンクール」において最優秀賞を受賞>
資料( PDFファイル ,2MB)
 

  • 子供たちが、食べるということを自分の問題としてとらえて、頭と心で考えられるような学習ができないかと思い、総合的な学習「いただきますのために」として米の栽培と豚の飼育を行った。
  • 米作りでは田起し、代かき、田植え、草取り、稲刈りなどの作業を自分たちの手で体験し、その米を文化祭で販売した。
  • 豚の飼育では、出荷する1ヶ月前から、自分たちが育てた豚を自分は食べるかという問題について一人一人が考え、友達や保護者と話し合いながら「食べること」「生きること」について考えを深めた。 
  • 「上越の御馳走」に取り組んだ。「自分たちのふるさとの味は何か」という課題に対して家族や地域の人に月毎の御馳走を聞き取り、主となる食材を路線バスや電車を乗り継ぎ、自分の足で農家を訪問して購入するという正に御馳走(走り回って食材を集める)の活動を行った。
  • 地域とのつながりを密にし、子どもたちは、「地域のみんなから支えられて学習している」という気持ちが芽生えてきた。
  • 頭の理解だけで行動が伴わないことがあるが、子どもの変容を焦らずに待つという教師の姿勢が必要である。

(2)パネルディスカッション

テーマ:進めよう!子どもへの食育 -農業体験で子どもたちが得るもの- 
コーディネーター:勝野美江 氏(前 農林水産省消費・安全局 消費者情報官補佐)
パネリスト :舘岡真一 氏(上越市立高志小学校教諭)
        伴 亜紀 氏(宇治田原町立保育所栄養士)
        四方美代子 氏(前 きょうと女性農業委員の会会長)
        木曽布恭 氏(京都府PTA協議会副会長)
資料( PDFファイル ,1MB)

 

<舘岡 氏> 

  • 子どもたちに農業体験をさせる際、最初に子供たちが共通理解できる目標を立てるということが重要。教師からの押し付けではなく、自分たちがみんなで決めた目標に対しては、みんなが頑張る。
  • 教師が幾ら力説するよりも、農家の方が米づくりの話をした方が、よっぽど浸透する。教師の仕事は、子どもを変えることではなくて、子どもたちを変えてくれる人を探して出会わせればいいんだというふうにも考えられる。教師が子どもを変えるのではなく、子ども自身が自分たちでいろいろと感じ、自分たち自身で変わっていくものだと思っている。
  • 子どもというのは安定した環境の中で自分の力というものを発揮できる。その心の安定を子どもたちに持たせるのに、農業体験とか総合的な学習で思いっきり心と体を解き放って田んぼに出かける、川に出かける、森に出かけるということはとても重要。そうした安定した環境で学んだ子どもたちだからこそ学力もしっかり身につくと思う。

<伴 氏>

  • 地域の方と密着をしながら食農教育をしている。農作業も地域の方に手伝っていただき、指導をしていただきながら農作業を進めている。
  • 日常生活である保育の中の「食」として様々な取組みを進めている。
  • 地元の農家の方が、「今日、この野菜とれたから使って」と持ってこられることがある。そうした食材等の都合により献立を急遽変更する場合がある。

<四方 氏>

  • 農から食につなげていくことを大切なことだと思い、農業塾を継続して行っている。冬野菜のお漬物を漬けたりしている。
  • 専業農家として、安全で安心なものを消費者に届けられるよう長く農業を続けていきたい。
  • 日に一度も御飯食べてない子が多く、その子どもたちに何か日本に昔からある食べ物を伝えたいなと思い、体験活動を始めた。

<木曽 氏>

  • 朝食を毎日きちっと食べている子どもほど学習習慣も身についていて、よい成績につながっているという調査結果がある。京都府PTA協議会では「早寝、早起き、朝ごはん」というテーマで様々な取組を進めている。
  • 一緒に食べるという行為、そして感謝して食べるという行為、食を通じたコミュニケーションは、子どもにとって、どんな教科書よりもすばらしい生きた教材であると思う。
  • 少年野球でも、プロ野球OBなど本物の人の言うことは、子どもはよく聞いてよく吸収する。食についても、本物の味、生産者の苦労など教えられるような本物の食育が必要であると思う。

<勝野 氏>

  • 各パネリストの話で共通するのは、何かに取組むには、同じ気持ちをみんなが持つということがとても大事だということ。
  • 子どもたちが変わることで大人も変わることができる。私たち大人は、子どもたちを育てているのではなく、育ちを助けてるという意識が大事だと思う。当たり前であるということが当たり前じゃない環境に今の子どもたちは育っていて、今後もさらに食育の活動を進めていく必要がある。

アンケートの主な意見

  • 食は1番大切なことなのにおざなりにされがち。家庭が基本であるが、保育所、幼稚園、学校、地域、行政がネットワークをつくり子どもたちを育てることが重要。
  • 実感させることをベースに教師や親の押し付けではなく、子どもたちの自発的な行動で実践されていることに感動し、とても参考になった。目標を共有することの大切さ、おいしいと思う気持ちになれる環境づくりが必要というメッセージを受け取ることができた。
  • 食べ物を「作る」ことと「食べる」ことに連続性を持たせて教育を行うことが効果的であることがわかった。
    シンポジウム講演録( PDFファイル ,122KB)